モータースポーツ

2007年SUPER GT 第9戦 FUJI スピードウェイ

 いよいよSUPER GT最終戦。500クラスは前戦オートポリスでチャンピオンが確定したが、300クラスは4台がチャンピオン争いに残った。この激戦カテゴリーを、何と2年連続ランキングトップで臨む事ができた。
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SUPER GT FUJI 300km  


開催日:2007年11月3・4日
サーキット:静岡県 富士スピードウェイ
マシン名:プリヴェKENZOアセット・紫電
ドライバー名:高橋 一穂・加藤 寛規




 長かったのか?あっという間か?ドライバー、メカ、各スタッフ、そして多くのファン、それぞれの思いがあろうが、今シーズンもいよいよ最終第9戦。
 500クラスのドライバーズチャンピオンは前戦で決した為、この最終戦の関心は300クラスに集まった(のかな?)。
 きしくも昨年と同様、僅かなリードとはいえ、ポイントリーダーで迎える事ができた。

 昨年との違いは、そのライバル達である。昨年はここで権利があったのは我々「プリヴェKENZOアセット紫電」の2号車を含め3台だったが、今年は4台。

 4点差の101号車MRSは若手F3ペアが駆り、今シーズン開幕から4戦連続表彰台と、唯一2勝を上げ、このまま引き離されると思ったが、5、6戦のノーポイント。7、8戦でもそれぞれ1点、2点づつと、伸び悩んだ。しかし速さは全く衰えを見せず、ウェイトも少なくなった今回、脅威である事になんら変わりは無い。

 続いて10点差の62号車VIMAC(ヴィーマック)は、前半こそ不運もかさなり表彰台はなかったが、第5戦から新車となり、6、7戦が3位、2位、そして8戦オートポリスで優勝と昇り調子。ウェイトが増えたとはいえ、富士を得意とする今回、連勝も不可能ではない。

 そして16点差の43号車Garaiya(ガライヤ)は、昨年1年休止していたが今年復活。ドライバーも300最速、最強ペアといえる新田、高木両選手。

 正直このマシンが復活した、今シーズン、完全にブッちぎられると思っていたが、これまた不運が重なりポイントが稼げなかった。
 今回、優勝以外チャンピオンの目が無くなって(2位は15点)しまったが、レースは何が起こるか判らない。

 そして我が2号車紫電。辛くもランキングトップとはいえ、得意と思われた、セパンでノーポイント、菅生で何とか4位、昨年優勝のオートポリスでは僅か1点と、空回り。
 鈴鹿ポッカ1000kmでの優勝と、昨シーズンから続く、ノーリタイヤという粘り強さと、ライバルの“不運”に助けられ(と言ってはドライバー、スタッフに失礼だが…)、何とかここまで来た。



11月2日(金)練習走行 曇り時々小雨

 しかし紫電はここ富士が不得意。しかもウェイトは上位4台中、最大70kg!先のライバル3台に対してのアドバンテージは何も無い。

 だが、得意と思われたコースで低迷した反面、不得意と思っている岡山で2位、5月の富士では5位、そして最も苦手なモテギでも6位と、思いとは、うらはらなリザルトを残している。

粘り強く、全力をつくせば、道は開けるかも…。

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ここでウェイトは10kg減って70kg。だがクラス最高。
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夜半の雨で路面はやや濡れ。走行すれば乾くでしょう…といったレベル。



 ライバルの走りが気になる練習走行日。開始直後は未明の雨が残るコースをインターミディタイヤ、スリックタイヤを各々装着した各マシンが混走。

 先にスリックタイヤでコースに出た加藤選手も「こりゃスリックのデーターにはならないな~」とピットに戻る。

 インターミディの用意が無いこともあり、他のマシンにコースを乾かしてもらおうと、しばらくピットに待機。

 日差しも、風も無い為、渇きは遅かったが、他のマシンのタイムがあがってきた事を見計らい再びコースへ…。

 ところが、今回準備したセッティングの方向性に若干のズレがあり、やや乗りにくいようだ。セッション中にできる、各種セッティングの変更を行う中、加藤選手が1′43″556。

 その後、残り時間も少なくなり高橋選手へ交代、46″304。まだ乗りきれていないようだ。

 午後のセッションまでの時間に、スタビやステアリング系のパーツを交換。午前中“ズレ”を感じたセッティングの修正を行う。詳細は一応秘密で…。

 いつでも降り出しそうな雲行きの中、午後セッションが始まる。実際にはポツリポツリと来てはいるが、大した影響も無く止んでしまった。

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夏場は外気を取り入れていたパイプも、今は外され、内部の空気をかき混ぜる程度に…。と言うより外気導入は抵抗になるからでもある。
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路面も乾き、コースイン。日差しも弱く、気温も低い。

