モータースポーツ

2010:SUPER GT第2戦

2010シーズン 紫電
2010年04月12日

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紫電完全復活!ルーキードライバーハマちゃん2位表彰台!


 2週間前の鈴鹿開幕戦で、“重傷”を負った紫電。
 実質10日程の修理期間では、第2戦への出場は断念せざるえない状況下の中、不眠不休で“丁寧な突貫工事”によりとりあえず岡山に持ち込むことはできた。
 だがこの手のレーシングマシンでは、エンジンが掛かって、4輪の位置がちゃんと出れば、走る事はできるだろうが、実際にレーシングスピードで走らせた場合どうなるか?は、レースウィークの練習走行でないと判らない。

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鈴鹿のクラッシュから10日で復活した紫電。
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エキゾーストエンドも一新。
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自転車でコース下見に出る濱口選手ことハマちゃん。

4月3日(土)練習走行・予選・ノックダウン予選 晴れ

 まずは、土曜日練習走行。前回2時間1回だったが、今回は1時間ずつインターバルを設けての2回の走行。
 このスケジュールの方が色々やりやすい。
 午前8時20分の走り始めは、気温、路温共一桁。
 日陰には霜が降りている程で、この時期としては予想以上に低いが、天気は良いので徐々に上がる事だろう。
 まずは加藤選手によりピットアウト、インを繰り返し、各部チェックを兼ねて午後のノックダウン予選に向けたタイヤの皮むき。
 マシンも大きな問題が無い事を確認、タイヤの準備もできた処で徐々にペースUP。
 計測3周目に、1′31″763!!これは昨年のスーパーラップでのポールより早いタイムで、結果的に2回の練習走行におけるクラストップタイムとなった。
 鈴鹿の“後遺症”は無く、完全復活したと見て良さそうだ。
 ここでのタイムは、レース戦略上大した意味は無いが、昼夜を徹してマシンを修復してくれたメカに対しては最高のご褒美となるだろう。
 練習時間の残り半分は、濱口選手(以下ハマちゃん)の走行に当てる。
 レース経験1年とはいえ、ポルシェカップは、今年もここ岡山でも行われており、無論ハマちゃんも走行経験(2回優勝!)はある。
 事前に紫電の車載ビデオ学習も行っており、計測3周目にして直ぐに34秒台と、決勝に向けたは充分なタイムをマークする。
 更に2回目の走行、最終ラップに33″914と33秒台に突入!
 毎セッションで自己ベストを更新しており、この後の予選でも自己ベストが更新されるだろう。

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修復後、最初の走行果たして仕上がりは・・・。
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岡山はカレラカップで走っているが、勿論紫電では初走行となるハマちゃん。
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そんなハマちゃんの走りを、コースサイドから無線で指導するドライビングアドバイザー舘さん。

 だが、今回SUPER GT岡山戦では初めて採用されるノックアウト予選。
 これは、ノックアウト予選前に行われる、1回目予選で基準タイム(トップ3のベストタイムの平均の107%)をクリアしたマシン全てがセッション1を走行、そこでベスト16台がセッション2へ進む事ができる。17番以下のグリッドはここで決定。
 続いてセッション2で更にベスト10台がセッション3へと進み、ノックアウトされた6台の11~16番のグリッドが確定する。
 そして最後のセッション3でポールポジション以下上位10台のグリッドが決まるのである。
 ここで重要なのは、1人のドライバーが、連続でセッション走行できないのである。
 加藤→濱口→加藤または、濱口→加藤→濱口の選択しか無いのである。
 2人共がポールタイムを出せるのあれば、どちらでも良いのだが、我々のチームの様に、加藤選手は充分ポールを獲れるが、発展途とはいえハマちゃんでは、正直、ポールは勿論だが、セッション2をクリア(推定32秒フラット)できるか?どうかも微妙なのである。
 だとすれば、共にセッション1は心配無いとして、ポール奪取を狙うべくセッション3に加藤選手送るには、セッション2をハマちゃんに掛ける事になるが、勿論ライバルとの相対的なタイムの為、可能性がゼロでは無いが・・・現状から進歩しても、クリアできる可能性はかなり低い。
 となると10番以上のグリッドは臨めず11番以下のグリッドとなってしまう。
 実はその方法を取ったのが前戦の鈴鹿。メーカーテスト、合同テストも含め最も走行時間が長く、タイムもそれなりに上がってきて、うまく行けば・・・と、また開幕戦でのチャレンジという意味合いもあった。
 結果は不発!という程悪い訳ではなく、コンマ34秒及ばずの11番グリッドと、惜しかった。
 ならば、ポール奪取は諦め、加藤選手をセッション2として、ハマちゃんをセッション3へ確実に進めれば、“最低限”10番グリッドを得る事はできる。ライバルのミス、ハマちゃんの“伸び代”によっては更に上位グリッドの可能性もあるので、これがノックダウン方式の安全策であり、他のチームも同様である。
 という事は、ドライバーに差がある場合、セッション2はエース格のドライバーが走る事になる。
 今回は後者の走行順。確実にひとつでもグリッドを上げ、リザルトに繋げたい。
 午後からの予選1回目。基準タイムは何の問題も無い為、ハマちゃんの練習走行に当てる。
 午前1ラップのみマークした33秒台は、このセッションでは2回。それも33″418と更に自己ベスト更新。
 終盤、加藤選手に代わり32″770と予選1回目クラストップとなるが、基準タイムをクリアする事が目的のこのセッションでは、特に意味を持つ順位ではないが、午前2回の練習セッション、そして予選セッションと常にクラストップをマークし、出場すら危ぶまれたマシンを復活させたチームクルーに勢いを付けると共に、ハマちゃんへの良いプレッシャーとなった。

