モータースポーツ

Super GT 2005 Series 第6戦 -富士スピードウェイ-

GTレースレポート
2005年09月26日

同じサーキットで唯一シーズン複数回開催される富士スピードウェイ(鈴鹿のポッカ1000kmはシリーズ戦では無い)。5月の第2戦から約5ヶ月… list-b56.jpg


Super GT 2005SERIES 第6戦 FUJI GT 300km RACE


レース名 Super GT 2005SERIES 第6戦 FUJI GT 300km RACE
開催日 2005年9月24・25日
サーキット 静岡県 富士スピードウェイ
マシン名 プリヴェチューリッヒ・アップルRD320R
ドライバー 高橋 一穂・渡辺 明

9月22日(木)スポーツ走行:くもりのち雨
路面:ウェット

同じサーキットで唯一シーズン複数回開催される富士スピードウェイ(鈴鹿のポッカ1000kmはシリーズ戦では無い)。5月の第2戦から約5ヶ月。気温、天候、性能調整等、各種条件に若干の違いはあるが、マシン、ドライバー、チームにとってどれだけの進歩があるのか計るに良いバロメーターとなるであろう。

特にポッカ1000km以降、前戦モテギでもマシンは好調。今シーズン最高位6位。しかももっと上位を狙える手応えもある。ここ富士は両ドライバー、そしてマシンVEMACも得意とするサーキット。GT参戦以来の最高位を狙うのは当然であろう

高速サーキットのセッティングに費やそうと乗り込んだ今日、スポーツ走行日は、それに水を注すかのくもりのち雨。接近中の台風17号の影響で、週末まで天候は不順。決勝の雨も予想されるので、30分づつの走行を5回、ソフト、ハードのレインタイヤを色々試すなど、精力的に走り込んだ。幸い富士特有の濃霧が無かったのでそれなりのウェット走行を行う事はできた。タイム的には4月のテスト時のウェット走行と同程度に留まるがまだ参考程度であろう。

そんな中、菅生、鈴鹿ポッカからの懸案事項とも言えるワイパーがまたまた不調。何度か止まってしまう。オーバーホールして動くようにはなったが、どうも信頼性に欠ける。




こんな路面だったが・・・。


しばらくして雨も止み・・・。


コースもライン上は乾いてきた様だが・・・。


でもまたしばらくするとこんな感じ。


そんな中ワイパー不調に・・。このモーターはレース用のパーツなんだがな・・・。


修理中はワイパー無し。撥水剤のみ使用である。


雨の日はドライバーシューズ(の底)を濡らさない”足拭き”を置く。


降ったり止んだりの天気に、レインタイヤを色々試す事ができた。


新生富士スピードウェイになってから、テストも含め今回が3度目になるが、初めてAピット(我々は豪華ピットと呼んだ)になった。これは1~36番までは幅が広く長いピットで、オマケに事務室とトイレまで各個に付いている。全体的にはセパンに似ている。って設計者が同じだから。

ところがこの幅広ピット。マシンを真ん中において、周りに工具類を配置すると、ホイールナットのトルクレンチ(重い!)取って戻すだけでも片側往復5~6歩ほど余分に歩かなくてはならない。これが一日何十回、毎日、歩く距離、時間が結構馬鹿にならないが、運動不足解消に良いかな・・・。



我々は”豪華ピット”と呼ぶ、Aピットは広い。


セパンのコモンルーム程広く無いが4畳程の部屋がある。


ピットの上はVIPルーム。セパン様な作り同じ。


これまで定位置の無かった無線も特製のケースができた。


8月のポッカ1000kmで組んだ、加藤寛規選手から実家の豆腐を差し入れてもらった。旨い!


