モータースポーツ

2022年スーパー耐久参戦記・開幕戦 鈴鹿

スーパー耐久
2022年04月22日

ENEOS スーパー耐久シリーズ2022
開幕戦5時間耐久 三重県鈴鹿サーキット

■3月17日(木) 搬入・設営・スポーツ走行

スーパー耐久2シーズン目を迎えるHonda Cars Tokai。
開幕戦は昨年のモテギと異なり、地元鈴鹿サーキット。
昨日までの4月中旬並の暖かさと打って変わって寒さを感じる曇り。
午前搬入、設営を終え、午後からは1時間づつ2回のスポーツ走行となる。

設営中ピットの看板は「HONDA」

設営と並行して、午後の走行の準備も進める。

チェックを兼ねたアウト・インのみの1ラップを終え、徐々にペースを上げていくと、載せ替えたオーバーホール済みエンジンが高回転でバラツキ・・。
エンジン屋さんによるデータ確認で、エンジン本体ではなく、ECUのセッティング変更で解決。
その後はAドライバー竹内選手(津島神尾店店長)とBドライバー田中選手(半田乙川店サービスマネージャー)の二人で順調に周回をこなす。
2回目の走行は、昨年最終戦岡山で初エントリーをした墨選手(一宮濃尾大橋店サービス)。
そのレースでは予選基準タイムにわずかに届かずレースデビューを果たせなかったが、今回は雪辱を果たすべく参戦である。
墨選手は徐々にペースを上げるものの、逆バンクでコースアウト!!幸いリヤバンパーに若干のダメージを与える程度で済み、その後のセッションは終始墨選手の練習走行となったが、明日金曜はほぼ100%の降雨予報。
降り出し時刻によっては、ドライ走行が望めないかもしれない・・・この1回目の走行データが大いに参考になることだろう。


エンジンのバラつきも、セット変更で解決。


墨選手のコースアウトでのダメージはリヤバンパー片側の外れのみと軽微で済んだ。

■3月18日(金) 特別スポーツ走行・占有走行
8:15からの45分間の特別走行・・・竹内選手の走り出し直前から雨が落ちてきた。
とりあえずドライタイヤで様子を見るが、すぐにレインタイヤに交換。
3周の計測で51秒台(このセッションは手計測)、その後田中選手が7周計測で2分50秒台をそれぞれマーク。
降雨は徐々に激しくなり、完全にレインコンディションとなったが、走れないほどの降りではない。
10:30から1時間・・・一回目の公式プラクティスはグループ2(ST3、5、Qクラス)のみの占有。
竹内選手が4Lapほどで2′59″886と、この時点でクラストップ48″282との差が大きすぎる。
というのも、ウィンドウの曇りがひどく、ペースを落とさざるえなかった為で、そのままピットイン。
曇り止めを塗布し田中選手に交代・・・49″382をマーク。
マシンとしては大きな問題ないようで、5周ほど走行後、今日から合流した西面選手(LCI)に交代し53″960と、3人のドライバーが、それぞれレインコンディションの確認をする事ができた。
14:00からは2回目、全クラス混走の2時間と、たっぷりの公式プラクティスとなったが、雨脚は衰える事がないが、走れない程ではない。

予報通りの雨


結構な雨量だが走られないほどでは無く、経験の少ないドライバーには良い練習になる。

しかし明日の予選日はドライが予想され、このコンディションでの走行はリスクが高いだけと判断したチームも多く、エントリー50台中31台がキャンセル、予選向けのメンテナンスに入るなど、19台のみの走行となった。
そんな中、墨選手と西面選手の集中練習として、それぞれ10周づつ2スティントを走行、コースコンディションは変わらぬ中、徐々にタイムアップを果たし、墨選手53″622、西面選手51″081をマーク。
多くのチームが10~30周ほどの走行であった中、2時間で39周と精力的な走行で終えた。


午後になっても雨脚は衰えず、走行車両は減っていく。

翌日の予選は晴れ・・ドライとなる予想から、多くの(特にビッグパワー)マシンは早々に走行をキャンセル。

■3月19日(土) フリー走行・予選
10:40からの60分のフリー走行は、午後からの予選向けたマシンセットアップ、及び確認に重要なセッション。
竹内選手がユーズドタイヤで3周・・35.766。
そのままFCY訓練入る直前にフロントのみNEWタイヤに交換・・アウトラップから2周のタイヤ暖機でアタック。
すぐに34″817、そして34″048とベストタイム!
33秒台も見えてきたが、予選までお預けとして、田中選手に交代。
温まったタイヤそのままで、3周計測しドライコンデションを走行。
その後予選シミュレーションの為、フロント2本ユーズド交換。
これは予選時同様、冷えたタイヤの暖機でグリップの上がり具合の確認である。
37″242、36″075と順調にタイムを削り35″478のベストをマークしセッション終了・・マシンの仕上がりは悪くないようだ。
14:00からの予選、Aドライバー竹内選手、アウトラップから3周目34″699。
翌周34″203と33秒台が見えてきた。
タイヤはまだ十分行ける。
ところが34″395、34″746と連続34秒台とレースラップなら十分の安定したタイムだが一発のタイムが出ないまま20分のセッション終了。
悔いの残る竹内選手だった。
Bドライバー田中選手も順調にタイムを削り計測5周目で33″569とベストタイムで竹内選手を上回りポジション10だがクラストップは28秒台・・・差は歴然。
このABドライバーの合計タイムでスターティングポジションが決まり、ST-5クラス14台中11番手。
その後西面選手は5周で40″941、墨選手は6周で40″852と共に基準タイムはクリアし・・選手は、初レースができる。
クラストップはロードスターが28秒台とは大きな差があるが、FF勢トップは4号車FIT・・は30秒台・・食らいつくには厳しいが、他のFF勢、FIT勢他2台とは良いレースがしたい。


