モータースポーツ

2014:SUPER GT第6戦 鈴鹿サーキット

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8月29日 設営日

例年、盛夏8月中旬過ぎに開催される、鈴鹿Pokka1000kmレース。
今年は8月最終日31日が決勝レース・・・、心なしか朝晩の涼しさを感じる時期の開催となった。
途中諸事情もあり、距離が短縮された事もあったが、伝統の1戦である事に変わりはなく、我々「CarsTokaiDream28」が、GT300クラスへのデビューレースも、2001年のこの1000kmレースである。
優勝した事も、紫電の2年半に及ぶ長い完走記録が潰えた事も、表彰台まであと少しという所でトラブルで後退した事・・・等々、長時間のレースはレース全体は勿論、チームにとっても多くのドラマを生み出しており、今年はどんなドラマと遭遇するか?
レースに参戦する側からすると、自チームは平穏無事に、“ドラマ”は他で起こって欲しいと願うばかりだが・・・(笑)

第3ドライバー登録が許されるこの1000kmレース、今年は濱口 弘選手を起用。
2012年、紫電の鈴鹿ラストランで組んで以来、2年振りの助っ人であり、この時も走行終了直後、熱中症で倒れ、そのまま担架で運ばれるというドラマを演じているファイターだ。
今年はAsianGTで、我々と同じMclarenMP4-12Cを駆り、優勝も含め上位で活躍中で、高橋、加藤両ドライバー以外、現在、Mclarenでレース参戦する唯一の日本人である。
この3人で挑む1000km、今年はどんな活躍を見せるか!!

8月30日 プラクティス・予選 晴れ/ドライ

午前プラクティス
予報とは変わり、快晴で迎えた練習走行・・プラクティス。
昨晩の雨は、路面にその痕跡は有るものの、全く影響は無いだろう。
走行時間はいつもと変わることはない100分+クラス占有走行10分・・・第3ドライバーの走行も考えるとかなりタイトなスケジュールとなる。
加藤選手はソフトタイヤでの走り出しで2分03秒台、更にタイムを上げた矢先に、500クラス32号車が裏ストレートで火災に見まわれ、約15分間の赤旗中断となる。
再開後のアタックで02″010で3番手タイムをマーク。
だが決勝に向けたハードタイヤの確認、またそれに伴う車高等若干のセット変更を行い、02″105・・・既に他車もタイムを上げ、この時点で7番手となる。

トップは0号車(CR-Z)既に01秒台・・・おそらく0秒台に入る勢いだ。
高橋選手、今月初旬の富士ではやや濡れの難しいコンディションの中、好タイムをマークしたが、ここ鈴鹿ではテストから、今ひとつ攻めきれず06秒台・・・06″762がベスト。
更なる走りこみが必要だが、計測7周、トータル8周で走行を終えなくてはならなかった。
1周2分を超える、ここ鈴鹿では、高橋、濱口両ドライバー共、多くの周回を走行する事はできない。
続く濱口選手、5秒台が続き05″110ベスト・・・。

だが、300クラス全マシン24台中既に22台までが02秒台をマークするというハイレベルな戦いの中、Q1突破は加藤選手に委ねる事になる。
そして、予選シュミレーションとして濱口選手がNEWタイヤに履き換え、300クラス占有走行でタイムアタック。
04秒台から03秒台へと順調にタイムアップ03″851がベスト。
更なるタイムアップを期待し、Q2予選は濱口選手が挑む事となった・・・が・・。

