International
Pokka 1000km RACE 3/4ページ

8月21日(日)決勝 晴れのちくもり・雨
路面:ドライ→ウェット

昨晩の"前祝い"作戦会議で、決勝は5スティント(4回のピットイン)と例年と変わり無い作戦。高橋選手をスタートとし、その後、渡辺→加藤→渡辺→加藤でフィニッシュ予定。

朝一のフリー走行は未明の雨の為、渡辺選手のコースイン時はレイン。しかし1周でスリックタイヤに交換。特に問題無い事を確認し高橋選手に交代。3周でピットイン。最後は加藤選手に交代。1周でピットイン、アウト繰り返し、"皮むき"決勝レース用タイヤを3セット程準備した。

30分のフリー走行も終え、次は1000km恒例のベルノ東海特設応援スタンドへのドライバー挨拶である。今回は雲行きが怪しい事と、スタンドがF1に向けて大幅改装中の為、わかりづらい場所になってしまい、応援席に集まっていただいたファン?の方々も例年にくらべやや寂しい。

そんな中、高橋選手は既に優勝宣言。ゴールをお楽しみにとの事。

photoオレンジ集団は、朝一各ポストへの配置前今回のオフィシャル軍団。

photo予報の雨は未明に降った。がこれだけではなかった。

photoベルノ東海特設応援スタンドの受付。準備中にも関わらずも早くもお見えになる方がある。

photo朝一のフリー走行最初はレイン。

photoその後スリックに・・・。

photo加藤選手の乗る時には・・・

photo皮むきタイヤ作りに大忙し。ピット前もごった返す。

photoスタンドの屋根は取り壊され、代わりの施設を建築中。

photo特設応援席へ選手挨拶。毎年の恒例。

午後1時からのレースに向け、スタート進行が始まる正午前後から予想されていた、雨が真実味を増してきた。まだ降り出してはいないが、晴、雨共の準備も忙しい。

スターティンググリッドに向け、高橋選手がピットを後にする。毎年恒例の"グリッド通り過ぎ"も、5番グリッドの今年は大丈夫だ。セレモニーが行われ、スタート10分程前になったら、ポツリポツリと落ちてきた。まだタイヤ交換は可能だが、どこも換えるチームは無い。雲行きと、雨足から、スタート直後、暫くは大丈夫と思われる。通常のGT戦なら一か八かレインで勝負するチームもあるだろうが、1000kmの長丁場になると、降り始めてレインが必要になったら交換しても、充分である。

photoスタートは高橋選手。

photo雲があるとは言え、日差しは暑い。

photoスタート前、右から加藤、高橋、渡辺の3選手。

photoグリッド上でポツリポツリと降ってきた。

photoスタンドでも傘の花が開き始めた。

レースは定刻通りスタート。オープニングはすぐ後のRSクラスのマシンに抜かれ、総合6位で帰ってきた。その後は300クラスの5号車(同じVEMAC)を従え、11〜12秒台で周回を重ねる。5周目に5号車と順位を入れ替えクラス2位となるが、ペースは変らない。雨足はスタート時と同じで、タイムに影響が出る程では無い。10周目に500クラスにラップされ、各クラス(今回は500・300・RS・Pokka・スーパー耐久の5クラス)入り混じってきた。

こうなると、コース全体にどこにでも周回遅れがいて、12〜13秒台となるが、5号車にはピタリ追走。これが白熱バトルに見えたのか、アストロヴィジョンにも終始映し出されている。(高橋選手は「余裕の追走」との事)チームにとっても、常に監視できてありがたい。

photoスタートは4台の500が先行。

photoRS1台にも先行され、順位を落とすが、VEMAC同士のバトル?

photo500にラップされ始める頃は、5号車が先行するが、ピタリと追走。

photoモニターを見上げるメカチームも長丁場に備える。

photo5号車を追走する高橋選手。S耐、RSと1000kmレースっぽい。

30〜35周を1スティントと考えていた、ほぼ中間19周目あたりで雨足が強くなり、周回遅れをパスする為、ラインを外すと13〜16秒台と、タイムに影響が出始めた。32周目1回目のピット。その前に次の渡辺選手に対し「このコース状態。レイン、スリックどちらで行きます?」と、信ちゃん(エンジニア:渡辺信太郎)。「スリックで良いよ〜。」と渡辺選手。

高橋選手がピットに滑り込んできた。給油、タイヤ交換と、順調な作業で渡辺選手を送り出すが、雨足は強くなっており、我々の直前にピットインした5号車はレインタイヤに換えピットアウトしている。

ところがスリックの渡辺選手、18〜21秒台、(時折26秒!)と、かなりバラつきはあるが、その5号車よりはるかに早い。しかし雨足は衰えず、43周目スピン。さすがに"潮時"と判断、翌周レインタイヤに交換。ついでに燃料も再び満タンとし、クラストップでレースに復帰。直後に本格的な雨となってきた。

