モータースポーツ

SUPER GT 2007SERIES 第3戦 FUJI スピードウェイ

2007シーズン 紫電
2007年06月19日

1戦2戦共、2位、初連続表彰台と、初物づくしの07年シーズン。鈴鹿と並んで、年2回開催の高速サーキット富士。
トップスピードが辛い紫電にとっては正念場である。
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SUPER GT FUJI GT500km


開催日:2007年5月3・4日
サーキット:静岡県 富士スピードウェイ
マシン名:プリヴェKENZOアセット・紫電
ドライバー名:高橋 一穂・加藤 寛規

5月1日(火)設営
1戦2戦共、2位、初連続表彰台と、初物づくしの07年シーズン。鈴鹿と並んで、年2回開催の高速サーキット富士。トップスピードが辛い紫電にとっては正念場である。
そもそも特認車両である紫電。4.5リッターとしては通常のリストリクター(吸入空気の入口の径)が、1サイズ絞られ、名門チューナー戸田レーシングをもってしても、おいそれとパワーアップはかなり苦しい。車重を増やせば、リストリクターを大きくできパワーを稼げると言うのが、GTレースだが、現在ベースとしている1200kg(昨年は開幕戦のみ1150kg)はコーナーリングスピードとの兼合いからほぼ限界。戸田レーシングには、この範囲でがんばってもらっている。
そうした、たゆまぬ努力により、昨年終盤からパワーアップ。今年に入ってからも更に開発は進みNEWヴァージョンエンジンが完成、この第3戦から投入されるなど、外観はほとんど変わらぬ紫電だが、ポテンシャルは着実に上がっているが、レースは相対的なもの。ライバルの進歩にどれだけシンクロしているか・・・?
この富士も不得意と言われるが、昨年はこの5月の第3戦でポールポジション、決勝は4位。以前の純高速コースならともかく、後半のテクニカルコースは、紫電との相性が悪くない・・・のか?


直前のSUGOテストではエンジントラブル。いつもながら良いところで壊れてくれた・・・のかな?

早くも50kg!結構効く・・。


5月2日(水)フリー走行
しかし今年は1・2戦のリザルトにより、昨年より既にハンディウェイト、+50kgの1250kgでこのレースをむかえる事になり、このハンディウェイトは今日の練習走行でも大きく響いている。
ゴールデンウィーク真っ最中の5月2日は練習走行。午前の走行は、曇り空ながら、昨日からの雨で、所々ウェットパッチが残るコンディション。
序盤はレインタイヤでの走行となるが、ライン上は乾き始め、レイン、インターミディ、スリックと、各マシン各様の混走となるが、しかしドライラインもまだ細い。各車のタイムも大きくばらつき、セッティング作業もままならない。
マシンコンディションは、戸田レーシングのNEWヴァージョンエンジンとあいまって順調。最高速も僅かにUP。やっと人並み・・か?


夜半の雨で、ウェット。降って来る様子は無い。

最初はレインタイヤでコースに出るが・・・


しばらく走ってドライタイヤに交換。だがコース上のマシンはバラエティに富んでいた。

長丁場レース用に新品ローターの当りをつけるのも、重要なメニュー。


午前セッション中盤でほぼドライなコースに・・・。最高速も少しUP。

この日から人知れず、応援横断幕のセッティング。


だがタイム的には加藤選手が1′43″401と昨年の予選タイムを下回る。昨今の進歩からすると、いまひとつかと思われたが、これでクラス3番手。
全体に伸び悩みか?別の思惑、いわゆる三味線か・・?しかしトップ62号車は速くすでに42″924。
このコンマ5秒差は大きい。ここから1秒までの43秒台に8台、44.5秒以内では16台がはいり明日の予選はかなり接戦の予感・・・。


お昼頃には、富士山も見えてきた。

昨年最終戦で使われた、ホイールカバー。ストレートの長い富士専用アイテム。


本格使用には微妙な季節なクールスーツ。だがテストも兼ね、前戦岡山から投入、
使用は今回から。

両ドライバー、マシン共、特に問題無く、無難に一日を終える。
 


5月3日(木)予選/スーパーラップ
3日の予選は朝から快晴。関東圏の富士ではGT人気も高く、サーキットには多くの観客が訪れた。<
昨日の練習走行からも、予選はかなりの激戦が予想され、午前予選で上位10台を選抜し、1台ずつのアタックによりグリッドが決まるスーパーラップ(以下SL)への進出は100分の1秒が命取りになりかねない。
500kmの長丁場レースの為、スターティンググリッドはさほど影響が無いと思われるが、今のGTレースで、500kmはチーム(マシン)によっては1回のピットストップで行えるスプリントの延長に過ぎない。グリッド位置が有利であるに越した事は無い。


