モータースポーツ

2014:SUPER GT第5戦 富士スピードウェイ

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8月8日 設営日

今年は、10月初めに第7戦タイラウンドが開催される為、例年と年間スケジュールが異なり、1ヶ月早い8月第二週9、10日が第5戦富士となる。
1ヶ月早いと言っても、残暑と、猛暑の違い程度で、それほどコンディションが変わる事はなさそうだ。
第4戦SUGOは、今シーズン決勝レースにおいて、初めてのトラブル(クラッチトラブル)に見回れチェッカーを受ける事はできなかったが、その後の鈴鹿テストではトラブルも無く、マシンのパフォーマンス相変わらず悪くない。
今回の富士スピードウェイ、「シンティアム・アップルMP4-12C」は得意とする所で、昨年JAFGPスプリントでの優勝、そして今シーズンでも第2戦では7位入賞と相性の良さを見せている。
加えて、ここまでのテストでにおいては、昨年とは比較にならない程のメニューを消化、多くのタイヤデーターを得て、第2戦以上にタイヤのポテンシャルも上がっており、更なる上位入賞を目指したい。
だが、明日の予選、明後日の決勝レースにかけて、ちょうど台風11号が接近、ウェットコンディションは間違いないと思われ、苦しいレースが予想される。

もっとも、台風の規模、雨量等によってはレースどころではない。
2010年にはサーキット周辺の道路が寸断されレース開催が中止となった事もある。
レースを楽しみに来場される観客の方々は勿論、ドライバー、エントラントの安全が第一・・・不安がよぎる週末ではあるが、台風の動きにも注目したい。

8月9日 プラクティス・予選 くもり/ドライ

心配された台風・・・速度が遅く、進路がやや西にそれた事もあり、ここ富士スピードウェイに限って言えば、特に影響を受けているとは思われない。
午前プラクティス
午前のプラクティスはウェット宣言(マーキングタイヤ以外のウェットタイヤを使用可能)も出ること無く、完全ドライコンディションで始まった。
いつもの様に加藤選手による走り出しで、44秒台から40″233で3番手・・そして39″553でトップタイム・・・その後は39~40秒台で周回、セット確認を行う。
12周程走った所でピットイン・・順位は61号車(スバルBRZ)に抜かれ2番手に落ちたものの、マシンのポテンシャルは高い。
これまでの豊富なデーター・・特にここ富士は、「シンティアム・アップルMP4-12C」にとってもっとも走りこんでいるサーキットで、今回持ち込んだままのベースセッティングは、ドンピシャ!!
全く手を加えること無く高橋選手をコースに送り出す。
直ぐに42秒台から41秒台へとペースを上げ、コンスタントに41秒台、ベスト40″752といいペース。
計測10周を終え、ピットでロガーチェック。
加藤選手「良いじゃないですか!!」とお褒めの言葉を貰い、再びコースへ・・・・
20周回ほどしたユーズドタイヤながら、コンスタントに41秒台はアマチュアドライバーとしては申し分ないタイムである。
途中NEWタイヤに替えてのアタック・・・と言ってもまだ500との混走状態の中、また2周回し、もっともグリップが良いと思われる時に赤旗中断されたが・・・そんな中40″656までタイムアップ。
その後10分間の300占有となり、高橋選手もまだタイムアップ可能と思われるが、予定通り加藤選手に交代。
加藤選手はタイヤを替えずにアタック、39″547までタイムアップするも、他のマシンはNEWタイヤに替え、予選シュミレーション・・タイムは上がり、39秒台に入れてくる。
結果は4番手・・・まずは上出来のプラクティスであろう。
午後 Q1予選 くもり/ドライ
まずは上位13台を選抜すべくQ1予選、今にも雨が落ちてきそうな厚い雲・・ドライコンディションながら、ウェット宣言が出される。
予選中に雨がふれば自由にウェットタイヤを使用できるが、それを使う事態が来る前にドライタイヤでタイムを出そうと、定刻午後2時、セッション開始と同時に全車一斉にピットを離れ、15分間のQ1に入る。
計測2周目、39″552、3番手。
そのまま連続アタックの間に、ライバルもタイムを上げ、あっという間に7番手に落ちるが、翌周のタイムは39″143で再び3番手に押し上げる。
それもつかの間5番手に・・・凄いアタックの応酬である。
しかし連続3周目の加藤選手のアタックは38″748で2番手に上がり、アタック終了。
このタイヤは明日の決勝スタートタイヤになる可能性もある為でもある。
最終的には55号車、0号車(共にCR-Z)2台のアタックがワンツーとなり、加藤選手は2号車を3番手でQ2へと進め、高橋選手へと繋いだ。
もっともここまで攻めなくともQ1突破は確実だが、加藤選手のプロとしてのパフォーマンスである。

