モータースポーツ

2014:SUPER GT第1戦 岡山国際サーキット

2014シーズン マクラーレン
2014年04月15日

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SUPER GT第1戦 岡山県 岡山国際サーキット

昨年日本初登場の「MclarenMP4-12C」、今シーズンはペトロナスのエンジンオイルのブランド名を冠した「シンティアム・アップルMP4-12C」とマシン名も改め2シーズン目を戦う。
2014年仕様にアップデートされたものの、変更点は僅か。
しかしレースを戦う上で、最も重要な信頼性は格段に向上し、最大の戦闘力アップとなるだろう。
直前の富士テストでも2番手タイムを出すなど、素晴らしいパフォーマンスを披露した。
無論、高速サーキットの富士スピードウェイと、開幕戦の舞台となる、ここ岡山国際サーキットではキャラクターが異なる為、そのまま同様のパフォーマンスを発揮できるとは限らない。
だがこれまでの3回のテストで得たデーターは、昨年の開幕戦にから比べれば格段に豊富であり、スタート位置は前。
一新したカラーリングと共に、再スタートするチームにご期待ください。

4月6日(土) 練習走行 / 晴れ

2014年開幕戦の公式セッション、最初は100分間の500・300混走+10分間のそれぞれの占有走行となるプラクティス。
午後から雨予報の曇り空からは、まだ雨はなくプラクティスはドライコンディションで始まる。
計測7周をこなした加藤選手、ベストの1′28″301は3番手タイム。
バランスのとれたセッティングを確認し、高橋選手に交代。
途中2回のピットインを挟みトータル30周を連続でこなした高橋選手、30~31秒台の走行で、ベストは30″493。
レースラップとしては全て30秒台でまとめたい・・・その為には29秒台は出しておきたいところだ。
セッション最後、300占有時間は、加藤選手によるNEWタイヤでの予選シュミレーション。
今日の低い路温(7~8℃)においての、タイヤのウォームアップ、そして最高のグリップを発揮するタイミングを計る。
結果、ベストタイム27″909で、7号車(BMW)、31号車(プリウス)に続く3番手!!
まずまずの好タイム。しかも両ドライバー、まだタイムUP可能だ。

4月6日(土) 予選 / 晴れ

午後2時からのQ1予選、予想された雨の心配はなさそうだ。
このQ1予選での上位13台がQ2予選に進出でき、上位グリッドを争う権利ができる。
Q1には加藤選手が出走。
殆どのマシンがコースインを終え、アタックも始まった、セッション開始から5分後、ゆっくりとピットを離れる。
4周のウォームアップの後、アタックタイムは、27″288!!ベスト更新の4番手タイム。
Q1突破は確実とするも、1周のクールダウン・・・そしてラストアタック!!
だがこれは不発、タイムUPならず15分のセッション終了。

続く500のQ1、そして10分間のインターバルの後、高橋選手によるQ2予選開始。
12分間と短くなるので、開始と同時にコースイン。
計測3周目には29″385!高橋選手ベスト更新。
そのまま連続アタックに入り、4周目29″042と再びベスト更新!!
しかし並みいるプロドライバーひしめくQ2予選、やすやすと食い込むことはできず、11番手タイムとなるも、予想以上の好タイム。
もっともトップグループは更に予想以上の驚速タイムとなったが(31号車、4号車のトップ2台は26秒台)・・・。
マシンは、ここまでもノントラブル、絶好調。
加藤選手も絶好調。
高橋選手も更に高みを目指し、絶好調。
全てがうまく噛み合えば、初戦からポイント獲得、決して難しいものではない!!

