モータースポーツ

2009年SUPER GT第5戦 速報!

ニュース
2009年07月27日

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雨を味方に、見事作戦勝ち!2戦連続表彰台の2位!


 7月25・26日第5戦は宮城県、スポーツランドSUGO。
 前戦セパン優勝の勢いを持込みたいところだが、ハンディウェイトは40kg増量の62kg!
 得意なコースとは言え、苦しいレースになりそうだ。
 狙うは表彰台。できればランキング上位マシン(43・7・19号車)の前で・・・。
 この週末、予報は曇り時々雨だったが、土曜日の練習走行では、前日設営日の雨も上がり、見事に晴れ上がり朝から蒸し暑い。
 完全ドライの午前、90分の練習走行は何度かのピットインを繰り返し、セット変更。結果加藤選手によりトップから0.12秒差の2番手タイム。1′25″946。
 吉本選手(以下ヨッスィー)も27″593とまずまず。
 その勢いで、続く予選、まずはヨッスィー。
 計測1周目で1′27″576、そのままアタック27″264まで詰めて加藤選手に交代。
 序盤はこのタイムでも、SL進出の8番手以内の2位。
 しかし徐々に他のマシンも、タイムUP。
 加藤選手の26″789でも5番手。その後7番手、そして11番手へドロップダウン。
 だが300占有走行終了直前、25″193までタイムUP!5番手でSL進出。
 そのSLではひとつ順位を上げ、81、33、43号車に続く4番グリッド、セカンドローを確保。

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スポンサー名の代わった紫電。
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練習走行も好天の元、順調なタイム

 明けて決勝日も、全く雨の気配も無く晴れ。
 朝のフリー走行でも30℃まで上がり、路面温度も40℃を超えた。
 満タン走行も快調で、第2戦優勝の33号車ポルシェに続く2番手タイム。
 午後からの降水確率が高いが、決勝レースに影響するかどうかは微妙な時間。
 スターティンググリッド上は、日差しは強く、気温は32℃、路温は50℃近くに上がった。
 ところがスターティングセレモニーが進む中、最終コーナー、西方向の蔵王山に黒雲が広がりつつあり、荒れるレースを予感させる。
 午後2時レースはスタート。
 最終から登りストレートを上がって来た加藤選手、1コーナーまでに5番グリッドの46号車にパスされ、5位にダウン。
 6周までこの位置をキープするものの、7周目には26号車にもパスされ6位へ。
 トップ81号車は25秒後半から26秒前半、加藤選手は26秒中から後半、徐々にリードを広げられて行く。
 この後、上位陣は全く変動が無いまま、淡々と周回を消化していくのだが、午後2時半を少し回った24周目辺りから雨がパラつき始める。
 タイムも各車3~5秒ほど落ち込む中、11号車に抜かれ7位へと下がるが、この雨は波乱を呼ぶと予想、無理はしない。
 一部には早々とレインタイヤに変え、勝負に入るチームもあるが、上位陣はまだスリックの方がタイムが良いと判断し、動きは無い。
 ところが30周を終えたら、雨が本格的に降り始め、上位陣も一気にピットレーンに入ってくる。
 しかし加藤選手は、このピットでの渋滞を予測、また本格的な雨はまだコース全体に及んでいないと判断。
 ピットインを1周延ばし32周を終えピットイン。
 この作戦はドンピシャ。
 順調なピットワークで、レインタイヤに変えたヨッスィーを5位で送り出し、上位陣が全てピットインを終えた34周目には81・11号車に続く3位にまでジャンプUP!
 同時のピットインは混乱を招き、斜め止めから、押し戻してスタートさせる等、タイムロスとなったが、我々は通常のピット作業と殆ど変わる事がなかった。
 その後もレインセットの決まらない42秒台の11号車に対し、39秒台のヨッスィー、35周目にパスして2位へ上がる。
 フロントウィンドウの曇りに苦しみながらも、39~40秒台で飛ばすヨッスィー。
 前を行くトップ81号車も、後方3位に上がった26号車のラップタイムも殆ど変わらない為、前と15秒前後、後と5秒前後の差は変わらず、しばらく小康状態。
 だが、このSUGO、2度目の波乱が訪れる。
 レースも3分の2(500クラスは81周だが、300クラスは75周前後がチェッカー)の50周を過ぎた辺りで、雨も上がり、徐々に路面が乾き始め、僅かづつドライラインができたのである。
 ランキング上位ながら中位を走行中の、8位の19号車、13位の7号車が55周目ピットイン。
 残り周回も多い事からスリックに交換、掛けに出る。
 その後も11号車、46号車もスリックに変え続く。
 ところがインターミディを選択した33号車はこの路面コンディションにピッタリとなり、57周目には26号車を抜き3位へ・・・。
 40秒台で走るヨッスィーに対し、37秒台の33号車、60周目にはヨッスィーの前に出る。
 その少し前の周回から、ヨッスィーはスリックに変えた方が良いと言ってきたが、エンジニアのシンタローは、先に変えたスリック勢も、時折パラつくこのコンディションではまだ優位と思われず先延ばししてきた。
 だがそろそろスリック優位となった、61周目、満を持してピットイン。
 タイヤのみスリックに交換、81、33、26号車に続く4位でヨッスィーをコースに送り出す事に成功。
 アウトラップ、同一周回でレインタイヤの74号車を何とか抑え切り、タイヤを暖める。
 前を行くのはレイン勢3台。トップ81号車とは65秒、2位33号車とは56秒、3位26号車38秒、それぞれ差があるが、路面はドンドン乾いて行く。
 65周を過ぎ、ラップタイムは81号車が40~42秒、33号車が36~39秒、26号車が40~42秒。
 それに対しヨッスィーは32~33秒のハイペース。
 68周目26号車をパス3位へ。
 73周目30~31秒と、更にペースの上がったヨッスィーは、既に33号車に抜かれた81号車を抜き2位!
 33号車との差は20秒差。
 残りは2周だが、ラップタイムはヨッスィー2号車の方が10秒!早い29秒台。
 届かない差では無いようだが、33号車ベテラン木下選手もそれらを充分計算してのレース。
 最終的には約2秒差で逃げ切られしまったが、期待以上の2位フィニッシュ!
 しかもランキング上位陣が軒並み下位に沈み、ランキングはトップと4ポイント差に3位へ!

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スタート前、“緊張の”両ドライバー。実はRQも今回から代わりました。
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珍しく加藤選手がスタートで順位を落とす。
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24周辺りで雨が・・・。傘の花がチラホラ。

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このピット渋滞は明暗を分けた。
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ウェットの中、ウィンドウの曇りに悩まされながらも、ヨッスィー快調に飛ばす。
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2度目のタイヤ交換。スリック勢の中、トップで追う展開に。

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終わってみれば期待以上の2位。
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再車検を終えたトップ33号車と共に・・・。
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クルー全員で、今期2度目の乾杯!