モータースポーツ

2006年SUPER GT 第9戦速報!

ニュース
2006年11月06日

SUPER GT第9戦は、11月4・5日静岡県、富士スピードウェイで行われた。


第8戦オートポリスをパーフェクトレースで終え、ポイント27点が加わり、一気にドライバーズランキングトップに躍り出た、「プリヴェチューリッヒ紫電」高橋、加藤組。
しかしその代償としてウェイトハンディは更に加わり、合計100kg!と300クラス最高である。
結果チャンピオン争いも、「プリヴェチューリッヒ紫電」2号車、7号車RX7、61号車VEMAC(ヴィーマック)の3台に絞られ、最終戦を富士をむかえる。
 3日フリー走行では、流石に100kgのウェイトが効き、5月第2戦の時の“勢い”は無く、牙を2、3本抜かれてしまったがタイムは1′43″461と8番手。しかし他のチャンピオン争いの2台は、と言うと7号車は85kg、61号車は70kgと言うクラス2位、3位のウェイトに苦しみ、それぞれ14、15番手と下位に沈む。

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ハンディウェイト100kg!累積だと105kgだが、300クラスの上限は100kg。これは相当効く。

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高速サーキット富士用に細かな部分を改良を加え乗り込んだ最終戦。

 このレースウィーク、朝晩パラッと雨が降ったようだが、走行セッションでは、今日の予選もくもり空だが、雨の心配なさそうだ。。
この最終戦はポールポジション等、予選順位によるポイントは無いが、(レースファステストも同じく)グリッド位置、特に7号車、61号車より前にいる事は重要だ。昨日のタイムからではスーパーラップ、(以下「SL」:1回目予選上位10台による1台づつのタイムアタック。これによりスターティンググリッドを確定する)に進出できるかどうかは微妙なだが、ジャンプアップの為にもSL進出は果たしたい。
 その1回目予選、開始後約8分まで他車のタイムを充分確認。加藤寛規選手がスタート。計測2周目で1′43″048の4番手タイム。しかしその後他のマシンもタイムアップ。20分間の300専有時間が終わる時には9番手に落ちSL進出は微妙な状態となり、500との混走セッションで様子を見、更なるタイムアップを計る。その為まずは高橋選手が3周程計測し基準タイムをクリア。加藤選手に交代、NEWタイヤを装着し待機。ところがこの時点で既に10番手。SLが危うくなってきたので残り9分でコースイン。ここからSL圏内ギリギリの8位以降のタイムアタックは熾烈を極め、めまぐるしく入れ替わり、加藤選手も予選終了ラップで43″009とタイムアップを果たしたが、13番手とSL進出を逃し、決勝は13番グリッドが確定。しかし7号車も11番手僅差。61号車は21番手と大きく後退。チャンピオン争いは7号車との一騎打ちの様相となった。

 最終戦でのポイント差は2位の7号車と5ポイント差。仮に「プリヴェチューリッヒ紫電」2号車がノーポイントでも7号車は6位で5ポイントを取らなくてはならない。
 ちなみに同点の場合、上位入賞回数の多い7号車がチャンピオンとなる。勿論2号車が10位以内のポイント圏内10位なら7号車は5位、9位なら7号車は4位と、更に上位に行かなくてはならない。
(61号車とは11ポイント差なので、2号車がノーポイントでも、その差を埋めるには最低表彰台の3位が必要で、今回の調子からすると、かなり難しいであろう。)

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予選専用パーツ。ホイールカバー。500の一部マシンも装着。富士では効果的。

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しかし予選ではSL進出ならず。鈴鹿1000km、モテギと3回目。

最終戦でのポイント差は2位の7号車と5ポイント差。仮に「プリヴェチューリッヒ紫電」2号車がノーポイントでも7号車は6位で5ポイントを取らなくてはならない。
 ちなみに同点の場合、上位入賞回数の多い7号車がチャンピオンとなる。勿論2号車が10位以内のポイント圏内10位なら7号車は5位、9位なら7号車は4位と、更に上位に行かなくてはならない。
(61号車とは11ポイント差なので、2号車がノーポイントでも、その差を埋めるには最低表彰台の3位が必要で、今回の調子からすると、かなり難しいであろう。)


