モータースポーツ

2017 SUPER GT第3戦:オートポリス

2017シーズン LOTUS EVORA
2017年05月26日

5月19日 設営日

設営

昨年4月の熊本震災により開催中止となった為、2年振り・・いや1年半振りのオートポリス。
被害のあったコース、施設の改修を終え我々エントラントを迎えてくれた。
現在ここのGT300のコースレコードはこのLOTUS EVORAであり、かつての紫電もポールスタート、初優勝・・・というほどコーナリングマシンには相性の良いサーキット。
だが今シーズンは2戦を終え、結果は共に完走止まり・・・・マシンの細かなトラブル、またそのタイミング・・・ドライバーの要求にマシンが応えてくれないジレンマ。
それらを払拭すべく一戦にしたい。

空港から利用したレンタカー2台・・希望ナンバーではない・・・偶然。

好天の搬入、設営作業。日陰は涼しいが日なたは暑い。

ピット前がひらけてる、震災で被害のあったクリスタルルームの一棟が取り壊されている。

この第3戦よりレギュレーションにより防護ネットが追加された。

ピットの向きが反対。SGT開催サーキットではこことタイだけ。

エアホースタワーに謎の千社札が・・・。

給油タンクの開閉コックレバーにも謎の千社札・・。

5月20日 プラクティス・予選

プラクティス 晴れ ドライ

快晴のオートポリス・・・プラクティスの走り出しで加藤選手が46秒台そして45″749をマーク。
一昨年のベスト(コースレコード)43″001にはほと遠いが、その時は10月・・・気温も路温も異なり、今の時期に出せるタイムではない。
エンジン、足回り・・・マシン自体に問題は無いが、タイヤの相性が良くないようだ・・・サスセッティングをちょこチョコと触って探りを入れる。
その後高橋選手に交代、53、51秒と徐々にタイムを上げて行く・・・かと思われたが、そこから伸びず、51″933!!
一昨年、Q1予選で44″159と、加藤選手の1秒落ちの好タイムをマークし、得意とするコースだったのだが・・・どうした事か?
再び加藤選手に交代、予選で使用するNEWタイヤでチェック・・・45″612をマーク。
高橋選手のロガーを加藤選手と比較、ウィークポイントを再チェック。
予選シミュレーションとしてNEWタイヤでクラス占有走行へ・・・49秒台、そして48″366まで詰め、47秒台の手応えを感じプラクティス終了。

Q1予選 晴れ ドライ

プラクティスのタイムから、15分間のQ1予選は加藤選手が担当。
全車コースイン・・・の最後尾でコースイン。
ところがコースアウト車両が出たため赤旗中断・・・出鼻をくじかれる。
残り10分少々でセッション再開すると、すぐに54秒台から45秒・・・45″311の6番手タイムでQ1突破。
だが前6台は44秒台、トップは同じマザーシャーシの25号車が44″346と1秒の差を付けられており、レコードホルダーとしては、今ひとつ歯がゆさを感じる結果となった。

Q2予選 晴れ ドライ

500のQ1を挟み、12分間のQ2予選に挑む高橋選手。
計測3周目に47″846のベストをマーク、翌周も第1、第3セクターでベスト!
しかし第2セクターがまとめ切れずタイム更新ならず・・・波乱なくセッション終了。
14番手に留まる。
まだタイムにバラつきが見られるが、本来のリズムが取り戻せればいいレースラップを刻む事はできるだろう。

