モータースポーツ

SUPER GT 2007SERIES 第4戦 マレーシア・セパンサーキット

2007シーズン 紫電
2007年07月26日

 セパンサーキットは、紫電にとっては得意なサーキット。
 ここで好成績を残さななくては、先が厳しい。
 しかし結果は・・・・。
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SUPER GT MALAYSIA 


開催日:2007年6月23・24日
サーキット:マレーシア・セパンサーキット
マシン名:I.M JIHAN CO.LTD・APPLE・Shiden
ドライバー名:高橋 一穂・加藤 寛規

 

6月20日 渡航 晴
 2002年から5回目(03年はSARSで中止)のマレーシア行きである。
 我々は高橋選手一行はセントアレア発、メカ組は関空、加藤選手は成田とそれぞれ出発地が異なるが、クアラルンプールへは、1時間程の時差でそれぞれ到着。


これまで座席位置が悪く(別に悪いわけではないが…)機内から見えなかったが、セパンサーキットは、クアラルンプール国際空港の直ぐ隣。

到着ロビーではお出迎えのメッセージが…。

 “灼熱の”枕詞が付けばセパン。とは言え、我々にとっての初年度以外、ここ数年それほどの暑さは感じなかったが、どうやら今年は熱いようだ。
 ホテルへの足は、一昨年からリムジンバスにしている。これはサーキットとホテルしか往復しない事。異国の地で交通事故でも起こせば厄介な事。(その確率も高そう・・)
 初年度、レンタカーを借出すのに、予約をしてあったのにすごく手間取った事。等々の事情で、今ではこのリムジンバスにも慣れ、片道1時間弱かかる、サーキットとの往復では景色か?睡眠を楽しんでいる。
 マシンが動き始めれば、何が起こるかはわからないが、今日と設営の明日はその心配が無いので、全スタッフ揃っての夕食を楽しみ、長旅(6時間程度だが)の疲れをとった。


関空・成田・セントレアからそれぞれドライバー、スタッフが参集。

空港から、クアラルンプールのホテルへ向かう道中は、ちょうど夕方のラッシュ時間。

02年に初めて訪れた頃に比べると、走っている車が格段に新しくなっている。

長旅の疲れを癒し、スタッフ全員で食事。ワインを楽しむ加藤選手もコースが変貌しているなど、知る由もない。

6月21日 設営・レンタカーライド 晴
 3戦までを2位、2位、5位と順当に戦いランキングは2位。 昨年ポールポジションを取った、得意コースと言えるここセパンで更に上位を狙いたいところである。
 サーキットに到着し、マシン、機材を確認。例年の事だが、“迷子”が発生。主催者の輸送担当者が各ピットを行ったり来たりで大忙しだ。


翌朝明るくなって見つけた。と言ってもホテル前。SUPER GTを盛上げるフラッグ。紫電とSCである。

話には聞いていた、ホテルカフェの、ウインドウも…。

その他ドライバーヘルメットのタペストリーや…(ファンは欲しいだろうな~)

ホテルのエントリーには06年のNSX100号車の展示。上にはセパンを象徴するグランドスタンドのオブジェが作られ…。

そしてZを積んだキャンペーン用キャラバン等、ムードを盛上げている。

 設営に掛かって感じた事だが、ここセパンサーキット、どうも手入れが悪くなってきた。ドアノブがガタガタになって来たり、水道のハンドルが欠落しているとか、蛇口の根元がガタガタだとか、老朽化というより、細かなメンテナンスができていない。
 初めて訪れた時は(旧富士、岡山等から比較して)近代的なサーキットと感じたのだが・・・。勿論今でもパッと見は悪くないが、こうした細かな事は使い勝手の悪さを感じる。


約3週間振りの再会。マシンは無事ついていたが、荷物の“ジグソーパズル”のピース探しに東奔西走。

給油装置のタワーはこうして梱包されている。

また多くの備品、消耗品はレンタルしていたのだが…。

全点揃うのには2日間を要した。また物が良くない。場合によってはそれらの修理からやらなくてはならない。

 その他ではピットロードを見た時、アスファルトの“黒さ”から「ああ舗装し直したんだ」と感じた程度。これは明日からの走行に、影響を及ぼす事になるだろうが、全チームイーブンな条件。
エンジニアのシンちゃんも全舗装は噂で聞いていたが、それほど深刻な事とは考えていなかった・・・のだが・・・。
 今日の設営日では、夕方からレンタカー試走、2時間半が用意されている。
 高橋選手は、第3戦富士でモラルハザードポイント(運転免許の減点のような制度)を課せられ、明日のフリー走行1回目を走る事ができず(確か昨年も同様だった・・・。)走り込み不足の高橋選手にとっては重要な“予習”となる。
 反対に加藤選手はここセパンを他のレースでも走りこんでいて、それこそ目をつぶっても走れる(実際には無理だろうが・・)ほどで。その加藤選手の指導のもと、精力的に走りこみを行い、1年振りの感触を確かめる。


