モータースポーツ

SUPER GT FUJI メーカーテスト

ニュース
2007年09月13日

SUPER GT300クラスランキングトップにたった、第7戦モテギから中1日後の9月11・12日の両日、今シーズン最後のテストが、最終第9戦の地、FUJIスピードウェイで行われた。

加藤選手何してる?
↑加藤選手は何をしているのでしょうか?クリックしてください。

9月11日(火) テスト初日 くもり

昨年はタイトルを、“両手で持ち上げた”ところで滑り落ちた。と言うか“落としてしまう”という屈辱を味わったが、幸い今シーズンも、ここまで首位争いに加わる事ができている。
これはドライバーの実力、スキルUP、メカ、エンジニアの工夫、努力、タイヤを含めたマシン、エンジンの改良、そして数々の幸運と、多くのファン応援に助けられての事である。


一部ガムテープ補修があるが、幸いモテギでは殆ど無傷。ウェイトは80kgそのまま。次のレースで、このウェイトを降ろすようなリザルトなら、タイトルは無理だろう。

富士用のフィン。その他ギヤレシオ変更等、モテギから即日移動、設営。そしてこれらの仕様変更、慌しい1週間である。

ドライバーの実力としては、高橋選手のスキルUP。これは今年も続き、昨年のタイムに比べ、各サーキットで約1秒以上のタイムUPと、そしてレースでの安定性。
今年のレースでは全て(ポッカ1000km以外)、レースの後半を走っているが、確実にマシンをチェッカーまで導いている。
これはマシンのハードに、あれこれ手間ひま、お金を掛ける事から比べれば最高のコストパフォーマンスとも言える。
それを手助けしている、マシンの抜群の安定性。これはメカのメンテナンスの努力以外何ものではない。
モータースポーツは道具を使う。その道具たる“紫電”そのものが壊れない訳ではない。
事実現場では、それなりに壊れているし、昨年のレースでも2回グリッドに着けず、ピットスタートを喫している。
しかしそれでも全て完走。おまけに1回は6位である。
もっと上級カテゴリーでも、マシントラブルでスタートすらできなかったり、1周でレースを終える場面は決して珍しいものでもない。
このレースでのノントラブルが、1.5シーズン以上、16戦も続いているとなれば、単に幸運と捉えるには、メカに対し申し訳ないと言える。
むしろ幸運と言えるのは、強敵の脱落である。特に今シーズンは、昨年欠場していた43号車Garaiyaが復活し、予想通り素晴らしいパフォーマンスを示したが、第3戦の優勝以外は不運にもトラブルやコースアウトで脱落している。
またF3の若手コンビの101号車も、2回の優勝を含め、開幕から4戦連続表彰台!このまま逃げ切られるかと思ったら、後半の話題提供の為か、5戦から失速。第7戦モテギで、我々に一時ランキング首位を譲ってくれた。
このランキング2、3位のミシュランタイヤ勢、残り2戦連勝が決して不可能なマシン、ドライバーではないだけに、最大の脅威である事に変わりは無い。
その他、今シーズン表彰台に上がっているライバル全て連勝の可能性もあり、はたまた我々でも無得点の可能性はある。まだまだ予断の許され無い残り2戦である。


この日は幸い?曇り。気温の下がる1ヶ月以降に、より近いシミュレーションができる。

9月末開催のF1日本GPに備え、各所に仮設スタンドが出来上がっていた。

今回のテストは、最終戦FUJIのシミュレーションは勿論だが、その前10月のオートポリスの為のテストでもある。
昨年初優勝を上げたオートポリス。紫電の最も得意なサーキットであり、それをより確実にする為のタイヤテストでもある。
テスト初日は午前、午後共2時間づつ計4時間のテスト。トータル90周ほどを加藤選手によるタイヤテスト、高橋選手はスキルUP走行と順調にこなし、加藤選手は1′43″948、高橋選手1′45″545と、それぞれのベストタイム。ま~ボチボチといったところか…。


トラブルも無く順調にテストは消化される。

高橋選手はパソコンで、加藤選手のロガーと見比べ、タイムに差の出る違いを知る事で、ドライビングに反映させる。

この日は開発車両2台含め500クラス18台、300クラス8台とゆとりの台数だが、殆どが500の為、より後方の注意が必要。

数字の上では、次のオートポリスでタイトルが決まるかも知れないが…恐らく最終戦までもつれ込むであろう。

9月11日(火) テスト2日目 雨のち濃霧・くもり

今朝は朝から大雨。早朝、静岡県の一部地域に大雨洪水警報が出たほどである。これらは前日に予測された為、午後からの晴れを期待して、走行時間も午前は10時から1時間、午後は2時から3時間の計4時間に変更された。
しかしサーキットでは、雨は小降りになる事はあって終始コースを濡らし、午前は勿論、午後もウェット走行となった。おまけに濃霧も加わり、視界不良の為、走行開始の遅れと、中断。


テストの時はパーテーションを設置しないので、広いピットが更に広く使える。雨が降ったらカウルは中における。

風は無いが、しっかりとした雨。早朝この地方には大雨洪水警報が出たほどの天気。

“安定した”ウェットコンディションであれば、それなりにテストメニューが決められる。

雨が止んでも、日が差さず、風も無いので、コースが乾く事はない午前セッション。

この日、スリックタイヤでの走行は、終了間際の20分程であった。
それならそれで、この終始ウェットコンディションは貴重な時間。次回オートポリスも山の中、充分雨の可能性も高い。(05年も、雨と霧がすごかった。)
レインタイヤの各種比較と、高橋選手のこうしたデリケート路面での特訓と、おおむね前日と似たようなメニューがこなされた。


午後はこの霧。FUJIは、こうした経験が多い気がする。

スタートが1時間ほど遅れ、ただただピットで待機。

今回のテストは通常500クラスのメーカーテストだったものを、4月のSUGO同様、300クラスにも門を開けていただいたのだが、シーズン終盤という事もあり、300クラスの参加台数は元々少なかった。
そこに加え、直前のモテギレースで破損したマシンもあり、300マシンは8台しか参加は無かった。
今日はタイム的には前日を上回る事はできず、このコンディションでは単純にタイム比較は、意味が無いかも・・・。

今月末の開催されるF1日本GP。FUJIでは30年振りとはいえ、実質初開催みたいなもの。この日の様な、濃霧が発生しない事を祈りたいところ。


視界が戻り走行開始。でもこんな感じ…。

高橋選手の課題。サインボード確認の徹底。時おり無線連絡無しに、ピットインのサイン(BOX)を出す。結果は…もう少し続けなければ…。

セッション終盤ではスリックタイヤ走行も可能に…各部セッティングをドライ用に変更。

終了間際もこの霧。F1大丈夫かしら…。