Super GT 2005 Series 第7戦 -オートポリス-
GTレースレポート
2005年10月17日
GT戦国内最南端オートポリスが、最後の長距離遠征となり、これで「いよいよこれでシリーズも終わるな~。(あと鈴鹿が1戦あるが・・)」と… |
サーキット 大分県 オートポリス
マシン名 プリヴェチューリッヒ・アップルRD320R
ドライバー 高橋 一穂・渡辺 明
10月13日(木)スポーツ走行:晴れ
路面:ドライ
GT戦国内最南端オートポリスが、最後の長距離遠征となり、これで「いよいよこれでシリーズも終わるな~。(あと鈴鹿が1戦あるが・・)」と実感する
しかし後半になって調子の上がってきた、VEMAC プリヴェチューリッヒ・アップルRD320R、決して消化レースなどとなっていない。常にポイント圏内でチャージを掛けられるポジションにいる。
またここオートポリスはシリーズ戦を開催しているレギュラーサーキットで、唯一ノーポイントのサーキットである。(2004年のみ十勝開催があったが、これは富士の改修休業の為の、イレギュラーサーキット。(と無理やり解釈。ノーポイントだった)
ここでも、ポイントを獲得し(だから何って無いが・・・。)全サーキットを制覇?(優勝ではない)をめざしたい。
だが前戦富士では、決勝レース好位置でのリタイヤ。しかも原因不明の異音、振動からである。
その後のメンテナンスで、メカも”ここ”と思われる場所は見つけ、修理はしたが、実際に走行してみないと、本当に直ったか?どうかは解らない。今日の走行のポイントはそこにあるが、メカは良い仕事をしてくれたようで、そんなトラブルが有ったとは思えないほど、快調に走行でき、これならレースに向けたセッティングに専念できる。
これまでの”寒い”オートポリスとは打って変わって暖かい。快適、快晴である。しかしこの快晴が、貴重な一日となるとは・・・。
この日の両ドライバーのベストタイムは、渡辺選手1′52″35。高橋選手1′54″86。昨年の予選タイムが、1′53″959。マシンも違うが今日はまずまずの仕上がりかな・・。
10月14日(金)フリー走行 くもりのち雨
路面:ドライ→ウェット
今朝も20℃と暖かいが、湿度95%と、午後の雨を予感させる。朝のコースは、夜半の雨でシットリ。だがスリックタイヤで充分走行可能だ。
高橋選手から走行を始めるが、連続走行とはせず、アウト、インラップを4周、その後5周ずつ4回。これはアウトラップのペースが遅い高橋選手用のメニューでもある。これで計24周を走行。途中12周目に赤旗が出、中断した時点でのベストタイム1′52″659はこの時点で6番手、昨日から2秒短縮と、好調なタイムである。
その後渡辺選手に交代、途中2回のピットインで、セッティング変更をしつつ、またNEWタイヤの使用で、チェッカーまで15周を走る。
ベストタイムは51″451!午前の走行で3番手タイムであるが、トップ27号車(同じVEMAC)の、50″388とは1秒以上の差がある。
しかしまだ隠し玉がある。ここオートポリスは、路面ミューが低いのでスペシャルタイヤを用意したのである。
と言っても”ここ”用に用意してもらったのでは無く、8月のポッカ1000km時に用意してもらった物が、決勝ウェットの為、皮むきのみ行い、使用しなかったタイヤが何セットかある。このタイヤのスペックはここオートポリスに相性が良いだろうと、エンジニアの信ちゃんが、第5戦モテギ・第6戦富士でも使用せずここまで温存していたのである。
これでもって予選で好位置を得られれば、決勝も充分期待ができる。・・・・はずだったが・・。
とにかくマシンも快調、タイムも良い。気分良く昼食をとる事ができる。ちょうどそんなお昼頃から、雲が厚くなり、ポツリ、ポツリと雨が落ち始め、午後の走行が始まる2時頃には完全なウェット路面となってしまった。
今年で3回目のオートポリス。ウェットは昨年もフリー走行で経験しているが、今日はまずモニターでコース(他のマシン)の状態見てからコースインしようかと待機していたら、いきなり赤旗中断。そのままピット待機延長になってしまった。
その後、2時23分コースオープンとなり、それに合わせ渡辺選手コースイン。ところが3周で赤旗。2時40分再開。雨は上がるが、ウェット路面に変わりは無い。
2時55分三たび赤旗。ここまでソフトレインで走っていたが、このピットインでハードに・・・。3時3分再開。しかしソフトの方が、フィーリングが良いとの事で、3時15分、このセッションで初めて、(赤旗ではなく)チームの意思でピットイン。ソフトレインに交換すると共に、高橋選手に交代。
ところが1周でまたまた赤旗。4度目だ。3時30分からの再開は300占有走行に切り替わり、やっと連続15分を走る事ができた。ここまでのベスト(ウェットで)は渡辺選手2′03″886。 高橋選手2′08″674。午後のフリー走行は、渡辺選手のタイムでもって、クラス11番手。
これが仮に予選とすると、予選通過基準タイムはクラストップの107パーセント以内。300クラスのトップは43号車2′00″835だから、8秒台はギリギリである。
明日の予選もどうやら雨らしい・・・(高橋選手には言えないが)う~ンん・・チョッと心配!!
