2018 SUPER GT第7戦 :オートポリス
2018シーズン LOTUS EVORA
2018年10月25日
10月19日設営
設営
かなり秋めいてきた昨今だが、ここ高地の大分県オートポリスは更に冷え込み、日中でも12~13度、朝晩はかるく一桁にまで下がり、“涼しい”は通り越し寒いレースウィークとなろう。
このオートポリス戦、一昨年2016年は震災の為開催中止、2015年は、ほぼ今年と同時期の10月末、昨年や2014年は5月に開催と、開催時のコンディションが異なる。
そんな中、GT300のコースレコードはいまだ2号車、LOTUS EVORA+加藤選手が2015年にマークしたタイムであり、このコースとの相性は非常に良い。
今シーズン、マシントラブル等もあり、チェッカーまで“ワクワク”感のあるレースができていない。
残り2戦、来シーズンへの期待へ繋がるレースをしたい。
2016年の震災の施設損傷により、レースができなかったが、昨年から復旧、新しい施設もでき活気が出てきたオートポリス。
2015年とはいえレコードホルダーの2号車・・・残り2戦、悔いの無いレースとしたい。
夕方ともなれば10℃・・・朝晩は更に冷え込むオートポリス。
10月20日プラクティス・予選
プラクティス 晴れ / ドライ
オートポリスは未明、早朝の濃霧に悩まされることが多いが、今朝は雲は多いものの視界良好、雨の心配は無さそうだ。
今日の為にはレインタイヤの準備もしていないほど・・・。
日差しが無いので、路温も上がらず気温より僅かに高い程度で、9時からのプラクティスでは気温、路温それぞれ12度、16度程度と低い。
午後の予選に備え、タイヤを2セット皮むき・・・その後タイム計測に入る。
まずは加藤選手が1分58秒台から51秒台、そして45″191で9番手タイム。
その後別タイヤでの計測では47秒台・・47″243がベスト。
加藤選手も「これは良くない」とコメント。
結局タイヤを戻し再アタック・・44″709がベスト。
トップは既に43秒台が出ており、このタイムで10番手。
続いて高橋選手の走行では51秒、50、49秒と順調にタイムアップしたかと思われたが、49秒台で頭打ち。
ピットに戻りデータロガーでウィークポイントをチェック、300専有走行でのタイム計測では46秒台までタイムアップ。
46″437をマークしプラクティス終了。
しかし今日のコースコンディションに合うタイヤはマーキングタイヤ6セットの内2セットしか無く、既に1セットは使ってしまった。
午後予選には手持ちNEWタイヤは1セットしかない。
Q1予選 晴れ / ドライ
午前から気温は僅かに上がり15度・・・路温は35度前後にまで上がったものの、プラクティスで相性の悪かったタイヤ(ハード)の使用はリスクが大きいので、ベストタイムを出したミディアムで挑む事になるが、1セットしか無いNEWタイヤはQ1で投入する。
グリップのピークが短いと思われるこのタイヤを加藤選手は慎重に暖気・・・01秒台から59秒台・・そしてアタック!!
44″532をマークしポジション8!!
しかしトップは43秒台。まだ他もタイムアップの予感。
Q2進出の14台に加わることを確実にすべく連続アタックのセクター1でベスト更新!!
しかも0.5秒ほどのタイムアップ。
加藤選手も43秒台に入れるべく攻める・・・っが、なんとスピン車両が出て赤旗!!
そのままゆっくりピットに戻る。
5分ほどのセッション中断後の再開はQ1予選の残り時間5分とされコースイン。
アタックは2周ほどできそうで、1周目44″922!!タイムアップならず・・・。
加藤選手からも「タイヤのピークは終わった」と・・これ以上にタイムアップは望めず・・またこのタイヤがスタートタイヤになる可能性もあるのでアタック終了ピットに戻る。
最終的に順位は14位とかろうじてQ2に進出はできた。
Q2予選 晴れ / ドライ
10分間のQ2予選は高橋選手・・・だがタイヤは午前プラクティスで数周走ったUSEDタイヤで挑むことになる。
計測1周目51秒台、翌周47″935がベスト、連続アタックのセクター1ではベストをマークするもセクター2は更新できず、残り時間の兼ね合いからアタック終了・・・このタイヤがスタートタイヤになる可能性もあるので温存刷るためでもある。
結果はQ2でも14位・・・でグリッド確定である。
マシンのバランスは悪くないが、タイヤとコースコンディションとの相性が今ひとつでベストは言えない中、ベターな選択で決勝に挑む。
午前プラクティス時の天候・・・日差しはこんな感じ。路温も上がらない。
予選に備え、自然エネルギーのタイヤウォーマーを使う。NEWタイヤは1セット。
Q1予選に出る加藤選手。隣の0号車はまだピットで待つ。
Q1途中の赤旗中断により斜め止めでピットストップ。タイヤのピーク時だった。かなり日差しも強くなった。
Q1再開なるもタイムアップならず・・・かろうじてQ2進出は果たす。
10月21日決勝レース
決勝レース 晴れ / ドライ
秋のオートポリスは天候に悩まされる印象が強いが、今日決勝日は気温17、18度快晴!!
