GT CHAMPIONSHIP 2002 Series Round 4 2/2ページ

ハプニングの決勝日

23日(日)決勝 晴れ 路面:ドライ

明けて決勝日。この日今回のレース最大のハプニングが起きる。クアラルンプールに宿泊しているのは、ドライバーとメカニック以外のスタッフだが、いつもの様に2台のレンタカーに分乗してサーキットに向かった。

ところがドライバーと監督はサーキットに到着したが、他のスタッフが来ない。1台が高速道のジャンクションを間違えてしまったのだ。間違いに気づいてUターンをし、元のルートに戻すのに100km以上を費やし、結局サーキットに到着したの時はフリー走行が終了していた。原因はこのレースの為に、国際免許を取得してきたスタッフに折角だから運転してみてはと、こちらに来てから初めて運転をさせた事と、これまでずーと運転していて、今日は助手席で道案内をしていたスタッフ(私)がボサッとしていた事。まずは無事についてやれやれ。

ここ現地に来てからは連日、34℃以上の猛暑(こちらでは当たり前)スタートは午後3時だがウォームアップや、セレモニー等で1時間近く前から、炎天下の元にスタートドライバー、マシンをさらすことになる。各チームこの間、特にグリッド上での30分は、日除けシート、パラソル、スポットクーラー、エアブロー、はたまた団扇とありとあらゆる方法で、遮熱、放熱対策をしている。スタートドライバー達は渡辺選手も含め、殆どスタート直前まで涼みに行っている。

photoピット裏のコモンルーム(休憩室)。クーラーはガンガン。日差しが強いので日除けが必要

photoガラス交換に伴い、カラー変更のサンシェード

photoピットウォークでは、現地の方との記念撮影ラッシュ!

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photo今回からNEWデザインのレーシングスーツ

photoドライバーと同じくキャンギャルも、今回よりNEWコスチューム

photoグリッドに向けて、ピットアウト。これは私の好きなアングルなんです

photoグリッド上。エンジンフード外し放熱。パラソルで遮熱

photo「卵が焼けるぞ!」と高橋選手。路面温度は50度!近い

photoわずかな日陰に避難するスタッフ

マレーシア国歌斉唱の後、ローリング、1周目でレーススタート!

オープニングラップではGT500クラスに波乱はあった物のGT300クラスは全車無事。

ポール「VEMAC」が先頭。「BOSSベルノ東海AR・NSX」は6位に着けている。

レースは54周だがGT300クラスは昨年同様50周になると予想。約半分の23〜30周辺りでピットイン予定。後はこの暑さの中、渡辺選手がどこまで走れるか?早めに交代しても、高橋選手がもたないかもしれない。共に未知数でもあるので、渡辺選手とセーフティーカーとの相談である。

photoクーラーで涼み、体力を温存し、スタート直前に現れた渡辺選手

photoブルーシグナルと同時に、グリーンフラッグを振るオフィシャル。目の前をマシンが通過。結構怖い

そこへ序盤、トップの「VEMAC」が突然コースアウト!

原因はアクセルが戻らなくなったようだ。結局リタイア。

早くも優勝候補の一角が崩れ、5位に・・。

生き残る事が先決のレース、GT500が混ざり始めた後は、13〜15秒台で確実にラップを重ねる。

中盤各マシン続々とピットイン、ルーティンのチーム、ドライバーが脱水症状でやられ、予定より早めのチーム等ピットインで順位が入れ替わり始める。

そして24〜25周、我々もそろそろピットイン予定だが、
渡辺選手「まだまだ行けますよ〜。」と元気な無線が入る。

結局33周まで引っ張りピットイン。

photo1周目から500は波乱。「TAKATA無限×童夢」クラッシュで、右カナードが無い

photoランキング同位の「DAISHINシルビア」との4位争い

photo陽炎ただよう第1コーナー

photo渡辺選手で極力引っ張り1回目のピットイン。5位で復帰

高橋選手に交代。コースには変わらず5位で復帰できた。

高橋選手は14〜16秒台で周回を重ねるものの、終盤追い上げて来た3台に抜かれてしまい8位に。9位の「バイパー」も間近に迫っている。あと5〜6周、ペースアップのサイン!14秒台に復活。このペースなら追いつかれても、抜かれる事はないだろう。

GT500「Mobil1NSX」が54周でチェッカー受ける。GT300・500を通じ今シーズン初の2勝目のマシンだ。

GT300は「雨宮マツモトキヨシアスパラRX7」が今シーズン初優勝だ。

我々の「BOSSベルノ東海AR・NSX」も逃げ切って8位でゴール!3ポイント取得。

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何とか逃げ切り8位でチェッカー

photo前回のSUGOで激しくやりあった「バイパー」が迫る

photoリアブレーキ冷却用ダクトは芝草でふさがれていた

photo無事帰還した「BOSSベルノ東海AR・NSX」。次回のレースは得意な富士

GT300は、この4戦目にして未だ2勝したマシンは無い。またマシンの信頼性も増してきて、ターボ車も全車完走。1〜10位までが同一周回と、大激戦の様相を呈してきた。

また上位陣は、殆どが過去(“00・“01年)にここセパンに参戦しているチームである事からも、経験がいかに大切かを、痛感させられたレースであったと言えます。

GT選手権第3戦 GT300クラス 予選7位 : 決勝8位

ドライバーコメント

渡辺選手
「フリー走行でNEWタイヤにしたら割と簡単にタイムが出たので、予選ではポールか(ウェイトハンディが付かない)4位を狙ったのですが、遅い車にひっかかり良い位置につけず残念でした。決勝では暑さ対策も功を奏し、割と楽に30周を走れました。初めてのコース、海外遠征でマシンも壊さず、ポイントも取れ、まずまずでした。このサーキット、グリップは悪いですが、安全でよくできた面白いコースです。」

高橋選手
「初めてのコースに慣れるのに、時間が足りませんでした。決勝では前に出られず順位を落とし悔しいです。ゴールした後でも、立っていられるような体力を温存した走りになっていて、「これではいけない」と感じた。毎周々々を、予選並みのペースで走り切るだけの気力が必要だと思います。次回富士ではTOPを狙います。」

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とりあえず初コースを無事完走でき、次回への夢膨らませる両ドライバー

photo船積み用に梱包するが、帰りは楽だ

photoスタッフ全員(私は撮影の為、不在)で記念撮影。こんな写真はGT参戦以来初めて

哀愁の帰国

24日(月) 晴れ

レースの翌日にサーキットに行くのは初めてである。日本へ返す荷物は前日レース終了と同時に、メカニック、スタッフ総出でまとめ、梱包は行ったが運送業者への確認、引渡しは今日の為、私とマネージャーだけサーキットにやってきた。主だったスタッフ、メカニック、ドライバーは昨日深夜帰国の途に着いている。マシンをコンテナに積み込み引渡し完了。他チームもスタッフの一部が同様の作業を行っている。今年から選手権に加えられ、ポイントが与えられる事になった為参加した、ここセパンでのGTレース。他の国内サーキットと違い準備も大変で、現地でも色々と戸惑いがあり、苦労させられたが終わってみれば、レースそのものと言うより、準備から渡航、現地の観客、風土などなど、すべてが全く新しい経験をさせてくれた事。そんな異国での滞在が、チームをより強固な物にしてくれた。そんな印象が残ったレースウィークとなりました。また来年もここセパンの熱い風を感じる事ができるのか・・・・?な。

photoこれが日本に着くのも3週間後。直後が富士第5戦

photoこんな感じでコンテナに収まる。1コンテナにマシン2台

photoまた来るかな?セパンサーキット

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