9月23日(金)フリー走行 くもり
路面:ドライ

昨日の雨を”僅か”に感じる路面だが、スリックタイヤで何ら問題はないだろう。気温も20℃を超えた程度で、過ごし易い一日になりそうだ。

公式スケジュール最初の走行、今日午前9時のフリー走行が始まった。いつもなら直ぐにコースインするところだが、まだドライバーも乗り込んでいない。と言うのも、前日のウェットから今日のドライ用に、早朝セッティングを変更中、右リヤアーム部のスタッドボルト破損が解った。これの修理に手間取っている為だ。

9時10分、渡辺選手がコースイン。まずはユーズドタイヤで、ドライセッティングを確かめつつ2周計測し(イン、アウトラップ含め4周)ピットイン。1′45″658は6番手。TOPは44秒台である。



雲は多いが、雨を降らす事はなさそうだ。


午前走行前にトラブル発生(発見!)。修理を急ぐ。


走行が始まるが、ピットから出られず。


10分遅れでピットアウト。


しかし計測2周目で45秒台は悪くない。


ここで渡辺選手から「なんかジャダーが出るね~」とのコメント。点検してみると今度は左フロントハブに少しガタがある。充分ジャダーの原因になる。

マシンをピットに入れハブのメンテナンスにとりかかる。ハブベアリングの調整に44分の時間を費やし、再びマシンと渡辺選手をコースに戻す。ジャダーは消えたようだ。1′44″356をマークし5周でピットイン。リヤスタビライザーとタイヤ内圧を調整し、ストレートを1回通過の2周しピットイン。ここで高橋選手に交代。残り時間は20分。再びストレートを1回通過の2周しピットイン。100Rで跳ねるとの訴えで、リヤスタビは元に戻し、残り8分となったフリー走行は高橋選手が走る。

不得意なネッツコーナーでは舘師匠の指導無線が飛び、1′45″244まで詰める事ができた。この午前フリー、トップは62号車で43秒前半。第2戦のトップタイム(コースレコード)より3秒は遅い。何とか食らい付いて、今回もスーパーラップ(以下SL)進出は果たしたい。



走行開始まもなく、ハンドリングの異常を訴える渡辺選手。


今度はフロント左ハブにガタが発生?


この修理には、かなりの時間が費やされたが・・。


この”時点”で修理は順調に進んだ。


修理後残り約20分間。色々セッティングを試すが、タイム的には順調に仕上がっていく。


午前はマイナートラブルで、充分な走行、セットアップが出来なかったので、午後2回目こそはしっかり仕上げて行きたい

まずは10周ほど渡辺選手が走り44″436。次に高橋選手が途中赤旗を挟み、9周。その後NEWタイヤも使い、44″295まで詰めた。そして再び渡辺選手がそのタイヤで43秒台目前の44″042をマーク、更にタイムアップを目指し第1コーナーへ消えていったその数秒後、「コースアウトしました~」と渡辺選手。「タイヤとれとるわ」と舘師匠。そしてモニターに映し出されたマシン。全て殆ど同時に近かった。マシンから十数メートル離れてタイヤがゆっくり転がっている・・・止まった。左フロントタイヤが外れたマシンから、渡辺選手はもう脱出し無事な様だ。カメラが”引く”と・・どうやら100R中間点の様だ。舘師匠も偶然ここを見ていた。

ピットクルーは押し黙り、特にタイヤ交換左側を担当したメカには声も掛けられない。(まだ原因は解らないが・・)

しばらくして渡辺選手が戻ってきて、その時の状態を説明する。右100Rを全開で旋回中、ほぼ中間点で”突然左前のホイールが外れ、コントロールを失い、マシンが半回転しそのまままっすぐコースアウトしたと言う。時速190㎞/h!でのアクシデントだ。マシンの状態は左側がコース側を向いているので、(避難したコースサイドからは)よく判らない。



午後のフリー走行。天気は相変わらずのくもり空


今シーズン、レースウィークでの自己ベスト更新が著しい高橋選手。


9月下旬の高地、富士とは言え、走れば暑い。


午後は44″042までタイムUPした渡辺選手だったが・・・。


ショッキングなモニター画像!