すばらしい五月晴れ。今日、明日保証付き・・・らしい。

公開車検。富士のピット屋上は、F1に備えてか?屋根が増設されている。


紫電、ガルウイングマシンならではの、コマーシャルスペース。

昨年のJLMCで加藤選手がドライブした「Zytek 05S」のEBBRO/


10時20分予選開始。アタッカー加藤選手は、いつも通りモニターでターゲットタイムをチェック。
残り12分でゆっくりコースに出て行き、計測2周目、1′42″954!4番手タイム。SL進出は硬い所だろう。
トップは88号車の42″515だが、なんとそこから1秒以内に15台が、SL進出枠はコンマ76秒内に10台と、予想通りの激戦となった。開幕戦優勝の13号車でさえ、100分の4秒差でSL落ちである。
とっ、ここで、加藤選手から「メーターの表示がおかしい」との連絡。そのままピットに戻ってきた。
特に走行そのものに支障は無いようだが、表示がすべて消えてしまい、回転数やシフトインジケーター(何速に入っているかを表示)、シフトランプ(シフトUPの適正回転を青、赤で表示する結構重要なランプ)等ドライビングをサポートするランプ類も全て表示しない。
続く混走セッションまでの短時間の点検では、修復はできず、そのままの状態で高橋選手は混走セッションでアタック。
44″653のベストを出し、基準タイムクリア、決勝レースにも期待をだかせる。
午後2回目予選、SLまでの時間でメーター関連の配線類を点検するがこれといった原因が特定できず、エンジンそのものや、走行に支障は無さそう(恐らく・・)なので、そのまま出走。SLセッティングの確認。


激戦が予想されるSL権奪取に、加藤選手ゆっくりコースイン。

1回目予選を4位で終え、SL7番手出走。


高橋選手も混走セッションでタイムを短縮。決勝に期待感が高まる。

フロントウインドウが外され、メーター周りの点検が行われる。


むかえたSL、7番手出走(10位からスタート)の加藤選手は第1セクターで、その時点でのトップタイム(62号車)を上回ったものの、ウェイトハンディの効く後半で伸びず、42″350は暫定4位。このまま、残り3台が好タイムで前に行かれ(たら)、7番グリッドかと思われたが、最後に走った88号車のトップタイムだけが、割り込んだだけで、他2台は下位に沈み、SLの結果は5位(5番グリッド)となった。

ところが、SL終了後の再車検で3台の最低地上高違反が判明、グリッドは降格となった。その内2台は2位、4位(101号車)だった為、2号車は88・33号車に続き3番グリッドへとジャンプUP。後ろは43・26号車と続く。

ランキング争いのトップ、101号車が8番グリッドに下がったのは全くもってラッキー!しかもウェイト0kgで1ポイント追加となり、2号車にとっては“良い風”が吹いているようだ。


SLタイヤを暖めておく。

昨年最終戦までチャンピオンを争った山野選手と談笑。今年はスバルで苦戦中。


SLに向かう加藤選手。

待機中。今回のSLのBGMはユーミン「潮風にちぎれて」以前も使った。


前半セッションではトップタイムを出したのだが・・・。

後半で伸びず・・・7台終了時点で4位と沈んでしまった。


ところが終わってみたら10台中5番手!(1台はトラブルで計測できず)だが、更に良い事はつづいた。

夕方からのキッズウォークも最近は盛況。


両ドライバーもサインに応える。平均年齢が高いからか?子供に人気がるみたい・・。

そんな中再車検からマシンが帰ってくる。間近にマシンが見られ、これもサプライズ。


5月4日(金)決勝 快晴
4日決勝は快晴。いつも通り満タン走行だが、いつもに比べ、綿密な燃費確認を行う。
この500kmレースは300クラスの場合、マシン、タイヤ選択、ドライビングによっては、1ピットで行ける、ギリギリの距離であり、“それなり”のアベレージタイムを出せれば、1ピットが絶対有利であろうと、今回は1ストップ作戦で行くことにしたからである。
但し、タイヤと、燃料をもたせるエコドライブに徹し、“それなり”のタイムを刻むのはドライバーの技量が問われる。だからといって2ピット作戦で“勝ち”に行くにもまた別の技量が必要ではあるが・・・。
高橋選手のスキルUPに伴う、次なるステップと言う事でもある。


