モータースポーツ

2011:SUPER GT第1戦

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痛恨のドア開放!最下位から怒涛の追上!


実質開幕戦となったSUPER GT第2戦富士は、不利なコースながら5番グリッドからスタート。
雨による荒れたオープニングを無難に切り抜け、これから追上げに入った直後、電気系のトラブルで「エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電」はレース序盤でリタイヤ。
「エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電」の初陣は結果を残すことができず、ファンの方々の期待を裏切ってしまった。
富士でのトラブル原因は、レース後メカの手により究明、確実に修復され、震災により延期となったSUPER GT第1戦の開催地、岡山国際サーキットへとチームは移動。
大会名称こそ第1戦だが、レースは先の富士に続き2戦目。
前半は高速セクション、後半は中低速セクションと、富士ほどでは無いが、決して相性の良いサーキットではない。
だが07、10年の2回、ここ岡山では表彰台(共に2位)に立っており、ゲンの良いコースではあるので、ここはキッチリ結果を残したい。
既に今年は、「エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電」を始めとするJAFGT勢に対し、フェラーリ、ポルシェ等のパワーの勝るFIAGT勢の優位性が見えてきた。
だがここ岡山は、富士ほどパワーの差は出にくく、タイヤ、足回りを始めとしてセットアップさえ決まれば、使徒、FIAGT勢のATフィールドを中和、殲滅できることだろう。

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夕方5時からの搬入。でもトレーラーの入庫順があり、しっかり日も傾いた6時からの搬入作業。
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日も沈んでしまった。山の夕暮れは早い。
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岡山のピットは狭いので、富士の様なフルヴァージョンとはならない。

20日(金) 習熟走行 晴れ/ ドライ

本来なら3月中旬、ここ岡山国際サーキットで行われるはずだったSUPER GT合同テストだったが、震災により中止となった為、SUPER GTの通常のプログラムにはない習熟走行という形で90分と60分の2回、練習走行時間が設けられた。
気温28度、路温40度近くに達しようという好天の中、1回目の練習走行開始。
ピットアウト直前に加藤選手から「アンビリカルケーブル外して」(スタート直前まで接続してある外部電源)とか、「活動限界は?」(ガソリン量)等、EVA用語で無線が入ってくる。
加藤選手は結構エヴァを読んでるいる。っていうかチームスタッフもかなり(全員では無いが・・)見て、読んでいる。
コースイン、計測5ラップ。
1′34″171。ポンと出たこのタイムは結局このセッションクラストップタイム。
このタイムに、
加藤選手「冬の走り込みが効いてるね~。」
渡邊エンジニア「さすが岡山マイスター」
先の富士の結果を一蹴する、和んだ空気がピットを包む。
加藤選手「全体にバランスは悪くない。」
エンジニアに細かなマシンの動きを伝え
その後数回のピットインを繰り返し、セットアップは順調に進み、高橋選手に交代。
アマチュアである高橋選手、久々の岡山国際サーキット。
スロースターターと言う事もあり、こうした練習走行では連続周回でマイレージを重ねる事に努める。
40秒台から39秒台、38秒台とジワジワとタイムを上げる。
この岡山から、元F3000ドライバーの舘善泰さんが同行している。
彼は高橋選手のドライビングアドバイザーで、コースサイドから高橋選手の走りを見て、ドライブ中の高橋選手に無線でアドバイスを送る。
舘「ボトムスピード、もう少し上げて~!」「ゆっくり入って、アクセルを早く~!」等々。
勿論現役は退いて久しいが、コースサイドから速いドライバーの区間タイムを計り、アクセルワーク(勿論直接アクセルは見えない)、ライン取りを見、それらを高橋選手と比較して指示するのだがアドバイスは適格で、確実にタイムアップし、安定度を増していく。
高橋選手は10周回を2回程繰り返した頃、他のマシン回収の為赤旗中断ピットに戻る。
ベストは1′37″013。
レースラップとしてはあと1秒以上必要であるが、手応えは充分なようだ。
ところがマシン回収も終わり、走行再開となり高橋選手がピットから離れたら突然エンジン不調。
コースに出ること無く、メカがピットロードを押し逆走。
再びピットへ。
点検したところ、燃量の圧力が低い。
これでは走れないので、このセッション残りはキャンセル。
2回目の走行までのインターバルで原因究明、修復にあたる。
原因は燃料フィルターの詰まり。
シーズン前にタンク内は勿論、各フィルターも充分清掃を行っていたのだが、根本原因はレース終了後となるだろう。