約30分後300・500の各占有走行も終わりメカニックがマシン回収のレッカー車に便乗し、現場に向かう。20分ほどしてピット前に積車に積まれてマシンが戻って来た。

マシンは左フロントホイールとディスクローターがゴッソリ無くなっている”以外”ボディに大きな損傷は見られないようだ・・・。ホイールナットはシッカリ付いており、単純なナット緩みではなかった。ま~ここの事は後述するとして、とにかく明日の予選の為に、メカは残業になる事は間違いない。



事態についてメカが話し合う。



改修後、100Rはセーフティーゾーンが広くなり大事にならなかった。


マシン回収の為レッカーに乗り込むメカ。


“脱輪”現場を見に行く館師匠と渡辺選手。
路面の傷跡から停止まで100m近くあった。


ホイールを取り付けられる状態ではなかったので、レッカーで積み込まれる


単なるホイール単体の脱落ではなく、ハブベアリングごと抜けている。


明日は好天が期待できそうだが、山の天気は判らない

外装の破損は無いが足回り部品の不足は平塚の工場まで取りに行っており、修理は深夜に及んだ。

9月24日(土)予選 くもりのち雨
路面:ドライのちウェット

くもりでむかえた予選日。マシンはメカの不眠の作業、一部不足部品は平塚のガレージまで取りに行くなどして修復を終え、何事も無かったかのように出番を待っている。しかし実際にはロアアーム、アップライトが”左右とも”ごっそりと新型(今年の27号車と同じ)に変っておりピボットや、取付け支持方法が異なり、静的なアライメントは、昨日と同じだが、サスペンションが実際に動いた時にどう変化が出るのか・・?エンジニアの信ちゃんが頭を悩ませている。 吉と出るか?凶とでるか?あとは走って見るしかない。



何も無かったかのように修理が完了。

一部新型(27号車)と同じパーツに変わっており、ジオメトリーに違いがある。

昨夜来の雨で路面はしっとり。雨は降っていないがウェット宣言が出ている。通常は、マーキングされた3セットのドライ(スリック)タイヤの内、1セットは決勝スタートで使い、それまでのセッション(2回予選、SLと決勝前フリー走行)は残りの2セットしか使用できない。しかしオフィシャルからウェット宣言が出ると、その限りでは無く、レインタイヤに限りマーキングタイヤ以外を使用する事ができる。当然、殆どのマシンがレインタイヤでコースの様子を見にスタートする。NEWタイヤでも本当のピーク(最もグリップが良い)は1ラップ分しか無いと言われており、この”下見”走行でもNEWタイヤを温存したいのである。渡辺選手も3周目にピットインし、レインからスリックタイヤへ交換し再びコースへ・・。



未明の雨が残る路面。1回目予選までには乾きそうだが・・・。

予選はウェット宣言が出される。

湿度が高く、午後から雨も予想される。

SL進出権は予選1回目のみで決まる。

様子見のウェットタイヤからドライタイヤに交換。

カナードは高速サーキット、富士用ではなく、”普通”のタイプ。

300占有時間は残り7分、暖めに少し長めの4周を使いアタックに入る。1′43″633!!この時点で11号車、46号車についで3番手。その後2周、43秒台を出すが更新はできないまま500占有時間に代わる。7号車が割って入り4番手へ・・。路面状態も良くなっており、混走セッションでもタイムUPの可能性がある。

ここで思案・・。もう1セットのNEWタイヤを使い、タイムアップを目指しSL進出を確実にするか?ここまでのタイムでもSL進出は大丈夫と見て、あくまでNEWタイヤはSLまで温存しておくか?

結局NEWタイヤを使わず、更なるタイムUPを目指すという、最も”都合の良い”選択となった。路面状態の良くなった分と、タイヤの消耗とが、どの程度相殺されるか?

多くのチームが、この混走セッションでもう一人のドライバーが基準タイムをクリア目指す。高橋選手もこのセッションで44″239と自己ベストを更新。(このタイムは最終的にはトップから僅か1.4秒差。しかもユーズドタイヤである!)



混走セッションで高橋選手に交代すべくピットに戻った渡辺選手。

高橋選手も難なく自己ベストを更新。基準タイムなどは論外。


今やGT300ドライバーの中でも中堅以上のタイムをマークできるほどに”成長”した高橋選手。

残り9分で再び渡辺選手がアタックに出る。タイヤは既に17周走っている。・・・が、43″493と更新。しかし他のマシンもタイムアップ中。5番手である。午後の雨を見越して2セット目のNEWタイヤを投入しているマシンもある。こちらは今更、交換する時間もないのでこれで頑張ってもらう。残り4分、7番手に下がる。残り40秒最後のアタックラップに入る。果たしてどうか・・?

