GT CHAMPIONSHIP 2003 Series Round 4
Malaysian JGTC in FUJI SPEEDWAY 3/4ページ

13日(日)決勝:くもりのち雨 路面:ウェット・一時ドライ

第1レース
明けて決勝日は波乱のレースを予感する様に朝から雨と霧。予定時間をやや遅れて朝のフリー走行が始まる。いつもの満タンでは無くレースを想定してやや少な目のテスト。1'46.295は高橋選手、12番タイム。これは終盤、路面の水がはけてきた為で、参考になりにくいが、金曜日のウェットを走る事ができず、ここ富士のウェットを初めて走った、高橋選手にとっては、決勝時の大きな手応えとなったであろう。

photoいつもは消火器担当のスタッフ。今回は給油担当に。クイックチャージのコツを川口チーフメカからレクチャー。結局出番は無くなってしまったが・・。

photoピットウォークで初の試み。キャンギャルはコース、ドライバーはピットと、分割開催。

photoそのおかげ?かピットロードには余裕が・・。

その後サポートレースも、ピットウォークも多少の止み間はあるものの、午後一番に始まる決勝第1レースをドライでできる様子は無さそうだ。ところがスタート進行が始まる少し前から、ものすごい霧が発生。ピットからグランドスタンドがぼんやり見える程度。レースそのものができるのか?

photo決勝スタート直前にこの霧。

photoただ、ただ暇を持て余す各チームスタッフ。と、ピット上の観客。

photo「こら走れんわな〜」と手持ちぶさたの高橋選手。

photoで、てな訳ではないですが、珍しいメカ、キャンギャルとのショット。真ん中はキャンギャルに誘われてやって来た、「イエローコーン」の黒澤治樹選手。

メカを含めたスタッフ、ドライバー、キャンギャル達も準備万端だが、皆ピットロードに出て天候、コースの好転を待つ。そんな状態が1時間程続いた頃、予定通りのレースはこなせないと言う事で周回数が20周と、30周(給油無し)という短縮レースに変更された。その頃から徐々に霧もはれ、各マシンウォームアップ走行が開始された。雨こそ無いが、路面はウェットと判断、レインタイヤで高橋選手を送り出し、ウォームアップ後一旦ピットイン。ここでドライタイヤに交換したチームもある。その後グリッドに並べる為再びコースイン。グリッドについた高橋選手もレインタイヤで行くことにした。しかしここからセレモニーが約30分。グリッドから見る限り、ウェット路面だが、各コーナーのライン上は乾くと判断した一部のチームが、スタートぎりぎりで、タイヤをスリックに交換し始めた。

photo視界が回復。ここぞ!とばかりにスタート進行開始。ピットロードになだれ込む。

photo割り込むベルノ東海NSX

photoウォームアップでこの水しぶき。この状態を「まだ」と見たか?「もう」と見たか?

photo天候の為か、いつもの富士に比べ少ない観客をバックに高橋(左)、渡辺(右)両選手

photoこの路面に高橋選手はレインタイヤをチョイス。周回数と空模様から妥当な選択だったが・・。

photoスタート直前にドライタイヤに交換するチームもあった。

我々もグリッドにタイヤを用意していたが、ラインを外すと完全ウェット路面、太陽も見えない、すこしパラついて来た感じでもある。この第1レースは手堅くレインで行く事にした。ローリング開始直前、スタッフの無線に「£??〜???▽??〜!!」と意味不明の絶叫。何事だ!八田メカが「高橋さんどうしたんです!何かトラブルですか?」高橋選手「行くぞ〜!って気合入れたんだわ。」一同安心するが、そういう時は無線のスイッチをいれずにやってほしいもんだ。

ローリング、1周目にスタート。20周のスプリントレースの幕は開いた。500クラスの巻き起こしたウォータースクリーンで煙る第1コーナーに飛び込む300クラス。モニターに目を移すと、スリック装着マシンがスピンしている。レインタイヤ正解か!1周目12位とジャンプUP。その後、毎周回順位を上げてくる。ところが7周あたりから、高橋選手より「タイヤ、ズルズルだ〜!!」と絶叫。各コーナーは勿論、ストレートも徐々に乾き始めている。下位に落ちたスリック組も、ファステストを更新しながらどんどん追い上げてくる。タイヤ交換にピットインするチームもある。レインタイヤの形勢が不利になって来た11周辺り、ポジションは5位。この頃からレイン組とドライ組の形勢は逆転。徐々にタイムを落とすレイン組、大幅にタイムを更新するドライ組。高橋選手もタイヤを冷やす為、ストレートで大きくピットよりにラインを変え、ウェット部分を走り抜ける。しかしドライ組の追い上げにはかなわず10位フィニッシュ。