500クラスのQ1が赤旗中断で遅れ、300クラスのQ2は定刻の9分遅れ。
今日の様な天候では、僅かな遅れが“雨を呼ぶ”可能性があり、気が気ではない。

Q2予選は12分・・計測2周目41″007、12番手。
翌周一気に39秒台!!、39″930・・だが10番手。
翌周はタイムアップならずも、やはり39秒台、そして更ならアタックは39″538!!プラクティスから1秒の短縮するも、並みいるプロドライバーの中では10番手、だが素晴らしいタイムであり、コンスタントにマークする実力は、決勝レースでの上位入賞を期待するに充分だろう。

しかし、まだ台風、雨の心配が消えた訳ではなく、決勝レースは雨となる確率は高く、そうなるとドライバーのスキル以上に、タイヤのキャラクターの差が出てしまう。
何とかドライで勝負したいところだが、こればかりは天に祈るしかないが・・・厳しそうだ。

8月10日 フリー走行・決勝 雨/ウェット

午前 フリー走行
ズッと気になる台風の・・・というより雨雲の動き。
昨日は全く出番のなかったレインタイヤ・・・今朝はフリー走行からフル活動。
超ヘビーウェットで始まったフリー走行、コースに出た加藤選手だったが、「雨量増加の為」1周目から赤旗中断。
8分後再開されるが、ヘビーウェットに大差は無いが、52秒台、そして50″918で3番手。
この中断による走行延長は無いと思われる為、残り時間を高橋選手に交代するか?もう1種用意したソフトレインをテストするか?迷うところだが、雨が予想される決勝レースに向けたデーターは欲しい。
レインタイヤを履き換え、加藤選手は再びコースイン。
このソフトレイン、今日のこのコンディションとは相性は良くない事が判り、貴重なデーターを得る。
高橋選手は、この後のサーキットサファリで走行する事とし、フリー走行は加藤選手のみで終える。
順位は7番手、トップは61号車(BRZ)が49″029と飛び抜けているが、2番手以降は50秒中盤、レインセッティングもほぼ一発で決まった様だ。

10分のインターバルの後サーキットサファリが始まる・・・予定だったが、ここに来てまたまた雨脚が酷くなり、約10分遅れ、やや小降りになって走行開始。
久々にここ富士でのウェットコンディションを走行する高橋選手。
アマチュアドライバーにとっては、レイン走行勘を取り戻す重要なドライブとなる・・・はずだったのだが、再び“雨量増加の為”走行中断・・ではなく走行終了となってしまい、実質ストレート1回通過の2周、タイヤも温まる事もなく終える事となってしまった。
決勝レース、高橋選手・・・大丈夫か?!

午後 決勝レース 雨/ウェット
ふたつのサポートレースの間も雨は降り続く・・・時々小降りになるかと思うと、ザーッ!と降ってくる。
そんな中、ファンの方々の楽しみ、ピットウォークの時はかなり小降りになったのは幸いだった。

通常国内のレースでは午後2時からの決勝レース、だが今回は夏時間か?午後3時からのスタート。
午後2時少し前、これまたいつもなら8分間のウォームアップも、20分間に延長された。

これは、朝のフリー走行、サーキットサファリが雨の為中断、短縮されてしまった事によるレインセッティングの確認が不十分なエントラントと、雨の中レースを待ちわびるファンに、少しでも早くマシンの走行を見てもらおうという事で、審査委員会と主催者の判断により、12分前倒しでコースオープン、スタートドライバーの加藤選手が深みぞレインタイヤを履いて雨のコースへと出る。