1分後チェッカーを受ける。43″395!タイム更新!!6番手でSL進出である。しかもNEWタイヤを残してである。

昨日のアクシンデント、またそれに伴う影響は杞憂だったようだ・・・。

とりあえずこうした結果が出れば、メカニックも疲れを忘れ、気分良く昼食を取る事ができる。それに更にマシンも、ドライバーも昇り調子。SLでは更に上位を狙えそうだ。



予選終了後のピットウォークでは再び雨が・・。

だが2回目予選直前には路面はドライに・・・。

午後2回目の予選は、実質、基準タイムをクリアできないドライバー用のセッションであるが、既に基準クリア、SL進出チームも走行はできる。しかしここでどれほどのタイムを出しても、グリッドに影響はしない。1~10番グリッドはSLで、11番グリッド以降は1回目予選で決定している。しかし15分とはいえ、クラス別占有走行時間、セッティングの確認には貴重な時間といえる。

このセッションで渡辺選手は43″277と20周以上走ったタイヤでタイムを更新。「スリップ(ストリーム)を使ったから速いんだよ」と渡辺選手。昔からここ富士をホームコースとし、レイアウトが変わったとはいえ、世界屈指のロングストレートを巧みに使ったベテランの味である。

残り6分で高橋選手に交代した頃から小雨がパラツキ始めた為、タイムUPはならず、500占有に変わる頃には、本格的な雨となった。500の走行時間とSLスタートまでの20分少々の間にウェットセッティングに変更しなくてはならない。レインタイヤの再チェック、キャンバー変更、スタビライザー交換、カナード交換、ウイングの調整等々。信チャンから各データ-の指示が飛ぶ。メカが手早く動き回り作業を進める。



ロングストレートを活かしユーズドタイヤで更にタイムUP

300予選終了間際に雨が降り出す。


慌しく雨用セッティングに変えられて行く。

セッティングに最中にも指示は飛ぶ為、インカム(無線)はつけたまま。

SLスタート順にピットロードエンドに並ばなくてはならず、作業が中途になるわけにはいかないが時間内に出来る事は全て行った。

雨は徐々に路面を濡らし、スタートの頃にはどの様な状況になる事か・・?

1回目予選6位の為、5番目スタートであるが、1台、2台とスタートして行く中、作業も仕上げに入り、渡辺選手がマシンに乗り込み、コンセントレーションを高める。

数分後ピットロードエンドで待ち、グリーンシグナル点灯、スタート。完全ウェットである。1周2周とタイヤを暖め、3周目ヘッドライト点灯、アタック開始。今回のBGMはユーミンシリーズ第2弾「ナビゲーター」である。かなりスローテンポな始まりの曲である。そんな中渡辺選手のアタックが続く。モニターTVが追う。”例の”100Rも速い!しかし今の富士は前半速くても後半のセクションが遅いドライバー(マシン)もある。渡辺選手も大きなミスは無いが、後半で稼ぐ事ができず、1′53″737!!この時点で4番手。と言っても5台アタックをしての話で、その後のマシンは順当なタイムでSLを終え、結局9位。9番グリッドと順位を落としてしまった。



数少ない応援横幕。

SLに向かう頃には完全なレインコンディションに・・。


いきなり終了でピットに引き上げ。SLは不発。順位を落としてしまった。

9月25日(日)決勝 くもりのち晴れ
路面:ウェット→ドライ

今朝もややしっとりした路面の為、朝一のフリー走行ではウェット宣言が出されているが、スリックで問題無い。渡辺選手が47、45秒台とタイムを刻み、残り11分で高橋選手に交代。更に路面が良くなっており44″667をマーク。これはこのフリー走行トップの0号車から1秒遅れ。しかし10番手。激戦である。しかし昨日のSL以外のドライコンデションではタイムも昇り調子。決勝レースでは今季最高位を狙っている。




決勝日のフリー走行もウェット宣言。

しかしスリックで全く問題無し。タイムは10番手だがTOPから僅か1秒遅れの激戦!