■予選後のコメント
■高橋選手「 カトちゃん調子いいけど、俺だけだわ!問題は馬鹿野郎!!(笑)以上です。」
■加藤選手「 テストから、いろいろセッティングを見直して、車を持ち込んだんですけど、やっぱり良い方向に来てまして、なおかつ車のパフォーマンス自体が上がっているので、逆にこちらの予想以上に車の調子がよかったです。苦手な岡山で、これだけの速さを見せつけることができたので今年は今週の光が見えてきてきたのかな~と、個人的に思ってますけど、まずは明日のレース、しっかり走りきってポイント獲得したいと思います。」
■渡邊エンジニア「 一番じゃなかったんですけど、内容的なよかったかな・・・加藤選手が練習走行で3番手・・予選(Q1)で4番手だったんですけど・・・・今年は・・・去年の話をすると、車にトラブル続いて熟成が進まず、それに伴ってタイヤのテストもできずに1年間終わってしまったんですけど、今年に関しては、トラブルはなかったわけではないですけど、ちゃんと走って、速さを煮詰める方向に2回のテストでちゃんとできている。さらにタイヤの種類等で、さらにマッチしたものが、早い段階で使う事ができたことも関係して、去年のスタートから比べるとかなり高い位置から走る事がで来ていると言う印象があります。セットアップ自体、また車そのものとしては、大きな変更がないんですけど、タイヤとのマッチングとか、車のソフトウェアシステム関係のアップグレードがあって、バランスよく走れてるかなと・・・。タイヤのチョイスの問題とか、いろいろあるんですけど、比較的バランスよく、加藤さんも高橋さんも乗れてるんで・・悪くないかなぁと思ってます。正直自分のイメージとしては、予想よりもいい感じでしたね。特に加藤さんなんかに関してぁw)€ヘ・・・チョッとトップの二台はずば抜けて早い感じですけど・・・同条件で走っても、多分近くまでは行けそうなんで、パフォーマンスとしては、想像以上の感じで迎えられたなと思ってます。後はレースをうまくまとめて結果を出したいな・・・イヤ、出して開幕戦を終えたいと思います。」

4月7日(日) フリー走行 / 晴れ

今日も雨予報・・・どこで、どの程度降るのか?
決勝レースを左右する事になるのか・・?

午前9時から30分間のフリー走行、コースコンディションは未明の雨は上がって所々ウェットパッチが残るものの、ドライ、スリックタイヤでいけるだろうと準備、セッション開始を待つ。
ところがセッション開始と同時に雨・・・というよりアラレ?雹(ひょう)の類がバラバラと降ってきて、既にスリックでアウトラップ出た加藤選手、とても話にならず1周でピットイン、ウェットタイヤに履き替え再スタート。
その後、違うレインにも履き替え10周ほどラップ、1′39″949のベスト。
その時点では5番手タイムとなり、その後ピットワークシミュレーションを兼ね、高橋選手に交代そのままレインタイヤで送り出す。
雨も上がり徐々にコースコンディションも回復、スリックに履き替えタイムアップ(33~34秒台あたりまで・・)するチームもあるが、2号車は、特に今このコンディションに合わせ込むことはせずフリー走行は終了。
このセッションは17番手タイムに留まるが、あえてここで無理をしてでもウェットコンディションに合わせ込むか?どうか?各チームのスタンスは様々な為、あまり意味のあるタイム、順位とはならず、この後、ほぼドライコンディションとなったサーキットサファリの方がより比較できるタイムとなる。
サファリバス退去後のフリー走行ではトップ7号車(BMW)が1′28″291と唯一の28秒台。
サファリセッションは高橋選手のみがドライブし、32″279の13番手。
レースラップとして32秒台は申し分ないタイムであるが・・・。

4月7日(日) 決勝レース / 晴れ

午後2時からの決勝レース。
今シーズンはスタートの手順が変わった。
これまで、定刻にフォーメーションラップをスタート、1周し隊列に問題なければそのままローリングスタート(F1の様にグリッドに全車一旦停止してからのスタートではなく、走りながらそのままスタート)となる。
だが今シーズンは、フォーメーションラップの前に1周ウォームアップランとして、1周追加された。
これは、今シーズン新型車両となった500クラスに使われているカーボンブレーキが、冷間時には極端に制動力が落ちる為危険ということで、ブレーキに熱を入れる為である。
カーボンブレーキは、300には関係無いが、スタート時のタイヤ(ひいては予選に使用するタイヤ)選択には多少なりとも影響する。
ハードタイヤにも熱が入り、レース序盤でのソフトタイヤの優位性が薄れる事にもなる。
また常に目一杯の燃料を積んでスタートに臨む2号車にとって、僅かとはいえ1周分の燃料は痛い。

