International
Pokka 1000km RACE 1/4ページ

開催日
2005年8月20・21日
サーキット
三重県 鈴鹿サーキット
マシン名
プリヴェチューリッヒ・アップルRD320R
ドライバー
高橋 一穂・渡辺 明・加藤 寛規

8月17日(水)スポーツ走行 晴れ
路面:ドライ

5度目のポッカ1000km、GT300クラス参戦である。3名のドライバーで走る事のできる(2名でも良い)このレース、いままで4名のドライバーと組んだが、皆GT初ドライブであり、昨年フランスからやってきたポンちゃんこと、ザヴィエル・ポンピドウ(Xavier POMPIDOU) は、ル・マン始めGTカーも経験豊富で、決勝レースでは素晴らしいパフォーマンスを見せてくれたが、それまでのフリー、予選とスピンコースアウトを重ね、マシンセッティングに関しては(言葉の違いもあり)高橋、渡辺両ドライバー、チームにとって得るべきものは少なかったと言える。

しかし今年は正に"助っ人" 加藤寛規選手が加わる事となった。ル・マン、フォーミュラニッポンも経験し、昨年までGT500クラスの100号車、今年は300クラスの19号車をドライブする現役バリバリSGTドライバーである。VEMACにマシンをスイッチし4戦。SGTも後半戦に入るこの時期、マシンセッティングの方向性を見直すのに、加藤選手からアドバイスを得るに、このポッカ1000kmは絶好の機会と言える。今日のスポーツ走行は、その加藤選手の慣熟を目的としている。

photo現役SGTドライバー加藤寛規選手!

photo加藤選手に取扱いを説明する高橋選手。

早朝の雨がコースを黒くしているが、ドライタイヤに迷いは無く、9時からのセッションを高橋選手が走る。各部チェックを兼ね6周ほど走りピットイン。その後の走行で、2′9″57!をマーク。これは、タイム差の大きいCIVIC、アルテッツア等との混走の中ではかなりのタイムである。

続いて10時40分からは注目の加藤選手。勿論VEMACは初めてである。ところが1周、2周と流し、3周目10″42!!その後ピットに入り、サス全体の事、ダウンフォースの事(エンジニアから、詳しくは企業秘密にしてくれと言われた)等々セッティングに関しいくつかの指摘があった。次のセッションまでにそれらを修正する事とし、残り時間を走る。色々特性を確認、試しながらの走行の為、タイムはバラつくものの、9″12まで詰める事ができた。

photo今日は通常のスポーツ走行。インテグラ始め、アルテッツァ等多くのマシンが走行している。

photoセパン、菅生と連続でダメージを負ったリヤカウルはやっと交換ではなく、塗装のやり直し。

photo走行後、加藤選手から大幅なセッティング見直し案が出る。

午後には気温33℃と真夏のコンデションとなり、2時10分から3度目の走行は、加藤選手の意見を取り入れ、スプリングを○○く(エンジニア信ちゃん言うには、これまでに無い○○!)し、リヤウイングも大増に○○した。無論これはまだ"荒削り"状態だが、NEWタイヤでの特性を知ってもらう為、NEWタイヤでアタックしてみる事とした。1、2周と流しと言いつつ、既に9″42!3周目7″42!!これは昨年の1000kmでの、300クラスのポールタイムを上回っており、しかも各車混走の中である。その後数周したところでミッショントラブル(4速からシフトできない)が発生。以降のセッションをキャンセルし本日の走行は終了となった。加藤選手いわく、「このセッティングでもまだ1秒以上は詰められるね。」との事。19日からの走行が楽しみである。

photo午後軽く7秒台!これは昨年のクラスポールタイムを上回った。

photoその後はミッショントラブル。リンク系の故障。

8月19日(金)フリー走行 晴れ
路面:ドライ

今日は夜間セッションも含め、午前、午後と3回のフリー走行がある。午前の走行では加藤選手がユーズドでチェック。大筋では17日のスポーツ走行のセッティングから変更は無い。その後2種類のNEWタイヤをテスト。そしてなんと2′6″314!と、この時期としてはかなりの好タイム!

これを基本セッティングとし、今日から合流した渡辺選手に交代。2周しただけで赤旗中断。どうやら延長は無いようなので、急いで高橋選手に交代。と言うのも午後は雨の可能性もあり、このセッティングを両ドライバーに確認してもらいたいからだ。ところがその高橋選手アウトラップのデグナーカーブでコースアウト!スタックしてしまい、貴重な残り時間をコースサイドで過ごす事になった。