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1回目予選終了後この時刻でも気温はやっと10度。だがこの後も気温は上昇する。
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1回目予選もトップタイム。基準タイムのクリアのみなのであまり意味は無いが、気分は違う。
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予選後の再車検から戻ったメカ。何故か全員横を見てる。多分隣ピットのHSV-010が何かやっていたのだろう。

 それはノックダウン予選、セッション1で現れた。
 10分間のセッション、計測5ラップ中、本格アタックを開始した3ラップ目、33″478、5番手。
 翌周、32″860!!自己ベスト更新。ライバルもタイムUPし、順位こそ6番手となったがセッション1突破は確実だろう。
 更に翌周にも32″796!!!と毎ラップ、自己ベストを更新。セッション3での期待が高まる。
 続く7分間のセッション2は16台が、ベスト10を争う。
 アタックを開始した加藤選手が直ぐに31″691と午前セッションのタイムを更新。暫定トップへ・・。
 1周のクールダウンの間に86号車(最終的にはポール)に、抜かれ2番手に落ちるが、再アタック。
 31″082と、このセッショントップタイム(最終的には、このレースウィーク最速タイム)をマーク。
 ベテラン加藤寛規の面目躍如!!
 余裕でセッション3へとハマちゃんを送り込む。
 同じく7分間のセッション3。
 2周のアタックをしたハマちゃん。共に32秒台。ベストは32″783と、ここでも僅かながら自己ベスト更新。
 悪くても10番グリッドでもと、とったノックダウン安全策だったが、自力で8番グリッドを掴んだ。
 このセッションで使用したタイヤは、明日のスタートタイヤとするというレギュレーションの為、セッション2とはタイヤのキャラクターが違うし、タイヤを壊してはいけないというプレッシャーも加わった中、ハマちゃん大健闘と言えるだろう。

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セッション1から3用のタイヤは全て午前中に皮むきを終えている。
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タイヤウォーマーが禁止されているので、日向にタイヤを出し、少しでも暖める。
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ハマちゃんが10分間のセッション1へ向かう。これは問題ないだろう。

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セッション2をトップタイムで終え、モニターを見る加藤選手
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自分のタイムがグリッドを決める。コンセントレーションを高めるハマちゃん。
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予選を終え、キッズウォークでの両選手。ハマちゃんの認知度も高くなった。

