モータースポーツ

2015 SUPER GT第6戦:スポーツランドSUGO 

150920GT2008

9月18日 設営

秋の涼しさを感じる9月中旬、第6戦はSUGO。
ここ数年、7月に開催されていたSUGO戦だが、タイ戦のスケジュール変更に伴い、今年はこの時期となった。
ここSUGOは2006年3位初表彰台、09年2位、そして10年は優勝と、06年デビューの紫電にとって非常に相性の良かったサーキット。
その血統を受け継ぐコーナリングマシン「シンティアム・アップル・ロータス」・・・、それを証明するべく7月25・26日のここSUGOでの公式テストでは2日間、4回のセッションを全てトップタイムをマーク、コースレコードをも上回る!!
前戦鈴鹿Pokkaではポールポジションから、7位入賞で今シーズン初ポイント獲得と、速さと強さを兼ね備えつつある今、更なる高みへと上るターニングポイントはここSUGO!!
チョット心配は雨・・・どうなるかな。
15Rd6SUGO-004

9月19日(土) プラクティス/晴れ/ウェットのちドライ

夜半の雨は上がったものの、早朝の公開車検時にはまだ路面はシットリ。
だが日差しもあり、プラクティスの始まる頃にはドライコンディションへ・・・
プラクティスの始まる午前9時、コース上にまだウェットパッチも残る為ウェット宣言(マーキングタイヤ以外のレインタイヤ使用可能)が出される中、レイン、ドライタイヤ各々装着したマシンがコースイン。
しかし直ぐにドライで充分と判断され、ドライに交換すべく各マシンピットイン。
セッション中盤には完全ドライコンディションとなった。
我々2号車は、加藤選手がドライでコースイン、1周チェックの後、セット確認の計測。
問題なければ、直ぐに高橋選手に交代し、マイレッジを稼ぎレベルアップ。
今シーズン練習量豊富なここSUGOでのQ1突破を狙う!・・・・予定だったのだが、加藤選手からの無線「エンジン息つきする。」
鈴鹿Pokkaで発生したエンジン不調・・・対策を施したのだが、治っていなかったようだ。
トラブルの対策には、実際に走行しないと確認ができない場合もある・・・。
データを確認、電気系のパーツを交換するなどピットインを繰り返すも、原因が分からずダメ。
少なめの燃料が原因か?と、燃料を徐々に増やしてみたがダメ。
1′21″276のベストが精一杯。7月テストの19秒台は勿論、セッション中盤での上位マシンの20台にすら入らない。
このままでは高橋選手が乗れないのもまずい!と、途中高橋選手にも交代。
セッション中にできる対策は無くなったが、レーシングスピードでの走行は充分可能なので、セッション終了まで走行・・・合計20周、ピットインの繰り返しで実質15周程度、高橋選手も6周程度の走行で22″786にとどまり、順調な他のマシンの半分程度の周回しかできないプラクティスとなった。
セッション終了後、対策としては残されたのは、燃料タンクを分解し、内蔵された複数のポンプ始め燃料計パーツの総替え。
午後のQ1予選まで約2時間半・・・間に合うか?どうか?ギリギリといった所だろう。
燃料タンクはコックピットの後ろで、多人数で取りかかれる場所ではないし、燃料漏れ、火災等は万一にも許されない。
もし予選に間に合わなければ、諦める事も視野に入れ、速さより確実な作業を最優先として作業入る。
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Q1予選/晴れ/ドライ

粛々と燃料タンク内の作業は進むが、予選開始時刻も迫る。
Q1予選はプラクティスでまだ充分なタイムが出なかった高橋選手の出走は諦め、加藤選手が担当。
午後2時半、オンタイムでQ1予選スタートとなるが、ピットではまだドライバーシートや、補機類の装着がようやく終わり、エンジンの暖気に入ったところ。
加藤選手がマシンに乗り込み、コースインした時、残り時間は9分となっていた。
3周タイヤを温め、残り5分、4周目のアタック・・・これまでのエンジン不調は解消しタイムは19″762、4番手!!
Q1突破には充分だろうが更にアタック!!
第1と第4セクターはタイム更新するも、途中が遅れ19″761と千分の1の更新で順位は変わらず・・・。
加藤選手からは「エンジンが“重い”」との無線。
このSUGOはNEWエンジンに載せ替えて挑んでおり、プラクティスの走り込み不足でまだ充分なアタリがついていない。
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Q2予選/晴れ/ドライ

データロガーでも、エンジン不調は完全回復が確認され、Q2予選に臨む高橋選手。
当初のQ1予選のプレッシャーは無くなり、プラクティスの延長・・習熟走行感覚でリラックスしてコースイン。
ところがアウトラップのヘアピンコーナーでスピン、ストップ!!
復帰しようとリカバリーした際に、グラベルにはまりスタックしてしまい、赤旗となってしまった。
レギュレーションにより赤旗原因を作った車両はタイム抹消・・・というか、今回は未計測。
結果、Q2進出の最下位、13番グリッドが確定となった。
高橋選手は、今シーズン最も走りこんでいる、ここSUGOでこの結末。
加藤選手は、4月のテストでは18秒台をもマークし、最速の自負がある。
共にフラストレーションのたまる1日となったが、明日の決勝レースではそれを解消すべく快走を期待したい。
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9月20日(日) フリー走行/晴/ドライ

