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2007年SUPER GT 第2戦GT300紫電レース速報!

ニュース
2007年04月09日

SUPER GT第2戦は、4月7・8日岡山県、岡山国際レーシングコースで行われた。

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 開幕鈴鹿を2位と好調な滑り出しの2007年シーズン。舞台は岡山へ・・。

 紫電デビューの昨年は11位と、シーズン3回のノーポイントレースのひとつがここ岡山。紫電にとっても、また、高橋選手にとっても得意とは言えないサーキットのひとつであるが、この一年でマシンもドライバーもヴァージョンUP。果してどれほどの進歩を見せるか・・?

 例年木曜日は、ここ岡山はテスト走行日となるが、今年は金曜のフリー走行が最初の走行となる。

 この1年のデーターから、エンジニアは岡山に最適なセッティングをチョイス。この基本セッティングにより、容易に高タイムをマーク。午前の走行では加藤選手の1’31”750で3番手!高橋選手も昨年の自己ベストを軽く1秒ほど更新。

 午後は更にセッティングを絞り込み、走行時間の最終、300専有セッション加藤選手はNEWタイヤでのアタックは31”505と本日のクラストップをマーク。明日の予選に向け、充分な手応えを残した。

鈴鹿のリザルトから早くもウェイトは20kg。
 

ここ岡山を不得手とする高橋選手は、集中練習。
走り始めて程なく、昨年より1秒以上更新

7日予選日。早朝雨がパラついたものの曇り空の下、午前1回目予選が行われた。最初の20分間の300専有走行では加藤選手が8分ほど他チームの動きを見、じっくり“タメ”てコースイン。この時点でトップは88号車、既に30″749。その後101、26号車が31秒台へ。

 スーパーラップ(以下「SL」:1回目予選上位10台による1台づつのタイムアタック。これによりスターティンググリッドを確定する)への進出は31秒台前半は必須であろう。日が射さない路面の温度は低く、2周の暖気で充分タイヤを暖めアタック開始。

 各セクターでベストタイムをマークし31″089!この時点で2番手タイム。その後13、46号車のZ勢や62号車VEMAC等有力チームが好タイムをマークし、5番手まで下がったが、SL進出を果たす。

 この後500との混走中、32″470と自己ベストを更に塗り替えた高橋選手。これは決勝レースでも充分上位争い可能なタイムである。このセッション終盤では小雨が降り始め、「WET宣言」が出された。午後の降水確率は高く、SLは雨となる可能性もあるので、高橋選手をピットインさせ、SL用にレインタイヤを皮むきし、準備をした。

 抜き所の少ない、ここ岡山国際サーキットではスターティンググリッドは重要。極力高位置を得る為、急遽ギアレシオを始め、一部セッティングを変更。またそれらの確認の為、午後予選は、加藤選手のみの走行。SL用NEWタイヤも皮むき、いつになく万全の体制を整えた。

 それらの策が実るか?否か?SLは6番手スタート。幸い?雨は落ちてこず、ここまでは1回目予選順通りで、番狂わせは無い。3周目、アタックに入った加藤選手、各コーナーでスライドする姿がモニターに写し出される中、各セクターでベストタイムをマーク!30″401と順当にトップにたった。しかし2番手とは0.2秒と僅差。残る4台のアタックからトップを堅守する事は無理だろうと思われた。

 ところがその後アタックした4台は、ことごとくタイムUPできず下位に沈み、終わってみれば大きくジャンプアップ!今シーズン初、紫電通産4回目のポールポジションを得る事となった。

SLに向かう加藤選手にメディアが集中。

紫電4度目のポールポジション。


 予選午後から予想された雨は、SL終了後しばらくしてから降り始め、それは決勝日未明まで続いたようだ。

 早朝のフリー走行は、コース一部にウェットパッチを残し、ウェット宣言の出される中開始された。

 しかしマシンは全てドライタイヤで出走。2号車は満タンでのセッティング確認は勿論だが、ピットワークの練習に重点を置き、都合3回、実戦想定で行い、決勝レースに備えた。

 天気は薄日が差す事もあるが、今ひとつ。グリッド上では霧雨の様な物を感じるが、用意したウェットタイヤを選択するチームは無い。

 レースは定刻午後2時、加藤選手によりスタートが切られ、ポールポジションを活かしトップで第1コーナーへ・・。その後もグリッド通り、101・62・43・13・88号車が続く。

 2周目には31″955のファステストをマークし、2位101号車に早くも2秒弱のリード。更に引離そうとしたが、101号車MRーSの、F3若手ペアの大嶋選手は、加藤選手と変わらぬペースで追走。この2台で3位以下を引離すレース展開となった。

 加藤選手からの無線は、ミラー、バックモニターに映らない後方集団の様子を知りたがっている。特に「正美(敬称略)はどの辺り?」と13号車のベテラン影山選手の動向を気にしている。

 33~34秒台で周回が刻まれるそんな中、レースが動いたのは、まず15周目、3位の62号車が13号車と接触、1コーナーでコースアウト。復帰するが破損があり、オレンジボールが出され後退。

 続いて17周目43号車もアトウッドコーナーでコースアウト。20周目には88号車が最終コーナーでコースアウト、リタイヤとなる等、なんと上位グループが次々と脱落。

 更に21周目には、62号車への接触のペナルティで13号車がドライブスルーと、これまた後退。22周を終え、101号車からは+2.5秒のリード、3位となった26号車とは、更に+13秒となり、後方の脅威は101号車“のみ”となった。(かに思われた。)

 2号車と101号車のペースは変わらず、500マシンをかわす際にリードが広がる。ここらは加藤選手の方が一枚上手か・・?

 37周辺りから300クラスのピットインが始まると再びレースが動く。40周目101号車がピットイン。順調に作業を終え、コースに復帰。モニター上の“見かけ”の順位が交錯し6位となるが、タイヤに熱の入った42周目には32秒台の快走を見せる。反面、この頃加藤選手は34秒中盤での走行。このタイムをキープできるか?どうか?が重要だが・・・予定より1周早く49周目ピットイン。

 作業は順調に行われ、高橋選手をトップのままコースに送り出す。っが、そのアウトラップ背後に101号車、石浦選手が迫る。開幕鈴鹿の逆のパターンである。違いはタイヤの温まりで、101号車は既に充分。アウトラップ1周を何とか押さえた高橋選手だったが、1コーナーアウト側より101号車に先行を許してしまい、鈴鹿のリベンジをされてしまった。

 しかしその後は、この101号車を駆る、F3界のホープと、殆ど変わる事の無い34秒台のタイムで追走。

 途中500マシンが迫るタイミングにより、リードを広げられる場面もあるが、モチベーションを下げる事無く走行を続ける高橋選手に、終盤、思わぬ伏兵が現れる。

 中盤より3位を走る26号車ポルシェが、70周目33秒台の快走で6秒後方に迫っているのである。

 300クラスのチェッカーは76~77周と思われるので、このタイムで迫られては捕まってしまう可能性もある。

 しかし、無線で26号車の接近を知らされ、再度“ムチ”を入れペースを上げる。

 ファイナルラップ。26号車には2.5秒まで迫られたが、ガス欠症状が出たようで、9秒以上の差をつけチェッカー。

 開幕戦と同じく2位と、初の2戦連続表彰台となった。

スタート前ツーショット。
加藤選手スタートは最近のパターン。

ピットイン直前。
入念にタイヤエアチェックが行われる。

終わって見れば2位。
堂々と渡り合ったこの結果に、クルーは充分。
高橋選手は悔しい。

初の2戦連続表彰台。
ランキングはドライバー、チーム共2位。
トップは僅差で101号車