エンジンは回復したが、修復時間は2回目セッションまで及び、残り20分。
加藤選手がコースへ・・・調子は良好。
34″095と、1回目のベストタイムを更新するが、既にトップは33秒台に入り、クラス3番手タイム。
残り10分少々を高橋選手が走り、36″925の自己ベストを更新、タイムも37秒前半に安定してきている。
明日の午前中も105分練習走行があるので、まだまだタイムは縮まるだろう。
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今回から使用されたイグニッションカット。赤ボタンを押しシフト操作を行う。
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岡山マイスター、加藤選手。すぐにベストタイムを出す。
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久々の岡山。コースイン前の高橋選手。
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順調にタイムを上げる高橋選手だったが・・・。
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ピットアウト直後に、燃料系にトラブル発生。
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修理に時間はかかったが2回目の走行の残り20分で無事復帰。

21日(土) 練習走行 晴れ/ ドライ

早朝の小雨により、ウェット宣言が出され、こうした場合、今日から決勝レーススタートまでに使用可能な、マーキングされたドライタイヤ以外にレインタイヤの使用も許可されるが、その後雨も無く、コースは殆どドライ状態。
さすがに気温21度、路温23度と、昨日よりかなり低い。
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公開車検。未明の雨で練習走行はウェット宣言が出される。
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このレインタイヤは前戦富士で用意した皮むきのみの未使用。
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オフィシャルと、メカスタッフ・・・どっちがどっちだ・・。
走り出しは、午後からの予選に備え、そのマーキングタイヤの皮むきから始まる。
これはNEWタイヤで軽く1周、熱を入れず表面を一皮むき、予選でのウォームアップの短縮の為の常套手段である。
それらを2セットこなし、更にNEWタイヤで練習走行に入る。
まずは33″293でクラストップタイム。
加藤選手「32秒(台)は行ける。」と手応えを伝える。
一部セット変更し、確認、そして高橋選手へ交代。
昨日からの舘さん交えての車載ビデオ学習、ノートでのライン取り学習、それらをしっかりと実戦するかの如く、タイムは短縮。
コースインして2周目には35秒台へ、その後も36、37秒台を連発。
36秒台で確実にラップできればレースラップとしては充分である。
その後再び加藤選手に交代、予選に向けたセットアップも行いタイムも更新するが、33″017がベスト、昨日から速い87号車ランボルギーニのクラストップ、32″988に次ぐ2番手タイム。
3番手は33号車ポルシェ、4番手27号車フェラーリと、富士でも早かったFIAGT勢が続き、JAFGTの43号車Garaiya、が5番手。
以下14番手までが33秒台、全てFIAGTマシンである。
やはりここでもFIAGTマシンの台頭が目立つ。
高橋選手も35″162と自己ベストをマークし、ラップタイムも35秒台後半で安定しており決勝に向けて充分なアベレージだ。
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レイン宣言が出されたが、セッションが始まる頃にはほぼドライ。マーキング(OIC)タイヤを使用。
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フロントのダウンフォースを微調整するガーニーを装着してみる。
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高橋選手、走り込む毎に、順調にタイムを上げる。

