AUTOBACS JGTC 2004 Series 第3戦 2/3ページ

予選:6月18日(金) 午前:雨/ウェット→ドライ 午後:曇り/ドライ

夜を徹して行われたエンジン交換。メカがホテルに戻ったのは、空が白み始めた6時頃。シャワーと着替えに戻っただけだ。本日のスケジュールに限っては日本戦同様。タイヤマーキング、車検が朝から行われる為、すぐサーキットにトンボ返りである。

photoマーキングタイヤ。

photoコモンルームは休憩に使用されるが、そのままでは日差しが強いので、各チーム工夫を凝らし日除けを用意。

勿論エンジン交換、それに伴う各部の点検で特に異常が見つからず、水も回っている。ただし昨日同様、走らせて見ないと判らないのが痛い。

一回目(これは午前)11:45からの予選は、こちらに来て、まだ一周も走っていない高橋選手から。2年振りで一周も走っていないのでは、イメージトレーニングもできない。果たして水温はどうか・・?幸い、予選直前に激しい雨となり、冷却効果も高まると思われた。もっとも完調であれば、晴れていても問題無いのだが・・。

photo一回目の予選前にものすごい雨!

photoセパンで初めてのレインタイヤ。

photo昨日一周も走られなかった高橋選手から予選開始。

photo雨は上がったが、ウェットのコースへ・・果たして水温は。

photoやっと走る事のできた高橋選手だったが・・。

レインタイヤで1周、2周目、「水温高い、ダメ!ピット入る」と高橋選手。100度まで上昇した水温には、雨も、徹夜のエンジン交換も、何の効果も無かった。

疲れたメカニックも、手が進まない。手を尽くす所が無いのである。

photo徹夜のエンジン積替えも変化無し。メカの疲れ、精神的にも肉体的にもピークに。

photo再びラジエター回り始め、ウォーターラインの再点検。

2回目の予選まであと4時間、充分な時間とは思えなくなってきた・・。

ミーティングを行い、とにかく水のラインの点検。特に"流れが無い"ではなく、僅かな詰まりで抵抗になっているかもしれないので、それらを徹底洗浄してみようという事になった。

その為洗浄剤、それも即効で聞く強力な物が欲しいと、塩素系の洗剤を求めスタッフは街にでかけた。

メカニックは時間内に脱着可能なパーツ類の取り外しに掛かった。2回目の予選までの時間内に組みつけができないパーツを外しては元も子も無い。

1時間半ほどで数種類、何本かの塩素系洗剤(トイレの洗剤)を買ってきた。ピットでは最も疑わしいと思われる、ヒートエクスチェンジャー(水冷式エンジンオイルクーラー)が取り外されていた。

洗剤を注入、10分程放置し水を通すと・・・「何ということでしょう!」洗浄前の水流(これも悪い訳では無い。)に比べ、劇的に流れが良くなった!これがライン上の抵抗になっていた事は間違いない。チーム内に冗談も飛び交う程明るく、活気が出て来る。予選まで後1時間半。メカの動きも速くなる。

photo雑貨屋で買ってきた塩素系洗剤。日本円換算で100円程度。

photo"フツフツ"と泡が吹いてきて、いかにも"洗浄力"が強そう。

photo正に劇的・・アフター!洗浄前の流れでも異常無しかと思っていた流れが嘘の様!殆ど抵抗の無い流れ。高橋選手も笑みがこぼれる。

photo走ってみるまで判らないが、期待大と、メカの動きにも活気が出る。

組み付けも完了し、エンジンが掛かったのは30分前。水も回っているが、これは昨日も同様。あとは実走だが・・。幸い1回目の予選は完全なレインコンデションの中行われ、実質の予選はドライ路面となった2回目である、これが逆であったら"楽々"予選落ちである。

まずはグリッドを確保する為渡辺選手がNEWタイヤでコースイン。

水温を気にしつつ、ペースを上げる。3周目に2'15″743!とりあえず予選は通過できそうだ。水温も70度と全く問題無し。一寸冷え過ぎな程である。その後6周し、2'15″091をベストに高橋選手に交代。昨日はゼロ周、今日1回目、雨の予選でアウト、イン含め4周しか走っていない高橋選手。さっさと基準タイムを出しておきたい。

photoクーラーのホースを抱えて、コースインを待つ渡辺選手。グリッド位置よりまずは予選通過。

photoタイムモニターに食い入る、メカスタッフと、出番を待つ高橋選手。

その高橋選手、2年振りの、ドライのセパンを走る。4周目にピットインし、NEWタイヤに交換。アタックに入る。2周目2'15″051!渡辺選手を上回るタイムでベストをマーク。その後3周しピットイン。21番のグリッドを確保。全スタッフ一安心である。走り込めば、まだタイムは詰められそうである。決勝に期待したい。

今回はトータルの走行距離が少ないので、決勝前恒例の、ミッションオーバーホールを省略。疲れたメカを伴い早々にクアラルンプールに引き上げた。

photo水温も問題無し!基準タイムもクリアしピットロードに入った高橋選手。

photo予選終了。ピットに押し入れるメカも僅かに元気が出た様子。(気のせいかな・・。)

photo安堵のメカ。遅い昼食をとる。でもここからがスタート。

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