モータースポーツ

2023年 スーパー耐久シリーズ 第2戦 SUPER TEC富士24時間 Part.2

スーパー耐久
2023年06月15日

5月27日 決勝

いよいよ決勝当日。今日は早朝からホンダテクニカルカレッジ関東校の学生が合流、メカニック総勢16名で24時間を戦う。ナイトセッションは体力勝負なところもあり若い力が本当にありがたい。

ホンダテクニカルカレッジ 関東校、関西校の8名。頼りにしてますよ!

午前中のロードスターカップ、ピットウォーク、スタートセレモニーの後いよいよ富士24時間レースが始まる。グリッドウォークは何度経験しても楽しいセレモニーだ。

そして定刻より若干早く、午後2時59分35秒にスタート。スタートはAドライバーの竹内選手が担当、1スティント1時間20分を4人のドライバーで回す戦略をとる事に。当初5人のドライバーで戦う予定だったが、Cドライバー(西面選手)の体調不良により4人でのレースとなってしまった。

まずは順調な滑り出し。安定した走行で周回を重ねる竹内選手、ポジションを1つ上げ予定通り1時間30分走行し墨選手にドライバーチェンジのためピットイン。フロントタイヤの交換と給油を行う…がここで痛恨の給油ミスを犯してしまった。満タンを給油の予定であったが、半分ほどしか給油できなかったのだ。早くも経験不足が露呈してしまった。ドライバーは墨選手に交代。

交代した墨選手もコンスタントに2分11秒~12秒でトラブルなく周回を重ねるが、給油ミスの影響で1時間の走行時間となってしまい、17時30分ドライバー交代のためピットイン、西畑選手がステアリングを握る。

コミュニケーションをとりマシンの状態、コースの状況を確認する。ドライバーの大切な仕事のひとつだ。

西畑選手はベテランドライバーと言われるだけあって、マシンをいたわりつつ周回し1時間41分を走り松本選手にドライバーチェンジ。さすがいぶし銀の走り。

ここでタイヤ4本と満タン給油。今度は無事に作業を完了、19時12分、松本選手が乗るマシンを送り出した。

久しぶりの耐久レースとの事で少し不安もあったが、そこはさすが長年レース活動をしてきた松本選手、徐々にペースを上げて2分13~14秒で順調に周回。松本選手には2時間を超える長いスティントを担当してもらう。それにしてもこの暗いレーシングコースをよくもあれだけのペースで走れるもんだと感心してしまう。かなりの光量があるLEDスポットライトもドライバーに聞くとあまり意味がないらしい…。

そのLEDライトも点灯しなくなるアクシデント。ヘッドライトのみでの走行となる。しかしフィットと言えどもレーシングカー、ブレーキローターが赤く焼ける。

さすがにペースが落ちてきた松本選手は2時間16分を走り切り、21時28分竹内選手にドライバーチェンジ。LEDスポットは修復できず、そのままコースに戻る事に。

コースイン後周回を重ねる竹内選手、ピットにも疲れが出てきた時間帯に突如無線が入った。「エンジンが失火してるようです!」確かにラップタイムが落ちてきている。ドライバーの疲れのせいかとも思っていたが、エンジンが悲鳴を上げていたのだ。その後何度かピットイン、ピットアウトを繰り返したが症状は改善されない…。夜中12時を回った時点で修復のためのピットインをすることに。

富士24時間レースでは10分間のメンテナンスタイムが義務付けられているが、失火の原因を調べるため、ここでメンテナンスタイムを取ることにした。エンジン不調を診断しつつフロントの足回り部品の交換、ブレーキダクトの修理とメカニック総出での作業が始まる。

フロント廻り、エンジン上部を分解。

ホンダ学園の学生も懸命の作業。ホンダ学園の学生さんは本当によくやってくれます。感謝!

少し脱線しますが、今回感心させられたのは学生同士で打ち合わせ、こちらが特に指示をしなくても自分たちでシフトを決めて作業にあたる。本当にしっかりしています。ホンダ学園の教育の本質を見た気がします。

話は戻って…作業を進める事1時間30分、メカニックの祈る気持ちをあとに墨選手がマシンをコースに戻す。1周、2周と周回するも無常の無線が入る。「エンジンが吹けません。」再度ピットイン、コースインした1周は調子が良さそうだが、そのあとエンジンにバラつきの症状が出るようだ。

その後何度かピットイン、アウトを繰り返すも症状は良くなる事はなく、午前6時21分大きな決断をすることに。

ドライバー、エンジニアと協議の結果午前6時21分をもって走行をストップ、ゴール時間の20分前から再度走行を開始、15時のチェッカーを受けるという悔しい決断であった。ストレートスピードが160Km/hも出ない状況で走行を続けるのは非常に危険との判断であった。

最終的に286LAP(規定周回数415LAP)の走行で完走扱いにならず。

新型FITで臨んだ富士24時間レースであったが、本当に不本意な結果となってしまった。しかしこれもレース。結果を受け止めて繋げていくしかない。

次戦は7月9日決勝の「第3戦 SUGOスーパー耐久3時間レース」。今回の悔しさをバネに、上位目指して頑張ります。引き続き応援をよろしくお願いします。

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※次戦よりシリーズ名称が「ENEOS スーパー耐久シリーズ2023 Supported by BRIDGESTONE」に変更となります。

※ 松本玲二選手 御本人様より写真掲載の許可をいただいております。