モータースポーツ

2017SUPERGT第7戦:ChangInternationalCircuit

2017シーズン LOTUS EVORA
2017年10月15日

10月5日設営初日

SUPERGT唯一の海外戦、タイ戦も今年で4回目・・・慣れたとはいえ、日本から空路約6時間、更に今年は入国審査が大渋滞で1時間以上もかかり、バンコク、スワンナプーム空港からサーキットのあるブリラムまで陸路6時間以上・・半日以上の遠征はさすがにこたえる。
しかしこのレースウィークブリラム辺りの天気予報は雨。
設営日の今日、実際に雨はないが曇りの為強烈な陽射しはなく、涼しいとまではいかないが、少し動けば汗だくになるような事はない。
また昨年は、鈴鹿1000kmのクラッシュにより修復の為、通常の船便に間に合わず、空輸されたマシン「LOTUSEVORA」のやり残し・・・というか、パーツ製作、組付けが間に合わず、ハンドキャリーで持ち込まれたパーツの組付け、換装作業が一杯の設営初日から比べたら遥かに余裕の一日となった。
昨年のタイ戦は、プラクティス中盤で、他のマシンとの接触により、スペアパーツのない足回りパーツを破損・・ 以降のプラクティスは勿論、予選決勝ともキャンセルとなる残念な結果だったが、プラクティスではセットアップが不十分な状態ながら、2番手タイムをマーク。
決して遅れをとっていない、相性の良いサーキット。
今年は昨年の雪辱を果たす結果を残したい。


 スワンナプーム空港では入国審査に時間がかかり、荷物が先に出てきてしまったが、受けとるべき乗客がいないので、ターンテーブル上は大渋滞。

 未明の雨で涼しい・・・というか、暑くない設営日。


 開口部を全て塞いだ、海外戦輸送用、フルマスク仕様。


 海外戦用のカラーリング・・・。

 エアコンコンプレッサーの動力取り出しはドライブシャフトから・・・その回転数を落とす為に小径プーリに交換。

 ほぼ準備整いました。車両のこまかなメンテナンスは翌日に・・・。

10月6日設営2日目

設営の2日目・・といっても初日に殆ど終わってしまったので、翌日のプラクティスに向けた仕上げや車検が主である。
また今日辺りからドライバー、RQもサーキットにやって来た(夕方ドライバーズブリーフィングがるので当たり前・・)ので、パドック、ピットも賑やかさが増してきた。
それとは反対に、昨年10月13日に死去されたタイの前国王、プミポン国王の一年間の服喪期間という事もあり、レースそのもの開催中止も検討されたましが、関係各局との協議、今回の開催にいたりました。
しかし1周忌を迎え10月26日に火葬も決定した事から、哀悼の意を表し予定されていたRQステージ等イベントも一部中止される事になりました。
レースそのものは予定通りの開催となりますが、表彰式でのシャンパンファイトは行わず、シャンパン贈呈式に変わったり、ライブ映像の彩度も何十%落とされる等々華やかな演出ひかえられます。
とはいえ我々含め、全チーム、モータースポーツ大好きなタイのファンの為に、全力でレースをすることには変わりはありません。
 クラス識別の帯が、哀悼の意を表し黒帯となり、文字は「私たちは生まれ変わってもあなたと共にいます」の意。(多少違うかも・・・)