10月15日(土)予選 くもりのち雨
路面:ウェット
明けて土曜日、高地にあるオートポリスサーキットに向かう為、ふもとの宿から、ミルクロードを登っていく。”下界”ではただの”くもり”空も、濃霧へと変わっていく。
サーキットのゲートをくぐり、1コーナーの外周路を通ってパドックへ向かうが、数十メートル先のコース、第1コーナーが全く見えない!
朝一の公開車検では少し霧も晴れてきたが、コース上は何とか”走れる”程度である。幸い雨は降っていないが、路面は”シットリ”セミウェットと言った感じである。
しかし午前予選が始まる10時半少し前から雨が降ってきて、予選開始時には完全なウェット路面となった。
これまで通り、この午前の予選でスーパーラップ出走権(以下SL権)及び、11番以降のグリッドが決まる。視界不良で赤旗中断が予想され、アタックのタイミングが重要な中、渡辺選手から予選コースイン。
アウトラップから2周目、無線で「(フロント)ウインドウのくもって見えないのでピット入る。」と・・・。ここでアタック用のタイヤに交換。勿論レインの為、通常の予選(ドライ)の様に、マーキングタイヤではない。ウインドウは内側よりくもり止めを塗り、コースに戻す。しかしまだくもる為、再度ピットイン。くもり止めスプレーと、ブロアファンの併用で何とか頑張ってもらう事にし、アタックに・・・。
300占有も残り6分である。3周計測はできるだろう。が、クラストップタイムは43号車で2′01″035を始め、上位は予選開始から10分前後に出している。この頃になると霧が濃くなり、とても全力でアタックができる状態ではなくなってきた。そんな中、2′06″304をベストに300クラス占有時間は終了した。
20分後の混走セッションで、更なるタイムアップをしないとSL権が無い。またこの時点での予選基準タイム2′10″237を高橋選手がクリアしないと、予選通過もできない。しかもそれは天候、と言うより、濃霧による、視界次第である。
500クラスも視界不良が手伝って、なかなかタイムが上がらず、300クラスのタイムを抜くのにかなりの周回を要している。途中赤旗中断もあり、混走セッションは4分程遅れ、11時14分高橋選手がコースイン。ところがこの頃になると、霧は一向に晴れず、高橋選手のタイムは20秒台、16秒台、17秒台・・・と一向に上がらない。いや、上げられる状態では無い。
そしてついに、と言うか、やっと視界不良の為11時26分残り8分で、赤旗中断。しかし、霧は晴れる事無く、12時をもって1回目予選は終了。高橋選手を始め、基準タイムをクリアできないドライバーが続出。予選時間を消化できなかった事や、SLも含め午後予選に向け緊急の監督ミーティングが開かれる事になった。
協議の結果、SLは中止、去年までの予選形式と同じ、午後の予選と午前の予選トータルでグリッドを決めると言う事になった。たしかに500クラスでは2名のドライバー共基準タイムをクリアしたのは6台!これではSLを行う事も出来ない。全くの想定外か?
とにかく午後再チャレンジのチャンスはできた。しかし路面状態、視界が好転しない限り予選不通過のピンチに変わりは無い。
午後予選は2時半より、まずは500との混走。視界は完全に良好と言える状態では無いが、高橋選手の走行で始まった。万一の為に、高橋選手に内緒で、昼休みに決勝出場の為の”嘆願書”を用意したがあっさりと2′8″093を、マークし基準タイムクリア。となれば今度はポジションUP目指すべく渡辺選手に交代する為ピットイン。ところがアウトラップを終え、ストレートを通過後、2時44分赤旗中断。計測できずピットへ戻ってきた。
この赤旗は濃霧による視界不良で、1時間以上待てど、暮らせど、霧は晴れない。結局午後4時を持って2回目の予選は打ち切られる事になり、予選(グリッド)16位と今シーズン最下位が確定した。
10月16日(日)決勝 晴れ
路面:ドライ
土日の雨、霧とは打って変わって素晴らしい秋晴れで迎えた決勝。朝のフリー走行ではトップ43号車から遅れる事僅か1秒1の1′52″529ながらなんと10番手!2秒以内に15台が入る。これは激戦か?