そうした悲喜こもごもの開幕戦がスタート。
まずウォームアップランがスタート、1周の後、SC(セーフティーカー)先導でフォーメーションとなり、その1周後レーススタート・・・と思いきや、500の隊列が整わず、SC先導のフォーメーションラップがもう1周。
我々は予選、決勝共、低い路温を想定しソフトタイヤを選択したこの開幕戦だったが、ソフトタイヤのスタート直後の優位性は殆ど無くなった・・。

加藤選手のドライブでレーススタート!!
1,2コーナーを無事に抜け、アトウッドコーナーまではポジションをキープ、だが裏ストレートに入ると、激しい攻防戦!!
左斜め前を行く88号車(ランボルギーニ)との間に割って入ってきた10号車(メルセデス)、3台並んで駆けるストレート、右半身がグリーンにはみ出す!!
それでもアクセルを踏み続けるが、ややスピードが鈍り先行を許し12番手で右ヘアピンを抜ける。
続く左リボルバーコーナー立上りで先行グループ(500クラスだった)の1台がスピン、ノーズが右側を向きコースをふさぐ形でストップしたが、レースに復帰しようとコースを横断する形となる。
後続車はそれを回避しようと、動きが乱れる!!
加藤選手もラインを左に外したが、直前のマシンが急減速!!
追突は免れたが、大きく失速し61号車(BRZ)、86号車(ランボルギーニ)2台に先行される。
左バイパーコーナーを抜け、短いストレート途中で5号車(GT-R)にも先行される。
インフィールドで、密集する中団グループにレコードラインを奪われ、アウトラップは15位!

10位前後までのグループは29~30秒台で逃げ、それ以降の中団グループは31~32秒台。
5周を終え、変わらず15位の加藤選手2号車は、トップから17秒差。
11位から16位の5台が3秒以内の団子状態。
抜きどころの少ない、ここ岡山では、オープニングラップでのポジションダウンは挽回が難しい。
やっとポジションが上がったのも、ペナルティによるドライビングスルーや、トラブルで後退したマシンによるもので、13周目14位、14周目13位へと上がり、オープニングで抜かれ、ズッとすぐ前を行く5号車をパスし12位へと上ったのは、18周目。
ところがその頃になると、雨・・・朝と同様にアラレ?雹(ひょう)らしき物が降ってきた。
タイムも各マシン47~49秒台へとガックリとペースが下がるが、タイヤ交換にピットに入るマシンは無い。
今の周回では、一人のドライバーの規定周回オーバー(一人3分の2以上の走行は違反)となってしまう為だが、この雨は各チーム、直ぐに止むと判断。
案の定、雨は3~4周だけで、22周を過ぎると再び35秒台、翌周には32秒台となり路面コンディションは回復していった。
トップグループはこの雨に乗じて順位が入れ替わり、またトラブルで後退したマシンも有り、2号車加藤選手は20周目11位、23周目10位へと上がる。
30周を過ぎると前を行くマシンが32~33秒台と落ち込み始める中、加藤選手は燃料が少なくなった今、温存したタイヤを使い切るべく31秒台へとペースを上げる。
ルーティンピットも始まり、見かけの順位が上がるが、実際の順位も上がっているだろ。

