GT CHAMPIONSHIP 2003 Series Round 2 3/4ページ
4日(日)決勝 晴れ 路面:ドライ
明けて決勝日。富士山は望めないが快晴である。(毎日富士山の話でご免なさい。)スタンドには昨夜来の観客で埋め尽くされている。発表では6万人以上!現在これだけの観客を集める4輪レースはF1以外、このGT選手権だけであろう。
昨年同レースで2位快走中、セルモーターの不調でズルズル後退した、苦い経験を持つメカニックは、深夜までのメンテナンスで、昨日の「燃圧低下」は、燃料ポンプのハーネス破損による、接触不良である事を突き止め修復。
朝のフリー走行はいつも通り満タンテスト。1'34.353で6番タイムと好調だ。
全く雨の心配が無い快晴。むしろ路面温度が心配になってくる。今回はGT戦最長の500km。114周である。300クラスは108〜110周、これはセーフティーカー(SC)の回数により変動がある。スタートドライバー高橋選手が、35周以上走行し、SCの状態によりガソリンギリギリの43周まで引張り、残り渡辺選手が途中1回給油で走り切るという作戦である。
スケジュール通り13:55スタート。1周目はグリッド順4位で帰って来る。しかし3位との差が開き5位以下4台がピッタリと張り付いている。スタート直後のタイムが35〜37秒台と安定しない高橋選手は、5周目一気に8位まで落ち、6周目には10位に落とす。その後は34〜35秒と安定するものの今度は500が、後から迫ってくる。しかしそんな中にあっても35秒台と安定タイムで順位をキープ、周回を重ねる。
ところが23周目
「ミッションがおかしい〜〜!」
と高橋選手からの連絡。
その後
「段々硬くなってきた〜〜!3〜6速しか入らな〜い。」
との訴え。タイムも40秒に落ち込む。
今日、レース監督を務めるのは、元F3000ドライバーの舘氏が
「何とかそのまま行ってくださ〜い!」
と伝える。何とか予定の35周まで持って行きたいのだ。
しかしそのミッションの状態が最も解かっている高橋選手より
「ピットに入りま〜す。」と26周目。
ゆっくりとピットロードを走ってくるNSX。
ピット前に停車と共にモクモクと白煙。ポタポタとオイル洩れ。ガレージ内に入れる。メカニックが飛びつき、エンジンフードを外し、故障箇所を探る。洩れたオイルが焦げ、白煙を上げているのだ。
約10分程で、ミッション内部の破損であろうが事推察できた。とても短時間で戦列には復帰できない。リタイヤである。
昨年最終戦鈴鹿、そして開幕戦と、レースウィークを通じ、ほぼノントラブルとメカニックもこのマシンのメカ的ポイントを抑えてきたが、このミッションだけは、未だこのマシンのアキレス腱で、500マシンもエンジンの向きを変えた理由のひとつに、このミッションを変更したい為でも在ると言われている。他の部分は、地道で細かな改良により、信頼性を向上させて来ただけに残念である。今回のトラブル原因を探り、再発防止に努めたい。
次戦菅生は、今回試した吸排気系パーツの効果が期待できるサーキットであり、昨年最高位4位となったレースである。表彰台以外、狙うものは無い。
深夜に及ぶメンテで昨日の燃圧低下はポンプのターミナルの破損、接触不良である事が判明。
ポールの菅 一乗選手がピットに来た。昨年のGT戦、スタッフとして共に転戦。ポッカ1000kmではNSXをドライブ。我々スタッフも彼を讃える。(冷やかす。)
スタンド埋めた観客。ここのNISSANの応援席?は終始団旗を振っていた。その甲斐あって・・。
ピットウォーク時の、2輪のアトラクション。タイヤスモークに拍手喝采。
車両メンテ担当のSKデザインのメカ。若手?はオレンジのスーツ(昨年ドライバーが使用)に変更。チーフメカ川口氏は普段着ツナギ。
観客で一杯のスタンドを背に両ドライバー。この笑顔が最後に見られる事はできなかった。
4番グリッド。直ぐ前は「Z」右前はポルシェ。TIでも前にいた。
500NSX勢は「スープラ」「GT-R」完全に押されてしまった。
レース中のサインマンテント。高橋選手の師匠、舘氏がレース指揮をとる。
スタート1周目。前3台に離されてしまった。
Photo by Y.Suzuki
500も混ざり始め、順位もタイムも安定してきた高橋選手だったが・・。
Photo by Y.Suzuki