チームがクルーも合羽を来てグリッドへ向かうが、これまでもレインレースはあったものの、どういうワケか?合羽を着込んでグリッドに行くことは意外に少ない・・・一昨年の富士スプリント第1レースくらいか・・?それ以前は殆ど記憶が無い。

マシンもクルーも完全レイン仕様でグリッドウォークが進む。
レインタイヤは、深みぞのミディアム、浅みぞ(インターミディエイト)と準備、万全の構えでスタートを待つが、結局ウォームアップで走ったタイヤ、深みぞのハードでスタートする事となった。

フォーメーション開始5分前、SC(セーフティーカー)スタートが決定。
フォーメーションラップは無く、SC先導によりグリッドを離れた時からレース周回がカウントされる。
雨脚はそれほど強いものではないので、SC先導は2周、3周目から“リアル”レーススタート!!

実質オープニングとなる3周目、順位変動は無く10位・・・だが翌周に動き出し、12番手スタートの10号車(メルセデス)がタイヤキャラクター(ダンロップ)を生かし、Bコーナー(ダンロップコーナー)立ち上がりでインから先行され、11位と下がる。
しかし5周目ストレートエンドで前を行く86号車(ランボールギーニ)をパス・・10号車は更に先行・・・そして、0号車(CR-Z)のスピンもあり9位に・・・。
6周目に入った、ストレートエンドで10号車の前にいる、7位の30号車(GT-R )をも視界に入れ、10号車と共に攻める。
ヘアピン立ち上がりで10号車が30号車を抜き去り、その30号車の後ろに加藤選手はピタリとつける。
7周目に入るストレート、30号車の後ろに付きスリップに入るが抜き去るには至らず、このラップは終始テールtoノーズでプレッシャーを掛け、最終コーナー進入で大きくアウトに膨らんだ30号車、そこを満を持してインから行く加藤選手がパス・・だが立ち上がりアウト縁石で僅かにロス!
パワー勝負では2号車マクラーレンに引けを取らないGT-R、一旦先行しかけた2号車とストレート序盤で追い付き並走・・・ガチンコパワー勝負となったが、ストレート中盤で2号車がジリジリとリード、マクラーレンに軍配が上がり8位へと上がる。

トップはミシュランタイヤの61号車(BRZ)、序盤から50秒台で逃げ、2位以下は“諦めの”52~53秒台・・・とても食ら付いて行けるタイムではなく、7周を終え、1位、2位の差は既に14秒!!、2位から10位までが10秒差と、圧倒的な速さ。

だがそのリードも8周目に入り、雨が強くなり“雨量増加のため”SCが入る事によって帳消しとなってしまう。
SCが入ると、一旦ストレート上に300、500クラス別に整列し、両クラスのトップから前に位置するマシン、グルっと一周して後ろに着くことができる為、“もうすぐ”周回遅れになるほどの差をつけられていたとしてもリセットされるのである。
このレース序盤では、トップから最後尾24位まで、まだ60秒程の為全車同一周回でリセットされる事になり、11周目に再びSC先導により“周回のみ”カウントされて行く。
その後SCランは16周まで続いたものの、雨脚は弱まらず、15時45分赤旗出されレース中断。
赤旗と言っても、SCが入るのと、レース自体に大きな違いはなく、ドライバーが降りられる事、それに伴う補助(シートベルトの補助)ができる程度で、メカがマシンに手を出すことはできない。
約25分の中断、雨も小降りとなりレース再開のアナウンスが流れ、ドライバーも乗車、再度SCスタート、ヘビウェットに変わりは無いが、レースはできそうだ。
今度は2周のSC先導は2周、19周目からレース再開となったが、完全に冷え切っったタイヤでの“オープニング”はタイヤのキャラクター(メーカー、ソフトか?ハードか?)で差が出やすく、まだ充分なグリップを発揮しない2号車、1コーナーでアウトに膨らんだ所を30号車にインを刺され、またAコーナー次の右100Rの高速コーナーで11号車(メルセデス)にアウトから抜かれ10位へと後退してしまった。
その後再び30号車を抜き返し、また他のマシンのミスもあり25周目は8位へ・・・ところが26周目最終コーナーで大きく膨らみ、加藤選手には珍しくコースアウト!約1秒少々のロスだが33号車(ポルシェ)に先行され、コントールライン上では9位となるも、1コーナーで抜き返しリカバリ-。