ホテルからサーキットへ向かう道すがら見えた富士山はクッキリ。

このフリー走行での燃費データーは決勝戦略を左右する。


その結果、エンジニアシンちゃんより「基本は1ストップで行きます。」がスタッフに伝えられる。


午後2時からの決勝。気温は26度と高めだが、ストレートの追い風が、ドライバー以外の体感温度をやや下げている。
決勝は110周。
300クラスは102周辺りがゴールとなる。
1ストップ作戦を取るには、両ドライバーともほぼ50%ずつの走行が必須で、これまでの様に、加藤選手がレギュレーションの3分の2を走る事はできない。
高橋選手も50周近くを走行する事になる。


ゴールデンウィーク、快晴、関東圏、多くの観客でスタンドは埋まった。

グリッドに向かう直前まで、ガソリンをチョー目一杯詰め込む。


グリッド上の加藤選手。この中に重大なミスが隠れています。答えは最後に・・・。

グリッド上の両選手。


加藤選手のかつてのパートナー谷口選手。岡山では終盤2位を走る高橋の後ろを脅かした。谷口選手のHPにもそれらが書いてあります。ご一読を・・面白いです。

向かって右後ろは43号車Garaiya。1,2戦と不運が続き、我々としてはラッキーでしたが・・・まともに走られたら正直、勝ち目が無い。


スタートは加藤選手。前の2台、88・33号車は2ピット作戦であろうから、それらのペースに巻き込まれず、後ろの101、43号車等、1ピット予定のマシンにリードを築けるタイムを、淡々と刻み続けてもらいたい。
どこのマシンが1ピットか?は、ラップタイムと、1回目のピットインで推定するが、それらも重要だ。 レースはフォーメションラップ中、1台の500マシンがトラブル。コース上で止まった為、もう1周追加された。これでレースは1周減算されるので、燃費にはありがたい。
スタート直後から43、26号車に抜かれ5位に・・・。43号車は1ピットであろうはずだが、かなりのハイペースである。
序盤は88号が逃げ、リードを広げるが、その後43、33、2号車に26号車も加わりダンゴ状態である。

単独と言うにはまだ早いが3位をキープし始めた15周辺りで、加藤選手から
「ガライヤ(43号車)何秒で走ってる!」と聞いてくる。
「44秒後半!」
1秒も早い43号車ガライヤに
「きついな~」とほぼギブアップ宣言。
6秒後方からは、7位の101号車もヒタヒタと迫り来る。

18周頃には62号車が迫り、翌周パスされ、
加藤選手「62号車に抜かれた~」とガックリ。
シンタロー「(2ピットの)62はしようがないです~。がんばって行きましょー。」と慰め、自分たちのペースでレースをすすめる。
が、その後101号車も追いついて来て、24~25周には101号車とのサイドbyサイド、テールtoノーズ。
この接戦を楽しんでいる様子はTVモニターにも映し出され、ピットからは
「カッコ良いけどブツケないで~!」
このバトルはとりあえず加藤選手の貫録勝ちで、101号車は後ろに控える形でレースが進む。


スタート直後はポジションキープ。しかしこの後、26号車、43号車に先行される。

序盤の混戦。1コーナーはグランドスタンドより、観客席が埋まっている。


序盤、101号車と加藤選手とのバトルは、とりあえず加藤選手が抑える。


30周前後から、“2ピット”チームのピットインが始まり、“1ピット”チームの順位変動等、レースが動く。
シンタロー「残り”たった“20周、20周です。がんばってください。」と激をとばすと、
加藤選手「“たった”20周ね~了解。」
そんな中、33周目101号車が他車に当てられスピン!62号車ピットイン。4位に上がった7号車もピットイン。
36周目トップの88号車がピットイン。この時点で1位43号車に遅れることマイナス15秒。
3位の46号車よりプラス19秒。良い位置だ。
タイムはずっと45秒前後を刻み続け、
シンタロー「このタイム、キープできそうですか?」
加藤選手「オレはがんばっている!」
まだ余裕はあるようだ。

43周目62号車がストップ!

