GT CHAMPIONSHIP 2001 Round 5
MOTEGI GT CHAMPION RACE
GT選手権途中乱入
今回は8月末の鈴鹿ポッカ1000kmに続き2レース目となりますが、「鈴鹿1000km・・」はシリーズ戦では無い1戦だけのイベントレースの為、この9月15・16日に開催されるGT選手権第5戦『モテギチャンピオンレース』が実質的なGT300初レースとなります。
このレース、プロチームが主体(多分)のGT500、18台はシーズン最初から、そして我々の様なプライベーターも混在(多分)するGT300は、シーズン途中から多少出入りがあり、大体23〜24台で構成されています。恐らく今シーズン折り返しの、今ごろ参入してきた我々が最後のエントラントになると思います。(多分・・。)
本来「ハコ」のレースとしては国内最高峰のレースでGT500・300は別レースとして行っても良いような気がするのですが、混走にする事によるレースの妙、距離250km以上の耐久スタイルにする事で、お客さんが見て楽しめるレースなる様工夫されています。その結果F1以外で最も観客動員数が多いシリーズになっています。そんな工夫も紹介して行きたいと思います。
初モテギ
「ホンダ」の作ったサーキットは、西の「鈴鹿サーキット」 と、もうひとつが東の「ツインリンクもてぎ」です。名前が示す通り、日本初の「オーバルコース」と、多くのコーナーを有する「ロードコース」の二つサーキットを中心とし、その他いくつかのカート・2輪用ショートコースも有る複合モータースポーツ施設です。パドック施設もまだ新しく、使いやすい物です。
ところで、ドライバーの木村選手は、以前MGFで走った事はありますがGT300ほどのレーシングカーは初めてで、高橋選手に至っては、ここモテギを走った事がありません。そんな2人が、シーズン真っ最中のGT選手権、途中乱入・・じゃない、初挑戦は果たして・・・。
グランドスタンド。お客さんも結構入っている。間にオーバルコースもある為、距離がある。
ピット裏・パドックもご覧の通り。各チームも見せる工夫をしている。
ピットが一番端の為、ピットインしてくるマシンが急に飛び込んでくる感じ。結構怖い。
端っこのピット。直ぐ後の速度計測用光電管までは各マシン結構飛ばしてくる。
ムーンクラフトのデモ?カー
グランドスタンド内の超長エスカレーター。昇りのみ。本当に長い。
悪戦苦闘
とにかくタイムが詰められない!練習走行もコースを覚えるが精一杯か・・。特にGT500と混走となると余りに速度差があるので(トップでも500と300は10秒差!!)後からの500に気遣いながらラインを取らないとあっというまに接触してしまう。
まずは初モテギ。GT選手権は基本的に年間通しゼッケンは「2」。
左後部に貼ってある「Dorcus」ステッカーはノベルティお世話になっている
くわがた虫!のお店です。
コースは全体に「ストップ&ゴー」でブレ―キングと加速勝負といった感じ。特に最終コーナーである「ビクトリーコーナー」はピットからよく見えるところで、かなり速度が落ち、速いマシンとの速度差がはっきりわかる。
ここがタイムを詰める重要なコーナーである。・・なんてことは2人のドライバー、百も承知だが責めあぐねている。結局予選は高橋選手の2分2秒280でGT300、22台中22位の最後尾である。300トップとは約5秒差である。本人2分フラット辺りを狙っていただけにやや寂しげ。GT500クラスもトップと最後尾は5秒差だが、余り意味の無い慰め・・。
最も今回まだマシンの煮詰めを行っていなくて、足回りも、ウイング関係もGT500のセッティングまま。GT300の細いタイヤに合わせたセッティングをする必要があり、またGT300のパワーにはダウンフォースも大きすぎと思われる。今後は合同テストなどにも参加し仕上げをしなくてはならない。