30〜32秒台の走行に「こんなタイムで良いのかな〜?」と無線がはいる。同クラスと走っているわけでは無いので、ペースが解らないようだ。信ちゃんより「問題ありません。良いタイムで〜す。このペースで走ってくださ〜い。」と返信するが、実際にはクラス2位の9号車、谷川選手(GT戦では77号車SUBARUをドライブ)だけはダントツに早く、28秒台で周回している。しかし既に1周ラップしており大きな、影響は無いさそうだ。

photoピットでは常にレイン、スリックの両面対応状態。

photo渡辺選手に交代した直後に雨が強くなり再びピットイン。レインへ。

60周前後で雨は止むが、ウェット路面である事に変わりがない。が、次のピットイン予定72〜76周目辺りまでにどうなるか?

他チームのレインタイヤを見にいたったりもして、コース状態をチェックする。東西に長いここ鈴鹿は、東で雨が止んでいても、西は降っている事もあり、読みが難しいが、未だにスリックに戻したチームはなさそうだ。

70周辺りからまた雨足が強くなり、どうやら今日は一日こんなレースとなるだろうと思われる。準備した"皮むき"スリックの出番は無さそうだ。

76周目、44周を走りきった渡辺選手がピットイン。ピットロードを走ってくる渡辺選手から「パワステが壊れた〜!」と無線。「いつから〜?」「たった今!」・・・・最悪ドライブできない訳ではないので、そのまま加藤選手に交代。給油、タイヤ交換を済ませ、パワステのスイッチを見ると何故か「OFF」に?どうやら、ピットロードに入って来た時に、ドライバー交代の準備の為、クールスーツのホースか何かを外した際、その先が偶然スイッチに当たったようだ。

加藤選手を無事送り出す。スタートして3時間少々、午後4時を回っている。この時点でクラストップ。総合4位である。

"しっかり"と雨となったコースを29〜31秒台で走るが、加藤選手も「こんなタイムで良いのかな〜?」とペースが掴み難いようだ。おまけにフロントウインドがくもり始め、視界を狭めている。だがトップを維持するのに何の不安も無いペース。

安定したタイムで周回を重ねる中、105周目(総合上位の500クラスは115周目)、総合トップ争いをしていた、8号車のNSXがスプーンカーブ進入でスーパー耐久マシンと絡みコースアウト。そのままリタイアとなった。これで、"タナボタ"でも無い限り無理な、総合3位も転がり込んできた!(500クラス3位となっている88号車は中盤、トラブルで大きく遅れている。)

その後は110周目に渡辺選手に交代、フロントウインド内側に曇り止めを吹きつけ急場をしのぐ。4スティント目も全く危なげない走行で周回を重ねる。午後6時を回り120周目へ。定刻より10分早くライト点灯のサインが出されるが、殆どのマシンが既に点灯走行している。パラパラとした雨も降ったり止んだりだが、雲は厚い。

photo渡辺選手2回目の走行。

photo雨はとりあえず止んだが、もうスリックにする事はない。

午後6時50分、138周目を終了して最後のピットイン。アンカーは加藤選手。

このレース総合トップが173周でチェッカーだが、天候やアクシデントでペース遅くなった場合、午後7時半がチェッカーとなる。今日はどうやら7時半がチェッカーのようだ。

残り"時間"40分を切り、空はすっかり暗くなり、コースを照らす光は、水銀灯とマシンのヘッドライトだけになった。淡々と周回を続ける加藤選手から「ワイパー動かないし〜、ライトもどこ向いてんだか〜??」と愚痴無線が入るがタイムは落ちない。脅かされる相手もいないが、追いかける相手もいない。総合の2位の500クラスは追いかけて追いつく相手ではないし、クラス2位とは既に3周差がついている。

photo最後のピットインを待つメカ

photoアンカーは加藤選手。2位とは3周差と余裕。

photo判りにくいが3チーム3様の待機スタイル。

残り10分少々また雨が強くなる。加藤選手から無線で「(500クラスの)88(号車)抜いちゃったよ〜。」それなりに楽しんでいるようだ。

まもなくチェッカーを迎える7時25分過ぎ、平穏な我々と対象的に、今レース最大の、そして最後のドラマが総合トップで起こった。トップを走っていた18号車NSXが、足回りの異常と、給油の為緊急ピットイン。これにより39号車スープラに首位を明け渡し2位に落ちてしまった。

雨も止んだ7時32分、総合1位の39号車がチェッカーを受ける。1分後加藤選手もチェッカー!ポッカ1000?GT300クラス5度目で初優勝。総合3位のオマケつき。2位とは3周差の完全な勝利だ!

ページ1 ページ2 ページ3 ページ4

 
現在の位置:ホーム / レースリポート / International Pokka 1000km:ページ3