GT CHAMPIONSHIP 2002 Series Round 4 1/2ページ

開催日
2002年6月21〜23日
サーキット
マレーシア:セパンサーキット
マシン名
BOSSベルノ東海AR・NSX
ドライバー
高橋 一穂・渡辺 明

19日(水) 灼熱のマレーシア入国

高橋選手始め、スタッフ、メカニックは名古屋空港を午前11時に発ち、マレーシア、クアラルンプール国際空港(通称KLIA )まで6時間半、現地時間午後6時半には灼熱のマレーシアに。

ここで成田からの渡辺選手と合流。皆でレンタカーに分乗。今日は走る事も、荷物を開封する事もできないが、写真、ビデオ以外、誰も見たことが無いセパンサーキットを一目見ようと、まずはサーキットへ。セパンサーキットはKLIAの真裏に位置し、車でグルッと回って15分位で到着した。

施設の充実や広い事は一目でわかる近代的サーキットである。シャッターの窓から6月初めに送り込んだマシン、機材等を確認し一同一安心。一路宿泊先のクアラルンプールへ。

photoKLIAに到着。近代的24時間空港。南国の建物内はどこでもクーラーがガンガンに効いている

photoKLIA真裏に位置する丘には セパンサーキットの文字が

photoシャッターの覗き窓より、3週間振りにマシンと対面

photoピット裏はマシンと機材を運んだコンテナが、ズラッと並ぶ

20日(木) 設営そしてフリー?走行

クアラルンプールのホテルからサーキットまでは50km位あるが、高速で約40〜50分ほとんど渋滞も無い。(メカニックはもっと近い位置に宿泊先がある。)今日もマシンは走る事ができないが、準備設営である。

セパンサーキットのピットは広く、北海道、十勝なみで前後約15m!通路を入れると20m以上!幅も7m以上!高さも4m近く有り、しかも電動シャッターだ。ガレージの裏にはドア1枚(窓無し)の約4m四方の部屋(我々は説教部屋と呼んでいた。)と8×7m程の一面ガラス張りの部屋(隣のチームと共同使用)が用意されている。すべてがガンガンにクーラーの効く(効きすぎる)部屋で、暑さを感じることは無い。

その他、キッチン、鏡付き手洗い洗面所が各ピットに備わっている。しかしこの季節、日なたに居ると汗がどんどん噴出してくる。温度計は43℃!を指している。しかし意外に湿度は低く30%台と、日陰であればそれほど暑さを感じることは無い。午後からはレンタカーによる走行が許可され、各チーム、セダンやらワゴンやら銘々の車でコースイン。

メカやスタッフも滅多と無い機会(日本では絶対あり得ない)だけに、便乗したり、自分たちでもハンドルを握って、各所で結構熱いバトル?を繰り広げている。夕方「NSX」のエンジンも目覚め、本日は終了だ。

この後はドライバー、監督、本日着のキャンギャルはGTA主催のウェルカムパーティーへ。スタッフ、メカニックは全員揃ってクアラルンプールで前夜祭だ。夜の8時過ぎにも関わらず空はまだ明るい。

photoマレーシアはどこでもバイクが一杯

photoピットは広く設備も充実。今回のお隣はGT500「JLOC」のディアブロ。速さではNSX、スープラに劣るもののGT戦に欠かせぬプライベーター

photo午後からレンター等でのコース走行が許可され、各チームドライブ気分でコースイン

photo渡辺選手のドライブに、私も同乗。セパンの代表的な建物

photoドライバーは勿論、メカやらスタッフも、コースへ。土手の景色も南国風

photoチームの足。スクーターがパンク。こんな修理もある

photoクアラルンプールでメカとスタッフで前夜祭。マレーシア料理にまだ馴染めず、中華で…

いよいよ本当のフリー走行

21日(金) 晴れ フリー走行 路面:ドライ

朝6時、ホテルの窓から見るクアラルンプールはまだ暗い。8時サーキット着。やっとレースに来ている実感が沸いてきた。

ドライバーにとって初めてのコース。レンタカー下見で、ある程度ラインを考えているものの、共に初めてのコース、ラインを研究し、経験のあるドライバーに着いたりして、タイムはバラつくが徐々に縮まってきている。1回目の走行では渡辺選手が2分14秒台、高橋選手18秒台と昨年のポール10秒台には遥かに及ばない。と言っても色々セッティングを変え、ラインを研究し2回目のフリー走行。渡辺選手が12秒台に入ったところでNEWタイヤに・・。