46周辺りで“2ピット”チームクルーは殆ど1回目の仕事を終え、この時点で1位は43号車、22秒遅れて我々の2号車、スピンを喫した101号車が更に20秒以上離れ3位、43号車は別格として、101号車を引き離すという、当初の目的は(プロセスはともかく)達成された。
加藤選手「101号車何秒で走っている」
シンタロー「45秒真ん中」
加藤選手「何周走る?」
シンタロー「52(周)は絶対。できれば53(周)まで引っぱりたい!」
加藤選手「オレもそう思っている。(交換用)タイヤあたためている?」
シンタロー「できている。(タイヤウォーマーは使用できないので日当りの良いとこにおいてある。)」

走行中、饒舌な加藤選手は、ピットから色々な情報を仕入れレースを組み立てている。
ピットインが迫った48周辺りでも45秒台で快走。3位の101号車からは26秒リードする加藤選手に・・・

シンタロー「あと4、5周ですガンバってください。」
加藤選手「ワカッテル!わかっている!」
シンタロー「このままなら1ピット(決行)です!」
10周毎にメーターに表示される、消費燃料をチェックしているが、これまた順調。“1ピット”必勝作戦としての舞台は出来上がってきた。
ところが50周(500クラスの53周目)に入った時、この作戦を狂わせるアクシデントが起こった!ネッツコーナーで500と300マシンの接触により火災が発生!赤旗によりレース中断となったのである。


タイヤも暖め準備も万端。予定通り事は運んでいたのだが・・・。

昨年から行われた赤旗時のリハーサルが、初めて役立った。イン側が500、アウト側が300で並ぶ。


101号車(矢印)に築いたリードが無くなってしまった。この距離では2~3秒も無いかも・・。

ネッツコーナーでクラッシュ、炎上事故。30分弱の中断。


これにより、1位43号車との差が埋まるのだが、後の101号車に対して築いた26秒のマージンも無くなってしまった。我々とこの2台は1ピット作戦だが、まだピット作業は済ませていない。

24分の後、セーフティーカーの先導によりレース再開。
ローリングが終わり、セーフティーカーが退去すると同時に19号車がピットイン。ここも1ピット作戦をとる伏兵である。 (この19号車は53周目に火災をおこし、コース脇にマシンを止めた。ドライバーは無事脱出できたようだ。)

その1周後の52周を終え、丁度レースの50%が消化した時点で43・101号車が同時ピットイン。

我々もそうしても良かったが、満タン給油で残り50~51周を走り切れるか?どうか?未知数の為、せめて、もう1周でも走り、高橋選手の周回数を減らしたかったのである。

レース中でのクイックチャージでの給油は、レース前“ジックリ”給油するより、実給油量が僅かに少ない場合がある。それ程ギリギリの燃費計算なのである。あと1周でガス欠に見舞われ、順位を落としたチームは、昨年の最終戦を例に出すまでも無く、過去にいくらでもある。

53周を終えピットイン。給油とタイヤ交換。ジャッキ降下と同時に最高のスタートダッシュで高橋選手がコースに復帰。


ほぼ半分を終えてピットイン。

目一杯の給油を終え、高橋選手、再スタート!・・・。


絶妙のスタート!アウトラップも早くなった。

残り50周弱の長丁場。乗り切れるか・・!

