モータースポーツ

2011:SUPER GT第5戦

2011シーズン 紫電
2011年09月06日

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今年で40回目を数える真夏の鈴鹿Pokka耐久レース。
1966から始まり、走行距離は500km、1000km、12時間、またスポーツカー世界選手権、全日本選手権が掛かったりと多くの変遷を経た日本で最も歴史があるレースである。
1994年からはタイトル名に、冠スポンサーであるPokkaが加わり、「Pokkaインターナショナル1000km耐久レース」となり、2006年からはSUPER GTの1戦に加えられた。
2009年SUPER GTシリーズが2Day開催への変更に伴い、距離が1000kmから700kmに短縮され、今年は東日本大震災に配慮し500kmへと更に短縮されたが、シリーズ全8戦中、最長距離であることには変わりはない。
近年1000km、700km程度でもスプリントに近いレース展開であったが、それが500kmともなると、通常のレース(今年は250km)と変わらない展開となることとは必至であろう。
シーズンも後半に入るこの第5戦は、毎年多くの応援をいただいている地元東海地方の鈴鹿。
ここまで4戦は、些細なマシントラブル、走行中にドアが開くといったアクシデント、また前戦SUGOでは、ピットクルーの連係ミスにより表彰台を逃す事となり、ドライバーに報いるレースができていない。
ここで優勝・・・最低限表彰台をとらなくてはシリーズチャンピオン争いには残れない。
また今シーズン、エヴァンゲリオン初号機として新たに多くのファンの方々からの熱い応援をいただきながら、まったくカッコいい所をお見せできていない。
そうした方々と、表彰台の上からシャンパンシャワーを分かちあえるレースを是非お見せしたい。

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この時期としては穏やかな暑さ。午後からは雨予報。
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公開車検。エヴァ初号機、弐号機共、未だ成績が芳しくない。
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チームの地元、ここ鈴鹿で一矢報いたいところだ・・・。

8月20日(土) 練習走行/曇

例年であれば、決勝レースの夜間走行に備え、練習走行にも夜間セッションが設けられているが、走行距離が短縮、日没前にレースが終了する為、今日の練習はいつも通りこの午前の105分のみ。
7月末のタイヤメーカーテストに参加し、今シーズンの走行データーはそれなりに豊富。
まずは加藤選手の走り出しで、2種類ほどのタイヤテストを行い2′07″309の4番手タイムを出し、高橋選手に交代。
計測8周を2回合計20周ほど走行。
ラップタイムも10″630をベストに、安定して10秒台マーク。
レースラップとしては決して悪くないタイムである。
高橋選手にとっては、タイムアタックでのイッパツタイムより、安定したレースラップが重要である。
マシンは特に問題も無く、走り出しのセッティング大きく変えることも無い。
今回の予選はノックダウン方式。1回目予選+Q1で基準タイムをクリアした上位16台がQ2へと進み、続いて上位10台が最終Q3へと進みポールポジションを頂点とした10番グリッドまでを決める。
心配なのは、午後の予選において、降水確立が高い事である。
無論ズット同じコンディションとなる雨であればいいのだが、コースコンディションが変化していくとなると、2名のドライバーが基準タイム(クラストップ3の平均タイムの105%以内)に入り尚且つ、今回のノックダウン予選のQ2への進出枠16台に残る事が難しくなる。

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初号機が睨む中、練習走行はいつも通り加藤選手から・・・。
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4番手タイムを出し“ドライでは”好調。結局ドライはこのセッションだけだった。
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サポートレースの間に雨が・・・。突然降ってきた。

予選1回目+Q1/曇り

12時55分からの予選は300・500混走が30分、そしてクラス専有がそれぞれ10分間である。
幸いにも、天候は曇り。まだ雨は落ちてこない。
どうやらこのセッションは持ちそうである。
走り出しの高橋選手、直ぐに09″956の自己ベストをマーク。
基準タイムはまったく問題なし。計測3周で早々に切り上げ加藤選手に交代。

