GT CHAMPIONSHIP 2003 Series Round 3 3/4ページ

25日(日):決勝 くもり 路面:ドライ

今日の決勝に至るまでのレースウィーク、カラッと晴れ渡る事は無く昨年の様に「蔵王」を望む事はできない。雨が無いのが不思議なくらいの空模様だ。

朝は満タン走行。そしてピットワークの唯一の実践練習。我々のチームはこれを殆どやらない。ドライバー交代もタイヤ交換と給油の間に行えばよく、時間的には充分。満タン走行では28秒前後と、レースモードのタイムでも問題ない。しかしピットワーク練習は、ここSUGOのピットの間隔が狭いので大変。短時間走行の為、他のチームと重なると、斜めに停車する事になる。無論そんな事は折込ずみ。各チームも斜め停車時の練習をしている。実際レース時は隣のチームと相談し、重ならない様に配慮するので、SC(セーフティーカーが出て、作戦の変更が無い限り、滅多とピットインが重なる事はない。

photo何ともすっきりしない天気。半袖ではチョッと辛い。

photo朝一はレスキュー訓練が行われるので、こんな車も全力で走り抜ける。

photo我々のチームは、きっちりとミーティングを行わない。こんな「井戸端会議」的に今日の作戦が話し合われる。

photo朝のフリー走行に向かう高橋選手。今回から「VERNO TOKAI」のステッカーが追加された。

ところで今回のレースと言うか、GTの人気イベント、ピットウォーク(以下PW)は大変と言うか、危険な状態でした。

私はPW時は「ピットサインエリア(以下「SA」)」「サインマンテント」にいる事が多く、今回もそこにいた。PWが始まった。いつもの様に多くのお客さんが入って来たが、皆走っている。(ここで既に危険な臭いが・・。)富士では警備員がロープを張って先頭に立ち、こういう状態を防止していた。(弊社HPレースリポート参照。)その後ドンドンお客さんが入って来て、何かいつにも増して人口密度の高さを感じる。

20分程した頃になると、我々のピット前周辺、全く身動きができない状態になっている。子供がSAのガードレールに挟まれ、苦しそうな親子連れに「こちらに入って。」と言うと「え〜良いんですか〜?」と遠慮がち。でも子供が危ないからとSAに入れる。お客さんも、ここのSAは、入ってはいけない場所と思い、遠慮している。(モニターやパソコンがあったりするので、勝手に入りずらいの当然かも・・。その見張りで私もそこにいる訳ですが・・。)しかし今はそんな場合じゃない。我々の21番ピットはピット全体の3分の2あたり(真ん中より1コーナーより)に位置するが、ピット10個分以上人、人、人である。全く動かない、動けない状態である。その内あちらこちらから「押すな!」「バカヤロー!」の怒号が聞こえ始める。以前どこかの花火大会の、歩道橋で起こった事故が脳裏をかすめる。

私は周りにいる方々に「このフェンス乗り越えて、コースに出てあちら(最終コーナー側)に歩いて行った方が良いですよ。」と乗り越える事を薦める。「え〜、でもそんな事したら怒られませんか?」と、観客の方にとってはコース上は神聖(ちょっとオーバー)な場所と思って見えるのか、これまた遠慮がち。「構わないですよ。何か言われたらそこから中に戻りゃ良いんですから。とにかくこの状態から脱出しなきゃ危険ですわ。」とサインマン用の椅子を踏み台にして、コースに何人かを脱出させる。幸いコース上でのイベントは終了し、何も走っている訳では無い。

しばらくするとオフィシャルがやってきて「コースに出ないでくださ〜い!」と規制を始めた。私のいる所から、コースに人が飛び出してくるので、こちら(私の方)にやってくる。私は「この状態見てよ!このままにしてたら大変な事になるよ。コースに人を出さなきゃ!」オフィシャルは無線で何やら相談。「解りました。最終コーナー方面のピット前はこんなに混みあっていないので、コースを歩いて迂回させましょう。」いい機転だ!先程のサインマンの椅子をフル活動で、ドンドン脱出。でもあのピットウォールは結構高く、女性(特にかかとが高い方等)や子供には辛い。そこはオフィシャルや、先に降りた観客が手伝い、私も荷物を持ったりして5〜60人程コースに脱出、迂回させた頃、やっと動きだした。

脱出する方から「よくやってくれた!」と感謝された時は、正直、勝手に判断し、心配した行動だが間違い無かったと思った。しかしひとつ間違えば、ピット内に流れ込む可能性だってあったのだが、観客の方々の自制心は強かったと言えます。今回の原因として、SUGOはピットロードが狭いにも関わらず、多くの観客を入れすぎたのではないかと思う。また最近は各チームのパーテーションポールが、大きく張り出し、更にピットロードが狭くなった思う。

