AUTOBACS JGTC 2004 Series 第3戦 3/3ページ

決勝:6月19日(土) 終日:晴れ/ドライ

トラブルが解消され、大きな成果を挙げた"感"があるが、今回のレース、やっとこれからである。とりあえずレースに向けたセッティングを行うに、今日のフリー走行はいつに無く重要である。今日のスケジュールも"逆サマータイム"通常より2時間以上遅く始まった。

いつも通り満タンテストであるが、昨日の予選での情報を元に、若干セッティングを変更。渡辺選手は3周目に予選タイムを上回る、2'14″429をマーク。そのままピットイン。高橋選手に交代。18〜20秒台とバラついたタイムで走行。試行錯誤を繰り返しているようだ

photo決勝日の"朝一"フリー走行と言っても正午。

photoサインマンテントは初日と配置換え。ウォール部のガラスは使い勝手が悪いので外された。

photoGTでは義務化されてはいないが、徐々に使用者が増える「HANS」フォーミュラーはともかく、ドライバー交代のある場合は、正直やっかい。

勿論マシンも問題無く、チームの雰囲気も明るくなった。とにかく決勝は良い結果を出したい。
その決勝レースも一昨年の様な最高気温を記録する、午後2時台ではなく5時と、日本の最高気温程度の31〜33度位と"過ごしやすい"時間帯がスタートである。

photoピットウォークも日本と比べるとややさびしいが、ファンは熱心。

photo今回4人来たレースクイーンだったが・・。

photo1人暑さで?でダウン。一人付添っている為この時は2人だけ。

photoオレンジの服はコースオフィシャル。レースが始まれば忙しい彼らも、ピットウォークを楽しんでいる。

photo現地採用のスタッフ。では無くレギュラー消火マン。

photoお隣、フェラーリのピットでは、弊社走行会でもお馴染み、菅一乗選手が、熱い中ヘルメットを着用してイメージトレーニング。左手がシフト操作をしている。

グリッドへ向けて、渡辺選手がピットを離れる。全車グリッドに着いてメカがコースイン。マシンからは既に渡辺選手は消えている。酷暑のレースではスタートギリギリまで、近くの涼しい場所(部屋に)非難している。「これで5周は稼げる。」との事・・。

photoグリッドへ向けピットを離れる渡辺選手。

photoグリッド上ではエンジン部にも日除け。八田メカの左手はエアガンで、フューエルラインを冷却中。

photoスタート前のセレモニーの間、渡辺選手はいずこかへ・・。

photo"舘"師匠はスタート直前まで、クールスーツBOXのチェック。

photoスタート直前に"どこか"から戻った渡辺選手(右)と高橋選手。渡辺選手は、この方が涼しいと、いつもクールスーツを表裏逆に着用する。

スタート直後に多少混乱がありグリッド通りの21位で戻るが、3周目19位、6周目17位、15周目15位と、5周目の2'14″828をベストに15〜16秒で追い上げる。

しかし16周目「フロントタイヤがおかしい!急にアンダーが出た。」と無線が入る。「もしや・・!」と緊急ピットイン、フロントのみ同ヴァージョンのNEWに換えコースに戻す。外したタイヤ、特に異常は見られなかったが・・今回予選、決勝用のマーキングタイヤは、前回菅生の決勝後半でテストを兼ね使用した、フィーリングの良かったタイヤである。しかしその時は10数周でリタイヤしており、ロングを走っていない。ドライバーが不安に感じるのも無理は無い。後半ならそれなりの走りに変えるも良いが、まだ序盤である。慎重に行きたかったのであろう。

photo日本のサーキットと違って、セパン独特雰囲気は、全てのスタンドに屋根を設けてあるからだろう。

photoオープニングラップ。マーシャルカーとの間は3台!