まずは07″273でトップに立つが、クラス専有時間に入ると88号車のランボールギーニが06″952でトップに奪う。
無論ここでの順位は大きな意味を持たないが、そこはレーシングドライバーの意地!
06″873で加藤選手が再びトップへ・・。上位16台が選抜され2時間後のQ2を待つ事となる。

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深溝レインタイヤは勿論・・・。
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足回りもレインセッティング変更。
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予選、Q1は問題無く通過し、Q2に臨んだが・・・。

ノックアウト予選Q2/雨

Q2前に振り出した雨は、コースを完全なウェット路面へと変えた。
Q2とQ3は同じドライバーは走行できない。今の高橋選手ではQ2突破(16台中の上位10台がQ3へ進出)は難しいので、ここは加藤選手がアタックし上位10台に残る事が優先課題である。5月の岡山戦と同様である。
このQ2は僅か10分間。
ウェットコンディションでの1周は約2.5分。
アウトラップ(ピットから出てコースに入る周)が約3分とすると、計測は3周、コースインが早く、タイミングが合えば4周・・・。
3周計測で充分と判断した加藤選手は殆どのマシンがコースインしてから充分なインターバルを取ってコースイン。
計測2周目に24″094のベストタイムで5番手。
だがマシンが走行する事で、コース上の水がはけ、このままでは他のマシンのタイムは更に上がるだろうと、更にタイムアップを目指しそのままアタック。
ところが、ペースを落したマシンに引っかかり加藤選手の最終アタックは不発。
他のマシンがチェッカー受け、2号車の順位は下がり、最終的には11番手、想定外のQ2で敗退・・・である。

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少ないアタックラップの最終・・・。
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遅いマシンに引っかかりアタック不発。
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まさかのQ2敗退。“仕事を終え”チームオフィスへ引き上げる加藤選手。
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この日紫電のアキレス腱とも言える、スターターモーターの不調が再発。
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緑のホースは停車時にモーター(正確にはマグネットスイッチ)冷却用のエアを送る為に新設した。
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作業は深夜まで及んだ。

8月21日(日) フリー走行/雨

この500km(87周)というレース距離、500クラスにラップされる300は実質460~470km(81?82周)、「エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電」の場合、2回の燃料満タンで走れるか?どうかギリギリの距離であるが、レギュレーションで2回のドライバー交代を伴うピットストップが義務付けられているのでそれに伴った作戦をとる。
また通常のレースと同様、一人の最大走行周回はレース距離の3分の2(57周)以下と決められている。
逆算すると1人は最低25周は走っておかなくてはならない事になる。(最低周回義務は無い)
今日、高橋選手は久々の雨の鈴鹿を走るのだが、走り慣れたコースでもあり、特に問題は無いと思われた。
ところがいざ走り出して見ると、全くペースが上がらない。
他のマシンの(平均的な)タイムが2分30秒を切り始めても、高橋選手は35秒前後、あまりに遅すぎる。
渡邊エンジニア「高橋さん、あまりに遅すぎますが、何かクルマ調子おかしいですか?」と聞いてしまうほど・・・。
高橋選手「クルマは問題ない。オレの問題だ?!」
どうもリズムがつかめないようだ。
最後に加藤選手が確認の為乗って見ると25秒台。
確かにマシンに問題はなさそうであるが・・・果たしてどうなる。

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決勝日の雨を恨むエンジニア、シンタロー。
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この雨はひどく、朝一決勝レースの、S-FJをグリッドに並ばせる事無く中止に追い込んだ。
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GTのフリー走行までには小降りになったがヘビーレインに変わりは無い。