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時折、パラッと雨が降るが、本降りとはならない。
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待機中の高橋選手は、とにかく車載ビデオで学習あるのみ…。


 午後は、高橋選手の集中練習と、明日のタイヤ選定である。
 集中練習は甲斐あって、44″163と、レースラップとしては充分なタイムをマーク。

 トップは既に42秒台だが、先のライバル3台では101号車が42″934で5番手、62号車は43″360で10番手、43号車は43″690で11番手。

 そしてNEWタイヤで、加藤選手が行ったアタックは、やや不完全燃焼だったとはいえ、43″263。これは8番手。
 これはどうやらスーパーラップ進出が、第1の難関か!

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午後の走行も、厚い曇り空。いつ降るか心配なので、開始早々にコースイン。
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山の天気は、予報通りにはなってくれない。
 

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午後3時過ぎ、セッション終盤。ヘッドライトを眩しく感じるほど暗くなったが、終日レインを使用する事はなかった。
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大きなトラブルは無かったが、クラッチのつながりに違和感を感じたとの事で、大事をとって、分解点検。



11月3日(土)予選・スーパーラップ


 曇りに変わりは無いが、昨日よりは明るい空でむかえた予選日、雨の心配はなさそうだ。

 今回の予選1回目、何としてもSLに残り、上位グリッドの権利を残したい。できればライバルより上位で…(当たり前の話)
 車両重量や車高、アライメントを徹底的に見直し、予選一発用にギリギリにまで攻め込んだ。
 気温は13℃、日差しも弱い為、路温も14℃と、共に低い。
 チョイスしたタイヤとセッティングが吉とでるか?

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朝サーキットに来るなり、“仲良く”腕を組んで散歩をする両選手。では無いだろうが、走行についてなにやらアドバイスをしていると思われる。
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タイヤウォーマーの使用が禁止されているGTレース。ならばとメカニックが人肌で温めている。無論何の効果も無い。(笑)


 タイヤのウォームアップを増やす為、加藤選手はいつものより“2分”早い、予選開始6分後にコースイン。インラップから3周、充分に熱を入れアタック開始。この時点でトップは101号車と双子マシンとも言える、MRSの31号車。1ランク救済措置を受けており、勿論ウェイトハンディも無く、41秒台に入れている。

 続いて101号車も41秒台に入れ、2番手につける。
 これは速いと思っていたら、加藤選手のアタックも41秒台!その2台に割って入り、2番手に…。
 更に連続アタック!そして41″734と更新。2番手変わらずだが、SL進出は硬いとピットに戻る。

 その後の混走では、高橋選手が、決勝ヴァージョンのセッティングでコースイン。まずは予選基準タイム(上位3台の平均タイムの107%:今回は恐らく47秒台)を確実にクリアし、そのまま決勝モードで、と言っても基準タイムより速い44秒台で連続周回。これはレースに充分期待をもてるタイムである。

 予選が終了。意外にアッサリとSL進出、しかも41秒台の好タイム2番手!チーム内も予選前の険しさ(チョッとおおげさ…)から、安堵へと空気が変化していった。
 43号車、62号車もそれぞれ4番手、9番手とSL進出を決める。

 その他、今シーズン優勝経験のある26号車(ポルシェ)、19号車(セリカ)や、久々参戦の88号車(ランボ、ムルシエ)、昨年チャンピオンの7号車(RX7)等、そうそうたるマシンがSL進出を決めた。正直、これらのマシンが上位グリッドを占めてくれる事を望むのだが…。

 101号車でも、7位以上で最低4点を獲得しなければチャンピオンは無い。その他62号車、43号車は更に上位が絶対条件であるから、他のチャンピオン権の無くなったマシンに頑張ってもらって、上位に上がってもらう。
 他力本願な消極的作戦だが、モータースポーツでの常套手段である。作戦といっても、我々がどうこうできる事でもないし…。

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今シーズンいくつかのサーキットで使用しているタイムアタック用ホイールカバー。元々は高速富士スピードウェイ用に作ったもの。
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ラジエターや、ブレーキダクトに貼る、流量調整のガムテープ。面積は勿論、上に貼るか?下に貼るか?までエンジニアから指示される。

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各種セッティング、タイヤチョイスがドンピシャ!加藤選手のタイヤのウォームアップテクも、隠れたドラテク。ベストタイムをマーク。2番手。
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狭き門と思われた、SL進出は、意外にあっさり達せられた。再車検に向かったメカも余裕が出てきた。


