SDGs & CSR活動

産学連携授業レポート

2025年12月04日

当社は、ビジネス科・会計類型の生徒20名を対象に、2025年9月より全4回の産学連携授業を実施しました。本授業の目的は、学校で学ぶ“知識としての簿記”を、企業の現場で行われている“実務としての会計”につなげ、未来の社会人としての視野を広げてもらうことです。当社としても、未来を担う若い世代と関わり、実際のビジネスをどのように学びに変えていくのかを共に考える貴重な時間となりました。

今回の授業を通じて、学生は簿記の実務的な価値を理解し、企業の意思決定やリスク管理について深く学びました。企業としても、若い世代と共に学びを深めることができ、教育の意義を再認識する貴重な機会となりました。今後も、AI時代に求められる会計人材を育成し、未来を支える若者の成長をサポートしていきます。

第3回授業(10/16) 棚卸実習と会計基準の理解

学生は棚卸実習を通じて、在庫差異や計上基準の重要性を体験しました。台帳と現物の不一致が企業に与えるリスクを実感し、「数字には必ず背景がある」ことを学びました。

売上計上日を「納車日」とする実務上の理由を学ぶことで、簿記の仕訳が単なるルールではなく、企業の責任や義務と結びついていることを理解しました。数字の裏側にある企業の意思決定やリスク管理を読み取る力が養われ、簿記学習の価値を実務的に理解する一歩となりました。

第4回授業(10/23) 不動産業の会計と資金管理 ― 黒字倒産の仕組み

不動産業の特有な会計処理や資金管理について学びました。特に「黒字倒産」の事例を通じて、利益だけでは企業の安全性を測れないことを理解しました。資金の流れや金融機関との連携が経営に不可欠であることを実感し、数字の裏にある企業の意思決定や経営リスクを読み解く力を学びました。

学生の変化

  1. 簿記の重要性を実感し、数字の背後にある作業に気づく。
  2. 利益だけでなく、資金や資産の流れの重要性を理解。
  3. 異なる業界(自動車・不動産)の会計や収益構造の違いを実感。
  4. 経理・会計が会社を良くする仕事であり、将来のキャリアに直結していることを理解。

AI時代の経理と学びの意義

学生から「経理はAIに取って代わられるか?」という質問がありました。確かに定型作業はAIで自動化が進んでいますが、経理の本質は“数字の意味を読み解くこと”です。授業では、AIに仕事を奪われるのではなく、AIを活用して付加価値を生み出す力を磨く重要性を伝えました。