■決勝スタート直前のコメント

■渡邊エンジニア
(グリッド上で) 「予選は・・・あれは・・(沈黙)・・・不運(笑)かな・・・。誰が良いとか悪いとかではなくて・・時間が無い中で(前車とのインターバルを開ける為)スピードも落とせない中、前に引っかかっちゃって加藤さんがタイム出せなくて今の順位になっちゃったのはしようがないかな・・・ってとこですね。ただ雨は・・決勝に向けてドライなら“(力を込めて・・)絶対なる自信が”あったんですけどチョット厳しいですね。ま~頑張ります。」

■加藤選手
(スターティングセレモニー中、ピットに戻っていて、再びグリッドに向かう途中) 「ま~雨次第。出たとこ勝負になるんでまずは生き残りで頑張ります。」

■高橋選手
(グリッド上で)「雨なんでどうなるかわからない。やるだけやるしかない。あの(ピット応援に来てくれた)ゆうき君から絵も貰ったし、頑張ります。表彰台に上がったらあの絵持って上がります。」

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開始から15分経過。走り出しの高橋選手未だ15番以内に入れず・・・。
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今回は加藤選手かた高橋選手への交代もあるので、幾度かの交代練習を行う。
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紫電応援席から抽選でピットツアーに訪れたお客様方。
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ドライバーは、ファントークショーや・・・。
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ピットツアーの方々との記念撮影・・・、
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グランドスタンド応援席挨拶と忙しい。

決勝レース/雨

想定済みとはいえ、やはりウェットレースとなる。
雨は小降りとなり、ウェットタイヤを、深溝とするか?浅ミゾとするか?チームよって異なるといったコンディションである。
約3時間となるこのレース、空模様、天気予報、風、コースコンディション、他チーム動き、(特に選択タイヤ)とのにらめっこのレースとなるだろう。
深溝タイヤを選択してスタートした加藤選手。
激しいウォータースクリーンの目隠しに乗じて、26号車が1コーナーアウト側から、加藤選手の前に出る。
だがこの雨“も”得意とする加藤選手が抜かれたのはこの1台、この時だけで、逆バンクでまずこの26号車を抜き返し、スプーンカーブでは86号車を抜き、オープニングラップ10位。
ここから加藤選手、「エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電」の使途撃破の走りが始まる。
2周目、FIAGTの27号車イカ娘フェラーリをヘアピンで撃破9位へ。
先行するマシンの中でも、88号車は3台のランボでもっとも元気な走りでドンドンと前をこじ開けていく。
4周目にはダンロップ登りで88号車と共に、87号車(ランボ)をインからパス。
トップは、雨に別格の走りを見せるブリジストンタイヤの43号車ARTAガライヤ、続いて62号車レガシーB4、33号車半コックポルシェ、14号車IS350、5位以下、4号車初音ミクBMW、25号車ZENTポルシェ、88号車ランボルギーニ、そして8位が2号車エヴァ初号機・紫電と続く。トップとは13秒差前のランボとは0.4秒差である。
6周目には88号車がシケイン進入で一瞬25号前に出るが大きくアウトに膨らみ再び抜き返され、そのホームストレート通過後、1コーナーで再度88号車前に出るといった熱い接近戦を演じている。
加藤選手の次なる相手は25号車となり7周目、裏ストレートから130R進入で2号車、25号車の2台を抜き去った500クラスの12号車がコースアウト!
その12号車がランオフエリアを走り抜け、130R出口でコースに戻る事を予測した25号車が次のシケインに向けマシンを早めに左に寄せる。
そのがら空きになった25号車の右側に入って立ち上がる2号車加藤選手。
シケイン手前までに25号車の前に出て7位へ!!
この頃になるとスタート時の雨は上がり、マシンの走行に伴い水がはけていく。
マシンによっては、ストレートを始めラインの自由度が高い場所では水のある場所を選んで走行している。
タイヤによっては、発熱が大きくなりすぎてトレッド(タイヤ表面部分)が削れ飛んで、タイヤが壊れてしまう為である。
渡邊エンジニア「タイヤ大丈夫??(他のマシン)水さがしながら走ってる。ソフト選んだところはきつくなってる。」
加藤選手「うちは大丈夫!大丈夫!」
心強い返事が返ってくる。
それを証明するかの如く10周目にはペースの落ちた4号車BMWをS字でオーバーテイク6位。
11周目にはS字で14号車ISを、最終シケイン侵入で33号車ハンコックポルシェと2台を抜き一気に4位へとジャンプアップ。
この時点でトップは62号車、続いて43、88号車そして2号車「エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電」。
トップとは23秒、2位にも20秒差。この2台の速さは驚異的であり、88号車もジワリジワリと離れて行く。
しばらくは単独4位走行が続く。
雨は止んでいるが、コース上乾いている部分は見えない。
後方のマシンの中で、この路面、今後の路面コンディションに合せ早めのピットインでタイヤ交換をするチームがで始めた。
最初に動いたのは12周を終えランキングトップの11号車フェラーリ。続いて14周目には14号車。
それぞれ9位と6位を走行していたが、共にインターミディ(浅ミゾレイン)を装着してレースに復帰。
気になるタイムは22?23秒台!!トップグループより2?3秒は早い。