朝は日陰で10℃とやや寒い程だが、日向ぼっこにもってこいの17℃。しかしレースの始まる午後には、グリッド上では26℃と10月の高地と思えぬ暖かさ。
定刻の午後2時、渡辺選手をスタートドライバーに65周(300クラスは多分60周あたり・・)のレースは始まり、オープニングラップはグリッド通り16位で帰ってきた。
2周目は15位。3周目に入った1コーナーで、前を行く13号車と62号車が接触コースアウト。”漁夫の利”を得て13位へ!
55秒台から54秒台へと、徐々にペースが上がり、6周目12位。53秒台に上がった10周目は500マシンにラップされ始め、混戦状態となり、しばらく順位は変わらず。 500マシンが殆ど行き過ぎた13周目から再び追撃開始。
13周目11号車がスピン!11位へ。14周目10位。15周目9位。ドライセッティングもできている。しかしここからは前の集団はなかなか抜けない。小康状態が19周まで続き、20周目1コーナー勝負をかけたか!がっ、ブレーキロック!コースアウトを喫してしまった。
自力復帰できず、時間を浪費。戦列に戻った時にはほぼ最下位の21位へ・・・。
幸いマシンは走行に支障は無く、コースアウト前と変わらぬ54秒台で再び追撃開始。
22周目20位。24周目19位。じわじわと順位を上げ、18位に上がった27周目辺りから300のピットインが始まり、見かけの順位が上がる。見かけ14位に上がって39周目ピットイン。高橋選手に交代。
リセットされて15位。ピット作業も含め、アウトラップは3分3秒。あと10秒は速くしたいところだが、その後荒れた終盤のコースを、55秒台での走行は良いペースである。しかし前を行くマシンはかなり先で、差は縮まるが、順位を上げるには至らない。
ミスも無く淡々と周回を重ねる高橋選手。53周目10号車がエンジンブローし、14位に上がるが、追撃もここまで。
58周目にそのまま14位でゴール。
予選16位 : 決勝 14位
獲得ポイント 0点 累計ポイント7点 チームランキング11位
ここオートポリスは一昨年13位。昨年20位と、何故か?パッとしない。これまでモテギが不運なサーキットだったが、今シーズン初めてポイントをGET。残るノーポイントサーキットは、ここオートポリスだが、前戦富士のマシントラブルも完治し、ドライのセットも上々。マシンも昇り調子。
ポイントGETは確実とだと思ったのだが・・・速さと強さの違いかな・・・?
2006年からはランキング上位12台のマシン(ゼッケン対象)に対しシード権が与えられ、決勝レース出場の優先権が与えられる。(マシントラブル等、何らかの事情で予選がクリアできない場合でも決勝出場が可能。)このレース終了時点で12位タイ。単独12位を確保する為にも最終戦鈴鹿では高得点をあげたい。
雑用係の仕事。
今回は、番外編です。
雑用係の仕事のひとつにステッカーの作成があります。勿論サーキットで作るわけではありません。マシンに貼ってある殆どのステッカーは、メーカー、スポンサーからいただく事は無く、マシンの添付スペースにより、個別に大きさが異なりますので、殆どがこちらで作ります。(いただくのは「ADVAN」「WAKO’S」くらい)
レースウィークで”万が一”に備え、ある程度想定される枚数を常にサーキットへ持って行きます。そしてレースのインターバルに使用した分を新たに製作します。ステッカーを作るといってもカッターナイフで、手作りという訳ではありません。カッティングプロッターと言う機械を使います。
「なんだ簡単ジャ~ン」と思われる方も多いかと思いますが、機械はカッティングシートに切れ目を入れるだけ。それからの作業は手作業なんですね。
洗濯と一緒で、洗いは機械がやってくれますが、干して、取り込んで、たたむのは手作業で、そこが手間ひまかかりますよね。そんな感じで考えていただければ結構かと思います。
この作り方は、誰に教わったものでもありません。全くの我流ですので、参考にはしないでくださいね。って言いますか、どなたか(プロの方)本当の作り方をお教えいただけると助かります。