4月4日(日)フリー走行・決勝 晴れ

 
 決勝日、朝のフリー走行。
 通常通り決勝レースを想定した満タン(って訳では無いが・・)走行。
 その他、ピットワークシミュレーション等々。
 今回は、最近“流行り”のタイヤ無交換作戦に加え、初めての試みとして、左側のみの交換もオプションとして用意している。
 スタートは加藤選手の為、ハマちゃんの走行中、ピットインしガレージ内(他チームへの秘密)で、左側のみタイヤ交換、片側のみ冷えたタイヤの走行感覚を掴んでもらう。
 できれば、加藤選手にタイヤをもたせて貰って、タイヤ無交換作戦をとりたい所だが・・・。
 このフリー走行でもトップタイムは加藤選手。
 結局このレースウィーク、加藤選手は自分の走ったセッションは全てトップタイムをマーク、リザルトの最上位に名を連ねる事となった。
 この勢いをファイナルセッション、決勝レースまで持ち込みたい。
 全てが順調に進んでいるこのレースウィーク。
 いつも厄払い的に“何か?”が起こった方が結果が良い。という都市伝説の如くチームのジンクスがあるので、このままではヤバイ。
 と思っていたら、フリー走行後のサーキットサファリ走行中、加藤選手が「何か臭い。煙じゃないか?」との事。
 緊急ピットイン。確かにエンジンカウル、エアスクープから煙が出ている。
 消化器を待機させカウルを開ける。外気が入り込んだ為か?僅かながら炎が出る。
 消化器噴射!メカが覗き込む。焦げた○○(←言えません。)が有った。メンテナンス中の忘れ物と思われる。
 幸い、これによる損傷は殆ど無く、結果的には大事には至らなかったが、“犯人”の失意は大きく反省しきりだが、この“事件”が最終的に、笑い話で済む結果が出る事を祈るばかりである。

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ハマちゃんとのドライバー交代練習。未だ本番では、未経験。タイヤ無交換作戦を実施するには特に重要。
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タイヤ無交換にもうひとつのオプション。左のみ交換。そのシミュレーションも行う。ピット内でこっそり交換。
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僅かなセット変更の為、ホイールハウスのアウトレットガーニーを外す。こうした細かなアイテムが“重箱の隅”

 

 決勝レースでは紫電、加藤選手は8番グリッドからだが、5番グリッドの74号車カローラアクシオがトラブルによりグリッドに付けずピットスタートととなり、2列前の右が空いている。
 天気は良好。気温は18℃、路温も30℃近くまで上がっている。
 レースは82周、GT300クラスは76~77周を予想している。
 加藤選手はスタート前、「やっぱりこの時期でもクールスーツがいるな~。」と言っていた。勿論既に装備している。
 レースは定刻午後2時スタート。
 オープニングラップでは、2、3コーナーで早くも後方グリッドから、前回の覇者7号車RX7や、ランボールギーニ87号車が襲いかかってくる。
 バックストレートからヘアピンの突っ込みで更にもう1台のランボールギーニ88号車、3号車Zが左右からパス、立ち上がりでは11番グリッドからのフェラーリ11号車にも先行され、半周の時点で12位まで後退、大混戦となる。
 Wヘアピン1個目では前方の5号車VIMACがスピン!87号車と接触したようだ。
 団子状態だった各マシンは左右に散って多くは難を逃れたが、加藤選手はチャンスとばかり順位を挽回し、こうした混乱が無かったかの様に、1周目はとりあえず9位で帰ってくる。

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好天に恵まれ、気温も上昇。
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新規参戦の66号車がグリッドからピットへ戻される。昨年のチームメイト、ヨッスィーが乗っているので気になる。
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今日の目標、1回はサインボードを見たいね。(笑)はオーバーにしろ、ハマちゃんにレースをさせたいね。

 今回はタイヤ無交換作戦を予定している。
 午前中の走行でも、同じタイヤで周回を重ね、ロングスティントを想定したシミュレーションを行っている。
 もし交換が必要でも、左側のみの交換で行くつもりである。
 しかしその為には、この加藤選手のスティントでタイヤの余力を充分残してハマちゃんへと繋がなくてはならないので、この序盤の混戦を勝ち抜こうと、タイヤに無理はさせられない。
 かと言ってスローペースで、トップグループから離れすぎてしまっては、取り返しがつかない。
 紫電はパワーが無い分、燃費が良い。給油時間を最小限(ドライバー交代時間分)にすれば、ピットアウト後は確実にジャンプアップは可能なはずである。
 タイヤをいたわりながらもタイムを大きく落とさず、確実なペース配分ができる加藤選手だからできる掛けである。

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オープニング1コーナー。ピットスタートの74号車も見える。
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1周目、先行された87号車は接触によりタイヤから白煙を上げている