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グリッド上、ドッと降る程でもなく、深溝かインター(浅溝)か迷うところ・・・。
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昨年紫電をドライブした濱口選手(右端)は昨日、今日と2戦行われたGtAsia連勝。
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レース序盤4周目頃。11番グリッドから8位に上がっている。

“現時点”ではインターミディが正解・・・だが20周を過ぎた当たりから西コースで再び雨が降り始める。
前を行く88号車も26周目ピットイン。3位に上がる。
30周を過ぎ2号車の40秒以上後ろ、4位、5位は11号車、14号車。大きなリードだが既に1回のピットストップを終えているので先行しているとはいえないが、再び降り出した雨の為、インターミディタイヤのアドバンテージは無くなったようで、加藤選手とラップタイムの差は殆どない。
2号車のピットイン予定は40周前後。
そろそろ準備に入るが・・・
渡邊エンジニア「高橋さんの(浅ミゾか?深ミゾか?)タイヤどうしましょう?」
コース全体の状況を一番良く分かっている加藤選手聞いてみたが・・・
加藤選手「迷うな?。」
1コーナー方向も相当な雨雲が見られ、結局両方準備しておいて直前に決めるしかない。

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約20周、50分程経過すると、雨も一時上がり、コース上の水は無くなってきた。
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YOKOHAMAの石黒エンジニアと“今後”について打ち合わせるエンジニアシンタロー。
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他チームの装着タイヤ、その後のラップタイムなどは重要な情報なる。

38周を終え、予定より若干早いピットイン。
まだ“雨はある”という判断から深ミゾタイヤを選択。
ドライバーは高橋選手に交代。ほぼカラとなった燃料給油、タイヤ交換・・・と、ピット作業は、長いが順調に進む。
が、この間にコース上ではアクシデント発生。
セーフティーカー(以下:SC)が入っている。
マッチャン(ヘアピンからスプーンに向かう高速コーナー)で500マシンがクラッシュしたのである。
SCが入ると基本的に赤旗、レース中断となる。
全車スロー走行でSCの後方に隊列を成し、ホームストレート上でクラス別に整列。
クラストップ車両より前の車両だけは、コースを1周し隊列の後方に並び、再びSCの先導により数周後の後レース再開となるのである。

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出番を待つ高橋選手。
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1回目のピットイン。直後にセーフティーカーが出る。
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メインストレートで整列。仕切り直し。(矢印が2号車エヴァ紫電)

