モータースポーツ

2007年SUPER GT 開幕 GT300紫電レース速報!

ニュース
2007年03月18日

 SUPER GT、07年シーズンは昨年から鈴鹿が開幕戦。昨年多くの話題と、それに見合うリザルトを残した紫電も2シーズン目をむかえる。


 4ヶ月のシーズンオフ。いや2月にプライベートテストを行っているので、実質3ヶ月のシーズンオフで足周りの見直し、そして1シーズン戦ったマシンのリフレッシュを行いこの開幕戦に臨んだ。
 16日は練習走行。薄曇りの空は、雨の心配はなさそうだが、数日前まで3月中旬とは思えぬ暖かさから一転、このレースウィークは季節相応の寒さが戻ってきている。
 午前の走行は2週前のテストの延長。というか、確認的な走行。大きなトラブルも無く、加藤選手が2分5~6秒台と安定したタイムを刻み、高橋選手が7~8秒台と伸び悩むこの走行では、加藤選手の5″192がベスト。(この日通じてのベスト)
 午前セッションのクラストップは昨年休止していたGaraiya(ガライヤ)の4″267。全体的にまだ本気を出している感じでは無い。はたして午後は・・・。
 午後も天候は薄曇り、気温も11~12度と変わりは無い。だからと言うわけではないがタイムにも大きな変化が少ない中、13号車エンドレスZが、3″138、62号車ヴィーマックが4″610とそれぞれ唯1台づつが3秒台、4秒台へと入ったが、まだまだ“手の内は見せない”と言った様子。
 高橋選手もスタートを想定して、NEWタイヤで走行に入り、6秒台から5秒台に入ろうかという時に赤旗。その後の300専有時間終了時に、加藤選手もアタック。3秒台に入ろうかという時そのままピットイン。午前のタイムを上回る事は無かった。

音量規制を確実にクリアする為、サイレンサーが
装着された。ややパワーダウン・・。

カラーリングは変わらず。
スポンサーさんの社名変更に伴いステッカー類が変わった。

 17日は予選。今年も予選方式は同じ。午前の予選で、午後のスーパーラップ(以下:SL)進出10台を選抜する。
 アタッカーは加藤選手。20分間の予選開始から12分。各車のタイムを見てゆっくりコースイン。この時点でのトップ101号車MR-S既に2″923!続いて43号車3″408とやはりミシュラン勢がきた。
加藤選手は季節がら、アウトラップ、そしてもう1ラップと充分タイヤに熱を入れ残り時間6分、アタック開始。

 ここ鈴鹿サーキットは、コントロールラインから逆バンクがセクター1、そこからデグナー立上りまでがセクター2、続いて130R、200m手前までがセクター3、そしてコントロールラインまでがセクター4と各区間タイムが表示される。
 その各セクターを自己ベストでまとめて、最終コーナーを下り降りてくる。ヤッタ!3″038!2番手タイム。SL進出は間違いなだろうとピットに戻る。
 その後、13号車も2秒台!それも2″536とダントツのトップタイム。結果3位。SLは8番手スタートとなった。
 混走セッションでは高橋選手が、今回はシケインが課題と、色々なアプローチ、ラインをトライ。混走セッションで6秒台。基準タイムをクリア。
 そして午後2回目予選では5秒台にまでタイムアップ。

 ところがこの予選2回目、終盤で高橋選手から加藤選手に交代し、SLに挑む直前の、マシン確認を行った。しかしこの交代直前なんと他のマシンと接触!見た目には大きなタダメージは無さそうだが、加藤選手からも違和感があるとの事で緊急ピットイン。フロント右ホイールが当たっており、測定するとアライメントも狂っている。まもなく500の走行時間が始まり、20分間の走行終了5分後には300のSLが開始される。それまでに処置をしなくてはならない。SLが始まったらマシン修理は許されない。
 精密な測定、調整はSL終了後に行う事とし、まずは時間内にできる点検、修正を行い、SL待機。
 8番手スタートの時点で、トップは43号車の3″503。ここまでの7台で、午前予選のタイムを上回るマシンは無い。
 SLアタックミュージックは今年もユーミン。“ナビゲーター”の流れる中、セクター1でトップより0.5秒、セクター2までで、何と1秒もタイムを縮めて来た!このペースで行けば2秒台は確実と思われたヘアピン立上り、何と痛恨のギア抜け!一瞬の失速はセクター3に響き、結局3″876と後退。残された101号車、1号車は1回目予選タイムを上回り、順当なタイムをたたき出し、明日の決勝グリッドは13号車、101号車がワンツーグリッド。「プリヴェKENZOアセット・紫電」は5番手スタートが確定した。