またピット割りで500の「NISSAN」(3台)「TOYOTA」(2台)、「HONDA」(3台)その他、人気トップチームや、話題キャンギャルが居るチームが、真中から1コーナー側に集中していたと思う。最初にそこへ走って行った方が戻ろうとし、そこへ後から多くの観客が流れ、行く人、戻る人がぶつかり、そこがちょうど我々のピット前周辺であったと思う。

観客がピットウォークでどう流れるか?などでピット割りは考えてはいないだろうが、こういう事がある以上、少なくとも、ここのサーキットでは対策を講ずる必要があるだろう。

photo始まり直後のピットウォーク。既にかなりの観客。

photo20分程したらもうこんな感じ。ウォーク(歩く)どころではない。

photoピットウォールを越え、コースを歩くしかない。

その後はサポートレースがひとつ行われGTの決勝が始まった

いつもよりやや遅めの2時50分、スケジュール通り81周のレースはスタート。昨年300クラスの1位が78周であったが、SC(セーフティーカー)が多く出た為で、SCが無ければ75〜76周辺りになるだろう。渡辺選手により、45〜50周まで引張り、高橋選手に交代、ゴールを目指す。

オープニングラップ、7位で帰ってくる。3周目5位、5周目6位めまぐるしく順位が入れ替る。トップ3台がやや先行した後方、5台による4位争いが凄まじい。タイムは27〜28秒と、大混戦の中安定はしている。10周目辺りから500も混ざり、大混戦に更なる拍車を掛ける。8位でしばらく周回を続ける渡辺選手から、「ヴィーマック(No5)最悪〜!」と、ペースの上がらないグループの先頭車にイライラ無線。しかし徐々に追い上げ、5位に浮上した30周辺りでルーティンピットインの為、各マシンが動いた。そんな中トップを快走していた、ポールスタートのNo11「JIM RodeoDrive アドバンF360」が、ピットアウト直後にストップ!リタイヤである。レースは何が起こるかわからないとはこの事だ。

SCも出ない事から、予定通り50周目、見かけの順位は勿論1位で高橋選手に交代。順調なピットワークで送り出す。1周しリセットされた順位は5位、まずまずである。しかし背後にNo43「ARTA Garaiya」が迫る。「高橋さん、ガライヤ抑えて〜。」と叫ぶ館レース監督の無線虚しくパスされてしまう。冷たいタイヤに、まだペースが上がらない。その背後には更にNo77「クスコスバルADVANインプレッサ」も迫る。再び「高橋さん、インプレッサ抑えてください。」と館レース監督。スリップに入られる寸前でピット前にもどって来て、「こりゃダメやな〜。」と皆が感じ始めたが、タイヤも温まりペースアップし徐々に、引離しにかかる。フリー走行同様、安心してみていられないが「やればできるじゃ〜ん」である。

タイムも28〜29秒台。500が常に背後から迫る中、充分なペースだ。

終盤(計時の見かけ上?)トップのNo26「PLUS e タイサン アドバン GT3R」がコースアウト?(正確には不明)で順位を落とし、結局5位を守りきりフィニッシュ。前回リタイヤに終わった富士の雪辱を果たした。

photoここSUGOでもスタンドは一杯。

photoスタート前には日差しも強くなってきた。

photo真後グリッド、タイサン・バイパーの木下選手が興味深げに見物に見えた。

photoグリッド上の賑わい。
Photo by Y.Suzuki

photoグリーンシグナル!大混戦の始まり。
Photo by Y.Suzuki

photo

photo500も混ざって“ぐじゃぐじゃ”状態。
Photo by Y.Suzuki

photoストレートでインにつけ・・。
Photo by Y.Suzuki

photoブレーキングで一気に並び。
Photo by Y.Suzuki

photoサイドバイサイド。
Photo by Y.Suzuki

photo渡辺選手、見事にオーバーテイク。
Photo by Y.Suzuki

photo5位でゴール。乗り出しているのはお隣、「インプレッサ」クスコのクルー。一時は背後から脅かされたが最終的にはこれくらいの差。

photoウイニングランが終わりスタンド前に整列していくマシン。

photo充実したレースからか、いつもにくらべ元気にマシンを降りる高橋選手。

GT選手権第3戦 GT300クラス 予選6位 : 決勝5位
獲得ポイント 8点   累計17点
ドライバーランキング:8位

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