午後 予選 晴れ/ドライ
午後2時、Q1予選開始、上位13台が次のQ2予選へと駒を進める事ができる。
セッション開始直後にコースに入る加藤選手。
路面温度は午前30℃から10℃ほど上がり40℃、時間帯からすると、セッション中は更に上がりそうだ。
エンジニア:シンタロー「タイヤの温まりはかなり早いと思います。」と伝え、それに呼応し計測1周目で07秒台、そして翌周いきなり00″877のベストタイム!!!だが6番手。
既に上位8台までが00秒台!!そして15台以上が、従来のコースレコード01″481を突破している!!すさまじいアタック合戦となった。
そんな中、連続アタックに入った加藤選手、鬼神のドライブで1、2コーナーを抜け、S字へ1個目の左、続く右、・・・前の周よりすさまじい勢いで攻める!!
そしてS字3つ目左、コース一杯を使い・・・立上り、逆バンクへ向かう・・その時バランスが崩れスピン!!完全に一回転して逆バンクのグラベルでストップ。

人車共にダメージは無いものの、グラベルからの脱出ができない。
危険な箇所という事もあり、赤旗中断となりレスキューに牽引され、その後自走でピットに戻る。
ルールにより予選中、赤旗原因を作ったマシンは、予選が再開されても再出走はできず、また当該セッションのタイムは抹消される。
従って、予選はノータイム、最後尾確定である。

1000kmレースという長丁場のレース、予選順位は大きな意味が無いと思われるが、意外に抜きどころは少なく、より上位のグリッドからのスタートはレース展開を大きく左右する・・・が、悔やんでも仕方の無いこと、追い上げを期待・・・楽しんでもらいたい。

8月31日 フリー走行・サファリ・決勝 晴れ/ドライ

午前フリー走行・サファリ
1000kmレースの決勝日は忙しい。
午前8時半からのフリー走行30分、そして10分のインターバルの後、15分サーキットサファリ・・・そして色々デモランを含めたピットウォークが約1時間の終わると時刻はもう11時になり、サポートレースも無く、午後12時15分の決勝レースに向けたウォームアップを皮切りにスタート進行が始まる。
まずはフリー走行、ガソリン満タンでのバランス確認で、3名のドライバーが走り、実戦想定のピットシミュレーション、ドライバー交代を行う。
加藤選手、2′02″527で3番手!!とバランスは悪くない、続いて濱口選手04″488、そして高橋選手が06″193・・・高橋選手が昨日のプラクティス同様伸びない・・・。
高橋選手のマイレージを増やすため、続くサーキットサファリもそのまま走行、05″931と辛うじて5秒台。
これまでもレース中、周回を重ねる毎にタイムが上がって行く事も珍しく無い高橋選手、厳しいタイムだが、本番での奮起を期待するしかない・・

今回のレースは、4回のドライバー交代を伴うピットインが義務付けられており、最低5スティントとなる。
ドライバー交代必須の為、一人のドライバーが2スティント連続走行ができない。
以前あった(我々も紫電時代に行った)、殆どタッチ・アンド・ゴー的な作戦は取れない。
もっともそれは燃費の良いマシンの話で、頑張れば3回ピットイン、4スティントで走る事が可能マシンの話で、大食いの「MclarenMP4-12C」の場合、満タンスタートで、殆どガス欠付近(32~33周)まで走行し、満タンにし再びガス欠付近まで走行・・・を繰り返す。
作戦と言えるものではなく、これしか方法がないのである。
レースは500クラスが173周・・・300クラスはおそらく160~161周、そこへスターティンググリッド向かう周回、フォーメーションラップ、更に今回、三重県警の白バイ、パトカーの警察車両が先導するパレードラップがあり、レース周回とは別に3周が加わり、これを5スティントで割ると、32~33周・・・無論スタート前のこの3周は、レース時の燃費とはかけ離れているが、我々の“作戦”にとっては死活問題・・単純計算では結構タイトな“作戦”なのである。

午後 決勝レース 晴れ/ドライ
◆スタート加藤選手。
フリー走行、サファリが終わり、短いインターバルのあと、ピット前ではピットウォーク、コース上ではレースクイーンが居並び、賑やか様相だ・・。
ピット内では決勝レースに向けたメンテナンス、セット変更と大忙し、ランチをとる間も無くウォームアップ走行が開始される。
スタートドライバーの加藤選手がピットを離れ、グリッドへ・・・。
予選タイム抹消の為、グリッドは最後尾。
これまで、セパンで3回、今年はオートポリスで・・・と既に5回目の最後尾、住み慣れて落ち着いたポジションとなってしまった。
気温は27度と、例年より涼しく、おそらく今日は30度を超えることはないだろう。