この後第2レースに向け、直ぐにメンテナンスが始まる。ボロボロになったタイヤ交換を始め、給油各部のチェック。実質30分ほどしかない。幸い接触、コースアウトも無く、特に修復を必要とする所は無さそうだ。

photo第1レーススタート。水しぶきはかなり減っている。
Photo by Y.Suzuki

photo乾き始めたラインを避け、タイヤを冷やす高橋選手。
Photo by Y.Suzuki

photo路面ンコンデションが大きく変わる中、果敢に攻め、無難に守り、10位フィニッシュ。

photo第1レースを終えピットに戻ったマシンを、ピットに入れるスタッフ。短時間でメンテを行う。

photo乾き始めたコースにタイヤはボロボロだった。

第2レース
給油義務も無くなった、30周の第2レースは、1時間のインターバルの後、行われる。この間に降り出した雨で今度は完全なウェットレースとなるだろう。第1レースの結果から10番グリッドからスタートした渡辺選手。激しいウォータースクリーンの中、トップグループでクラッシュがあり、「あわや」という所を半分ダートに飛び出しすり抜ける。この混乱により早くもセーフティーカーが入る。1周目16位と大きく順位を落として帰ってくる。

photo給油を始め、各部点検にメカが慌ただしく動く。

photo“べっカム”傘を持つのは八田メカ。今度は間違いなく完全レインレース。

photo第2レースまではインターバルが短い為、スタートセレモニーは無し。キャンギャルもグリッドボードを持つ、番 ことみちゃん一人ぼっち。

photo激しいウォータースクリーンの中で・・。

photo先行車衝突!破片が飛び交う中、グリーンへ逃げる渡辺選手。

photo既にコース脇に止まったマシンもある。

このスロー走行は7周まで続き、その後セーフティカー解除となりレース再開!8周目13位。10周目11位と雨脚が衰えない中、毎周順位を上げる快進撃が続く。

ところが8位まで順位を上げた14周目、渡辺選手から「後ろ?下?の方から何かガラガラ音がしま〜す。」確かに無線に入る音も異常だ。大事をとりそのままピットイン。

その時エンジンルーム内に火の手が見える。「火が出ていまーす!」の無線を聞いて?(実は知らなかった。)飛び出す渡辺選手。消火するメカニック。幸いすぐに鎮火。トランクとエンジンフードを外し、原因を探る。

するとミッション(デフ)ケースが割れギアが顔を出している。そこからオイルが噴き出しエキゾーストにかかり火が付いたと思われる。リタイヤである。

photo2周目からいきなりのSC。タイヤを少しでも冷やさぬ様、蛇行運転をするマシンも。

photoレース再開後も雨脚は全く衰えない。
Photo by Y.Suzuki

photo先行されたのは、徐々に戦闘力を上げる「Leyjun DUNLOP GT1」。レインタイヤの恩恵か?快走するもリタイヤ。

photoミッションの異常、異音でピットインした渡辺選手。後ろホイールの隙間から見えるオレンジ色、実は炎。既に出火していた。

photo消火器の洗礼を受けるのは昨年のモテギ以来2度目。

今回、結果からすれば色々反省点があるレースでありましたが、このNSXにとって、初めてのレインレース。しかも完全ウェットと、途中からドライに変って行くレースと、ドライバーにとっても、メカにとっても多くのデーター、経験が得られた内容の濃いレースでした。

これからのレースに生かし、どんな状況下でも好結果を残せるチームにしていきたいと思います。

GT選手権第2戦 GT300クラス 予選16位
第1レース高橋選手:10位 / 第2レース渡辺選手:リタイヤ(ミッショントラブル)
総合結果:21位  獲得ポイント 0点 / 累計9点

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