SC先導によるローリング時点で5位となったいた。
3周のSC先導が終わり、レース再開43周目に突入。
ローリングでタイヤが充分暖まらなかった高橋選手、1コーナで11号車に先行を許してしまう。
続く2コーナーでは元気“だった”4位の88号車がスピン。
このリスタートの混乱に巻き込まれぬよう慎重に各コーナーをクリアするものの、その後33号車と74号車カローラにパスされ7位に後退してしまう。
コースコンディションは激しい降雨はないものの相変わらずのウェット。
朝のフリー走行では、より激しい降雨の中、全くペースの上がらなかった高橋選手。
この順位をキープできるのか?
翌周には26秒台、その後は25秒台と好タイムをキープ。
46周目には26?27秒台で先行された74号車をスプーン1つ目でパスし自力で6位に戻し、更にリード広げていく。
ところが48周目にシケイン進入でインに入る高橋選手2号車と、アウトから入った500クラストップの1号車のラインが交錯。
共にスピンストップしてしまう。
マシンに大きなダメージはなく、直ぐに再スタートを切るが順位は8位に落ちてしまう。
再び追撃を始める高橋選手のモチベーションは下がる事無く、25?26秒台をキープ。
先行する6位の74号車、7位の87号車より2秒前後早くまた後ろも気にする必要が無いラップタイム。
朝のフリー走行から覚醒!
素晴らしい追い上げを展開している。
50周を過ぎると、義務ピット(2回)を完了するチームも出始め、我々も見かけの順位こそ上がれど、正確な順位の把握が難しくなってくる。
またこの頃になると、僅かづつだが路面が乾き始めて来たようで、インターミディで19秒台もで始めている。
この2回目のタイヤ交換でドライ(スリック)タイヤを選ぶか?ウェット(インターミディ)タイヤを選ぶか?勝負分かれ道である。
“このまま”順調に乾けば、圧倒的にスリックタイヤが有利だが、また雨が降り始めたら、残り周回(約30周)を考えたらスリックでは勝負にならないし、再度タイヤ交換をすればかなり順位は下がってしまう。
結論はもう少し様子を見ようという事に・・・。
スリックでコースに出たマシンタイムがまだそれほど上がっておらず苦戦中。
いまだリスクの方が大きそうである。

61周目、2度目のピットストップを終えたトップ3の一角、43号車が突然コース上でストップ。
何らかのトラブルで火が出たようで、消火剤をかけられている映像が映し出される。
レースも残り4分の1とはいえ、まだ何が起こるか分からない。
空は相変わらずの黒く厚い雲だが、その後雨は降ってこない。
ピット前の路面はまだ濡れているが、マシンが疾走するコース上は乾いてきている・・・ようだ。
高橋選手「カトチャンなら大丈夫!ライン1本は乾いている!!」
既に2回目のピットインを済ませたマシンも最後の勝負出る為、タイムロスを覚悟でインターミディタイヤからスリックタイヤに交換するべく3回目のピットに入ってくる。
勿論我々も“最後”はスリックで勝負である。
63周を終え高橋選手がピットイン。
残りを加藤選手に託し、スリックタイヤで送り出す。給油時間も1回目の3分の2。
ピットアウトで8位。どこまで追い上げられるか?

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レースも終盤に入り、2度目のピット作業が始まる。トップ62号車もスリックタイヤに変える。
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トップグループの43号車突然白煙をはきストップ。
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2回目のピットイン直前は暫定5位。
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ピット前の路面はこんな感じだが、準備したタイヤはスリック。
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2回目のピット作業。短い給油。確実な作業。
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SUGOのリベンジ。ミス無く送り出す。