毎度の事だがマシンはこうして各所の穴をふさぐ。

開始して2時間もすれば、パーテーションも立ち“らしく”は出来上がる。

夕方からはレンタカーライド。同じ様な車はマレーシアの“プロトン”ピットロードも
きれいになっている。

加藤選手の指導のもと、高橋選手がコースイン。

コース改修の影響もこの程度の走行ではどうこう言うものではなかった。

車を降りて実際にコースを触って路面の状態を確認する加藤選手。「色々判るよ…」って

新型クールスーツって・・?


今年の熱対策。屋根からの空気は途中のファンモーター(ダクト下の白い部品)で強制的に導かれクールスーツユニットを通って右のグレーのダクトからドライバーへ…。

新しいクールスーツユニット。冷水循環に変わりがないが、手前左の突き出した白パイプに屋根から導入した空気が入る。

内部は氷水に浸され、その空気が通るパイプも冷やされ外気が冷風になるはずだったが…。

黒ホースが外気、透明ホースがクーラーBOXで“冷えた”空気。

しかしこのクーラーも、ここセパンでは「焼け石に水」と言うより「溶岩に霧吹き」。冷風も冷水も“ボリューム調整”が付いているが当然全開。

新しいクールスーツ。パイプも太いが、折れ曲がりに強い。

中に入れる氷は、目一杯の大きさにする為、ミリ単位で切る。


6月22日 練習走行 晴
 前のレースは約2ヶ月前5月初旬の為、ドライバーの熱対策はこのレースからが本格的になったと言える。これから9月のモテギまでは、これらもレースの生命線となる。
 新型クールスーツ、外気導入送風機、ウインドウの改良等これらの効果も、今日の重要なチェック項目である。
 マシンのセッティングはコース全面の舗装改修もあり、昨年までのデーターがそのまま通用しない。
 高橋選手が走れない午前は、加藤選手が色々と試す。ユーズドタイヤで、序盤のタイムは10秒前後。
 だがNEWタイヤにしたとたん2′08″065でトップタイムをマーク。
 こりゃ早いわ!
 じゃあレースを想定し、一度満タン走行に・・・

  加藤選手「こりゃ重いわ!」
  シンタロー「重くしましたんで・・。レースだと思って走ってください。」


昨年同様、セパン限定スポンサー「I.M JIHAN」仕様。

新舗装でのタイム。まずはマズマズだったが…。

足回りのセットを色々試すものの…。

磨耗とグリップとの妥協点が見つからない。決勝レースでももつのか?

セパン用というより、夏季用ボンネットルーバー。エンジンパワーが少し増えた分、昨年より高くなっている。

午前走行ができない高橋選手は加藤選手の車載ビデオでイメージトレーニング。しかし涼しい場所なので、リアリティは半減。

 続く午後の走行から走り始めた高橋選手。序盤は慣熟と、改修となったコースに戸惑い、11秒台。しかし徐々にペースも上がり9秒台にまでタイムアップ。高橋選手は、チェックを兼ねた、加藤選手の数ラップを挟み、午前の遅れを取り戻さんと走りこんだ。
 このセッションでは路温が少し下がった事や、新舗装の路面にタイヤのラバーがのり、よりグリップが向上。軒並み2秒近いタイムアップ。ランキングトップの101号車の7″169を先頭に8台のマシンが7秒台。加藤選手も7″352で2番手。
 良い仕上がりに思われた、練習走行の終盤。ブリーザーパイプからラジエター液が噴出してきている。
 水温も上昇している。これは昨年もテスト時に出たトラブルで、大事をとってエンジンの積換えを行った。
 これまでテストでのエンジン積替えはあったが、レースウィークでは初めての事であり、これが思わぬ結果を生み出すことに・・・。


