モータースポーツ

2008年ル・マン初参戦・フランス紀行(渡仏・試走)

ル・マン24時間
2008年05月30日

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ル・マンへ・・・渡仏・試走・・

5月27日(火)

 今日からのル・マン24時間レース参戦の為、約3週間お店を空ける。日常の仕事を連日の残業で片付けた。と言ってもやり残しも一杯。お店の皆

さん、よろしくお願いします。お土産買っていきます・・・多分。
 中部国際空港セントレアから午前10時に飛び立ち、空路12時間半。パリのシャルルドゴール空港に到着。
  時差マイナス7時間の現地は午後4時。
  連日の残業と、出発の準備で完全な寝不足。それもこの空路で取り返そうと機内では爆睡。
 今日からの新体験に対する、期待と不安が交錯し、興奮?疲れ?時差ボケ?全部がミックスされた何とも言えない気分。

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出発前、手前2人がカーズ東海スタッフ。
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これはまだ長野県上空。先はまだまだ・・・
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昼食の後、4時間程爆睡して外をみたら、似た様な雪景色!これは何処の国でしょう・・多分ロシア上空。

 もっとも長い旅程のここまでは、飛行機が勝手に運んでくれるので手間はかからないが、ここからル・マンまでは、レンタカー移動。
 空港で待ち合わせた豊川メカは、何と3日前までドイツのニュルで24時間レースのメカを終え、イギリス経由でここへ到着。
 もう一人、ムーンクラフトの浜名さんが成田から到着。浜名さんは英語バリバリで、彼と落ち合えないとお先真っ暗だ。
 ところがパリは雨。
 レンタカーを借出し、不慣れな(って初めて)道を、地図と、ワイパー越しの標識を頼りに一路ル・マンへ・・・。
 パリからル・マンまでは約200km弱、高速を順当に行けば“多少”迷っても4時間もあれば着くだろう・・・と読んでいた・・・っが・・。
  やはり地図のシミュレーション、とルート画像のプリントだけではかなわず(現在地が判らなくなったら終わり・・)あっちをグルグル、こっちをグルグル!NAVIに慣れた日本の現代人大変。
  それでも何とか日にちが変わる前にはホテルに到着。
 先発隊と合流。(ハグは無いけど・・)
  やっと一息ついて本日は爆睡。
  本日は、素人旅行記でした。

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雨に煙るシャルルドゴール空港。
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ターミナルビルまではバス。何かライト周りが洒落てる。
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私(竹内)他3名は元気。左から池田(長良北店)・尾関(鵜沼西店)・高橋(半田乙川店)。
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紆余曲折はあったが、雨の中レンタカーでル・マンを目指す。
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当たり前だが、フランス車が多い。周りは殆ど、ルノー、プジョー、シトロエン、少しドイツと日本車。
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異国の街並みを楽しみつつル・マンへ・・・。これでまだ午後9時。
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午後10時半頃久し振りの夜を迎える。もうル・マン市内だが、またまた迷う。ホテルまであと少し・・。

担当:竹内

5月28日(水)

 起床!
 ここはどこ?ってフランス、ル・マンだ。昨日と打って変わって快晴の朝を迎える。
 今日は時差ボケの修正と、疲労回復、環境への順応など等を兼ね、クラージュの工場や、サーキット等を見学。徐々に準備を進め明日から本格的にピットの設営に入る予定。

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これから約3週間滞在する、Hotel ibis。サーキットから4~5kmの場所。
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クラージュの工場。
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工場の一角で、メンテナンスが行われていた。我々は、マシンとは3ヶ月振りの対面。
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昨日まで、別働隊がミッションケースを持って、ドーバー海峡を渡り、メーカーのヒューランドでミッションを組み付けていた。
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このトレーラーでサーキットまで、マシンや機材を運ぶ。僅かな距離だが人手では無理。
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すぐ隣では、東海大学のマシンがメンテナンスを行っている。
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今度はサーキットへ・・・。これはピット上のスタンド。旗がたなびき24時間レースの準備が進む。
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主催者ACOのトレーラー。これは多分車検か?何か?の準備。
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各チームも設営準備が始まる。
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市街地コースに出てみた。ユノディエールと呼ばれ、以前は6kmのストレートだったが、今は途中2箇所のシケインが設けられた。勿論普段は一般道。
 サルトサーキットイラスト
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左へ入る二つ目のシケイン。普段は入れない(入りにくい)様になっている。
 サルト・サーキット地図
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そのストレートエンド、ミュルサンヌコーナーと呼ばれ、やや右に曲がっている。(右端に見える)一般道としてまっすぐ来ると、ロータリーになっている。
高橋選手の“鬼門”だ!とささやかれている。
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次のインディアナポリスコーナーへ向かう、ゆるく右に曲がったストレート。林の中を全開!途中の看板はレース時の広告用。
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レーシングテイスト漂うインディアナポリスコーナー。ここも一般道。
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ここはコース外。右のスタンド前は、市街地コースとブガッティサーキットとの合流点付近。この合流はル・マン24時間レースのみ。
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右手前コントロールタワー、奥がグランドスタンド。24時間レースでは超満員となるらしい。
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グランドスタンドのビル。(正式名称は知らない)
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正面ゲートの看板。レースウィークになると、付近の景観は一変するとか?!