路面コンディションは良い為、富士用カナードに・・・。

不順な天気だったが、決勝前にやっと青空が見えてきた。


スタート前の両選手。暑さ対策に個人差が出る季節。渡辺選手はクールスーツは使わない。

9番グリッドは、今となってはチョッと物足りない位置。

決勝レースは定刻通り午後2時10分、渡辺選手をスタートドライバーに始まった。ところがオープニング100R(金曜にホイール脱落でコースアウトした)で30号車が目の前でスピン!これを間一髪で避ける事はできたが、この隙に何台かに抜かれ17位で2周目に入る。

この後は渡辺選手の追撃が始まり、2周目16位、3周目14位、5周目12位と正にゴボウ抜き状態で順位を上げ、10周目には9位とフリだしに戻す事ができたが、ここからは楽に先へは進めない。だがレースは66周(300は62~3周)先は長い。じっくりと追い上げればよい・・・っと思っていたら14周目「左前サズからカタカタ音がする!」と無線が入りそのままピットへ入ってきた。

ジャッキアップ!メカが飛びつき点検。”特に”異常は見られず直ぐに送り出す。大きなタイヤカスがインナーフェンダーにでも引っかかった程度なら良いが・・。しかし症状は変わらず1周しそのまま帰ってきた。ピット内に入れる、再度点検。年の為NEWに交換しコースに戻す。今度はストレートを1回通過するが「ストレートでフラつく!」と渡辺選手。翌周三たびピットイン。メカが点検する中、渡辺選手もマシンから降り、状況を報告する。10分程各部をチェックするが原因が見つからない。

“走る事”はできるが、とてもレースになるペースではなく、フリー走行のマシントラブルでのアクシデントもあり、大事をとり今シーズン初リタイヤを決める。



オープニングのアクシデントは間一髪ですり抜けたが、大きく順位を落とす。

14周目異音で緊急ピットイン!


ガレージに入れて点検するが、”決め手”が無い。

渡辺選手から状態を聞くが・・・。


一度コースにも戻すが、症状変わらず。大事を取り結局今シーズン初のリタイヤ。

2005年 SUPER GT第6戦 GT300クラス
予選9位 : 決勝 リタイヤ
獲得ポイント 0点 累計ポイント7点 チームランキング11位

これまで幾度かのリタイヤがあるが、クラッシュ、ミッション破損、ドライブシャフト破損等、全て原因がはっきりしており、走行不能又は破損箇所を広げてしまうケースばかりであった。今回の様に、何が原因か?が、ハッキリしないが、走行可能状態で「異音がする、振られる」と言う、症状のみのケースでリタイヤは初めてである。無論この「異音、振られ」を、ベテランの渡辺選手が危険と判断すれば、それ以上の走行は出来るものではない。

2日前のホイール脱落と言うアクシデントを経験した渡辺選手が、「異音、振られ」にナーバスになるのは当然であり、またこれらから来るトラブルは大事故に直結する可能性が高い。先のホイール脱落も、周りのマシンと絡まなかった事や、ここフジスピードウェイは全面改修され、安全性が高まっていた事。また発生地点がセーフティーゾーンを充分に利用できる地点であった事。などラッキーも重なり、大事にはならなかったにすぎない。

今回の「異音、振られ」のトラブルがレース終盤、しかも高順位で発生していたらどうしていたか?今年8月のポッカ1000㎞で、トップを走っていた18号車が最終盤、やはり異音から、残り5分でピットインさせ優勝を逃している。

リザルトか?安全性か?は、論ずるにも値しない事はわかるが、現場での決断は厳しい選択である。

それにしてもモータースポーツは「ドライバー」、「マシン」、そしてそのメンテナンスを任された「メカニック」との信頼関係で、初めて成立つスポーツである事を痛感させられた1戦でした。



リタイヤのお陰で撤収が早い、お隣のトレーラは殆どカラだが、こちらは最終の”荷物”となるマシンが既に納まった。

雑用係の仕事。

このGTレース。プライベート参加とは言え、スポンサーさんが無いチームは殆どないと思う。そうしたスポンサーさんのロゴが入っているのはマシンだけでは無く、テントやパーテーション等にも入っている。

これらをきれいにしておく事も重要な仕事なり、これらも雑用係の仕事となります。



これはテント横のバナーパネル。清掃しているのは”雑用係”ではなく舘師匠です。

これはサインマンエリアテント。掃除をしているのは”雑用係”。