そろそろルーティンピットも始まろうかというレース中盤、雨脚はかなり弱まり、コース上の水もかなり掃けてきている部分もある。
全車深みぞレインタイヤでスタートしたが、そろそろどうするか?後半の空模様とも相談し決断すべき時がきている。

26周過ぎ、決断を下し“早くも”ルーティンピットが始めたチームもあり、インターミディへと履き換えコースに出るが、決してインターミディが有利とは思えない53~54秒台のラップで周回を重ねる。
だが30周を過ぎた辺りから52~51秒台へと徐々にタイムが上がってきている。

現段階だけを見ればインターミディ(浅みぞレイン)の方が良い時期にきているかもしれないが、昨今精度が上がり、皆が入手、閲覧可能なウェブサイトの雨雲の動きを見ると楽観できるものではない。

35周目2号車加藤選手の見かけの順位は6位、タイムは54~55秒台、インターミディ勢は既に50~52秒台と快調だが、レースはまだ半分、ひと雨くればインターミディは再度タイヤ交換を強いられ、脱落は必至であり、それは今直ぐに来てもおかしくない空模様であり、今日の天候である。

加藤選手「(今の)タイヤはもうもたない!!」今すぐにもピットインさせたいところだが、エンジニアも、今コース状況をもっとも知る加藤選手もタイヤの決断がつかない。
結局、加藤選手をもう少し引っ張り、終盤雨が来ると予測、その時の高橋選手の安全マージンを考慮し40周過ぎにレインタイヤへの交換を予定。

41周を終え、レインタイヤを並べピット作業の準備に入る・・高橋選手もスタンバイ。
だが直前「インター(ミディ)、インター(ミディ)」と無線!!
急遽インターミディに変更となる。スタンバイ中の高橋選手にもエンジニアから耳打ちされる。

残り周回約20周のガソリンと、インターミディタイヤに替えピットを離れる高橋選手。
今日殆ど走っていない高橋選手・・・しかもデリケートなコースコンディション、アウトラップは15位・・・予想通り大きく後退してしまった。
翌44周目は56秒台で17位、・・・昨日ドライで好調だったとは言え高橋選手には、やはり難しいコンディションだったか・・・。
ところが翌周50″916!!一気にペースが上がり16位。

その後も50~51秒台のハイペースで“追い上げ”50周目には12位へとポジションアップ!!
このペースは上位グループと遜色は無く、ポイント圏、シングルポジション勢を上回るペースである。
残り周回は10周少々、終盤の展開が楽しみである。

ところが53周を過ぎた辺りから、予想通り雨が落ちてきて、翌周にはかなり強くなり一気に2分以上のペースに落ちてしまい、またもSCが導入されレースはリセット。
57周を終え、レース序盤時と同じくコース上で整列、停車、直ぐにSCを先導に、500クラス、そして300クラスとスタート。
レース中盤以降もトップは61号車が、ほぼ異次元のタイムでレースをリード、2位に10秒の大差をつけていたが、リセット・・・1位から18位までが同一周回。
SC先導中、ピットレーンオープン(ピットイン可能)となると、ピットに駆け込みレインタイヤへ交換し、最後の勝負に出るチームも・・・。

渡邊エンジニア「タイヤどうします?」の問いに、高橋選手「SCが退去する頃は雨が少ないと思うでこのまま(インターミディで)行く!」との事・・。
58、59周とSC先導走行が続く中、雨脚はやや弱まったものの、残り2~3周のバトルは非常に危険を伴うという判断から、SC先導のままレースは終了となり、高橋選手は物足りない12位で終わった。
我々がSUPER GTに参戦し13年目となるが、SC先導でのチェッカーも、300、500クラス全車完走も初めての経験である。

画像はFacebookアルバムで・・・。

DATE:2014/08/20