予選

105分の練習走行も、赤旗中断があったりはしたが、昨日のトラブルも解消し概ね順調、昼からの予選に向けメンテナンスが行われる。
今回の予選はノックアウト方式。
これは最初の予選で全車走行し、まずは両ドライバーが基準タイム(クラストップ3の平均タイムの105%以内)をクリアしたマシンが、ノックアウトQ1に進む事ができる。
今回は予選とQ1が連続しており、500との混走40分の後、10分間の300クラス専有走行となる。
このQ1で上位16台が10分間のQ2に進出でき、更にQ2の上位10台が最終8分間のQ3へと進み、ポールポジションを頂点に上位グリッドを争うのである。
Q2、Q3には条件があり、今回はQ2、Q3を同じドライバーが走る事ができない。(昨年は「同じドライバーが連続走行できない」であった。)
Q2で使用したタイヤは、Q3と更に決勝スタートでも使用しなければならない。
我々の場合、加藤選手はQ3でのポールタイムも出せそうであるが、加藤選手をQ3に出すには、Q2を高橋選手で突破しなければならず、現在の高橋選手ではレースラップはともかく、NEWタイヤでの一発アタックタイムではQ2突破(ミニマムで33秒台)は望めず、Q2で敗退となれば、最高位で11番グリッド、タイムによってはもっと後ろのグリッドとなる可能性もある。
となれば、Q1、Q2突破を加藤選手で果たし、高橋選手をQ3に送り出せばミニマムで10番グリッドは確保できる。
今回のルールの中では、これがベストの選択である。

気温26度、路温31度と朝からは上昇。
加藤選手のドライブで予選開始。
NEWタイヤによるアタックは計測5周、34″014がベストで暫定トップ。
続いて高橋選手はこのままのタイヤでコースイン、それはQ2で使用するNEWタイヤをそのままQ3で使用する為のシミュレーションでもある。
計測10周で、コンスタントに35秒台をマークしベストは35″272。
この時点で順位は5番手。基準タイムは勿論、Q1突破も問題無く、最後300専有走行で再び加藤選手のアタックで33″280でクラス3番手に上がり予選、Q1は終了。
予定通りQ2へとコマを進める。
1時間半のインターバルの後、300クラス専有となる10分間のQ2開始。
NEWタイヤでピットを離れる加藤選手。
このタイヤは、この後のQ3、そして明日の決勝スタートタイヤとして使用しなくてはならないので、それらも考えたドライブが必要である。
2周を終え、アタックに入ろうという時、86号車ランボルギーニがスピン。コース上でストップした為赤旗中断。
こうした際にフラットスポット(タイヤの一部だけがすり減った状態で、スピンやブレーキロック等で発生する)ができたとしても、明日はこれをスタートタイヤにしなくてはならない。
仕切り直しの後、加藤選手のアタックは33″424!Q2クラストップ、勿論Q3進出。
この順位は、高橋選手へのプレッシャーとなったかも・・・。
500クラスのQ2を含み20分のインターバルを挟み、最終Q3。
アッタクに入る高橋選手。
35″822から始まり、徐々にタイムを短縮するものの4周目の35″206でQ3終了。
9番手25号車ポルシェの34″982に続く10番手グリッドとなった。
想定内のグリッドではあるが・・・安定してきたタイムは決勝で期待できそうである。
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ピットウォークでは、端っこのピットにも関わらず多くのファンが訪れる。EVA人気・・・。
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エンジニアと雑談後、予選に臨む加藤選手。
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Q2では加藤選手によりトップタイムの2号車だったが・・・
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Q2へ進んだタイヤは、Q3、そして決勝スタートでも使用しなければならない。(OICの周りにマーキングされる)
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最終Q3に臨む高橋選手。
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だが、こうしたタイムアタックが苦手な高橋選手、10番手に沈む。
■予選後のコメント