タイヤマーキングもきちんと『モテギ』マーク。予選、決勝を通じ使用できるタイヤは3セットのみ。決勝スタートタイヤはオフィシャルから指定される。
ビクトリーコーナー1つ目。すぐ右にターンしスタンド前へ。タイムを左右する重要なコーナー。
ピットウォークも大盛況。キャンギャルとツーショット撮影¥1,000のチャリティーポラロイド“チャリポラ”も人気。
最後尾スタート
マシンがスターティンググリッドへ向けてコースイン。我々は歩いて最後尾グリッドへ。ピットも最終コーナー側の為、余り遠く感じない。
40分近いセレモニーも色々工夫され退屈しない。スタートは木村選手。予選2分5秒917と今ひとつタイムが伸びなかっただけに、最後尾スタートの方が序盤マイペースでレースができる。いずれGT500にラップされ始めればぐちゃぐちゃになってしまう。そんな思惑も含めローリングスタートでレースは始まりました。スタートと同時に前半分18台のGT500と後半分22台のGT300は距離をおき、63周、約300kmのレースはスタートしました。
最後尾グリッド。後にいるのはマーシャルカーのインテグラだけ。
レース中、ピット内のモニターを見上げるクルー。コースアウトやクラッシュすると映される事が多い。
とにかく無事に・・。
レースは結構波乱が多い、というか接触とかなんかで各マシンどんどん順位が入れ代わる。波乱のレースはこちらで読んでいただく事ができます。このレースは63周のレースだがGT500とのタイム差からGT300は恐らく59周、我々は57〜58周のレースになると思われる。満タンに近い「NSX」を木村選手は序盤、予選並のタイムで走行するも、GT500にラップされ入り乱れてくると、なかなかタイムも詰められず予定通り29周目、ピットイン。
ドライバー交代、燃料補給、タイヤ交換。ジャッキアップ最中に燃料補給はできないが、上がってしまえば同時作業ができる。しかしこの中で一番時間のかかるのはドライバー交代!ステアリング跳ね上がるが、ロールケージのサイドバーの為とにかく出入り口が狭い!無線の配線、クールスーツのパイプ2本、ドリンクの交換、シートベルトの付替え調整、ドライバー交代はやることが多く、これがピットストップの時間を左右する。タイヤ交換も左右2人だけだが、それより時間がかかる。一通りの作業を終えピットアウト。しかしコースはGT500も、GT300もバンバン迫ってくる。後を見ながらのレースだ。いつもレース中にベストタイムを出す高橋選手、今回はなかなかそうはいかない。
今回木村、高橋両選手共1回づつスピンを喫しているが、自力でレースに復帰したが結果は56周でチェッカー!
NSXを待つピットクルー「AmericanRacing」のボードを持つのは鈴木監督。NSXオーナーズクラブ「ドリーム28」の会長
高橋選手。初めてのコース、GT500との混走で決勝中もタイムのばらつきが目立つ。自己ベストも更新できず。
ドリーム28「位」
今回は(も?)多くの接触や番狂わせがあり、お客さんにとってはとても楽しめるレースではなかったかと思う。
結果は、総合は偶然にもチーム名の28位、クラス13位。最もこのGTは総合順位は殆ど意味は無い。でもとりあえずGT選手権初レース、無事完走。このGT選手権上位入賞や予選順位が良いとウェイトハンデが課せられ10Kg、20Kg・・と、どんどん重しが載せられていく。GT300のダイシンシルビアは80Kg!大男1人分である。しかし逆もあり、トップとのタイム差があるマシンはリストリクター(空気量を制限している吸入口)が少しづつ大きくする事ができる等、色々(かなり複雑)な措置でマシンの性能差を少なくし見せるレースに徹している。次回は10月27・28日鈴鹿で開催される第6戦です。GTをまだご覧になっていない方、是非一度足を運んでみては・。必ず期待を裏切らないレースが行われと思います。
『28位にNo2』タワー前で記念撮影、鈴木監督(右)とサインマン「カヨちゃん」はAmerican Racingのフロント&事務