モータースポーツ

2009年を振り返って・・・。

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色々な意味で波乱のあった2009年、チョット振り返りです・・・。


 02年からの、GTフル参戦。
 これまでにも、マシン、ドライバー、メンテナンスガレージの変更等、大小多くの転換期を迎えたが、09シーズンは最大とも言える転機が訪れました。
 チームオーナーでありドライバーの高橋選手が、第1戦岡山のみ参戦した直後、突然「本業に専念する。」と言う事で、以降の参戦を全てキャンセルしてしまったのである。(本人は決して「引退」ではないとしている。)
 と、相前後して、04年から支援いただいているメインスポンサー様の撤退等、チーム存続、というか、継続参戦に大きな危機が訪れ、関係各位、多くのファンの方々に心配お掛けしました。
 しかし、これまでもご支援いただいた各スポンサーの方々、また新たにご支援いただいたスポンサーの方々のご協力、そしてサーキットにこそ顔は出さないものの、後方支援を続けた高橋選手の後押しもあり、殆ど綱渡り状態ながら、何とか最終戦までこぎつける事はできました。
 厚いご支援、応援本当にありがとうございました。

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デビュー以来、(少なくとも外観的に)もっとも大幅な改造が施された。
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ここ岡山でのテストでは、良好な感触を得た。
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開幕岡山での高橋選手。この時点では“活動休止”の予定は微塵もなかった。


 しかしレースそのものは、そんなチームの事情など全く無関係に熾烈な争いを繰り広げる事になります。
 高橋選手に代わり、ドライバーを務めたのは、ヨッスィーこと、吉本大樹選手。
 紫電デビューの06年から毎年、真夏の鈴鹿POKKAの助っ人第3ドライバーとして大活躍をしてくれていましたが、第2戦以降のレギュラーとして最終戦まで参戦してもらいました。
 彼はプロドライバーであり、実力は、アマチュアトップと言われる高橋選手を(個人的な偏見として・・)凌駕する事は間違いありません。
 紫電というマシンは、現在のGT300クラスのマシンでは五指に入るトップレベルのマシン。
 加藤選手も、GT300クラスを走る約50名のドライバー中では、同じく五指に入るトップドライバー。
 モータースポーツの戦闘力は、ライバルと相対的な物ですが、09シーズン、マシンは大幅に改良が施され、戦闘力がUP。
 それは開幕前の岡山テストでも十分手応えを感じとる事ができ、そこにヨッスィーという組み合わせは、“かなり無敵?”なコラボだと、(誰もが・・・)確信していました。

 紫電がデビューしてからは、06年、07年は2年連続同点2位(07年はチームチャンピオン)、08年は4位と、常にチャンピオン争いの中核となり、最終戦まで多くの注目を集めるレースを繰り広げ、それは09シーズンも変わらないと思っていました。
 ところが、ヨッスィーの09シーズンデビューとなった、第2戦鈴鹿は4番グリッドを得ながらも、スタート直前にスターターモーターが回らず、ピットスタート。
 続く第3戦富士では、予選でパワーステアリングが不調となり下位グリッドに沈み、決勝ではその中団のマシンに追突され大きく後退するという不運が続きました。
 この頃には、ランキング争いなど、遠い別世界の話としか思えないようになり、ヨッスィーは“雨男”に加え、“疫病神”という「チーム伝説」が流れ始めました(笑)。

 更に第4戦セパンでは、スーパーラップで加藤選手がトップタイムをマークし、久々のポールポジションと言う、明るい話題がチーム舞い込んだと思った矢先、なんとチーム始まって依頼の大事件!
 車検失格が通告され、幻のポールどころか、最後尾スタートという最悪の決勝レースを迎える事となり、「ヨッスィー疫病神」説は確固たる地位を得る事となりました。
 無論、ここまでの不運は、全てヨッスィーとは無関係でありますが・・・チームのジョークとして、こうした形で笑い飛ばしていないとやっていられない程、不運が連続していました。
 だがチームへの試練は“とりあえず”ここまでと、神のお許しが出たのか?シーズン中盤となるここセパンでのレースはオープニングラップで前の早いマシンが次々と脱落、加藤選手からヨッスィーに交代した時点で、なんと2位と言う大躍進!
 更に後半ヨッスィーがレースを仕上げ、09シーズン初の表彰台を、最高位で掴む事となりました。