担当:竹内

5月29日(木)

 この地の空気にも慣れてきた。
 と言っても、ホテルとサーキット、ガレージを行ったり来たりしてるだけ。
 会う人々も現地の方ではなく、同じ日本のスタッフばかり。
 ピットでは、各チームマシンが搬入されたり、世界的イベントのレース向けた準備が整えられていく。

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昨晩、ドーバー海峡を越えて持ち帰ったトランスミッション。
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それがマシンに組みつけられていく。
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ル・マンのメカ用ウェアを試着。最も長身な竹内はチョッと短いかな?上下方向LLだったけど・・。
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パッドクへ行くと、主力タイヤとなるミシュランのトレーラー長蛇の列。
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ピット内の設営の為、マシンがピット前に出ている。優勝候補のアウディ。レーシングディーゼルサウンドが楽しみだ。
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クローズドボディ(屋根付)を新開発してきた童夢チーム。もうひとつの日本からのエントリー。できたてだが、直前のスパフランコルシャンのテストで、かなり好タイムマーク。ポール候補の一角。
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これはGT1クラスのイギリス、アストンマーチン。「007」=「アストンマーチン」が判る方は古い方?通の方?
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これはGT2クラスエントリー。オランダのスーパーカーメーカーのスパイカーC8。
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マーシャルカーは全てアウディ。後は有名なROLEXの時計台。
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そして、その時計台横が表彰台となる。

担当:尾関

5月30日(金)

 ル・マン24時間レースは公道を使用するレースの為、通常テスト走行ができませんが、レースの2週間前6月1日(日)に、このコースを使用できるテストデイが設けられています。
 以前は5月初旬だったのですが、アメリカや日本など遠隔地のエントラントが2回も輸送はできない(時間的にも経済的にも・・)と、2週間前に行われる事になりました。
 しかし3月に走らせてから、今日まで一度も走らせていないマシンを、いきなりこのテストデイで走らせるのはあまりに無謀。
 セッティング以前、各部の作動(特に組んだばかりのミッション等)を確認する高速走行をしようと、サーキットに隣接したル・マン空港の滑走路で試走する事にしました。
 空港と言っても、旅客機が飛び交う空港ではなく、小型の自家用機が数本離発着する程度のローカル空港。
 午後9時から(と言ってもフランスは充分明るい)の走行予定で、この日パリに到着したドライバーも走行直前に合流。
 試走と言っても、滑走路だけにストレートを行ったり来たりするだけ。
 それでも200数十km/hは出せるので、各部のチェックには充分。走らせないより遥かに・・・
 とりあえず大きなトラブルも無し。

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レーシングスーツで“仁王立ち”は、前日フランス入りした寺田選手。今日到着した高橋、加藤選手等を迎える。
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今日は近くの“滑走路”での試走。高橋選手(中)、加藤選手(右)は空港から直行で、マシンのある、ここクラージュオレカのガレージにやってきた。
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空港まではこの積車で運ぶが、車高が低いのでヘビーロングな道板が必要になる。
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すぐ“隣”の空港へ向け出発。機材、工具、スタッフを乗せた伴走車も何台か続く。
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空港到着。工場からここまでは直線距離なら数百メートルだが、車で行くには、大外周りで10分少々。
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ル・マン空港と言っても、自家用と思われる、小型ジェットが駐機するローカルな空港。
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僅かな走行とは言え、ガソリン、バッテリー、高圧窒素ボンベ、インパクト等各種工具・・・、それなり機材がかなり必要。雨が降らなくて良かった。
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パソコンを接続し暖気運転。各センサーの作動もチェック。
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タイヤ、カウルを装着しスタート準備。これでも既に午後9時。
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まずは寺田選手がドライブ。
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半月前にこの地に来てからは勿論、日本でコンテナに積込まれた3月末依頼、久々の実走行。
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200m程先の滑走路を“疾走?”するマシン。
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一旦走り終えて、各部目視チェック。特にオイル漏れ・・・。
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続いて高橋選手がドライブ。2月中旬以来、3.5ヶ月振りのル・マンマシン。
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遠くの方を“音はすれども・・・真っ直ぐ加速してるだけ。
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無事に(当たり前・・)戻った高橋選手。この時間帯にしたのは、もうしばらくして暗くなった時のライトの光量、光軸をチェックしたい為でもある。
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最後は加藤選手。だんだん暗くなってきた中、エンジンも“上”まで回し始め、270km/h以上までマークした。
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1時間、実質40~50分程の走行でカウルは虫だらけ・・。夜間走行はこんな感じになるのか・・。
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この走行は各部の作動チェック。特に組んだばかりのミッション、パドルシフトの作動。大きな問題も無く、午後10時走行終了。積車に積んで・・・。
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サーキットのピットへ直行。明日からはピットでのメンテナンス作業となる。

 明日は車検。そして6月1日(日)はル・マン市街地コースを使った、サルトサーキットでの本格テストが始まる。
担当:竹内