Aドライバー竹内選手・・余裕。

Bドライバー田中選手・・・平常心。

Cドライバー西面選手・・・ドライバー、チーム最年長。

Dドライバー墨選手・・・予選基準タイム突破を狙う。

墨選手は予選基準タイムクリア・・決勝出走となる。

■3月20日(日) 5時間決勝レース
竹内選手をスタートドライバーに、フォーメーションラップ・・11:40レーススタート。
11番グリッドから、序盤に数台抜いてシングルに順位を上げる竹内選手。
ところが5周目、シケインでクラッシュ発生!早くもFCY(フルコースイエロー:危険箇所の復旧を図る為、走行を止める事無く、合図と同時に全車一斉に速度を50km/hに減速する)が出され、翌周にはSC(セーフティーカー:先導車)が入りり、車間は詰まる。
このクラッシュにより、リタイヤ、また修理の為ピットに数台が後退。
スタートから1時間、20周時点で6位に躍進!!概ね順調でピットは暇だが、ボチボチ1回目のピットイン予定。

ドライバー、メカスタッフで集合写真。

もう最後尾ではない。

上位グリッドはロードスターばかり。

スタートしばらくは平和な時間。

12:47、22周を終え、最初のピットイン・・ ドライバー交代なしで給油(規定によりワンボトル20リッター)、前輪のみ交換でピットアウト・・10位に後退。
あと数分で2時間目の40周目、2回目のピットインは初レースとなる墨選手に・・・給油とタイヤは前輪のみ交換で初レースに送り出す。
各車のピットインが入り混じり、見かけの順位は9位。
初レースの為、タイムはいま一つながら確実に周回を重ね、14:20、54周目3回目のピットイン。
墨選手から3人目、西面選手に交代。
マシンは順調・・給油と前輪(ユーズド)のみ交換し、トップからは1周遅れ、見かけの順位は8位で復帰。


初レースとなる墨選手・・緊張。

1回の給油が20リットルに制限される為、5回のピット予定。

各ドライバーの周回に合わせ、タイヤ4本、前のみ2本交換か?サービスが異なる。

各ピット作業は概ね順調にこなされていくが・・・。

プラクティス、予選とタイム的に苦しい西面選手はショートスティント・・11周・・14:55、65周目、4回目のピットインで田中選手へと交代。
残り110分少々を田中選手に託すべく、タイヤは4本交換のフルサービス。
10位で送り出しシングルポジションを目指し、順調に周回を重ねる・・・っが!!、スタートから丁度4時間、15:40・・・2コーナーで痛恨のスピンコースアウト!!
マシンはグラベルでスタック。
キャタピラの牽引で脱出するも大きくタイムロスし11位に後退。
そのままピットインし、再度タイヤ4本交換と給油、計算では残り1時間走り切れるべく、ほぼ満タンになっているはず・・。

田中選手、痛恨のコースアウト!!

キャタピラーで引き出されるが大きく遅れる。

そのままピットインで、給油とタイヤ4本交換のフルサービス。

シングルポジション、諦めるな!
だが、その後タイムが伸びない田中選手、・・・守りの走りなってしまったようだ。
スーパー耐久は、たとえトップ周回でも、チェッカーを受けないと完走扱いにならない、このコースアウトで慎重になってしまうのはいたし方ないだろう。
結局クラストップから6周遅れの105周でチェッカー。
10位のままかと思いきや、ラストに他車がトラブルと思われるペースダウンで暫定9位とシングルポジションとなった。
今回のレース、田中選手のコースアウト以外、概ねノントラブル、メカもドライバーもノーミスながら順位に反映しない。
ドライバーは予選時のタイムからすると、レースでのタイム差が大きい・・・。
メカは作業は確実だが、全体的に遅い。
メカ、ドライバー共、レースは安全第一である事は最重要だが、その安全マージンをどれだけ削るか?が勝負である。
薄いマージンを、確実に体得する・・・にはまだまだ経験が必要である。

スピン後はやや「守り」になった田中選手。

無難にチェッカーまでマシンを運ぶ。

ロングスティントをこなした田中選手。

車両保管解除後のマシン。 大きな傷もトラブルも無く帰ってきた。