88・13・43号車に次ぐ4番手。3~4秒うしろには、またも101号車、石浦選手が迫っており、57、58周と因縁めいたテールtoノーズとなる。

ピットから「先が長いので、無理にブロックして、タイヤを傷めないで~!」とペースを保つ様指示。 60周を過ぎ、26号車や、46、47号車の2ピットマシンも加わるが、先行させ8位をキープ。88・13・43・26・101・46・47・そして2号車である。

この中から2ピット目に入る事で、順位が入れ替わるが、タイム差から我々の後ろに下がるのは、26・46・47号車の3台で、それは82周目に5位に上がった事で確定した。

その後は13号車と101号車の競合い以外、上位の変動は無く、淡々とラップを刻む。

っと、ここで作戦会議。
今シーズンは6戦までの内、高ポイントの4戦しか累積されない。(昨年は6戦中、5戦が累積)要するに0ポイントレースが2回あってもそれはカウント除外となるのだ。
ならばこのレースでのポイントは無視し、ウェイトを降ろせる順位(6位以下)まで落とし、少しでも軽くしようと言う、このSUPER GTならではのシーズン全体をにらんだ順当な作戦である。

しかし次戦や、この先6戦までに、否応無しに0ポイントレースに遭遇する可能性はある。そうなった時に、今回落とすポイントが、悔やまれるかもしれない。昨年も1ポイントでチャンピオンを逃している。

結局このまま行く事が決定。プライベーターらしく、可能限り上位を目指し、とにかく目の前のレースに全力をつくそうと・・。

90周を過ぎた辺りで、緊急給油の体制を整えるが、それらは杞憂に終わり101周、5位でフィニッシュとなった。ウェイトの増減は0kgである。


終盤でもタイムが落ちる事無く、マイペースでラップを刻む高橋選手。

マシンを降り、ピットに戻る高橋選手とドライビングアドバイザー舘“師匠”。以前に比べ疲れが見られない。

2007年 SUPER GT第3戦 GT300クラス
予選3位 : 決勝5位
獲得ポイント チームポイント9点 (6点+3点:トップ同一周回ポイント)累計45点 ランキング 2位
ドライバーポイント7点(6点+1点:予選3位)累計42点 ランキング 2位

1戦2戦の成績からすると物足りない5位と言う成績だが、今回のレースは多くの事を得ることができた。
ひとつは500kmを1ストップで走り切れた事。ローリングラップが1周増えた事と、赤旗中断も1ストップの助けにはなったが、決勝までの燃費データーから、なんとか行けるだろうと踏んで挑んだ事だが、実際にレースが始まればデーター通りには行かないかもしれない。
シビアな燃費計算でレースに挑み、最終ラップでガス欠の憂き目に会い、勝てるレースを落とす事は、昨年の最終戦、終盤トップを走っていた62号車を例に出すまでも無く、枚挙にいとまが無い。
無論あの様な300kmレースでは、ピットストップであとコンマ数秒給油ホースをさしていれば良かった事だが、今回の場合は、満タンでどれだけ走られるか?なので、チョッと事情は違うとは言え、終盤“帳尻合わせ”で僅かな給油を行わなくてはならなくなり、1ストップ作戦が“崩壊”した例はある。
今回“一か八”で臨んだ部分も無いわけではないが、逆に言えば、そうしてまでレースで得られるデーターは貴重であり、今後の300kmレースの給油時間、第6戦鈴鹿1000kmでのスティントマネージメントに役立つことだろう。
もうひとつの収穫は、高橋選手が50周近いロングランに耐えた事である。
ただ走るだけなら、100周でも200周でも走られるだろうが(トイレを何とかすれば)、レースラップでの走行は、ただ周回するに対し、精神的、肉体的疲労は倍も倍々にも匹敵する。しかも上位グループの中でのレースラップは、更に疲労を増量。
昨年最終戦、ズルズルと順位を落とし、1ポイント圏内に留める事ができなかった高橋選手だったが、ここ2戦のレース運びから、上位グループでのレースに、心配は少なくなったが(無くなったわけではない)、体力的な点は未知数。
シーズンオフには、体力トレーニングをしている“らしい”が目撃者はいない。仮にしていたとしても、年齢的な衰えと相殺されているのでは・・・。しかしこれも満タンロングランの、“一か八か”同様、「エイヤッ!」の部分が無くはない。
しかし結果としては、ガンガン追い上げるには至らなかったものの、昨年の最終戦の雪辱を果たす、十分な走りを見せた。
それができたら、できたで、更にアベレージを0.5秒程上げられれば・・・という更なる課題が出ており、まだまだ右肩上がりの発展途上か?そろそろ横ばいか?・・・。

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決勝グリッド上の加藤選手の画像の間違いは、右胸の「WAKO’S」ワッペンが上下逆さまについている事です。すいません、なぜかこの1着だけ、縫付け時の勘違いです。