程なく2’11”100をマーク!GT300、この日トップタイム!しかもまだ余裕があるようで予選では10秒台を狙う。高橋選手も16秒台に入って昇り調子だ。しかし日差しは強い。日陰はまだ良いがサインマンは大変である。「AmericanRacing」の横断幕で日除けを作る。

ところがここで勘違い。朝方取り付けた日除けを、昼間は南側に付け替えたがなんかおかしい?そうここマレーシアは赤道直下の為、夏時期の今は南半球同様、北側から日が差し込むのである。日除け対策修正だ・・。

photo気温は高いが、湿度は低いので、日陰は過ごしやすい

photoサインマン(我々のチームは唯一の女性)は日光との勝負。日除けは毎日改良された

photoエンジンフードがカーボンに変更され、ボディカラーに合わせた。軽さ、放熱、遮熱に効果を発揮

photoスポットクーラーも大活躍。停車中もラジエターを冷却

photo初めてのセパンを走り、メカとセッティングを詰める渡辺選手。一回走ると汗だくだ

photoフリー走行ではトップタイプマーク

予選は無念!

22日(土) 晴れ 予選 路面:ドライ

予選1回目、まず渡辺選手がアタック。2周、3周とタイヤを慣らし4周目アタック開始。クリアラップだと思いきや、バックストレート手前のコーナーで、遅い車にひっかかってしまい、2’11”303!フリー走行を上回れない。

再度アタックするも、なかなかクリアラップが取れず、結局午前1回目は6位で終了。午後は高橋選手のアタック。タイムも2’14”台に入り自己ベストをどんどん更新している。また各部のセッティングを変え、明日の決勝に備える。結局予選順位は7位に終わった。トップは「VEMAC」が2’09”821と2番手に0.4秒差をつけダントツ。

しかしこれだけの暑さ、昨年同様何が起こるかわからない。さほどグリッド位置にこだわる事はないだろう。リスクを負っての再アタックは避けることにする。次戦、富士は自信があるだけに、とにかくマシンを無事日本に持ち帰るのが事も重要だ。今回の様な初コースの場合、セッティングで一番問題になるのはギア比だが、SKデザイン、戸田レーシングの得た情報、ノウハウにより前戦「宮城県:SUGOサーキット」と同じにしてあったが、ほぼバッチリ。フロントカナードなども色々試し、マシンの各部もまずまず仕上がりになってきた。

またここセパンはドライバーの暑さ対策が重要で、脱水症状で勝てるレースを、落としたチームも少なくない。今回、導入した新型クールスーツも幾度か試し、冷水の持続時間、ペース配分、ドリンクのポンプ等マシン以外の点検にも予断が許されないレースとなるだろう。

またここセパンは飛び石(セーフティーゾーンの石がコース内入ったりする。)による、ガラスの破損がひどいと聞いていたが、本当にすごい。一回走るたびにまるで狙撃されたかのようにヒビがはいる。昨日からひどかったが、スペアが1枚(国内戦の時は持ってこない。)の為、決勝直前まで引っ張ってきた。ここでやっと交換し、明日の為の視界を確保する。

photo予選前に高橋国光GTA会長と談笑する渡辺選手。

photo予選はフリー走行のタイムを上回る事ができず残念。

photoセパンらしいシルエットを落とすヘアピン

photo夏場のレースの命綱。クールスーツキット。今回新調した

photo飛び石がひどく、今回始めてスペアを持参。決勝前に交換

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