セパン1年振りの高橋選手。ほどなくペースは上がったが、路面コンディションの“ムラ”は、そのままタイムの“ムラ”につながった。

新しい路面はラバーがのり、色と共にグリップも刻々と表情を変える。

奥の建物が、最もセパンサーキットっぽい、メインとバックのストレートをつなぐ最終ヘアピンのスタンド。

そのスタンド最上段から見るとこんな感じ。

ブリーザーから水が・・・。以前もこんな事が。

メカの深夜に及ぶ仕事なってしまった。まだ今日で良かった・・・がっ、レースウィークでは初めての作業。

6月23日 予選・スーパーラップ 晴
 メカニックの深夜に及ぶ作業で、スペアエンジンに積替えられ、蘇ったマシン。
 前戦富士同様、スーパーラップ(一回目予選で上位10台を選抜し、1台ずつのアタックによりグリッドが決決定するシステム:以下SL)への進出も6秒台の激戦が予想される。
 だが昨日の走行から、非常にタイヤに厳しく、消耗の激しい路面と変貌している事が判った。
 攻めるセッティング以前に、決勝レースが走り切る事ができるセッティングを見つけなくては意味が無い。無論走るだけなら問題無いが、“レース”ができるタイムが出せるセッティングである。
 また、新舗装の為、ラバーがのったライン上と、それ以外のラインとのグリップ差が激しく、非常にシビアなドライビングが必要となる事。
 攻められるセッティングにすれば、予選はおろか僅かなSLでもタイヤが駄目になってしまうかもしれない。
 予選でも、タイヤに負担を掛けないドライビングを強いられる事となった。


“タイヤに厳しい”路面となったセパン。パワーのある500は2回交換しないと決勝は走りきれないようだ。

「I.M JIHAN」の用意してくれたセパン限定ウェア。チョッと派手。

 その一回目予選は定刻の11時からスタート。昨日の練習タイムからの期待と、夜半の雨による、コースコンディションの変化に、マシンのセッティングがマッチするか?
 不安が交錯する中、20分の300占有時間開始直後、いつも通り8分ほどターゲットタイムを確認して、加藤選手コースイン。
 計測2周目、2′07″063の5番手タイム。SL進出の10台は1秒02内に収まり、14位までがこれまでのレコードタイムを更新。(500クラスにいたっては16台中15台!)
 これまでに比べ、明らかにコースコンディション向上しているようで、このコースに合ったセッティングとタイヤをどうチョイス(と言ってもスタートタイヤは確定しているので、レース中の交換用・・)するか?が明日の決勝のカギとなるであろう。


加藤選手のアタックによりSL進出を決めるが、10台がほぼ1秒以内に入る激戦!

積替えたエンジンも特に“問題”は無さそうだ。

ピットウォークは年々盛況になってきた。ピットロードが広いので、多く感じないが、
結構たくさん入っている。

レースクイーンは2名予定だったが、1名が急病の為、1人でがんばる事となった。
  

 午後からの2回目予選15分は、SLセッティング確認に為、アタッカーの加藤選手のみの走行。
 若干の変更を加えて6番手スタートデSLに挑む。時間(気温)と、サポートレース等の走行により、刻々と変化するコースコンディションに、攻められないマシンセッティングに加藤選手も翻弄され、1回目予選タイムを上回る事ができず、07″566で暫定3位。その後アタックに入った4台中3台が順当にタイムUP。最終的に6番グリッドと沈んでしまった。
 結局パドックでの噂通り、ミシュランタイヤ勢が、この新コースにベストマッチ。101号車と43号車の2台がワンツーグリッドを占め、ポテンシャルを見せつけた。
 明日の決勝も、まともに走られたらこの2台は太刀打ちできる相手ではないだろう。
 このレースウィーク、サーキットでの走行時間帯に雨は無いが、夕方から夜半には連日のスコールがある。
 しかし数時間ずれ込めば、午後4時からの決勝レースに波乱を持込む事は間違いない。これらの“何か”を期待するしかないのか・・?