午後2時定刻、決勝レースはパレードラン、そしてフォーメーションラップを経て加藤選手が14番グリッドからスタート。
しかしスタート直後、ストレートでパワーに勝る11号車(GTR)にパスされるが、波乱なく1コーナーを抜け、短いストレート先の2コーナー立ち上がりで、6、8番グリッドスタートの52号車(マークX)と88号車(ランボルギーニ)の2台が絡んでコースアウト。
その間に真後ろ16番グリッドの9号車(ポルシェ)に抜かれ、オープンニングラップはピットから見る限り波乱のないプラスマイナスゼロの14位。
3周目昨年チャンピオンの0号車(メルセデス)がピットイン・・・タイヤ交換で順位を落とし、2号車は13位に繰り上がる。
その後しばらくは2号車加藤選手を含め、上位、中位グループも変動はなく、加藤選手の「前詰まってんだ~」とのボヤキが入るが、前を行く9号車を1秒以内捉え走行を続け、15周目を終え0.2秒差でコントロールラインを通過。
その数周前から、ダウンストレート先、上りのテクニカルセクションが、明らかに2号車が速い事を確認した加藤選手はこの周回が好機と見、上りセクション、ターン15~ターン16(橋の下)で9号車をパス!12位へと上がる。
11位の65号車(メルセデス)とは1秒差・・ラップタイムはほぼ互角だが、スタートからは確実に詰め寄っている。
18周目、30号車(プリウス)が最終コーナーでスピン。
コースを塞ぐ形でストップした為、セーフティーカー(以下:SC)が入り、全車スローダウン。
20周を終えストレート上で隊列を組み直し・・SCを先頭にストレート上で停車、各クラスの先頭車両より前の車両を1周先行させ同一周回とさせ、再び隊列が整ったら23周を終えSCがピットロードに入り、再スタートとなった。
と同時に数台がピットイン、そろそろルーティンピットが始まる頃で、若干タイムが落ちるこのリスタートを好機と捉えるチームもある。
その中に、65号車も含まれていたので、リスタート後の24周目11位で通過。
その後もピットインするマシンが続いた為、見かけの順位は上がり、26周目10位、翌週5位、32周目には3位、翌33周目には2位へまで上がる。
ラップタイムもSC前では49秒台だったが、リスタート後はタイヤ交換前の他のマシンが47~50秒台の中、加藤選手は46~47秒台のハイペース。
リスタートの直後・・・ ピットから「タイヤどうですか?47秒台キープできますか?」の問いかけに
加藤選手「大丈夫キープする!!」の言葉どおり群を抜く速さをキープし、ピットインで順位が交錯し見えざるビハインドを追う。
そして予定通り39周を終え、ピットに入る加藤選手。
タイヤ無交換という選択肢もあったが、加藤選手の助言で4本交換で準備。
高橋選手に交替、給油、タイヤ交換を終え再スタート、戦列復帰。
ピットアウト時点では5番手辺りと思われるが、6位以下、7台程の集団が数秒後ろ、既に最終コーナーを立ち上がってくる。
既にピットインを終え、48~50秒台で完全にレースラップに入ったこれらをアウトラップで抑えるのは難しい。
またラインを外した時にタイヤカス・・・大きくなるとタイヤマーブルとなりタイヤに付着するとグリップが落ちる。
特にここオートポリスはタイヤマーブルが発生しやすいと言われ、過去高橋選手も苦しめられた。
抜かれるにしてもラインを大きく外さず、他車との接触を避ける慎重なドライブが要求される・・・それも100数十Kmの高速コーナリングである。
アウトラップは12位、翌41周目3台に抜かれ、2台がピットインで13位。
更に2秒後ろには10台の集団が48~49秒台で迫るが、タイヤの暖機にもう少し欲しい高橋選手は55秒台。
42、43周目はこれらの集団を抑える事はできず21位にまでドロップ・・・苦戦が続く。
しかしその後53秒台から52、51秒台へとアップ。
そしてトップから1周遅れとなった60周目、21位でチェッカーを受ける。
順位こそ21位と振るわなかったが、55周目以降は50秒台へ・・57周目には50″100の自己ベストをマーク。
ポイント圏内の7~10位のマシンも50~51秒台でラップしていることからすれば、レースラップとしては十分なタイムである。
今後はアウトラップからいかに早く、自己ベストのタイムに持ち込むか・・?まだ課題が多いものの克服できない課題ではない。
素晴らしい秋晴れのオートポリス、14番グリッド。
定刻スタート。
序盤の混戦から抜け出せなかったもののジワリジワリと順位を上げる加藤選手。
SCが入った後、各マシン、ルーティンピットが始まった中、好タイムでラップする加藤選手。
交代を待つ高橋選手。タイヤ無交換も予定されていたが、結局4本交換。
ピットアウト直後、混戦の集団が来てタイムを上げられない高橋選手。
しかし終盤、タイムもレースラップとしては充分なタイムで安定。
レース後、好タイムで周回できた高橋選手を称える加藤選手。