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鈴鹿からヨッスィー参戦。彼の活躍ぶりとは無関係に不運が続き始める。
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富士では他のマシンに追突され、応急処置で順位を落とす。
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セパンでは最後尾スタートとなるが・・・。


 勢いにのったチームは、続く第5戦SUGOで、レインからドライと変化するデリケートなコースコンディションの中、絶妙な作戦と、両ドライバーの巧みなドライビングにより2位表彰台。
 700kmに短縮された第6戦鈴鹿POKKAでも、これまた見事な作戦と、ラッキーな赤旗、セーフティーカー導入により中盤トップに浮上し、今季2度目の優勝か?と思われたが、結果は最終ラップの大ドンデンで惜しくも3位。
 だが、チームは完全に波に乗り、ランキングも2位へと浮上。
 「ヨッスィー疫病神」説も完全に払拭されました。
 レース展開も、加藤選手が、レースを“荒削り”し、ヨッスィーが仕上げるというパターンが定着。
 ヨッスィーが加藤選手より、ロングスティントをこなす様になってきました。
 これまで、ヨッスィーは8月のPOKKAでしか組んだ事がなく、この時の印象では「暑さには弱そう」でしたが、意外にロングスティントもこなし、終盤でもベストラップをマークし“若さに似合う”パフォーマンスを披露してくれました。 

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シーズン初優勝。喜びも倍化した。
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SUGOではやや濡れ路面だが、終盤スリック勝負に出る。
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鈴鹿POKKAの赤旗SCは、作戦をより完璧に仕上げてくれたが・・・。


 しかしこの頃でも、チームの経済事情はなかなか改善されず、マシンの開発は進まず、エンジンも含め、現状維持のメンテナンスが精一杯。
 モータースポーツの世界においての、現状維持は相対的に後退を意味します。
 シーズン序盤に連続した電気系トラブルも、未然に防ぐ、唯一の対策は、ハーネス類、モーター類を「転ばぬ先の杖」で新品交換する事なのです。
 本来であれば、既に3シーズンを過ぎた電気系パーツ、使えるまで使うか?時期を見て、未然に交換するか?こうした事は経済事情により左右されます。
 勿論、そうしたお金を掛けない、些細なアイデアは常に出しており、可能な限り手を尽くしてきたが、「重箱の隅」も、穴が開く寸前でした。

 そうした英知をマシンに注ぎ込み、また両ドライバーのポテンシャルを全て使い切るマシンセッティングを施し、作戦を立案し、シリーズ終盤に向かう事になりました。
 第7戦富士では、予選でウェットコンディションにうまく合わせ込むことができず、14番グリッドとなりましたが、勢いに乗るチームは表彰台には届かなかったものの5位と健闘。
 3台同点ながら、ランキングトップに浮上。

 いい気分で、第8戦大分県オートポリスへの遠征の徒につきました。
 得意とするここオートポリスでは、充分優勝を狙える。・・・はずでした。
 4番グリッドからのレースは、ソフトタイヤの2台に先行されるが、ルーティンピットが迫る頃には充分射程圏内。
 混戦を避ける為の、早めのピットイン作戦もドンピシャ。
 脅威の存在である11号車(最終的にこのレース優勝)も同時ピットイン。
 その11号車に大きく水を開けピットアウト。
 このまま行けば、ほぼ優勝は間違い・・な・・い・・!
 と、思った時、なんとクラッチトラブル。
 このレースからも、チャンピオン争いからも、一気に転落してしまいました。