昨年の開幕戦から外観は殆ど変わらない。ボンネット上のエアダムの高さが気温に合わせて変化する程度。

午後予選はSLセッティングの確認。特に今回のセパンの様に刻々と変化するコースでは重要な走行となる。

SLではホイールカバーを装着。富士以外では初めての装着。

モニター?を見つめるスタッフ。これの視線で判る様に、モニターが低い場所にある。しかも日本のサーキットの様に常設はされていない。

SLに向かう加藤選手。

それを追う、プレスの数は相変わらず多い。ランキング2位と昨年ポールなら当然かも…。注目を集める位置を維持したい。

サインエリアのモニター。日本の物が使えないのでレンタル品。いつもセッティングで悩む。

予選、SL終了後のエンジン内を点検する戸田レーシングスタッフ。

6月24日 決勝 晴
 予想通り夜半に雨はあったものの、朝には上がっている。今夜、いやもっと早い時間に雨が降ってほしいものだ。
 作戦会議の結果“地味”にレースをやろう。という事になった。ここセパンの暑さは、例年レースに波乱を巻き起こす。
 マシントラブルだけに留まらず、クールスーツのコンディションも、ドライバーの生命線と言える。
 確実に走り切れば、両ドライバーの実力からすれば、それなりのリザルトは期待できるだろう。
 「人事を尽くして天命を待つ」作戦である。
 快晴でむかえたマレーシアの午後、気温は日陰のピット内でも34度!コース上、マシンの中は50度以上!になるであろう。
 その中での、1人1時間近いレースドライビングは想像を絶するものである。


決勝日朝(と言っても現地時間午前11時)のフリー走行に出る紫電を映し出す、ピット内のモニターTV。これもレンタル。湾曲したブラウン管がチョッと旧さを感じさせる。

そのフリー走行には“サファリ”が組み込まれバスがコース内を走行。

サーキットでの昼食は日本から手荷物で持込んだレトルトが主体。サーキットにもビュッフェがあるが、どうも口に合わない。

電子レンジ、炊飯器等、電気製品は変圧機への負担が大きく、変圧器もリタイアとなる。

このキッチン、今回は3チームがシェア。各チーム各様色々調理する。

 今年はマレーシア・日本修好50周年とのことで、記念セレモニーが行われた後、定刻の午後4時フォーメーション開始、1周の後スタートがきられた。
 すばらしいスタートをきった加藤選手はオープニングラップを4位。しかしそれは計測ライン上の話で、2周目には7位となり、4~7位はまさしく団子状態。
 しかしポールスタートの101号車と、43号車のミシュラン勢はワンツー。3位以下が9~10秒台の混走の中、8秒台の快走で独走態勢を築かんとしている。


決勝日のピットウォーク。人気のほどが判る。

レース前のミーティング。とにかく当たらず壊さず“無難に走り切ろう作戦”だったのだが…。

グリッド上では直ぐにリヤカウルが外され冷却。

エアインテークからもフレッシュエアを…

とにかく水分補給。がぶ飲みでは無く徐々に…。

両選手のツーショット。昨年のオートポリスから、スタート加藤選手のパターンとなった。

今年はマレーシア・日本修好50周年。「マレーシアに来てね。」がテーマかな…。

スタートの第1コーナー。ミシュラン勢がワンツー独走となるかと思えたが…。

 加藤選手も単独6位となり、9秒台のペースを崩さず、ひたすら”地味“に酷暑レースをしのいでいる。
  シンタロー「ヨコハマは皆同じペースで~す。」
  加藤選手「了~解。セッティング正解!」
 どうやら良い感じのセッティングとなったようだ。
 9周目大きな波乱が訪れた。前の周101号車をパスし、トップに立った43号車が単独コースアウト!ガードレールに激突。コースに復帰するがリタイヤしてしまった。
 強敵の一角が崩れ、101・4・88・33号車に続き、労せず5位に浮上。
 マイペースで走行する加藤選手は、ペースが落ちた33号車に迫り、サイドbyサイドで13周目に突入し、見事パス!翌周4位で帰ってくる。
 そこへ更なるGOODNEWSが・・・。101号車のタイムにばらつきが出始め、”貯金“が無くなってきて、14周目には4号車にトップを明け渡すこととなった。
 どうやらスタートに使用したタイヤが、今のコースと、このハイペースは厳しかったようで、21周を終え 早めにピットイン、タイヤ交換を済ませてしまった。
 しかし見かけの順位が下がっただけで、101号車とミシュランの進撃が止まった訳では無い。ピットアウト後も優位である事になんの変化も無かった。