 今日は富士山もくっきり!最終戦の決勝にふさわしい快晴である。満タンの朝のフリー走行では22番手と低迷するが、決勝に向けての策も練っている。7号車は13番手だが、特に不安材料とは考えない。
 決勝レースはオートポリス同様加藤選手がスタートを担当。今回は表彰台とか上位入賞を望める状態では無いし、狙うはチャンピオン。7号車との位置関係を元に確実に走り切ることだ。
 レースは定刻の14時フォーメーションラップのあとスタートが切られた。序盤は7号車にピタリ追走する形で12位。ところが何と6周目に7号車、山野選手がヘアピンで単独スピン!真後ろの加藤選手は無事かわし11位へ。7号車は一気に21位、タイム差も22秒と大きく後退。
 その後は完全に余裕の周回を重ね、上位の波乱、加藤選手の追い上げで、8周目8位、18周目7位と順位を上げて来た。チャンピオンが大きく遠のいた7号車は、それでも猛チャージ、ジワジワと追い上げ、300クラスのピットインの始まった、26周目には10秒弱にまで迫っていた。その7号車、36周目ピットイン、左タイヤ2本のみ交換で、ピットストップを短縮し、井入選手をコースに送り出している。(GTレースはタイヤ交換は2名で行うルールなので、4本交換するより時間は短縮できる)
 加藤選手も見かけの順位が41周目には1位に上がり、その翌周、42周目ピットイン。
 実は2号車もレース前の打ち合わせで、タイヤ2本交換を予定しており、こちらはフロント2本である。共に“変則”タイヤチェンジで後半のレースとなった。

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グリッド上7号車ドライバーと談笑。右端:山野選手。左から二人目:井入選手。オートポリスでトップ争いをした二組。

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スタート直前。ガッツポーズでツーショット。今回もスタートは加藤選手。

コース復帰した高橋選手の順位は6位。11位の7号車とのタイム差はプラス7秒。充分と思われたこのマージン。ところがこの“変則”タイヤチェンジに、高橋選手のペースが上がらない。と言うよりズルズルと下がっていき、49周目には9位、50周目には10位7号車とテールtoノーズとなる。
 それでも2周程押さえるが、52周目ついにパスされ、7号車はポイント圏内の10位へ!
 レースは66周だが、300クラスは恐らく60~61周。残り10周を切り、ここから7号車が6位へ上がる事は容易では無い。また高橋選手がポイント圏内に入れば、更に上に行かなくてはならないので、まだ充分なマージンと思われた。
 がっ、一度は消えたと思われたチャンピオンの灯りが少しずつ見えてきた7号車は猛チャージ。
 55周目には8位、そして58周目には前を行く55号車がペナルティーの為ドライブスルー7位に上がるが、これに伴い高橋選手も10位となるが、ペースが上がらない事には変わりは無く、後方からポイント圏内に入ろうとする数台が迫っており、まず87号車に先行され再び圏外11位へ。
 61周目に突入。その直後に500トップがチェッカーを受けたので、これがファイナルラップとなる。
 7号車は7位のまま、6位は3秒先行する88号車ランボールギーニ。このままであれば高橋選手がポイント圏外でもチャンピオンである。
 ストレートに、先に戻って来たのは白いランボールギーニ!後方に7号車。やったチャンピオンだ!と、ピットウォールでクルーがガッツポーズ!とっ、ところがTVモニターでは7号車が6位!
 何と、中盤からトップを快走していた62号車が、ファイナルラップの最終コーナーでガス欠の為ストップ。順位が繰り上がったのだ。
 しかし高橋選手は最終ラップにも96号車に抜かれ結局11位でチェッカー。
 チャンピオンは1ポイント差で、夢と消えた。

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ドライバー交代直後インタビューを受ける加藤選手。この頃は余裕充分だったのだが・・・。

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トラックに積まれる紫電。デビューシーズンと思えば充分な活躍だったが・・・。悔しい。