 午後予選、SLに向けメンテナンスを進める中、思わぬ情報がピットに伝わる。
 何と予選暫定1位でSLの“トリ”を務めると思われた31号車が予選後の再車検で失格、タイム抹消となってしまったのである。最低重量不足ということだが、どこでもギリギリまで詰めているようだ。

 我々のメカスタッフも。ピット内で重量チェックを行っているが、サーキットの重量計との差異があってはと、何度も車検場までマシンを押してチェックを繰り返しており、わずか1~2kg程度のオーバーとかなり攻め込み、クリアしている。

 結局31号車は最後尾(予選2回目で確定するが…)となり、全車ひとつ繰上がり、我々2号車にSLの“トリ”が転がりこんだ。

 午後2回目予選が始まる頃には、すばらしい秋晴れとなり気温も17℃、路温も23℃まで上昇。SLは午前とは異なるタイムとなるだろう…。

 午後予選は加藤選手のみの走行。SLセッティングの確認と、SL使用タイヤの皮むきを行う。これはSLでの2周のウォームアップでは、タイヤに充分熱を入れられないとの判断からで、この低い気温、路温の時期ならではの事である。

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ポイントリーダー、午前予選トップと相まってか?サイン攻めにあう両ドライバー。昼頃には日差しもでてきたので、少しでもそれらを利用し、SL用タイヤが温められている。これは効果あります。
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午後予選は加藤選手だけによる、SLセッティングの確認、タイヤの準備(皮むき)と、SLに集中したが…。


 SLは31号車の失格に伴い、11番手より繰上がった13号車(Z)からアタック。だが、43秒台と午前予選を上回る事ができない“平凡”なタイム…かと思われたが、その後のアタッカーも午前タイムを上回らない。13号車も1つ順位を上げるなど、順位が大きく入れ代わっていった。

 その中でも3番手出走の62号車は42″643で先にアタックした2台に大きく水をあけ、7番手26号車のアタックが終わった時点でも暫定トップ。残りは3台、(最低でも)4番グリッドまでジャンプアップ!

 続いて43号車は42″295で暫定トップが入替わり。更に101号車も42″068をマークし再び入替わり、なんとチャンピオン権のある3台が上位を占めた。

 このタイムがモニターTV映し出された頃、加藤選手のアタック開始。第1セクターはトップ(101号車)より+0.275秒、これはトップスピードが影響するので想定内。続く高速コーナーの第2セクターでは+0.147秒とキッチリ縮めてきた。
 そしてテクニカルセクションの最終セクターで更にタイムを短縮!と、いつもならなるはずだったが、出たタイムは42″403…3番手!残念!

 結局チャンピオン権のある4台がキッチリ上位グリッドを占め、ファンにとっては、誠に面白い、四つ巴レースのシチュエーションが出来上がって“しまった”

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しかしSLは不発。と言うより、他がより以上、速かった。しかもチャンピオン権のある4台が、上位4グリッドを占める
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今回、ありとあらゆるところで取材を受ける加藤選手。何十回とインタビューがあったかと思う。



11月4日(日)決勝

 決勝の朝、ホテルから素晴らしい朝焼けを望む事ができ、最終戦にふさわしい秋晴れとなろう。

 その朝のフリー走行では決勝セッティングの確認、決勝想定にドライバー交代、ピットワーク練習、そして高橋選手のアウトラップ練習など、30分と短いながらも中身の濃いセッションである。

 タイム的には12番手と大した事は無いが、決勝セットとしては問題無く、良い状態に仕上がっている。

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ホテルから望む朝焼け。今日は素晴らしい秋晴れとなるだろう。
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ホテル玄関で、富士山をバックに両選手のツーショット。

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必勝祈願ステッカー。某Kドライバーの絶叫無線トーク。07年の名言間違いなし。
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朝のミーティングでは高橋選手より、「前略-どんな結果でも、悔いの無いレースにしよう。-後略」と既に早くも今年の締めの挨拶。

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前回オートポリスの連日の深夜残業と打って変わって、余裕のメカ。今レースウィークは本当にノートラブルノーアクシデント。
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F1の各種トラブルで、富士スピードウェイのモータースポーツ離れが心配されたが、すごい人出!のピットウォーク。


 この最終戦はGTレースが始まって100戦目となる、メモリアルレースとなるそうで、その記念セレモニーが行われた後、決勝ウォームアップ走行が開始された。
 今回もスタートは加藤選手。できるだけマージンを稼いで高橋選手につなぎたいが、むずかしいところだろう。