 チャンピオン争いには、かろうじて皮一枚で迎えた最終戦モテギは、最低でも2位以上でないとチャンピオンの権利はありません。
 それも他のライバルが下位に沈んだ場合で、自力優勝は不可能。正に他力本願でしかありません。
 結果は、予選で不発11番グリッド。
 それでも諦める事なく、両ドライバー必死の追走で、表彰台に足が掛かり始めた頃、エキゾーストパイプが割れると言うトラブルが発生。
 リタイヤとはならないまでも、勝負はつき、チェッカーはピットで迎える事となりました。
 このトラブルも、金属疲労による交換時期を超え、だましだまし使った結果の事でした。
 2009年のリザルトはドライバーズランキング加藤選手は6位、ヨッスィー8位。 チームランキング7位。

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富士、まだ自力チャンピオンの道は残されていたので・・・。
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オートポリス、痛恨クラッチトラブル。復帰した時には既に勝負権は失っていた。
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最終モテギ、2戦連続トラブルに泣く。

 
 紫電もデビューから36戦、一昨年08年8月の鈴鹿POKKAでのクラッシュリタイヤ以外、全て完走という素晴らしい戦績でした。
 しかしタフネスを誇った、紫電も各部に疲れが見え始め、09シーズン一気に噴出した形となりました。
 というか、悪いタイミングで出た感じです。
 これまでもメカニカルトラブルは毎戦といっていいほど出ていましたが、決勝レース中はまず出ていません。(出ても致命傷にはならなかった。)

 09シーズン振り返ると、加藤選手、ヨッスィー、両ドライバーは、ほぼノーミス。(開幕岡山での高橋選手のコースアウトのみだが番外)
 強いて言えば、鈴鹿POKKAの最終での加藤選手の失速。しかしこれはミスと言うより、前を塞いだ500に非がある・・・。
 ピットワークも、多少のドタバタもあったが概ねミス無し。
 セッティングも予選等で若干の“外れ”によりグリッドを下げる事もあったが、決勝ではほぼ当たり。
 作戦的にも、運に助けられた事もあるが、その時のパフォーマンスを引き出すべく“ほぼ”完璧な作戦だったと思われます。
 これ程の“人”的のミスの無いシーズンは珍しく、 “タラ、レバ”レースであれば、2~3勝して最終戦を待たずして、チャンピオンを決められるのではないかと思える程でした。
 勿論勝てばハンディウェイトが増え、そんな簡単には行かないとは思いますが・・・。

 モータースポーツは、マシンの維持改廃、パフォーマンスを引き出す戦いです。
 主役はドライバーかもしれませんが、同じ、いやそれ以上に道具が主体となると思います。
 極端な話ですが、ドライバーがいくら頑張っても、マシンが全く動かない場合もありますが、その逆は滅多とありません。(マシンに“走る気”があるが、ドライバーが全く運転操作できなくなる事はあまりない。)
 他のスポーツと比べ、それらマシンに携わるスタッフ、道具が多く、それらを維持する費用、それら全てを含めて戦う競技なのです。
 またそれらの限られたお金を、どこに投入するか?も、チーム戦略の一つであり、それは開幕前、レースウィーク前、既に始まっている事です。
 勿論、費用対効果の得られない場合もあれば、逆にお手軽に期待以上の効果が現れる場合もあります。
 モータースポーツには人力、金力、運力、この3つの力が必要で、お互いが補い合ってベストパフォーマンスを発揮すると思いますが、09シーズンは「人力」は例年以上だったと思いますが、金力、運力が少し欠けたシーズンだったと思います。
 今シーズンも、参戦意欲はありますが現時点で、内容は未定です。
 参戦を果たした時は、先の「人、金、運」力に加え、皆様の“援力”も是非頂戴したいと思いますのでよろしくお願いいたします。


GT300、ヨコハマADVANチーム、新春座談会


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みなさんからのフラワーギフト。
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レース毎に増え続け・・・。
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最終戦は“2鉢”状態に・・。「援力」ありがとうございました。

DATE:2010/01/06