2007年SUPER GT 第4戦GT300紫電レース速報!
ニュース
2007年06月25日
SUPER GT第4戦は、6月23・24日マレーシア、セパンサーキットで行われた。
セパンサーキットは、紫電にとっては得意なサーキット。
ここで好成績を残さななくては、先が厳しい。
しかし結果は・・・・。
“灼熱の”枕詞が付けばセパン。第4戦マレーシアラウンドである。
第3戦までを2位、2位、5位と順当に戦いランキングは2位。得意コースと言えるここセパンで更に上位を狙いたいところである。
今日の設営日では、夕方からレンタカー試走、2時間半が用意され、特に高橋選手は加藤選手の指導のもと、精力的に走りこみを行い、1年振りの感触を確かめる。
6月22日 練習走行
セパンサーキットはこのレースの直前、コース全面の舗装がし直され、昨年までのデーターがそのまま通用しないが、午前の走行では2′08″065でトップタイムをマーク。
続く午後の走行では路温が少し下がった事や、新舗装の路面にタイヤのラバーがのり、よりグリップが向上。軒並み2秒近いタイムアップ。ランキングトップの101号車の7″169を先頭に8台のマシンが7秒台。加藤選手も7″352で2番手。
これは良い仕上がりに思われた、走行終盤、ブリーザーパイプからラジエター液が噴出してきている。これは昨年もテスト時に出たトラブルで、大事をとってエンジンの積換えを行った。
6月23日 予選・スーパーラップ
メカニックの深夜に及ぶ作業で、スペアエンジンに積替えられ、蘇ったマシン。前戦富士同様、スーパーラップ(一回目予選で上位10台を選抜し、1台ずつのアタックによりグリッドが決決定するシステム:以下SL)への進出も6秒台の激戦が予想される。
その一回目予選は定刻の11時からスタート。昨日の練習タイムからの期待と、夜半の雨で、コースコンディション変化に、マシンのセッティングがマッチするか?不安が交錯する中、20分の300占有時間開始直後、いつも通り8分ほどターゲットタイムを確認して、加藤選手コースイン。
計測2周目、2′07″063の5番手タイム。SL進出の10台は1秒02内に収まり、14位までがこれまでのレコードタイムを更新。(500クラスは16台中15台)
これまでに比べ、明らかにコースコンディション向上しているようで、このコースに合ったセッティングとタイヤをどうチョイス(と言ってもスタートタイヤは確定しているので、レース中の交換用・・)するか?が明日の決勝のカギとなるであろう。
午後からの2回目予選15分は、SLセッティング確認に為、アタッカーの加藤選手のみの走行。
若干の変更を加えてSLに挑むが、時間(気温)と、サポートレース等の走行により、刻々と変化するコースコンディションに、加藤選手も翻弄され、1回目予選タイムを上回る事ができず、07″566で6番グリッドと低迷する。
結局パドックでの噂通りミシュランタイヤ勢の101号車と43号車の2台がワンツーグリッドを占め、ポテンシャルを見せつけた。明日の決勝もまともに走られたら太刀打ちできる相手ではないだろうと思われる。
このレースウィーク、サーキットでの走行時間帯に雨は無いが、夕方から夜半には連日のスコールがある。しかし数時間ずれ込めば、午後4時からの決勝レースに波乱を持込む事は間違いない。これらの“何か”を期待するのか・・?
6月24日 決勝
作戦会議の結果“地味”にレースをやろう。という事になった。ここセパンの暑さは例年レースに波乱を巻き起こす。
マシントラブルだけに留まらず、クールスーツのコンディションも、ドライバーの生命線と言える。
確実に走り切れば、両ドライバーの実力からすれば、それなりのリザルトは期待できるだろう。
「人事を尽くして天命を待つ」作戦である。
快晴でむかえたマレーシアの午後。気温は日陰のピット内でも34度!コース上、マシンの中は50度!以上になるであろう。その中での、1人1時間近いレースドライビングは想像を絶するものである。
今年はマレーシア・日本修好50周年とのことで、記念セレモニーが行われた後、定刻の午後4時フォーメーション開始、1周の後スタート。
すばらしいスタートをきった加藤選手はオープニングラップを4位。しかしそれは計測ライン上の話で、2周目には7位となり、4~7位はまさしく団子状態。
しかしポールスタートの101号車と、43号車のミシュラン勢はワンツー。3位以下が9~10秒台の混走の中、8秒台の快走で独走態勢を築かんとしている。
加藤選手も単独6位となり、9秒台のペースを崩さず、ひたすら”地味“に酷暑レースをしのいでいる。
9周目大きな波乱が訪れた。前の周101号車をパスしトップに立った43号車が単独コースアウト!ガードレールに激突。コースに復帰するがリタイヤしてしまった。
強敵の一角が崩れ、101・4・88・33号車に続き、労せず5位に浮上。
マイペースで走行する加藤選手は、ペースが落ちた33号車に迫り、サイドbyサイドで13周目に突入し、見事パス!翌周4位で帰ってくる。
そこへ更なるNEWSが・・・。101号車のタイムにばらつきが出始め、”貯金“が無くなってきて、14周目には4号車にトップを明け渡すこととなった。
どうやらスタートに使用したタイヤが今のコースには厳しかったようで、21周を終え早めのピットイン、タイヤ交換を済ませてしまった。
4・88号車に続き、暫定3位となるも、9~10秒台ペースの加藤選手は23周目には88号車もパス2位へ。地道な“カメ作戦”は功を奏してきたようだ。
25周目にはトップの4号車もピットイン、暫定トップとなる。
この周回になっても9秒台を維持できる、ヨコハマタイヤと、加藤選手の体力を期待し、32周まで引っ張り、同クラス最後のピットインを行う。
ここまでの燃料消費から給油量も“ギリギリ”まで絞込み、ピットストップを短縮。高橋選手をコースに送り出し、ストレートに戻った時点の順位は、101・4号車に続き3位。順当な位置である。
酷暑の中、10秒台で飛ばす高橋選手に4位の46号車が迫り、39周にはテールtoノーズとなるが、変わらぬペースで42周まで押さえ込む・・・がっ、43周目に入って500マシンに接触!衝撃で右(助手席)側のドアがあいてしまった!
幸いガルウイングドアの為、他のマシンへの影響がない事からオレンジボール(マシントラブル等による、強制ピットインの指示)が出される事は無かったが、速度によってドアがかなり持ち上がり、空力と精神的な影響で12秒台にペースダウン、47周までに6位にまで下がってしまった。
幸い?開いたドアは、その後の他のマシンとの接触で偶然閉じたのだが、新たな問題が・・・。「ガス欠症状が出た!」との無線。残り3~4周だが、タイムもがっくり落ち、ストレートでのエンジン音もバラつき始めた。
緊急用のリザーブ燃料も使い、何とかトップと同一周回でチェッカーはうけたものの、その直後1コーナー手前でマシンは止まってしまった。順位は更に下がりポイント圏外の11位。得意のセパンで、この結果は全くの予想外。
地味なレースを目指したが、波乱を作った1台で終わってしまった。