 タイはモータースポーツ大好き。トヨタ、ホンダのワンメイクサポートレースも盛ん。

 これは日本では販売されていない「ブリオ」フィットよりワンサイズ小さい。

 ピックアップトラックのワンメイクレース。

 タイヤ組み上がり・・・。レインはまだだが、ここはいつ降り出すかわからないので必需品である。

 車検待ち・・・。

 雨予報だったが、今日も晴天。段々タイらしい暑さとなってきた。

 明日も晴れそう・・・。

10月7日プラクティス・予選

プラクティス 晴れ レイン/ドライ
未明の雨も上がったものの、サーキット到着の午前8時頃・・・公開車検で各チーム、ピット前にマシン出している途中から、“パラパラ”・・・と思っていたら、“ボツボツ”大粒の雨に変わり、物凄いドシャ降りとなった。
この状態であれば、どんなレースでも中止となると思われるが、フィット(こちらでは「ジャズ」)のワンメイクレースは淡々と行われて行く。
それでもプラクティス開始の・・・10時・・10分ディレイ・・前には完全に上がり、陽射しも出てきてドライへと移行していく。
セッション開始直後こそレインタイヤだったものの、数周でスリックにチェンジ。
昨年のデータをベースセッティングとしてレインからドライに変更する程度で加藤選手が14周を走り1′35″435で5番手タイム。 そして高橋選手に交代・・・8周の計測で39″072・・・と昨年今ひとつ。
一旦ピットインし、加藤選手のロガーと比較・・ウィークポイント探り再びコースインするも39秒台・・・。
残り時間も少なくなり予選に向けた確認の為、再び加藤選手がNEWタイヤでコースイン。
数周ウォームアップで33″757の5番手タイムをマーク、そのままのセッティングで300専有時間を高橋選手が走行、37″114までタイムを上げセッション終了。
先の加藤選手のタイムは8番手タイムに落ちているがQ1突破の手応えをえる。
Q1予選 晴れ / レイン
午後3時のQ1予選まで3時間のインターバルがあるが、その間にも、物凄いドシャ降りがあり、その後の小雨はピットウォーク終了の頃・・予選開始30分程前にようやく上る。
この雨によりコースはさすがにレインコンディション・・・全車レインタイヤ。
だが、走行が始まればコンディションは良くなっていく可能性も・・・また反対に再び雨が落ちてくる可能性も無いとは言えない。
そんな空模様の下、加藤選手によるQ1開始。
全車がピットロード抜けた最後尾からピットを離れる加藤選手。
2周の暖機後。ソフトレインタイヤという事もあり、早目のアタック。
3周目42″952・・・翌周第1セクターベスト!前周より-0.4秒。
第2セクターも-0.2秒、第3セクターも-0.15秒の1′42″228の5番手タイム。
ところが路面コンディションは徐々に良くなり、ソフトタイヤでは厳しい状況になってきた思われ、翌周こそ42″137まで縮めるが、他のマシン・・・恐らくミディアムやハードを選択したが徐々にタイムアップ。
2号車、加藤選手のポジションは下がって行く。
タイヤを変える残り時間は無い。
6周目は一旦ペースを落とし、タイヤを冷まし再アッタクを試みようとしたが、タイムアップは無理と判断した加藤選手はチェッカーを待たずピットに戻ってきた。
これまでハード、ミディアムは良いデータが得られず、まだまだデータの少ないレインタイヤ・・・結果ソフトタイヤを選択。
終わってみれば20番手・・・惨敗である。
今回の様にレインコンディションには違いないが、徐々に水気がなくなっていく・・かといって乾きはしないという微妙なコンディションというのはなかなか走行チャンスがなく、こうした事もテストデータ不足の影響が出てしまった。
またタイヤメーカーのキャラクターもハッキリと表れ、トップはダンロップ、2位3位はBS、トップ10の内BS、ダンロップは7台が入っていた。
幸いマシンも快調、ノントラブル・・・結果が出てしまった以上、次は決勝に集中するだけ。
 
 朝の公開車検。未明の雨も上がったが、まだ曇り・・・ところが

 公開車検中に雨!!しかも半端じゃない!!