警察車両の先導でパレードラップ、そして通常のフォーメーションラップ・・・。
エンジニアのシンタロー「最終コーナーでマップ○○にしてください。エフユー(燃料使用量を示すメーター)リセットしてください!」
と、“燃料管理”に対する指示が飛ぶ。
燃費が良ければ、給油時間を減らしたり、1スティントでの周回数を増やしたりと、作戦の自由度が増し、“レース終盤”に向け僅かでもマージンを稼いでおくことができる。
長丁場のレースは500、300クラス共波乱なく1、2コーナー、そしてダンロップコーナーを登り西コースへと消えて行く。
しかし最後尾グリッドの悲しさ、スプーンを立ちがって裏ストレート下りを加速すると、既にトップは裏ストレート登り切り10秒近い差がついている。
シケイン入り口で、すぐ前を行く86号車(ランボールギーニ)が、その前の5号車(GT-R)のインをついて前に出るが、続く左で左後部が5号車の右前と接触!!86号車スピン!!うまくかわして抜ける加藤選手。
グリッドからスタートできなかった33号車(ポルシェ)と合わせ、2台を抜いた形になり22位のオープニングラップを終える。
だがそこからは、なかなか前に行けない。
03~04秒台のトップグループ、充分追従できるタイムながら、中盤以下のグループに蓋をされる形で5~7秒台でしか周回できない。
前を行く5号車を130Rからシケインへの途中でパスしたのは9周目、21位に・・・更に14周目、スプーン2つ目でアウトに膨らんだ88号車(ランボールギーニ)を抜きやっと20位。トップグループは既に40秒以上先を行く。
前を行く19位は67号車でFIA-GT3勢の中・・と言うよりGT300マシンの中で無類のトップスピードを誇るGT-Rが再び前に・・・。
富士ではそのGT-Rをもストレートで抜き去るMclarenMP4-12Cだったが、ここ鈴鹿では気温が高くパワー不足、加えて直前の性能調整で、中間のブースト圧が若干下げられ、ストレートでも太刀打ち出来ない。
20周を過ぎた辺りから、各マシンのピットイン始まり、67号車と共に見かけ上の順位は上がっていく。
加藤選手のピットイン予定は31周だったが、ペースが落ちない事と、燃料も持ちそうなので・・・渡邊エンジニア「04~05秒台で走れるならもう少し引っ張りま~す・。」加藤選手「いいよ!」
その通りペースは変わらず、04~05秒台・・見かけの順位も上がる。
160周のレース(と推定)を5スティントで切ると、1スティント32周はMust!・・だがこのマシンにとっては結構ギリの数値なのである。
どのスティントでも、できれば引っ張りたい。
途中の燃費データーから、計算上もう少し行けるはずだがピットクルーと、2スティント担当の濱口選手は完全スタンバイ。
34周目、ピットロードに入る加藤選手。
◆2スティント目濱口選手。
今回の4回のピット、全てタイヤ交換、ガソリンはフルチャージ予定・・・だが、このフルチャージ、他のマシンに比べダントツに給油時間が長い。
昨年から燃料タンク容量が多くなり(ノーマルの仕様になった)航続距離が長くなり、通常の300km程度なら作戦の自由度が増すが、空になったなった場合は当然給油時間は伸びる。
もっともタンク容量が小さければ、4ピット、5スティントは不可能だが・・・。
50秒近い給油時間はドライバー交代に充分な余裕を持たせる事ができるが、それ以外には何もできない。
タイヤ交換は大急ぎ・・・作業完了。
ジャッキ降下、エンジンスタートの合図を送る・・・スターターは回るがエンジンが掛からない!!
約10秒後、ようやくエンジンが掛かりピットを離れる。
どのマシンより大食らいに加え、このもたつきは致命的!
アウトラップは19位と、殆ど上がっていない。
18位は6秒前・・再び67号車(GT-R)は06~08秒台。
それに対し濱口選手は05~07秒台と早い。
40周を過ぎると0.5秒差にまで迫るが、パスするには至らない・・・どころか、リズムが乱れたか?タイムにバラつきが出てきてしまった。
他のマシンのピットインもあり、44周目には16位と順位こそ上がっていくが、後ろからは33号車(ポルシェ)が迫り、翌周にはパスされてしまう。
15位には48号車(GT-R)が下がってきたが、これまたストレートが早く、タイム的には濱口選手の方が上回ると思われるが・・・
濱口選手「ダメだ!抜けない!!」
48周目にようやくパスするが、それまでのタイムは07~09秒台と悪かったが、再び06~08秒台へとペースを戻し順調に周回を稼ぎ予定通り32周回した、66周目ピットイン。
◆3スティント目加藤選手。
前回と同様、ガスフルチャージ、タイヤ交換ドライバーは再び加藤選手。
ところがジャッキダウン!エンジンスタート!!・・・しない!!!
直ぐ始動しない事まで前回と同様。
ようやくピットアウトして19位・・・。
1位60号車(BMW)と2位55号車(CR-Z)は共に03秒台で接戦を演じ、3位以下を大きく引き離しているが、3位グループは04~05秒台、そして中団グループは06~07秒に対し 04~06秒台で追い上げる加藤選手・・・確実に追いついている。
大きな波乱もなく34周を走り100周目3度目のピットイン。
◆4スティント目高橋選手。
しかしここでも始動にもたつき、稼いだ分がフイになる。
アウトラップで16位。