■高橋選手
「ひたすらごめんなさいとしか言いようがないですね。せっかくQ2が1位だったのにQ3で10位なんて・・・ホントに申し訳ない。」

■加藤選手
「今日の予選はコンディションに翻弄された部分もチョットあったんですけども、全般的には順調に進んでて・・・バランス的には全然問題ないんで決勝は楽しみにしてるんですが天気だけが不確定な要素でチョット不安材料あるんでそこをどうするか?エンジニアと・・ヨコハマのエンジニアと3人で打合せをしてるところです。明日頑張ります。」

■渡邊エンジニア
「概ね良好でしたね。加藤さんには素晴らしい(走りを)・・・ボク的には大体こんなもんかなってところまでは来てるんで、タイヤもよいし・・・でもタイヤが・・・今キテルんで・雨予報ですが、本当はドライで走りたいかな・・・と、いう感じですね。まあ(加藤選手を見ながら・・)雨も良いんでしょう。あとは(明日の朝)高橋さんのマイレージを稼いで・・・高橋さんもロングランのタイムは悪くないので、そこの精度を上げてあげるのがレースの結果を左右する要素かな・・・って思ってます。バランスは・・車もタイヤも悪くないんで・・・・」

■加藤選手
「レースの高橋さんのアベレージ(タイム)が、あとコンマ5秒上がったら、おれ全然ショートスティントでイイもんね!」

■渡邊エンジニア
「でもギリギリまで行くけどね。(笑)」

■加藤・渡邊
「ま~そんなとこですね。」

■ヨコハマ石黒エンジニア
「いや~ボクは今日のカトさんのタイム・・・不満が残るな~。コンディションにもよるけど~・・目標は2秒1(32秒1)。舘さんの言葉をかりると、「マッ~マッ~マ~マーマー」(後ろで加藤選手「チクショー」)でも明日、雨ですけど、どんなコンディションでも(紫電は)強い車なので期待して・・明日も全力でサポートさせてもらいます。」

22日(日) フリー走行 晴れ/ドライ

7時前にサーキット入りしたメカスタッフは、8時半から予定されていたフリー走行に準備を始める。
未明から雨は、コースを濡らすものの、“小雨”状態。
前日から、午後からの決勝レースは雨予報ではあったが、どんどんと前倒しとなっている様で、メカもレインセット変更に加え、電気系の防水作業、フロントウィンドーの撥水剤等、降雨対策をすすめる。
ところがそんな雨仕様が一気に無意味になる事態が起こる。
何と小雨が土砂降りに・・・・!

走行予定の30分前になっても雨脚は衰えない。
急遽各チーム監督が招集され、緊急ミーティングの結果、フリー走行、並びにそれに続くサーキットサファリは中止。
表彰台から各ドライバーが挨拶をしたり、サファリでは一部のドライバーが、バスガイドとして乗り込みコースを周回するなど、早朝から詰めかけたファンへのサービスに変更された。
そして決勝レース前のウォームアップ走行を若干延長すると言う事になり、午前中のマシンの走行は無く、それに伴うマシンメンテナンスも無くなった。
2009年より2Dayレースとなり、過密スケジュールになったメカスタッフにとっては、ひとときのブレイクタイムとなった。
皮肉なことに、フリー走行開始予定時間になったら、殆ど雨も上がり、その後のピットウォークにかけ、空も明るくなり、決勝直前のサポートレースは完全ドライコンディションへと変わっていった。
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フリー走行前、なんとどしゃ降り。
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ピット内に入った水を掻き出すエンジニア、シンタロー。
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中止となったフリー走行に代わり、ドライバー挨拶等のファンサービスが行われ。マシンもピット前に出される。

