モータースポーツ

2016 SUPER GT第1戦:岡山国際サーキット

GTレースレポート
2016年11月29日

4月8日 設営

SUPER Gt開幕戦が今週末開催される。
我が「LOTUS EVORA」は速さを見せつけながらも結果を残せなかった昨シーズンの雪辱を果たすべくオフシーズンに多くのアップデート重ねる。
パーツが未完成の部分もあり、まだまだ不十分とはいえテストでの手応えあり。
皆さん応援よろしくお願いいたします。
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4月9日 プラクティス・予選

プラクティス 晴れ/ドライ

3週間前のテストほどの冷え込みは無くなったものの、まだ肌寒い岡山国際サーキット。
開幕戦のプラクティス。
テストデータでベースセッティングは良好。
僅か5周の計測で出た1′26″766はクラス2番手タイム。
その後サスセット、車高等を微調整するも、感度の確認程度で、再度NEWタイヤでのタイムも26″734がベスト・・・各マシンもタイムアップしこのタイムで6番手(最終的にプラクティスはこの順位)
残り約30分程で高橋選手に変わりマイレージを稼ぐが、テスト時の29秒台に届かず30″544がベストとリズムに乗れない。
と言うのも、マシンの調子がおかしい・・・電気系に不具合か?エンジンにばらつきが出ているようで、加藤選手のスティントでも少しでていた。
データロガーでも確認でき、プラクティス最後の専有走行前にピットに戻り、各部の点検、バッテリーの交換等を行った為、専有走行キャンセルとなってしまったが、この後のサファリで確認走行を行う・・・つもりだったが、サファリ開始直後にコース上で車両火災が発生!!
結局このアクシデントの為、サファリは赤旗、早々に終了となってしまった。

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Q1予選 晴れ/ドライ

確認走行ができなかったのは痛かったが、エンジン不調もプラクティスのタイムから、誰もが症状はまだ軽いと思われた。
Q1予選のアタックドライバーは加藤選手。
2周、3周とタイヤ温めペースを上げるが、エンジン不調、バラつきはひどくなっており、4周目のアタックで27″475がベストで14番手・・辛くもQ1突破(昨年までは上位13台だったが今年から14台)は果たせるも、「(エンジンが)息ついて加速しない!!」と完全にお手上げ!!

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Q2予選 晴れ/ドライ

セッション開始までの僅かなインターバルで可能な点検を行うものの、根本的に原因がわからないので、Q2担当の高橋選手には「エンジンを壊す恐れもあるので、同様に不調が出るならピットに戻ってきてください。」と指示してコースに送り出す。
走行しないと出ない症状だけに、予選とは言え貴重な確認走行である・・・コース上の高橋選手、ABSやトラクションコントロール等、電気デバイスのON、OFF等も触ってみるが変らない。
やむなくピットに戻る高橋選手。
当然Q2は最下位の14番グリッドとなるが、決勝レース以前に朝のフリー走行を快調に走る事ができるか・・?
厄介な原因不明のトラブル・・・これまでどんなトラブルも翌朝には何事も無かった様に解決してきたメカチーム。
今夜も魔法が掛けられるか・・・。

4月10日 フリー走行・決勝

フリー走行 晴れ/ドライ

予選から・・実際にはプラクティスから・・発生した謎のエンジン不調。
データから推測すると、燃料圧力の低下がエンジン不調・・息つきの原因で、単純に考えるならポンプの不調となるが、他の要素も加わっており簡単には片付けられない。
前日の作業も深夜に及んだものの、原因が特定できない以上、可能性のある部品を交換してみるが全てというわけにはいかない。
特に厄介なのは走って見ないと完治したかどうかは分からない点だ。
と言っても、マシンを使うモータースポーツにおいて謎のトラブルなどあってはならず、必ず原因を突き止め解決し、決勝レースを走らせなくては意味が無い。
だがそれにも、時間的、物理的な限界はある。
これまで、幾度と無くトラブル、アクシデントがあってもメカスタッフの手で決勝日朝には何事も無くマシンが蘇っていたが、今朝、見た目は何事もないマシンだが不安に包まれている。
加藤選手によりコースイン。ここでトラブルが治っていなかったら・・・正直お手上げである。
1周目はスローペースで、決勝レース用にNEWタイヤの皮むき・・アウトインでピットに戻ってくる。ここまでは問題ない。
ユーズドタイヤでペースを上げると、無線で・・加藤選手「うん治ってる。治ってる!!」この一言でピット内の空気は変わった。
その後、ピットワークシミュレーションを挟み、高橋選手にも交代。セッションは赤旗に分断されながらも順調にメニューをこなす。
どうやら決勝レースにコマを進める事はできそうだ。
トラブル発生に至るまでのプロセスにまだ謎は残るが、それらの究明はレース後でも充分だろう。