 当然しばらくは苦戦が続き、直ぐに11位まで後退。
 86(ランボ)、46(Z)、31、(カローラ)、19(IS350)、43(ガライヤ)、7(RX7)、3(Z)、88(ランボ)、26(ポルシェ)、33(ポルシェ)そして2号車紫電と続く。
 トップグループから大きく離されないのであれば、バトルの無い位置でコンスタントにラップを重ねる方がタイヤには良い。
 500が追いついて来てトップグループは36秒台になる中、加藤選手は無理なく35秒台。
 8周目順位は変わらず、トップからは既に14秒差、前の10位、26号車とは0.3秒差、9周目には26号車をパスし10位へ・・・。
 前方ではちょくちょくと順位を入れ替えているが、しばらくこのポジションをキープ。
 といいつつも、9位の88号車とは常に1秒以内でプレッシャーを与え、20周辺りで一旦抜いて9位に上がるが、24周目には再び抜き返され、適度にバトルを楽しんでいるかのうようだ。
 レースも3分の1を消化し、36~37秒台のタイムはトップグループと大きな差は無いが、ジワリジワリと離され、24周時点で15秒差、30周では20秒差となる。
 エンジニアのシンタローから「タイヤの状況はどうですか?」の問いかけに対し、
 加藤選手「アンダー出るけどアクセル踏めばいいよ~」
 シンタロー「タイム上がらないなら早めにピットインしますか?」とか
 シンタロー「次のストレートでFU(Fuel Use:消費燃料)読んでください。」
 加藤選手「○68、○68!」
 後半スティントに向けた情報のやり取りが行われ、レースの山場へ向かう緊張感が高まる。
 32周目上位グループの先陣を切って7位の43号車がピットに入る。
 タイヤ4本交換しているので、我々が無交換で行けば確実に前に出られる計算だ。
 続く33周目4位にいた19号車がタイヤ交換なし、給油も短めでピットを後にした。
 同じ作戦をとられては勝ち目は無い。
 レース中盤をむかえ、その後もピットインが続き、加藤選手2号車の見かけの順位も上がる。
 35周目6位、40周目4位、44周目には2位となる。
 この時点で暫定トップは、我々の1秒前を走る33号車、未だピットには入っていない。
 既にピット作業を済ませた中でのトップは7号車。29秒後方にいる。
 続いて46、19号車が50秒辺り後方に来ており、仮にタイヤ無交換でもこの19号車の後ろ辺りに入りそうである。
 また目の前の33号車の動きも分からない。
 上手く行って4~5位といった計算だ。
 「L6(残り6周)」サインが出され50周目がピットイン予定。
 そんな中、タイヤ無交換を敢行した19号車のピット前が慌ただしくなり、タイヤ交換の準備がされる。
 無交換作戦失敗か?
 と、その直後、モニターTVにコースアウトした19号車が写し出される。
 どうやら500に押し出されたらしく、該当車両にはドライビングペナルティが課せられたようだ。だが我々にとってはラッキー!ひとつ順位が上がる。
 50周目加藤選手ピットイン。暫定トップの33号車も同時に入ってきた。
 予定通りタイヤ交換無し。ドライバー交代と給油。
 それは33号車も同じ。
 だがトップスピードに勝る33号車、その代償として多めの燃料を必要とし、SUPER GT、決勝初レースとなったハマちゃんに5秒のアドバンテージを与える事となった。
 アウトラップを1′41″6と、ルーキーの初レースとは思えないタイムで戻ってきた時点の順位は7、46号車に次いで3位!!4位33号車とはプラス5秒。
 タイヤ無交換、「忍」のレースは成功!!

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上位グループの一角、19号車がコースアウト。
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隣のピット、トップの86号車は長い給油で順位を下げる。
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タイヤの準備はしてあるが無交換。ドライバー交代と給油のみ。