決勝レース

午後2時からの決勝レース前のウォームアップ走行、通常は8分間だが、25分間に延長。
ドライバー交代もできるので、スタートドライバーの加藤選手のみならず、高橋選手もレースセッティングのマシン確認を行った。
レース距離は通常の300kmから250kmに短縮され、また昨日のQ2、Q3で使用したタイヤでスタートすることから、早めのピットインを行うチームあるであろうし、それらを踏まえスタート時の燃料搭載量を調整する等、チーム各々作戦に応じたマシンセットとなり、他のマシンのタイムが気になるセッションだ。
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ピットウォーク中、幾度となく行なったドライバー交代練習。
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グリッド上での両ドライバー+チーフメカ
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スタート直前。健闘を祈り握手を交わす。
雲はあるものの青空が顔を出し、雨の心配は全くなくなった午後2時、フォーメーションラップ、そしてスタート。
オープニングは特に混乱も無かったが真後ろの41号車フェラーリに裏ストレートでパスされ11位。
ところが3周目、監督無線(レースディレクターからのホットライン)に「ゼッケン2番、ドアが開いているとの(コースオフィシャルからの)報告あり。確認中!」
接触でもあったのか?
サインテリアにチーフメカが走る。ストレートを通過する「エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電」、右側に接触等の異常は無く、ドアも開いているようには見えない。
4周目に入って、ライブカメラに追われた「エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電」、ブレーキング時にハッキリと、開く右ガルウイングドアがモニターTVに映しだされる。
5周目「ゼッケン2にオレンジボール!オレンジボール!」無線知らされると同時に、加藤選手に連絡。
オレンジボールは黒字に丸オレンジの旗で、マシンに異常があるとゼッケンと共に提示され、これを提示されたらピットに戻り点検、必要に応じ修理をしなくてはならない。
接触等、ボディの破損は無いが、キャッチの故障も考えられるので、外から固定できるようガムテープを準備。
ピットロードに入る加藤選手。
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オープニングラップの1コーナー。
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2周目に入る同じ1コーナー。41号車、赤のフェラーリに先行されている。
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スタート早々ドアが開き、ピットインの指示が出される。
ピット前に止まると同時にメカがドアを開閉!キチンと閉まった。
特に問題なさそうだが念の為、ガムテープで固定する。
あまりガッチリ固定しては、ルーティーンピット時に開けにくくなってしまう。
僅か3~4秒のピットストップだが、ピットレーンの走行でトータル35秒弱のロス。
当然最下位(21位)に転落。
しかし加藤選手、モチベーションが下がるどころか、第一種どころか、特殊戦闘体制に突入。
トップグループが36秒台に落ち着いてレースをすすめる中、35秒台前半で猛追。
10周目トップ11号車フェラーリとのタイム差は46秒だったが、13周目には42秒差。順位は19位。
15周目18位、17周目17位と着実に順位を上げる。
21周辺りからピットインが始まる。
SUPER GTは、一人のドライバーが3分の2以上を周回してはならないというルールがあり、今日のレースは68周。
従って45周以上は周回できない。逆算で23周したらいつでも交代可能であり、300クラスは62~63周なので実際には20周を超えた辺りからピットインは始まる。
予選で使ったタイヤでスタートし、コンパウンドの選択によっては、そろそろタイヤがきつくなっているチームあるのだろう。
少な目のスタート燃料と合わせ、早めのピットイン作戦をとるチームも多い。