07~09秒台ので周回する高橋選手だが、ピットによる順位変動で108周辺りで13位にまで順位が上がるが、同一周回の12位からは、マイナス37秒、14位からプラス39秒と前後に大きなタイム差があり順位的には殆ど単独走行となる。
◆最終スティント加藤選手。
28周を終えた128周目、残り周回は32周なら、最後のフルチャージで走り切れるため、みたび加藤選手に最終スティントで送り出す。
高橋選手の周回が少なく、燃料が残っている為、このピットストップが、今回もっとも短いが焼け石に水・・・アウトラップで15位。
殆どのマシンが最終ピットを終え、順位が“確定”してきており131周目で14位・・・実り乏しき順位だ。
13位、11号車(メルセデス)からはマイナス102秒!!前にいると言うより、後ろに迫ってるといった方がいい大差・・・残り30周で追いつける差ではない。
にも関わらず、04秒台で力走する加藤選手。

143周目、トラブルを抱えたのか?11位走行の88号車(ランボールギーニ)が後退、13位へと上がる。
まだ何かが起きる可能性・・・もある残り16周・・30分以上。
何かが無い限り順位を上げる事はできない、他力本願状態。

144周目、2周先行していた2位の55号車(CR-Z)がスロー走行!そのままピットに入りストップ。
12位へと上がるが、”何か”もここまで・・・トップから2周遅れ、157周でチェッカーを受ける。

ドライバー、クルーは共にノーミス。
マシンは走行中はノントラブルながら、始動に手間取り大きなロスとなった。
“三歩進んで二歩下がる”なら良いが、ピットインの度に“三歩進んで三歩下がる”状態。
また1000kmレースではスターティンググリッドは大きな影響は無いと思われがちだが、現代の1000kmはスプリントを5回(スティント)繰り返すレースと全く変わらない。
スタート直後、上位グループと変わらぬラップで走行できるにも関わらず、序盤にペースとポジションを上げられなかった事が最後まで響いてしまった。
労多くして功少なし・・・正にそんなレースでした。

画像はFacebookアルバムで・・・。

DATE:2014/09/10