photoしかし直後の混乱をうまく避け、順位を上げる。

その後16周した33周目、他のマシンがルーティンピットを完了した為、見かけの順位が12位になったところでピットイン。高橋選手に交代。リセットされた順位は16位。

荒れたコースを19秒台で走る。しかし数週毎にペースが上がる。今レースでの走り込みが不足している証拠であろう。レースもチェッカー間近の48周。(500は54周、300は50〜51周がゴール。)順位も上がり15位。タイム17秒台で周回しファイナル49周目に入った。今シーズンの初チェッカーを受けるマシン、高橋選手を迎える為、スタッフがピットレーンに集まる。無線に入る高橋選手の声も「・・スピンした〜・・」と余裕の冗談。もう最終コーナーに見えるはずだ・・が来ない? "冗談じゃない"ようだ。裏ストレート手前の第14コーナーで他車と絡んでコースアウトしたとの事。定点カメラで映し出されたモニターを見る。確かに1台がグラベルに止まっているが・・。実は画面には"舘師匠"が高橋選手のコーナーリングラインを研究する為、小さくガムテープ(1×3cm程)が貼られているが、その下に隠れていたのだ。まるでここにコースアウトする事を予測するかの様に・・。

photoライン外は路面も荒れてくる。

photoスタート時刻が5時からの為、終盤はかなり日も傾く。

photoゴールする高橋選手を迎えようと全スタッフがサインエリアに集まったが、モニターに映し出されるNSXを見る事に・・

photo14番 コーナーでコースアウト。

数分でレスキューに引出されコースに復帰。最終コーナーを回って来た。しかし既にウィニングランを終えたマシンがコース、ストレート脇に並んでいる。チェッカーが振られる事無くゆっくりゴール。そのまま"末席"にマシンを止めた。49周目はカウントされ完走17位である。

photoそれでも何とかチェッカー無しでゴール。

photoゴール、整列したマシンの末席に並べてた高橋選手。

2004年GT選手権第3戦 GT300クラス

予選21位 : 決勝 17位 獲得ポイント 0点

今回のレースは、マシントラブル(オーバ−ヒート)の為、予選を含む3セッションがフイになり、全くセッティングができなかった。これが結果に表れた。

これらマシントラブルと言うのも、どこまで予測できるものか?

今回はヒートエクスチェンジャーの詰まりであったが、これも完全に詰まっていたのでは無く、抵抗になっていたのである。ラジエター同様スペアパーツが有ったら交換する事もできたが、生憎スペアの無い部品であった。前回のレースで、予兆があれば良かったが、まだ涼しい菅生の為、そんな兆しは全く無かった。ウォーターラインやオイルライン、ハーネス等に、に起こるトラブルの"種"は成人病の様に"徐々"に蓄積されていく事が多い。たまたま今回"自覚症状"が出てしまったのだ。

どこまで予防整備をしておくか?スペアパーツを準備しておくか?経済状態との相談でもあろう。各パーツの標準状態を知り尽くしておく事も勿論であり、新品の流れが判っていればもっと早く手を打っただろう。経験豊かなメカスタッフにとっても、勉強となる1レースとなった事であろう。

photo殆どのスタッフは本日帰国の為、撤収作業を急ぐ。

photo何とかまとまり、コンテナ積みを待つ状態。

ドライバーコメント

今日のレースを振り返って?
高橋:振り返ってもどうしようもない。最後のスピンはあんまり結果に関係ない。大勢に影響ないけど、個人的には腹立つね。

タイヤはどうでしょう?
高橋:まだダメだね。・・〜ん・でもエンジンがオーバーヒートで走れんかった、ってのはもっとダメだね。あれで練習不足になっちゃったもんね。あれでも平均ラップ1秒位違うもんね。レースも後半の方が(タイムが)良くなってくなんてバカな話ないもんね。渡辺さんも後半早くなるなんて今までないもんね。あういう事がそもそもダメだね。予選までの練習は4ラッップ!計測2ラップ?しか走ってない。

渡辺選手はいかがでしたか?
渡辺:いや〜一寸期待してたんだけどね。タイヤには・・。いかんせん言う事効かない。色々サスペンション予選で合わせながらいったんだけど、最終的は合わせられなかったね。だけどま〜、練習不足だね。テスト不足。

レース中のフロントタイヤ交換は、どうにも我慢できなかったんですか?
渡辺:アンダーも急に来たからね。コースオーバーしちゃったよ。こりゃ後10ラップ・・ん〜〜どうしょかな〜って思ったけど(ピットへ入りました)・・。参りました。次、頑張ります。

photo
トラブルのレースウィーク。レースは"走り切る"事はできたが、不完全燃焼の完走。

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