20周を超えてもひたすら35秒台(たまに36秒)の加藤選手。
20周を終え、9位走行中の25号車ポルシェのピットインを皮切りに、以降の周回で各マシンがピットイン。
「エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電」も見かけの順位が上がっていく。
23周目11位、26周で7位。
トップ11号車もピットイン、タイヤ4本交換。
上位陣は殆どタイヤ4本交換のようだ。
28周目の順位は87、43、41、62号車に次ぐ5位。前4台は全て未だノーピット。
ヨッスィーに代わった66号車アストンマーチン、前半トップだった11号車とは、コース上でのバトルではなく、早めのピットインで順位を入替る。
元チームメイトの活躍に、我々のピットクルーも沸く。
タイヤを代えた上位陣もタイムは35秒台。
だが、かなりタイヤを使った加藤選手も35秒台!どころか34周目34″849のベストタイムをもマーク!
正に覚醒の走り。
タイヤ交換後にベストタイムをマークする場合もあるが、レース後半はコース上にはタイヤカス(ゴルフボール大から、大きいものだとがテニスボール位)が溢れ、これを踏むとグリップが低下するし、
また周回遅れや500クラスのマシンが全周に渡って走行しているのでなかなかペースを上げられないのである。
見かけ上、前を行く4台も順次ピットイン。
「エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電」加藤選手は38周で見かけ上トップとなり、その後も66、11号車、そしてトップ10の中、唯一のJAFGTマシンで、リヤタイヤ2本交換で逆転を狙う43号車Garaiya等、事実上のトップグループと変わらぬ35~36秒台で周回を重ねる。
41周を終え「エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電」も活動限界が近づく。
ピットイン予定は43周だが、一向にタイムの衰えを見せない加藤選手に対し渡邊エンジニアから「前詰まってなければ1周伸ばしま~す!」加藤選手「OK!いいよ~!」
44周目のピットイン。
今回は最終コーナーよりのピット。
ピットロードエンドに姿を見せた「エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電」。
前後のピットとのバッティングもなく、 交換用のタイヤ、タイヤマン(タイヤ交換担当のメカ)も配置されたピット前にスムーズにストップ。
だが、タイヤ交換に必要なジャッキアップは無し!
ドライバー交代、給油作業のみ。
上位始め、多くがタイヤ4本交換する中、タイヤ無交換作戦を敢行!
ピットストップを10秒以上短縮し、高橋選手に代わった「エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電」を送り出す。
加藤選手からの現状のタイヤの状況、過去のタイヤデーター、残り周回(推定19~20周)と、冷えたタイヤでのアウトラップのタイムの落ち込み等を考えた結果の“奇襲”である。
ピットアウト直後に、3位だった43号車がマシントラブルでリタイヤした為、復帰した時点で4位、最下位からの素晴らしい追上である。
トップ66号車、2位11号車、続いて87号車その7秒後ろに高橋選手。
だが前のマシンより、その後方6秒に迫る4号車BMW、27号車フェラーリ、74号車カローラの3台が脅威だ。
36秒台の3台に対し、37~38秒台の高橋選手。
47周目のプラス4秒差は50周目にはコンマ7秒まで詰められてしまった。
加藤選手の脅威の追上は、予想以上にタイヤを酷使しており、バランスの変わったマシンに翻弄され高橋選手はなかなかペースを上げられない。
51周に入り背後に迫った4号車BMWに裏ストレートで先行され、ヘアピンのブレーキングで詰め寄るも果たせずパスされる。
同じ周回、ダブルヘアピン手前のストレートで27号車フェラーリを何とか抑えきるも、ヘアピン1つ目でミス!アウトに膨らみイン側の27号車に先行される。
この2台は36、37秒台で逃げ、38秒台の高橋選手はついていけない。
その間に74号車カローラがコンマ5秒差で背後に迫る。
53周目に入り、「エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電」と同じJAFGTの74号車カローラは、FIAGTマシンの様に裏ストレート先行できず、ヘアピンで並ばれ立ち上りで高橋選手をパスしていく。
レース中も、コースサイドからアドバイスを送るドライビングアドバイザーの舘さんから「ついて行ってー!チャンスあるからー!」と激が飛ぶ。
舘さんからは「後ろしばらく500こない!前だけに集中して!」など、高橋選手がドライビングに集中する為の助言を送っている。
7位にドロップした「エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電」、8位は後方6.5秒の26号車ポルシェ。
37秒台に安定した高橋選手に対し、36秒台で迫り、55周目にはプラス4秒、58周目にはプラス1秒に詰め寄られてしまった。
残り4~5周!抑え切るにはかなり厳しい・・・・。
60周目、裏ストレートエンド26号車がわずかに先行し、ヘアピンイン側に入る。
立ち上りで完全に先行され、8位に・・・。
ここでも舘さんから「しっかりついて行って~。チャンスはあるからー!」
パスされてからも26号車に1~2秒差で喰らいつきプレッシャーを与えるが、62周を終えチェッカー! 8位・・・。
だが、このプレッシャーが効いたわけではないだろうが、7位の26号車はチェッカー後もレースペースで走り続け他車と接触。
これが危険行為となりレース後ペナルティの裁定が下された。
結果繰り上がり7位、4ポイント獲得となった。