最近では無く、昨年のデビューから力の有ったハンコックは、新型ポルシェを得て、ますます侮れない存在となった。

序盤はそのポルシェ33号車、ランボ88号車との熱戦。

 4・88号車に続き、暫定3位となるも、9~10秒台ペースの加藤選手は23周目には88号車もパス2位へ。
 地道な“カメ作戦”は功を奏してきたようだ。
 25周目にはトップの4号車もピットイン、暫定トップとなる。
 この周回になっても9秒台を維持できる、ヨコハマタイヤと、加藤選手の体力を期待し、32周まで引っ張り、同クラス最後のピットインを行う。


加藤選手の帰りを待つ高橋選手。

マシンを降りた加藤選手。

 ここまでの燃料消費から計算し、給油量も“ギリギリ”まで絞込み、ピットストップを短縮。順調に高橋選手をコースに送り出し、ストレートに戻った時点の順位は、101・4号車に続き3位。順当な位置である。
 酷暑の中、10秒台で飛ばす高橋選手に4位の46号車が迫り、39周にはテールtoノーズとなるが、 変わらぬペースで42周まで押さえ込む・・・がっ、43周目に入ったところで500マシンに接触!衝撃で右(助手席)側のドアがあいてしまった!
 幸いガルウイングドアの為、他のマシンへの影響がない事からオレンジボール(マシントラブル等による、強制ピットインの指示)が出される事は無かったが、速度によってドアがかなり持ち上がり、空力と精神的な影響で12秒台にペースダウン、47周までに6位にまで下がってしまった。
 幸い?開いたドアは、その後の他のマシンとの接触で偶然閉じたのだが、新たな問題が・・・。「ガス欠症状が出た!」との無線。
 残り3~4周だが、タイムもがっくり落ち、ストレートでのエンジン音もバラつき始めた。
 緊急用のリザーブ燃料も使い、何とかトップと同一周回でチェッカーはうけたものの、その直後第1コーナー手前でマシンは止まってしまった。順位は更に下がりポイント圏外の11位。得意のセパンで、この結果は全くの予想外。
 地味なレースを目指したが、波乱を作った1台で終わってしまった。


46号車に長く付かれ、隙ができた43周目…

インを刺され、先行を許してしまう。

その直後500マシンと接触。衝撃で助手席ドアが開いてしまう。

追い討ちを掛けるかの様な終盤のガス欠。コース端をゆっくりとチェッカー。

その後1コーナー手前でマシンを止める。サイドのタイヤ跡が波乱を物語る。

2007年 SUPER GT第4戦 GT300クラス
予選6位 : 決勝11位
獲得ポイント チームポイント0点+3点(トップと同一周回ポイント)累計48点 ランキング 3位
ドライバーポイント0点 累計42点 ランキング 2位

 年間7ヶ所のサーキットで行われるこのSUPER GT。各マシン大なり小なり得意不得意のコースはある。紫電にとって得意(だと思っていた)な、このセパンでノーポイント!というのは、正直想定外。ここでの0ポイントは、後半戦のチャンピオンシップ争いに大きな影響を与えそうだ。
 今回のレースは、ランキングトップの101号車が2連勝となり、-29ポイントと大きく差をつけられてしまったが、今だ、ランキング2位をキープ。しかし3位チームとは僅か2ポイント!と、直ぐにでも飲み込まれる勢いである。
 今シーズンは昨年と同様、有効ポイント制であるが、昨年と異なり、1~6戦までの上位得点4戦分のみ(昨年は5戦)と、7~9戦全てのポイントが計算される。
そうして考えればこの0ポイントの、この1戦はとりあえず“パス1”と楽観的に考え、今回のリザルトにより、次回得意な菅生で、15kgの軽量化が可能となった事を小さな喜びとし、早々に気持ちの切り替えをした方が良いだろう・・・。
 それから終盤のガス欠、これまでのGT参戦では初めてのトラブル。
 実は積替えたエンジンは、これまでとスペックが違う新仕様のエンジン。本来ならテストも含めもっと走り込みを行い、エンジンデーター(マップ)の書き換えを行い、ベストな状態に持って行き、正確な燃費測定と、それに伴う燃費計との合わせ込みを行わなくてはならない。このわずかなズレが終盤のガス欠を引き起こしたものと思われる。
 これもあと2秒給油時間を延ばしていれば、発生しなかった事だが、モータースポーツは、これら1秒、コンマ数秒のマージンをどこまで削る事ができるか?これを競うスポーツともいえる。この事からすれば、このたった2秒は、まさに光が60万キロの旅をする長き時間である。

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