ドライブ時間は僅かとは言え、両ドライバーこれまでと大きく"味付け"の変ったマシンに戸惑いはあるが、タイムが出ている以上、これを乗りこなせなくては、ドライバーとしてのプライドが許せない。車載ビデオ、データーロガーで学習する事となる。

photo真夏に欠かせない氷。少しでも長持ちする様、クールBOXピッタリのサイズに切り出す舘師匠。

photoブレーキ温度はこうして離れた状態でも測定できる。

photo今日から合流した渡辺選手。大幅変更のセッティングに午前は軽く流す。

photo反対に気合の高橋選手は・・・。

photoデグナーカーブでマシンを止めてしまった。

photoコースアウトは掃除が大変。

午後は予報通り?と言うか・・くもり。高橋選手が走り初めたら雨がパラついてきた。が、スリックタイヤで問題は無さそうだ。ところが15、12、11秒台と削り始めた頃、やや雨足が強くなる。東のストレート上、路面は濡れるより、乾く方が早いが、西コースではもっと降っているようだ。タイムも17、16秒台と落ち込む。スリックで走れるうちにと、10周ほどで渡辺選手に交代。

その後、雨も小降りとなり、ペースも上がり始める。タイムは11秒から10秒台へ・・。エンジニアの信ちゃんから「このタイヤが30周程走った状〜態で〜す。」と無線で連絡。今回のレースでは1スティント30〜33周。この終盤のタイヤの状態をつかんでおく事は重要だ。その後は高橋選手が、午前中数ラップのユーズドタイヤに交換して、スタート直後の感触をつかもうと、コースイン。ところがその直後赤旗中断。

終了時間も迫っておりそのまま午後2回目フリー走行終了である。ついていない高橋選手である。(もっとも午前のコースアウトは自分のせいだが・・)

photoやたらと多い赤旗中断。しかも延長は無い。

photopokka1000km チーム記念パネルにサインする加藤選手。

photoお子ちゃまからせがまれてサインする高橋選手。

3回目のフリー走行は1000km特有のナイトセッション。このGTカーが夜間走行をするシュチエーションは十勝24時間と、この1000kmだけである。十勝と異なり(今はどうか知らないが?)ここ鈴鹿は照明も完備されており、日没後ライト類が無くてもそこそこ走れてしまうが、(なんて気楽ではないと思うが・・・)勿論ヘッドライトや、今回増設したフォグランプの光軸、各スイッチ用の照明の確認等や、夜目のドライビングを馴らしておく必要もある。

このセッションの直前に雨が降り、西コースの状態が解らないので、レインタイヤを装着し高橋選手がまずコースイン。しかし充分ドライタイヤで行けるので直ぐにピットに帰ってきた。ところがここでアクシデント。ピットロードを走ってきた高橋選手が、ピット近くに来て右に進路を変える。っと、そこへ今まで停車していたスーパー耐久クラスのランサーが気づかず発進。こちらの右側面と、ランサーの左前部が接触。サーキットのピットロードは入って来たマシン優先である。ランサー側の不注意である。幸いカスリ傷程度ですんだが、間一髪である。本当についていない高橋選手である。

この1000kmレースは色々なクラスがエントリーしており、スーパー耐久クラスの中にはこのレースだけに出ているチームもあり、レース経験もまちまちである。また当然の事ながら速度差も大きいので、レース中も追い抜きに注意をしなければならない。普段のGT戦の500が300を抜く時の気分であろう。接触、コースアウトで大きく後退する事もありえる・・・。

photo3回目のセッション。直前の雨でやや湿ったコースに出る高橋選手。

photoピットイン時に、なんとS耐マシンと接触。ピットイン側に優先権があるので、相手のうっかりミス。

photoマシンの"怪我"は大した事なかったが、ひとつ間違えば・・・。

気を取り直し、スリックタイヤに変え、再びコースイン。12〜11秒あたりでラップを重ねる中、舘師匠から「1コーナーの進入をもう少し早く。」「S字入口はもう少しインベタで!」と指示が飛ぶ。途中の赤旗でピットイン。これが気分転換になったのか、再開後10″034!本当はこのままピットインのはずだったが、「(調子良いので)もう1周!」と高橋選手。10″060をマークしそこそこ満足??でピットイン。渡辺選手に交代。薄暮状態状態の中、11〜12秒台で周回。8周程で、決勝日でアンカー予定の加藤選手に交代。残り15分程であれば7〜8周できるだろうと、周回の少ないユーズドタイヤに交換していたら、左前のスピンドルに不具合が発生。修復に手間取ってしまう。

残り時間が少なくなる中、何とか走り出すが、2周走ってまた赤旗。残り4分程なので、今日はこれで終わりだろうと、ピットにマシンを入れたら、なんと残り2分弱で再開!500のNSXが2台だけピットアウト。直後にチェッカー。まるで不意打ちを食らった様な、走行再開であった。この夜間の2周は貴重だな〜・・。でもしょうがない。ま〜いっか〜。

などと言っていられるのも、フリー走行までの段階で、同クラスの他のマシンとはかなりのタイム差があり、明日の予選ではクラスポールを"何秒"で取るか?またそれは既に、11月の最終鈴鹿戦を見据えた、マシンセッティングを出すシミュレーションとなっているからである。

photo貴重なナイトセッションも赤旗中断。

photo殆ど走れなかった加藤選手。

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