AUTOBACS JGTC 2004 Series 第7戦 3/3ページ

決勝:11月21日(日) 午前:晴れ/ドライ 午後:晴れ/ドライ

残ったプログラムは、朝のフリー走行と、決勝のみ。これで長かったシーズンも終わりである。満タンにしての最終チェックは渡辺選手、高橋選手の順番で14周を走り込む。ところが走行終了後のタイヤをみてビックリ!サイドウォール部に亀裂が入っている。このタイヤは昨日予選を走ったユーズドタイヤであるが、昨日今日と40周と走っていない。正直危険な状態。これと同じ仕様のタイヤを決勝タイヤとして使用しなければならない。前戦オートポリスと同じ状態だが、更に始末が悪い。バーストの恐れがある。

精々このタイヤだけのトラブルである事を祈る。

photoピット内でのウォームUP。

photoサイドウォールの亀裂!"たまたま"このタイヤだけであって欲しい。

photoピットウォークは大盛況!

photo「F1」「8耐」以外でこれ程の観客は何年振り!私は初めて見た。

レースは定刻通り午後2時スタート。52周300kmだが300クラスは48〜9周がゴールとなるだろうが我々は47周辺りだろう。スタートドライバーは渡辺選手。20〜30周の間でピットインを行い、違う仕様のタイヤに交換する予定だ。当初スタート直後にピットインし、違う仕様のタイヤに変える案もでたが、「それで2ピットになったら更にレースにならない、「少しペースを落として、異常を感じたらすぐピットに入るよ。」と言う渡辺選手。タイヤに不安を感じて走るドライバーの心中はいかがな物か・・?

12〜4秒台といつもに比べ大きなバラつきで19位辺りを走る。20周で交代は可能だが、後半が27〜8周と長くなるのも不安な為、できれば半分の24〜5周、できれば30周辺りまで引っ張りたいところだが・・果たして・・・。

photoスターティンググリッドでの左:高橋、右:渡辺の両ドライバー。攻められない1年を締めくくれるか?

photoスタート直後の第1コーナー。画像でかろうじて識別できる位置。

photoタイヤに不安を感じ、ややペースを落とし"レース?"を進める渡辺選手だったが・・。

20周を過ぎてピット前を18位で通過。ところが1コーナーに入った直後に、「うワー!!コースアウトしました。多分(タイヤ)バーストだ!!」と渡辺選手。よりによって最悪の地点。 「何とかコースに戻れましたのでピットに向かいます〜。」

約5分が経過した頃、ユルユルとピットに入ってくるNSX。その右後輪は大きくタイヤがはみ出して見える。タイヤショルダー部が完全に避け、サイドウォールが"平板(円盤)状で残り、トレッド部が大きくずれている。幸いフェンダー等外板を吹き飛ばす様なバーストにはならず、タイヤを交換するだけで、復帰する事ができたが、25位最下位である。交代した高橋選手は、残り周回24〜5周を無事走りきれるだろうか?違う仕様のタイヤは大丈夫である事を祈る。ラップタイムは更に落とし、16〜18秒台。ここでペースを上げても何も得られる物は無いが、地元ファンも多く応援に来てくれている。最後まで走り、チェッカーは受けたい。また最後のレースがリタイヤではあまりに寂しい。

photo21周目、1コーナーでコースアウト。

photo何とかタイヤウォールへの衝突は免れ、一旦ストップ。

photoその後外周路を通ってコースへ・・。右後輪のバーストの為、左前輪が浮いている。

photoコース復帰。左前輪は回っていない。

実はこのピット作業、ペナルティを取られていた。バーストしたタイヤ(ホイール)を外した際、そのまま手渡しをしてピット内に収容してしまったのである。レギュレーションで外したタイヤは一度地面に平置きし、静止してからしか、他のクルーが回収してはいけないのである。レース結果に30秒の加算、3年のGT参戦で初めてのピット作業によるペナルティである。しかしそんなペナルティも全く影響が無い位置を、淡々と走り続け、45周でチェッカーを受けた。

photoピットで待ち受けるクルー。

photoマシン到着。後輪の"変形"タイヤが見える。

photo交代した高橋選手。ただ完走を目指すだけ。

photoバーストしたタイヤ。壊れ方が良く判る。

2004年GT選手権第7戦GT300クラス 予選20位:決勝22位 獲得ポイント0点

モータースポーツはマシンを使って速さを競うスポーツ。そのマシンを壊れないように整備し、壊さず走る。しかし競う合いの中ではエンジンに無理をさせたり、ドライバーのミス等でスピン、クラッシュ等でマシンを壊す場合もある。

だが今回の様に低レベル"争い"(にもなっていない)の中、更にペースを落とし、周回も少ない。こんな中でタイヤバーストなど・・・GT初参入にしてもあまりにお粗末と言える。

チェッカー後の車両保管を終えたマシンが戻って来た。走り終えたタイヤを早速確認。"やはり"タイヤショルダー部に亀裂が入っている。"予想通り"と言う気持ちと、"まさか"と言う気持ちが半々である。正直前者の気持ちで高橋選手を出したと言う事は、ドライバーに相当なリスクを負わせた事になる。ひとつ間違えば・・・背筋が寒くなる。終わってから言ってもしょうがない事だが、リタイヤすべきだったのかもしれない・・。

photoアメリカ行きの荷物が梱包されて行く中・・。

photoマシンの整備も進められる。

photo梱包、整備も終わり、積み込まれて行く。翌日午後にはお台場の倉庫まで運ばなくてはならない。

この鈴鹿のレースで今シリーズは終わりであるが、12月にアメリカカルフォルニアで行われる、オールスター戦参加の為、翌日にはお台場の港まで搬入しなくてはならない。

これで今年は本当に終了であるが、このアメリカまではクムホタイヤを使用する事になっている。このままでは完全なイメージダウン。オーバルのバンクも一部使用するアメリカ大会で、タイヤのスペックを再度確認し、名誉回復しなくては、2004年は締めくくれない。

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