ところが、10周毎にチェックしている燃料消費が、予想より悪い事が判り、フォーメーションラップが1周増えた事と相まって、予定周回よりも早い45周目、見かけ上3位でピットイン、高橋選手に交代。
タイヤ4本交換、給油時間は残り周回も増え、予定していたより長くなってしまい、8位でレースに復帰。
だが、後方3秒以内に3台が迫り、内2台は既に十分タイヤに熱は入っている。
タイヤの温まらないアウトラップでこれらを抑える事はできず、46周目10位となる。
翌周には34秒台へとペースを上げた高橋選手だが、その後も34~35秒台とペースが上がらない。
54周を過ぎた辺りからようやく33秒台へと安定してきたが、既に順位は12位。
57周目の32″911をベストに、再び33~34秒台へとペースが落ちる。
コ-ス幅が狭く、抜きどころが無いここ岡山サーキット、500クラスを先行させる際に、ラインを譲るとまでは行かなくとも、後方を警戒し慎重にならざるを得ない。
こうした時にペースが落ちるようだ。
500にオーバーテイクされない62周目には32″882のベストタイム、翌63周目も32″940をマークしている。
レースも終盤になり、タイヤカスも増えた、荒れたコースでも32秒台のレースラップとして十分なタイムである。
トップから3周遅れの74周、14位でゴール。
このマシンにとって、SUPER GT全サーキットで(多分)不得意と思われる岡山開幕戦、無事完走。
エンジニア曰く、リザルトはともかく、開幕戦をきっちりノントラブルで走り切れた事で得られるデーターは重要で、即、次のレースに活かせる。
またアマチュアドライバーの高橋選手にとっては、実戦レースでのマイレージはプラクティス、テストでの走行の何倍も効果的。
次戦富士は「MclarenMP4-12C」の得意コース。
5月初めはまだ気温は低く、十分なパフォーマンスを発揮してくれるだろう。
■決勝レース後のコメント
■高橋選手高橋「毎回同じコメントだもんなぁ。他にいうことねーのかー!(笑)」加藤「ちゃんと走れたと思いますよ。レースは・・」高橋「車的にはね・・。」加藤「クルマ的にちゃんと走れたんだから、高橋さんも学ぶところが絞れたんじゃないですか。」高橋「ちょっとよくわからんくなってきたなぁ。どうすりゃいいんだろう?。」
■加藤選手「 例年以上にローリングスタート(の周回)が多くて・・・スタートがもっと混乱するかと思ったんですけど、(300はスムーズだったのに)500の混乱に紛れてしまって・・・うちは逆に黄旗を守っていたら、順位落ちちゃったんですけど・・・まぁそこは言ってもしようがないんですけど・・・そこからレースを進めていって、1台1台パスするのに、ここのコースは抜きずらいので時間が掛かりましたね。日本のSUPER GTのレースで、マクラーレンが本当にアップデートされて初めてのレース、ちゃんとデータが取れたので、一番苦手なコースと言われた中では、それなりにまとまったてたのかな・・・レースの流れの中で損したというのが有ったんですけど、これは貴重なデータが取れたので、次戦以降をもうちょっと決めていきたいと思います。」
■渡邊エンジニア「 一言で言うと、車の速さがまだ不十分だったかな~という点と・・・ただ加藤さんのラップタイムを見ていると・・・トップグループの・・・正直トップ3台、BMWの2台とメルセデス1台・・チョット抜けて速かった・・まだそこまでのレベルの速さには到達してないので、なんとかしないと・・と思います。それらを除いた部分では物凄い接戦で、ラップタイムも今日は30から31秒台でトップテンを走っています。その範疇では加藤選手も走れてたんですが、・・ただホント、ヨーイドンした1周目、500のクラッシュを避ける為、ちょっと減速したんですけど、その時にドドドと、順位を落としてしまってですね。そうするとここのコース、非常に抜きにくいので、結局抜けずにダラダラと周回を重ねてしまって、トップグループと離れてしまったんです。結局ピットインまでに本来であれば、ある程度トップグループに食らいついて、高橋選手に代わると言う作戦がスタンダードなんですが、それをすることもなく・・・することができず、終わっちゃったかなぁと・・・。高橋選手に関してはアンダーステアが後半きつかったと言う話だっ・u桙スんですが、加藤さん自身は車のバランスは問題はないと言っていたんで、多分路面の変化が大きく出たんじゃないかなぁ・・・。それに対してドライビングがアジャストできなかったんじゃないかなぁと思うので、それはドライバーさんにもう少し頑張ってもらって、あと僕らとしては速い車と、速いタイヤを見つけて次のレースに臨みたいなと思います。 ただ、去年1年通じてノントラブル、ノンクラッシュで全てが終わったというのは、多分今回が初めてだと思うので、非常にたくさん得るものがあったのでチームとしては・・結果はおもわしくなかったんですが、内容はネガティブじゃなくて・・・次のレース富士は、テストで好結果なアイテムが色々あるので、それを盛り込んで、乗り込んで行きますので期待してください。」

画像はFacebookアルバムで・・・。