朝7時半の気温は20度前後と涼しく、日中は日差しがあっても27~28度程度と、残暑という程ではなく非常に過ごしやすい秋晴れで始まった決勝日。
9時からのフリー走行は決勝想定で、高橋選手が先発。
そう、今日の決勝は高橋選手スタート予定。
昨日のQ2予選は、不覚にもアウトラップでスピン、グラベルでスタックして赤旗・・・結果タイム計測できなかった高橋選手、立ち直りはどうか?
コースインして、程なく22秒台、そして1′21″858とプラクティス時を上回り、レースでは充分なタイム。
22秒台でコンスタントに走行できれば、ポジションをキープする事は可能・・・というと、随分消極的だが、13番手と、中位グループながらまわりはプロドライバーばかり、僅差ならともかく、1秒以上もラップタイムに差があればアマチュアドライバーがポジションをキープするのはかなり難しい。
ピットワークのシュミレーションでは、タイヤマンが左側にだけ配置・・・そう、高橋選手スタートで、後半スティントの加藤選手は、タイヤ左側交換で勝負するつもりである。
その加藤選手は21″224で9番手タイム。トップは20″729で、そこから1秒以内に16台が入っており、高橋選手は1.13秒遅れながら、中位グループとはコンマ数秒差。このフリー走行のタイムを見る限り良いレースができそうだ。
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決勝レース/晴/ドライ