公開車検。この時期はまだ寒い早朝。
多くのファンがつめ掛けた。

開幕戦恒例、ドライバー集合写真。
 

予選は予定通りだったが・・・。
 

高橋選手の接触でアライメントに狂いが・・・。
応急処置でSLに挑む事になる。

レースクイーンはメンバーもコスチュームも一新。

 18日決勝日も快晴。体感温度を下げる風は強く、ストレートは追い風となる。
 朝一のフリー走行では高橋選手から加藤選手へ交代する“予定”で、満タン走行を行った。ところがその交代直後スターターモーターが回らず、エンジンが始動しない!結局そのままピットへ・・。加藤選手は満タン状態を確認できないまま、決勝レースをむかえる事になった。
 マシントラブルは、スペアのスターターモーターに交換する事で解決。いつもながら実に“良いタイミング”で発生する。

 今回のスタートは加藤選手。前グリッドのマシンにチャンとレースをされては、トップはかなり厳しい。スタート時の混戦をうまく抜け、順位をキープし初戦は無難なリザルトを残したい。
 レースは定刻通り午後2時フォーメーションラップへ。その周で前グリッドの43号車がなんとコースアウト!優勝候補の一角が最後尾グリッドへと消えた。
 シーズン開幕の1コーナーは、500マシン数台のコースアウトで始まった。それらに巻き込まれる事無く、300のスタートはきれいに切られ、1周目は43号車の後退で、労せず4位へ。
 その後はトップ13号車が、2位以下101号車、46号車そして2号車を引離しに掛かる形で展開。
 8周あたりから500クラスが追いついて来た。それらの集団を利用し、46号車に最接近。加藤選手は11周目ダンロップコーナーイン側から46号車をパス。
 3位に順位を上げたあとも、7秒台の安定したタイムで周回を続けるが、101号車をパスするには至らない。ピットインは30周前後を予定。タイヤライフを考え無理はしない。
 22周辺りから300クラスのピットインが始まり、2、3位を9秒前後引離した13号車は26周目ピットイン。順調にレースに復帰。
 一時的1、2位に上がった101号車と2号車は、32周を終え、同時にピットロードに入って来た。これは全くの偶然。しかしピットワークレースは、101号車に軍配が上がる。ピット進入時より4~5秒ほどリードされ、高橋選手がピットロードを出て、全開にモードに入った頃、101号車既に1コーナーへと消えかかっていた。
 ところがアウトラップ、高橋選手はこのリードをS字、デグナーまでの走りで挽回。NEWタイヤを履いた101号車が、ヘアピンで500に進路を譲った。その隙をついて、同じくNEWタイヤの2号車、高橋選手が500に続いてパス!巧みに2位へと上がる。
 その後も、トップ13号車には20秒近く引離されたが、3位を徐々に引離す7秒台の快走で単独2位を堅守。
 終盤は、ややペースが落ちた13号車より速いペースで追い上げるが、脅かすには至らず、12秒の水を空けられ48周を終え、2位でチェッカー。
 期待以上のレース運び、リザルト。まだまだ初戦とは言え、今シーズンもチャンピオン争いができるレース展開をお見せしたいと思います。

朝一フリー走行でスターターが回らず、
急遽エンジンカウルが外される。

地元鈴鹿サーキットでは、応援バスツアーを企画。
抽選で選ばれた方々を乗せ、コース解説をする高橋選手。

ピットウォークでは加藤選手も並んで記念撮影。
生憎マシンはスターターモーターの修理中で
仲間に加われませんでした。

こちらはパドックツアー。
マシンを間近にご覧いただきました。
 
 

スタート直前の加藤、高橋両選手。
 
 

スターティンググリッド。直ぐ前の43号車は
何とフォーメーションラップで不可解なコースアウト。
(ミッショントラブルらしい)大きく後退。

初の2位。昨年の3位初表彰台と、
初優勝に比べ感激が薄いのは、贅沢な馴れかも・・・。