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決勝レース 晴れ/ドライ

薄氷の思いで迎えた決勝レース・・・ウォーアップ走行でも満タンで2番手タイムと至って快調!!氷もかなり厚くなった。
スタートを務めた加藤選手だが、左2コーナーで早くも真後ろグリッドの33号車(ポルシェ)にインから先行されオープニングラップは15位。
だが3周目の1コーナー、ブレーキングで並びアウト側サイドバイサイドで抜き返し再び14位へ。
その後はポジションキープというより、団子の中位集団から抜け出せない状態。
TOP5は28秒台でジリジリとリード広げ始め、以下中位集団は29~30秒前半。
10周を終え、14位の加藤選手はTOPの25号車(86 MC)から22秒遅れ、その間は1~1.5秒でほぼ等間隔。
先行車13台の中団で多少の入れ替わりはあるが、まだレースは動かない。
13周目入るストレートエンド、トップスピードに勝るチャンピオンマシン0号車(GT-R)に追いつかれ、1コーナーイン側から先行されるが、クリップに付けずインがガラ空きになった0号車を抜き返す!!っが続く2コーナーまでに再び並ばれイン側からパスされ15位へ・・・・。
いつもに比べ精彩を欠く加藤選手、思ったラインを描けず、・・・と思ったら「タイヤがきついな~」と無線が入る。
前半スティントのロングランに対してタイヤチョイスを誤ったようだ。
19周目に入った1コーナー、空いたイン側・・・というより、インに付けない・・・を88号車(ランボールギーニ)に先行され16位へドロップダウン。
そこから先は無理なバトルは避けタイヤ温存という事もあってポジションキープで淡々と周回を重ねる。
シングルポジションでレースをしていたダンロップタイヤの61号車(BRZ)が、それまでの33秒台から一気に36秒台へとペースが落ち、みるみる追いつき、27周を終えたコントーロールライン上でオーバーテイク。
翌周には同じマザーシャシーの18号車(86)をバックストレートでパス。
この頃からルーティンピットも始まり見かけの順位に変動が出始める。
2号車加藤選手は「タイヤがきつい」という無線と裏腹にタイヤ温存走法が功を奏したか?31~32秒台とタイムの落ち込みは少ないが、40周過ぎた辺りでの早めのピットインへと予定を変更。

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28周目に入ると、序盤で中位争いをした88号車が既にピットインを済ませ直ぐ前にいる。
タイヤも温まりペースも上がって来ているようだ。88号車はほぼ1周回遅れとは言え、まだピットインを済ませていない我々2号車からは殆ど同一周回のライバルだ。
32周目バックストレートから右ヘアピン、テールtoノーズでピタリと背後に付け左リボルバーコーナーへ入ると、何と加藤選手まったく唐突にテールを滑らせ単独スピン!!
ほぼ4分の3回転回り、コースに対し直角にストップ。幸いレコードライン反対のイン側の為、他のマシンを塞ぐ事もなかったが、再始動に手間取り大きくタイムロス。
やはりタイヤが限界か?早めのピットの準備はできている・・・。
ところがこのスピンで“キレたのか?”翌周こそ31秒台だが、その後は30秒台を連発、NEWタイヤの実質的な上位グループと変わらぬどころか、上回るタイムで周回を重ねる。
このタイムならばと、ピットイン予定を当初の予定通り伸ばし47周目ピットイン、高橋選手に交代。
このレース、タイヤ片側交換でピットストップを短縮するチームも有ったが、我々は迷うこと無く4本交換。
因みにこの時交換したタイヤは(お見せする事はできませんが・・・)加藤選手のブログにも書いてありますがスゴイ状態に・・・!!
http://red.ap.teacup.com/hiroki_katoh/695.html
よくバーストに至らなかったものだと感心。
コースに復帰した時点で15位だが、まだ殆どスローペースの2コーナーで16・17位の108号車と87号車(共にランボルギーニ)に抜かれ17位。
トップ65号車(メルセデス)からは同一周回と言っても既に13秒後方に迫り、冷間タイヤの為、インフィールド、パイパーコーナーでインから抜かれ周回遅れとなる。
アウりトラップ翌周1コーナでは61号(BRZ)に抜き返され18位へ・・・。
高橋選手アウトラップ、冷間タイヤでのタイムの落ち込みは2~3周響いたが、今は違う。
翌周には33秒台、翌々周には31秒台と、いきなり上位グループと遜色のないタイムへとペースアップ。
前を行く61号車にピタリと食らいつき、51周目バックストレートからのヘアピンでは、間に入った500マシンが61号車のインに入り先行、それに乗じてインを突く・・が並んだものの果たせず!

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こうした果敢な攻めは続き、56周目61号車のピットイン(ドライブスルーペナルティ)後も次なるターゲットを求めペースは衰えない。
60周辺りで5秒ほど前を行く108号車(ランボールギーニ)を視認。アウトラップで先行され現在16位のマシンである。
07年のフォーミュラートヨタチャンピオン、F3、Fポンの経験もあるイタリアンドライバー、ケイ・コッツォリーノ駆る108号車より、高橋選手の方が若干速く、2秒差にまで詰め寄るが抜くには至らない。
終盤67周目、33号車(ポルシェ)に拔かれ18位へ・・・そしてトップから1周遅れの75周でチェッカーを受ける。
こうしたレースでの周回は、練習時とは違いアマチュアドライバーの高橋選手にとっては何よりのスキルアップの場であり次戦への重要な糧となる。
今回エンジン不調で予選不発、グリッド位置が悪く、この抜きどころの少ない岡山国際サーキットでは、タイヤチョイスのミスもあり厳しいレースとなったが、マシンドライバー(特に高橋選手)は確実に進歩。
次戦富士に向けては更にアップデートを進め上位入賞を目指します。
※チェッカー後33号車はペナルティを受け1周減算となった為、2号車は17位となる。

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