 走り出し37秒台だったハマちゃん、5~6周して36秒台へ。いいペースである。
 そこへまたまた衝撃的な映像が!
 2位に4秒差を付け、連勝に向けトップ快走中だった7号車がコースアウト!!完全にマシンを止めている。
 (ステアリング系のトラブルだったとか・・。)
 なんとここで2位浮上!!
 55周時点でトップとなった46号車には17秒差を付けられているが、3位33号車からは7秒のリード。
 シンタロー「33が(後続を)ふさいでいるのでペースアップのチャンスです!」
 その33号車、ピットアウト後、全くペースが上がらず、38~39秒台の為、4位以下の4台の“蓋”をする形で、ハマちゃんのリードを許す事に・・・。
ドライビングアドバイザー 舘さんからも「500はこない!イケイケ!遠慮する事はない!!」
 と激が飛ぶ。
 この状態は63周まで続き、ようやく3号車が3位に上がった時点で、ハマちゃんは19秒ものリードを築く事ができた。
 またこの、バトル無き独走状態で、ハマちゃんは完全にペースを掴み、トップの46号車、後ろの3号車と殆ど変わらぬタイムで、表彰台に向けて快走を続ける。
 このトップグループの単独走行、観戦する方にとっては全くつまらないレースになってしまったが、前戦を落とした我々にとっては、キープしたい順位である。
 68周目、
ハマちゃん「ペトロナス(1号車)に当てられた!!」
 ピットに緊張が走る。
シンタロー「車は大丈夫?!前?、後?、右?、左?」
ハマちゃん「大丈夫、大丈夫!!右側です!」
シンタロー「ストレートで確認します。」
 冷静な対応で、大きくタイムも落とす事なく戻ってくる。
 メカが確認、タイヤ跡が見えるが問題無い。
 ペナルティも出ない事から、単なるレーシングアクシデントと判定された様で、このSUPER GT初レースでの洗礼は、ハマちゃんの経験値が上げる事になる。
シンタロー「残り10周です。このままのペースで頑張ってください!」
 レースはこのまま平穏に終わるかと思ったが、73周目に入って思わぬ伏兵が現れる。
 それも前方から?!
 周回遅れの9号車ポルシェが、39秒台のペースでドンドン迫ってきて、74周目(9号車は73周目)には、完全にテールtoノーズ。
 トップスピードに勝るポルシェをブレーキング、コーナーでパスしようと試みるが、各コーナーでしっかりとインを塞がれ中々前に出られない。
 各コースポストではブルーフラッグ(周回遅れは進路を譲れというサイン)が降られているが全くお構い無し。
 同一周回ならガチンコ勝負だが、周回遅れでは分が悪い。
 仮に接触でもしてスピン、コースアウトしたとして、もし9号車側にペナルティが課せられたとしても我々にとっては何の助けにもならない。単なるやられ損で終わってしまう。
 リスクを犯さずしばらく静観。
 その間にメカが9号車のピットへ行き、無線で譲る様指示を出して貰うなどして75周を終えやっと前へ・・・。
 76周目のファイナルラップに入る。
 3位の3号車に7秒差、ワンミスで逆転される可能性もあるが、冷静にファイナルラップを締めくくり最終コーナーに現れるハマちゃん。
 SUPER GT初レースは2位表彰台!

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終盤の伏兵は“前から”やってきた。
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我々にとって、実質開幕レース、2位フィニッシュ!
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ハマちゃんにとってはGT初レース(実走)。マシンを降りてガッツポーズ。

 開幕戦でフレームにまで及ぶダメージを負い、鈴鹿でマシンが戻った直後は、この岡山は絶対無理だろうと思われた。
 だが年8戦の今年、2戦をポイントゼロでは既にタイトル争いから脱落したも同然。
 分解、徹底的な査定で、完全修復は不可能だが、走りに影響を及ぼさ無い点に修理を集中。
 そうして岡山に持ち込まれた紫電、フロントカウルこそ、シーズンオフに手直しされたスペアで綺麗な物だが、走行中の飛石等から外装を守るガードテープは未施工。
 スペアのないリヤカウルは塗装が間に合わないので、カッティングシートの継ぎ接ぎだらけである。(遠目には判らないが・・・)
 足回りのパーツも、壊したらスペアは旧ヴァージョンしかないという状態。
 予算が厳しいのは昨年と同様です。
 そうした状況下、ご支援いただくスポンサーさん、ファンの方、これでやっとシーズン開幕です。
 今回の2位でランキングもいきなり4位です。(トップとは30ポイント差!!)
 開幕戦、全くドライブできずリタイヤと言う結果だけが残ったハマちゃんですが、自分自身がドライブしたレースはポルシェカレラカップから引き続き優勝か、2位だけ。
 この記録は続いて欲しいと思っていますので、しばらくは表彰台予約しておこうかと思います。(笑)

ハマちゃんこと濱口選手のブログ・レースレポートはこちら 必見!!

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岡山での表彰台は07年依頼2度目。
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シャンパン・・じゃない純米スパークリング奥の松を持って戻った加藤選手。
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ハマちゃんもピットに戻る。GT初レース2位!と最高の笑顔。

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どうせ映るならチャンとメカも入れよ。シャイなメカの苦労も報われた。
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とり続けたいトロフィー。