 定刻スタートの決勝レースは、その予想通り、オープニングからポールスタート101号車の逃げで始まった。2番手43号車に、抑えられる様な形で、2号車、26号車とのリードを広げ、3周目には早くも5秒も先行されてしまった。

 その間、モテギ優勝の26号車ポルシェに先行を許し、4位に後退。更に7番手スタートの88号車も迫り、7周目にはストレートでパスされ、5位へ…。

 トップはあいかわらず101号車だが、勢いのある26号車に対し、やや精彩を欠いてきた43号車と2位3位を入替え、下がった43号車に88、2号車も襲い掛かる。
 8周を終え、テールtoノーズでストレート通過の後、88号車に続き2号車も、43号車をパス!再び4位へ…。

 101、26、88、2、43号車の順で10周目に突入。43号車と同じミシュランを履く101号車も同じ原因か?ややペースが落ち、そこに26号車が急接近。12周目ついにトップをあけわたす!

 26、88、2号車の44秒台後半に対し、101、43号車のミシュラン勢は45秒台とペースが落ち、各々リードが詰まってくるが、順位に変動がないまま、しばらく小康状態が続く。

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グリッド上もすごい人。グリッドウォークもチョッと人が入り過ぎでは…。
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その観客がはけて、両ドライバーとシンタロー+メカニックとのショット。狙うはチャンピオン!

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スタート!1コーナーではポジションキープ。
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しかし2周目には鬼神の勢いの26号車にオーバーテイクされる。!



 20周目、加藤選手から「路面温度は?」と問い合わせ。

 気温17℃、路面温度24℃とやや低くなったが、タイヤチョイスに際し、これらの予測を、どう立てたか?の差が出てきたのか…?

 23周目、上位陣の中で、まず43号車がピットイン。

 トップ26号車は変わらず、単独で2位を引離し、続いて101、88、2号車。

 101、88号車は25周にはテールtoノーズ、そして26周に入り、まず88号車が101号車をパス、同じ周回、最終コーナーで2号車加藤選手もついに101号車をオーバーテイク!

 26、88、2、101号車の順で27周目に突入。

ピットから「ガンバッテ!!」の激が飛ぶ。

 29周目、シンタロー「残り10周残り10周!(タイヤどうでしょう?)」に対し、

 加藤「大丈夫!大丈夫!(周回を)伸ばせる!」

 タイヤの磨耗に対しての、グリップの変化知り尽くしている加藤選手、現在のペースをどれだけ維持できるか?自信のあるメッセージだ。

 その公約どおり、30周目、101号車、32周目、26、88号車のピットインに伴い暫定トップ立った後も、彼ら“NEWタイヤ組”と殆ど遜色の無い44秒台でラップ!それどころか、ターゲットである101号車に対しては、わずかづつリードを広げる程である。

 41周目、クラス最長まで引っ張り、101号車からのリードを、約70秒まで広げた加藤選手がピットイン。このリードではレース復帰した時、101号車とガチンコ勝負となりそうだ。

 その計算通り、高橋選手をコースに送り出した時、僅か後方に101号車が迫る。第2戦岡山の再現となるか?

 アウトラップを何とか抑えたが、トップスピードと、充分暖まったタイヤのグリップに勝る101号車に、1コーナーでパスされてしまった。


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序盤は順位を落とし、101号車に大きく先行されたが、全く変わらぬペースで追走する加藤選手。
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その101号車、前半の逃げの影響か?ペースが落ち、26周目オーバーテイク。


 しかし舘“師匠”から「ピッタリ着いてや~!チャンスは来るで~!(三重の関西弁)」と高橋選手に檄が飛ぶ。
 それに応え、モチベーションを落とす事無く101号車に追尾!

 43周を終え、トップは揺るがず26号車、そして101号車、2号車と続き、17秒後方、4位に62号車が着き、43号車は更に後方で共に脅威では無くなった。
 勝負は101号車!