タイヤも温まり始め、17秒、15秒、14秒と上昇。
7位を行くのは、同じ周回に“3回目”のピットインを行なった4号車であるが、今シーズン好調の4号車が加藤選手より1?3秒近く早いラップタイムでドンドン先行し、68周目には6位の74号車と順位を入れ替える。
目標が9秒前の74号車と変わった加藤選手、ペースを11?12秒台に上げ、70周目74号車を抜き7位へ。
更に6位の14号車がドライブスルーペナルティを受け下位に落ち、更に6位に上がる。
今回の特別ルールに周回と無関係にレース終了は午後6時30分というのがあり、残り時間は17分少々。約8周といったところ。
コースコンディション良くなり、各マシン、ベストタイムを更新し始めと思った終盤残り5分程、雨が落ちてきた。
各マシン、タイムが落ち始めチェッカーに向け波乱が予想されたが、既に上位グループにバトルは無く単独走行状態となっており、混乱なく6位チェッカーとなる。
6位入賞と言っても優勝、表彰台も何度も経験しているスタッフ、ドライバーからすれば不甲斐ない結果。
だが今シーズン、悔しいレースばかりを経験してきたチームにとっての今シーズン最高位。
しかも、全てウェットと言える難しいコンディションでのドライビング、混迷のタイヤ選択、ミスの無い2度のピットワーク、また決勝レース前日にはトラブルもあり、深夜まで修理を行なったメカ。
自然にスタッフ同士、今期初めて握手の手が伸びる。

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レースの残り僅かで再び雨が・・・何とかスリックで切り抜け・・・
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今季最高位の6位でフィニッシュ。
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結果だけなら不十分だが、充実した内容にスタッフも今季初の握手。

■決勝レース後のコメント

■高橋選手
「チョット500に当たったり、あういうのが余分だったけど、一応チャンとレースになって・・・エ~・・・ボチボチだね。チョット成績はイマイチだったけど・・・予定よりは。マ~あういう接触を無いように・・・今(加藤選手に)怒られたんで・・・ごめんなさい。向こうが悪いと思うけど~・・・う~俺が悪い。マ~どっちかが、あー(抜かす、譲るを)やらなきゃならない話だから・・・こっちから防ぐ事もできるわね。・・・ん~できるかな~?(この接触はレーシングアクシデントと判定されました。)」

■加藤選手
「う~ん、天候が予報と違っていつ降るんだろう、いつ降るんだろうって心配しながら走ってたんですが結局ドライになってしまって・・・。チョットクルマを合わせきれていない分速さが足んないんですけど・・・でもレースの戦略だとか、みんなでレースを戦ってミス無く、終わってみたらチャンと6位のポイントが取れたんで・・・( ため息)・・・ようやくポイントも取れて・・・久し振りに・・・次に繋がるレースができたんじゃないかなと思います。」

■渡邊エンジニア
「天気に翻弄されたというか・・・ですね・・・難しいですね。丁度加藤さんがロングスティント走って、高橋さんに変わった時にSCが出た。あれは・・もう・・「キタナ!!」と思った。僕たちいきなり表彰台じゃん!と思ったら、赤旗になりマージンまで無くなり・・・・あの赤旗ってのが・・すごい今回のキーになりましたね。それ以外は高橋さんも、非常に早くて良いレースだったんじゃないかと思います。その二人のドライバーが他のクルマとチャンと争うっていう・・・・ここんとこドライバーのポテンシャルを活かせてあげられないレースが続いていたんで・・・そういう意味では、ドライバーの・・・ドライビングっていう面での競争ができて良かったかなと思ってます。正直予選のウェットのパフォーマンスとかを考えたら、ま~順位的には・・今回の流れも含めて・・・位置的には順当なんかなという気がしちゃいますね。あとはタイミングとかうまくやったチームが最終的に上にいる・・チームだと思うんで・・。ま~あと、勝った1位(62号車スバル)2位(33号車ポルシェ)のクルマは正直早かったですね。あれはチョット今日の我々が同じ事ができたか?というとあのスピードは出なかったと思う。ただレース内容はすごく良かった。(結果はともかくとしても・・・)競技をしたという感じが強いレースでした。常に雨だの、タイヤだの、周回数だのを考えないといけないので・・・「レースやった感」はあるのかもしれない。(通常の)250kmなら一回決めて、おしまいなんで。そういう意味では本当に良いレースだったと思います。」