タイヤ選択、マシンのセッティング、戦略に問題はなかったが、想定外のドアトラブルによるピットイン。
このトラブルは、裏ストレートからヘアピンを回り、続く左リボルバーコーナーからパイパーコーナーの間で、アウト一杯に出た際に、縁石に乗った際にショックで開いてしまったようで、無論ドライバーの責任ではない。
その遅れを取り戻さんと、加藤選手のドライビングによるタイヤへの負担は、高橋選手へとシワ寄せが行き今回の結果となったが、実質今シーズン初レース。
チャンピオン争いに加わるには、充分リカバリー可能で、2年のブランクを感じさせない高橋選手のタイムや、マシンの仕上がりなど明るい材料も多い。
次回は「エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電」の得意とするセパン。
勿論表彰台を狙う。
11R01-515.JPG ギリギリまで加藤選手で引っ張りピットイン。 11R01-517.JPG 殆どのチームがタイヤ交換する中、無交換でピットアウト。 11R01-521.JPG 終盤、31号車ポルシェと7位争い。抑えきる事はできなかったが・・・
■決勝レース後のコメント

■高橋選手
「あれが(ドア)なければ3位くらいにはなったと思うけど・・・(カトちゃんは)よう追い上げたと思う。」

■加藤選手
「今日のレースは・・スタートの混乱は無事抜け出たんですが、競り合いの中でチョットドアが開いて・・縁石乗り上げた時なんですがドアが開いてしまって・・・残念ながら一回ピットインするよう命ぜられまして・・・そこからは回りも開けてたしペース的にも良くて、タイヤをセーブできながら良いタイムをきざめれたのでタイヤ無交換作戦を敢行し、高橋さんに繋げました。結果的は8位(後に7位に繰り上がる)だったんですが、ビリから8位にリカバリーできたんで・・・ま~良くはないですが何とかリカバリーできてよかったかな。ポイントも取れましたし~あの・・(後ろで高橋選手が「よく人を傷つけんでしゃべるね~」(笑)ま~データーも取れましたし、実質我々には開幕戦なんで、次得意のマレーシアで頑張ります。応援ありがとうございました。」

■渡邊エンジニア
「ん~~・・ドアが開いたってのが、全てですね。今回は・・なんでチョットあんなんなっちゃたのか?縁石乗ってガタガタって振動入ったら開いたってんですが先シーズン、昨年も含めて1回接触してドア開いたって事は有ったんですが、対策してからはそれからはそうした事は無かったんで、ヒンジ、及びキャッチ回りをチェックしないと現状では原因が断定できないのですが・・・・作戦とかセットアップに関してはほぼ良かったのかなっと思ってます。加藤さんがほぼギリギリまで引っ張って、タイヤ交換したトップグループと変わらないタイムで走り続けていたんで、選んだタイヤもそんなに大きく失敗していなかった。今年は特に紫電は、他のFIAGT勢に比べて・・、昨年からそうなんですが・・まっとうに戦うにはなかなか勝利を得るのは厳しいんで、ある程度“飛び道具”的な・・今回もタイヤを替えなかったんですが、こうした作戦的な事を駆使していかないと上にはあがれないと思ってるんで・・今回無交換のタイヤでなかなか走りにくい状態で高橋選手が走りましたけど・・・これを乗り越えてもらって次回の勝利に繋げられればいいかな・・・っと。次頑張ります。」

DATE:2011/06/10