 両者ペースは殆ど変わらないが、500にパスされる時や、周回遅れの300をパスする時に車間に変動が出る程度である。

 44周目-1秒

 48周目-1.5秒。

 53周目-2.9秒とやや広がりつつあったが…

 56周目-2.3秒

 57周目-1.8秒

 そして60周目突入時、コントロールラインで-0.7秒!
 この富士最終戦に合わせ、スペシャルエンジンを投入(したといわれている…)、トップスピード勝る101号車にストレートで離されたものの、1コーナーブレーキングでインを刺す!
 並びかけるが前には出られない。

 コーナリングスピードで勝る第2セクター、100R、更にヘアピンでも仕掛け、殆どテールtoノーズと最接近!
 このまま一気に勝負!と、続くDコーナー進入で、大きくアウトにラインを取った101号車に対し、ラインを外しインを突いた2号車高橋選手、ブレーキングでオーバーテイクを図ったが…、これは自身の失速につながり不発!
 逆に約3秒とリードを広げられ、61周目の最終ラップへ突入。
 果敢に攻めた60周目、実は高橋選手は、これが最終ラップになると思っていたのである。
 しかしここでできた差は、埋める事はできず、奇跡も起きず26、101号車に続く3位でチェッカー。

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ドライバー交代直後、ヘルメットも脱がず、復帰後の順位をモニターで確認する加藤選手。
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レース終盤、メカも、加藤選手もピットリポーターもサインガードのモニターに釘付け。

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ラスト2周。最終コーナーで射程距離に入れる…テールのステッカーは、最終戦気合ヴァージョン。
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1コーナー、ヘアピン、各所で101号車に襲い掛かるのだが…。

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力走及ばずチェッカー。3位は予想以上の成績だったが…
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チェッカー直後、インタビューを受ける加藤選手。昨年の“天国から地獄”と比べれば、はるかに明るい。

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マシンから降りた高橋選手。充実した“レース”の楽しさと悔しさを混ぜた気持ちがにじみ出ている。
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今期4度目の表彰台。チャンピオンは逃したが最上のレースだったと思う。


2007年 SUPER GT第9戦 GT300クラス
予選3位 : 決勝3位
獲得ポイント チームポイント11点+3点(トップと同一周回ポイント)累計106点
ランキング 1位
ドライバーポイント11点(最終戦は予選・決勝ベストラップに対するポイントは無い。) 有効累計89点
ランキング 2位
同点の場合は、上位入賞回数が多い方に、シリーズタイトルが与えられる。
*2007年は第1戦から6戦内、上位4戦のみが有効とされる為、第3戦の7点と、第4戦の0点は累積されない。
第7戦から最終9戦までの3戦は全て有効となる。



 ポイント争いは、101号車と同得点の89点。しかしルールにより優勝回数が多い(2回)101号車がドライバーチャンピオンとなり、順位ポイントを全て累積するチームタイトルは101号車「apr」に6点差を着け、2号車「Cars Tokai Dream28」が獲得した。

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ドライバータイトルは逃したが、チームタイトルは獲得。来年はダブルを獲りたい。
チームでこうした集合写真を撮る事は非常に珍しい。
「V」サインは勝利ではなく、「万年2位!」の掛け声で撮影。

今シーズンも多くの応援ありがとうございました。

 我々はチームと言っても、オーナードライバーである高橋選手を核とするプライベートチームである。その高橋選手の成長と共にGT戦を戦ってきた。
 その高橋選手、昨年の最終戦ではライバル(7号車)が序盤で単独スピン。楽勝かと思われたが追い上げられ、自身のペースダウンと相まって終盤に逆転。更に最終ラップでの劇的な幕切れにより、チャンピオンを取りこぼしている。(詳しくは06年レースレポート参照)
 「やり直せるなら、もう一度やり直したい。」
 と、シーズン中、最も不甲斐ないレースをしてしまった事の悔しさ、それを挽回するには1年を要するこの無念を、抱いたままシーズンオフ。
 そして迎えた07年。昨年と同じポジション(ランキング1位)でむかえた最終戦。ライバルや、点差は異なるものの、まるで「もう一度やり直しなさい」と言わんばかりのお膳立てが出来上がっていた。
 結果は昨年と同じく、ドライバーランキング同点2位。
 “レースの世界は結果が全て”などと言われるが、決してそれだけでは無い。(無論プロと呼ばれる、そうした世界もあるが…。)
 今回のレースの様に、エンジニア、メカスタッフも、ドライバー(特に)も全てを出し切り、成長を実感できた結果であれば、同じ結果でも達成感は全く違う。
 500クラスのチャンピオンが決定していた中、多くの観客にも、充分感動し、魅せるレースが提供でき、プライベーターとしては最高に充実したレースであり、シーズンだったと思う。
 2008年、既に来シーズンもこの体制、マシンでの参戦が決定しており次なる目標は当然、チーム、ドライバーのWタイトルという事になるのだが、2008年はレギュレーションの変更から、この紫電もパワーダウンを余儀なくされており、より苦戦を強いられる事は必至である。
 しかし“タイトル”と言う結果もさる事ながら、プライベーターとして、今季より更に充実感のあるシーズンとしたいものである。

DATE:2008/01/12