気温27度、路温38度と涼しい季節となり、スタート時間は通常の午後2時となった。
第2戦富士以来となったスタートドライバーの高橋選手、1コーナーまでにやや前と離されるも、無難なオープニングはポジションキープ・・13位。
2周目、1′23″375・・・3周目23″677・・スロースターターの高橋選手のペーストしては悪く無い・・・いや、充分なペース。
直ぐ前、12位を行く360号車(GT-R)が、やや“蓋”をする感じで、11位、11号車(メルセデス)との差が開いていく。
ブレーキングポイントも速いが、ストレートでも6~8Km/h速い360号車の前に出られない。
3周目最終コーナーでこれまで以上に接近しストレート昇りを並走、コントロールライン付近で、やや先行されるものの、1コーナーブレーキングでパス、12位へと上がる。
4周目22″334とペースアップ!!2.5秒前を行く11号車の23″044を上回り追い上げる。
5周目22″116!!更にペース上げ、11位11号車から1.6秒マイナス。13位の3号車(GT-R)からプラス1秒。
それぞれランキング3位と8位のプロドライバーに挟まれた高橋選手だが、全く怯むこと無く彼らと変わらぬタイム・・・どころか、11号車にグングン近づき、8周目にはマイナス0.6秒までの接近戦を演じる。
翌周辺りから500マシンのオーバーテイクがあり、若干タイムを落とした10周目、1コーナー、インから3号車に抜かれ13位へ落ちるが、翌周からは再び23秒前半のペースに戻し食らいつく。
13周目、11、12、13位の中団グループを11号車、3号車、そして2号車高橋選手の3台が1.5秒以内のテールtoノーズ。
翌周このグループからは3号車が抜け出し、11号車の前に出て僅かづつリードを広げる。
続いては1秒後ろに21号車(アウディR-8)が迫るが、ラップタイムは僅差・・・易々と抜けるペースではなく、巧みに押さえつつ周回を重ねるも、18周目ヘアピンコーナーでインから抜かれ14位へ・・・。
しかしその後も離される事無く、23周目を終えても1秒以内で追撃する。
当初23周目にルーティンピットインを予定していたが、この高橋選手の快走に1周伸ばしに変更。
ところがこの24周目(500クラスは26周目)、馬の背ストレートで500マシンがクラッシュ!!パーツが散乱コース幅の半分近く塞ぐ形となった。
直ぐにセーフティーカー(以下:SC)がコースに入る。と同時にピットクローズ・・・ピットインはできなくなった。
このレース300クラスは74~75周と予想され、20周以下では後半スティントがレースの3分の2の周回数、54周以上となりペナルティとなるので、21周目以降ならドライバー交代は可能だ。
このSUGOでのSC走行は、レースラップより約80秒ほど余分に掛かり、この間にピット作業を済ませて、再び隊列に加われば大きな差が着く事無くレースに復帰できる。
しかし全チームが同じ事を行えば、結果は同じだが、ここで行わなければ大きな差がつけられてしまうことは間違いない。
昨年、富士で同様にSCが出た事があったが、その時の燃費の悪いMclaren(マクラーレン)の場合、ピットレーンオープン時にピットンできなかった・・・もう数周走ってから、満タンにしないと残り周回を走り切る事ができなかったからだ。
燃費の良いマシンが続々とピットインしていくのを横目に、SC走行を続けるしかなかった。
だが今回は、ルーティンピットのタイミングとして申し分ない周回という事もあり、SC走行が続く中、29周が終了してピットレーンオープンとなると同時にこの周回、500クラス12台、300クラス16台の合計32台がピットになだれ込み、けっして広くないSUGOのピットレーンは一瞬にして戦場と化してしまった!!
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これをチャンスと見て、当初左側タイヤのみ交換を予定していたが、急遽無交換に作戦変更。
ドライバー交代時間とほぼ同じ給油時間のみのストップで、ピットから送り出す・・・っが、前のピットのマシンが斜め止めで塞がっている。
こうしたピットインが重なる時にはよくあることで、その為ピット前の停車枠はまっすぐの線と、斜め止め用の線が引かれている。
5名のメカ(レース中、同時にマシンに触れる事ができるのは5人まで)が、2号車を押し戻し加藤選手がピットを離れる。
今回のピットは殆ど最終コーナーよりの41番。そこからピットロードを走って行くと、さっきまで先行していたライバル達が未だ作業中。
タイヤ無交換作戦は見事に成功。ここで抜く1台も、コース上で抜く1台も全く同じ。
これらライバル達を横目に、マシンの中でほくそ笑む加藤選手。
ところが、ここでとんでもないハプニングが・・!!
ピットレーンのほぼ先頭辺りに来たら、なんと渋滞!!
先に記した、斜め止めするマシン、押し戻されるマシン等で、ごった返し、なかなか進めないようだ。
その上、マシンが作業エリアからはみ出し、ファーストレーンにマシン後部が飛び出している。
それでもマシン幅ギリギリすり抜ける事はできた為、ようやく動き出した。
加藤選手もそれに続いたが、若干車間距離が空いたその隙間に1台が斜めにノーズを入れてきた。
そのまま行ければ良いのだが、先に記した後部がはみ出して止まっているマシンに阻まれ回りきれない。
2号車加藤選の前にいる5台程のマシンが入り組み、全く動く事ができなくなってしまった。
後ろには既に5~6台以上が数珠つなぎとなっている。
入り組んだマシンの先頭がようやく動き出し、加藤選手がファーストレーンを抜けるまでに約30秒が費やされた。
猛然とコースイン、SC隊列の最後尾を目指すのだが、その隊列はほぼコース1周に及ぶ異常な事態となった。
SCはこの周回に隊列先頭から退去、31周目からレースが再開され、この時点でポジションは9位・・・だが、翌周上位2台がピットイン、反対に10位だった10号車(GT-R)に抜かれポジションは8位へ・・・。
PitOut-4
残り周回は42~43周・・・タイヤ無交換には厳しい周回だが路面温度が下がる事も期待し「忍」のレースで周回を重ねる・・・とはいえ、22秒台前半のハイペース。タイヤチェンジ組と殆ど変わらぬラップタイムを刻む加藤選手。
上位には、まだピットインを済ませていない暫定上位が2台ほどいるので、ポジションをキープできれば、ほぼ自動的に6位は狙える・・・何も起こらなければ・・・。
42周目、ヘアピンからS字にかけて、タイヤ摩耗の差が出たのか?61号車(BRZ)に抜かれ9位に下がるものの、殆ど変わらぬタイムで追走、500クラスのオーバーテイクも巧みにいなし、8位の10号車(GT-R)と共に終始射程内に入れチャンスを伺う。
ところが、45周目最終コーナーから登りストレートをフルスロットルで駆け上がった辺りで突然失速!!
異常に気づいた加藤選手は、右、ピットウォール側にラインを変え、ストレートエンドにマシンを止める。
メーターパネル始め、パイロットランプ類も全て消灯。
再起動を試みるもウンともスンとも言わない。
「電源が落ちた!!」と無線で事態を伝えようとするも、ピットからの応答もなく無線も繋がらない。
一方ピットでも呼びかけるが反応が無い事と、ドライバーからの連絡が無い事、また突然の失速という状況から、電源がダウンしたのだろうと推測。
マシンから降りる加藤選手を視認・・・リタイヤである。
今回のレースでは高橋選手が決勝レースにおいて飛躍的にスキルUP!!
Q2予選では大失態を演じたものの、レースではスタートからポジションをキープ、中位グループで並みいるプロドライバーに挟まれ互角に戦って見せた。
あの走りができれば、いつかQ1突破も叶うことだろう。
残り2戦、鈴鹿Pokka同様ノントラブル、ノーミスで走りきれれば、ポイント圏内は確実・・・あとはスターティングポジションを上げ、より上位を狙う!!
レース終了後にマシンを回収に行ったメカニックが始動を試みたら難なくエンジン始動。
電源の落ちた原因はこれから究明するとしても、こういうのは厄介なケースだ。
150920GT2067

DATE:2015/09/25