 そんな中ワンメイクレースが始まる。

 プラクティスはレインタイヤからすぐにドライへ。

 プラクティス中、ピット前でのタイヤ交換。

 伸び悩む高橋選手にロガーを見てアドバイスする加藤選手。

 予選直前にもまたまた凄い雨。

 予選開始直前、雨の上がったコースを見てきた加藤選手。難しい・・・。

 予選コースイン直前・・・ピット前はこんな濡れ具合。

 予選開始直後は若干水煙が上がるほど・・・。

10月8日決勝レース

決勝レース 晴れ→雨→晴れ / レイン→ドライ
2017年から決勝日朝のフリー走行が無くなり、決勝直前のウォームアップ走行が20分間と長くなった・・・が、このタイ戦ではサーキットサファリが行われる。
これは少しでも走行時間が欲しい・・・しかもできるだけ決勝直前で・・・高橋選手にとっては朗報である。
昨日と異なり今日は朝から完全ドライ・・・12時55分からのサファリもドライ。
20分間のセッションを高橋選手は精力的に走り込むが・・・バス退去後のフリー時間も少なく42秒台に留まるが、10分のインターバル後のウォームアップでは39秒台。
勿論満タンの決勝仕様・・・徐々に昨日のプラクティスでの37秒台の勘を取り戻して行けるだろう。
ところが、グリッド整列に向け準備が進む中、黒い雲が広がり空が怪しくなってきた。
我々始め各チーム、レインタイヤも準備グリッドへと向かう。
スタート35分前まだ雨は無いが、フロントウィンドウに撥水剤を塗布(濡れてからの塗布では効果薄い・・)。
30分前、ポツポツと降ってきて、グリッドが慌ただしくなってきた。
25分前 完全に本降り、現状なら迷うこと無くレインタイヤだが、青空も出てきて、まだタイヤ交換に動くチームは無い。
20分前 一旦雨は上がり、陽射しこそ無いが青空も広がってきた・・・この後雨が無いならドライタイヤで行けるだろう。
15分前 再び雨が降ってきた・・・これまた本降りとなる。
10分前 ドライバー乗り込み・・・スタートは高橋選手・・小雨となるが、さすがにこの頃にレインタイヤ確定となり、各チームもタイヤ交換を始める。
5分前 作業終了時刻。国歌吹奏等、スタートセレモニーが続く中、空は完全に青空が広がり弱いながらも陽射しも出てきた。
もう雨が降ってくる感じは無い。
500も含め何台か(300クラスでは6台。)はドライタイヤで掛けに出る。
定刻の15時、フォーメーション開始・・・は、そのままセーフティーカー(以下:SC)の先導でスタートとなった。
2周のSC先導の後レーススタート。
翌3周を終えると、ドライタイヤとレインタイヤがハッキリと区分けされた。
ドライタイヤチョイスの6台が最後尾グループを形成。
サファリ、ウォームアップでドライの勘を掴みつつあった高橋選手はレインコンディションを慎重に走り、レインタイヤ組の最後尾、18位で4周目に入る。
コースはレイン・・・とはいえ、既に水は殆どはけ、水煙も上がらない。
スタート直後こそドライより1ラップ15~20秒ほど速いレインだったが、すぐにこの差は縮まるだろう・・・雨は期待できない・・・それまでにどこまで逃げ切るか?ドライチョイス勢はどこまで耐えるか?いずれドライが有利になるには明らか・・・そんなレース展開となった。
7周目にはドライの最後尾が周回遅れになるが、トップとのラップタイム差は10秒前後にまで縮まっている。
コースは“軽く湿っている”状態にまで乾き始めている。
ハードレインは41~45秒前後だが、完全ドライセッティングにソフトレインタイヤでスタートした高橋選手・・3周目の58秒台から5周目49秒、7周目47秒台とタイムを上げるが、あと10周のピットインまで乾き始めた路面ではもたないかも・・・。
ピットから「水のあるところ走ってタイヤ冷やしてくださ~い。」と指示がとぶものの、レコードラインはほぼ乾いてきて、しかもドンドンとドライの幅が広がり、タイヤを冷やすラインは無くなりつつある。
タイヤを冷やす為ラインを外すが、既にペースも上がってきた500も来る・・・レース経験の少ないアマチュアドライバー、高橋選手にとっては厳しい展開となった。
9周目に入ると、ドライ勢は、レイン勢のタイムに追いつき、翌周には完全に上回る。
レイン勢トップは42~44秒とタイムは落ちないが、ドライは既に37~40秒台・・更に速くなるだろう。
このレース、18周過ぎ辺りがピットインタイミングとなるが、それまでにピット1回分のタイムを稼げると判断し、ドライタイヤに交換したマシンもある。
そうした中10周を過ぎると、高橋選手はドライ勢に追いつかれ、飲み込まれ、12周目には19位、13周目20位、翌周には23位に下がる。
グリップを無くしたレインタイヤで持ちこたえた18周目、加藤選手の待つピットに帰ってくる。
既に1周遅れとなっている。
勿論ドライタイヤへの交換と給油を終え、猛然とピットを後にする加藤選手。
アウトラップで既に2周遅れ・・・24位の最下位である。
だがタイヤの暖まった3周目には36秒台、翌周には35秒台にペースアップ!!
これはトップグループと殆ど変わらぬペース・・・だが周回遅れとなっており、上位マシンのレースを妨げる事はできず、譲る形で時折36~37秒台にペースを落とすが、それらが過ぎ去れば再び34~35秒台にペースアップし、順位も44周目には22位、46周目21位、翌周には20位にまで挽回する。
燃料の少なくなった終盤には33″904のベストタイムをマーク!!
このレースのファステストに迫る3番手タイム!!
マザーシャーシ勢ではトップタイム。
だが順位を上げるのはここまで・・・序盤の遅れは大きく、トップから2周遅れの20位でチェッカーを受ける。
マシンのバランスも良く、ポテンシャルの高さを見せただけに、レース序盤のレインコンディションが悔やまれるが、こればかりは全マシン平等の自然条件・・・、それに対するシャーシー、タイヤのマッチングが定まらなかったスタート・・・残念なレースである。  
 サファリを終えたバス・・・こちらは派手である。

 

 

 

 

 

 

 

 

スタートセレモニーではコースはドライ・・こんな天気。

 スタート20分前・・・レインタイヤ待機中。この後再び雨。

 ドライバー乗込む・・・結局レインタイヤを装着。空は青空。

 スタート直前のこのコンディション・・・何台かはドライタイヤでスタート。

 スタート直後の後方グループ。水煙も僅か・・・。

 乾き始めたラインと、レイン路面がよく分かる。

 バランスもパフォーマンス良かっただけに残念なレースとなった。