公開車検はいつもより30分遅い7時半から・・。

九州では一年半振りのGT開催・・ピットウォーク。

防護ネット・・・ドライバーが乗るとこんな感じ。勿論ワンタッチで外せる。

今ひとつタイムの伸びない高橋選手・・・プラクティスでパソコンのロガーを見てウィークポイントを確認する・・高橋選手。

2017_Rd3_15 ピットから左方向へ・・・コースイン。


ここは少しラインを外すと、大量のタイヤカスを拾いグリップを落とす。走行後こうして剥がす。タイヤ加工と解釈され禁止されていたが、今年解禁。

決勝レース・・頑張ります。

5月21日 決勝レース

決勝レース 晴れ ドライ

このオートポリス戦は2013年までは秋・・11月に開催されており、秋台風の影響などもあり、例年天候に悩まされる1戦だった。
ふもとのホテルからの往復の道中でも、サーキットでも、レースウィークに最低1日は雨、濃霧がありスケジュールが遅れる事は珍しい事ではなかった。
だが、14年からこの5月開催となりレースウィークは清々しい好天に恵まれることとなった・・・・といっても15年は急遽タイ戦と入替り再び11月、16年は震災により中止だったので、今年が2回目。
本日決勝日も素晴らしい晴天となった。
フリー走行の無くなった午前中にもたらされた情報によると、午後から曇り、ところによっては雨もありそう・・・ということでレインタイヤがワンセット準備された。
最終的にこのレインセットの出番はなかったが、やや雲が厚く昨日までと比べると気温22度、路温35度で、気温は約4度、路温約10度低くなった。
ウォームアップ走行は決勝想定で加藤選手から・・その後高橋選手への交代時にピットワークシミュレーションを行う。
特にピットの向きが反対となるここでは重要なシミュレーションとなる。
このウォームアップ走行で、シフトダウン時のブリッピングがおかしいとの連絡。
パドルシフトでは、シフト時に回転数を合わせてくれるのだが、昨日の種々のプログラム変更を行った際の設定が少しあってないようだ・・・幸いこれはスタートまでに変更可能。
多少予定外の作業は有ったものの、順調にグリッドにマシンを送り出し、スタートを迎える事ができた。
今シーズン、僅かにリストリクター(パワー調整の為、エンジンに入る空気量を絞る機器)を絞られた事が、スタート加速時にもろに影響が出ているのか、スタートから1コーナーまでに何台かに抜かれ1周目で早くも18位にまで落ちるが、2周、3周と第2戦の富士同様、中団グループに囲まれ、タイムも順位も上げられない。
そろそろレースが動こうかと思われた4周目最終コーナー手前、右にグルっと右に回るターン17で500のマシンがスピン!
そこに300マシンが2台絡むクラッシュが発生!!
すぐにSC(セーフティーカー)が入りレースは中断となった。
このアクシデントにより2台がリタイア、またクラッシュポイント直前で1台に抜かれた為、SCランは17位のまま8周行われ13周目からレース再開。
前は60号車(レクサスRC F)、後は21号車(アウディR8)の3台が1.5秒以内の接近戦。
ワイパーアームが横Gにより動き、視界を妨げる位置で止まってしまい苦戦するが、タイムを落とさず堪える加藤選手。
20周辺りでルーティンピットが始まると3台共見かけの順位は上がるが、この接近戦は27周目に60号車が、翌28周目に21号車ピットに入るまで続く。
前後が空き、燃料も減ったことからスパートを掛ける加藤選手。
それまでの48秒台から47秒台へ・・・そして、31周目46″786のベスト!
35周目には46″164と再び更新!
この周回に至って、このタイムはかなりのタイムである。
ここオートポリスは、タイヤの摩耗が激しいコースで、周回を重ねるとコース上にタイヤカス・・・どころか、それらが塊になったタイヤマーブルが至るところに転がり、少しでもラインを外せばそれらがタイヤにこびりつきグリップを落としてします。
そんなコースコンディションの中飛ばす加藤選手が予定周回の41周を終えピットにはいる。
残り周回18~19周分の給油とタイヤ4本交換。
雨の心配は無い・・動いたワイパーは邪魔ならない位置にガムテープで固定。
そして高橋選手に交代しピットアウト。
アウトラップは16位だが、冷えたタイヤにより43周目2分01秒台で17位・・・まだトップ25号車の26秒前、同一周回にいる。
翌44周目は56秒台で18位に・・・なかなかペースが上がらない。
実はアウトラップでコースアウト、事なきを得てコースに復帰するが、この時大量のタイヤマーブルを拾ってしまった。
45周目にはトップに3秒まで詰められる。
同一周回であれば、ラインを譲る必要は無いが、周回遅れにならんとする状態では、譲らなくてはならない。
高橋選手から「アンダー、オーバーが酷い!!」と無線が入る。
タイヤマーブルの付着はタイヤの外径が変わってしまうほどになり、ハンドリングにも影響が出る。
車高をミリ単位でセッティングを行っても、バランスも何もあったものではない。
タイヤに付着したタイヤマーブルを取り除くにはペースを上げ横方向に剥がすのだが、グリップが低い状態となってははプロドライバーでも容易にできる事ではない。
レースも終盤・・500、300クラス共トップ争いが激化!それらとどこで遭遇するか?それらの妨げにならない様に周回を重ねるにはラインを外すしかない。
ラインを外す・・タイヤマーブルを拾う・・ペースが落ちる・・・どうしようもない悪循環である。
46周から54周に至るまで2分が切れない状況が続き、終盤ようやく58秒台をマークしつつ58周・・24位でチェッカーを受ける。
1回のコースアウトがキッカケでこれほど無様なレースとなってしまった高橋選手。
だが一昨年、実力でQ1突破を果たし、加藤選手をQ2に送り込んだのも高橋選手。
次戦7月下旬までに2回の公式テストがあり、走行時間はタップリ・・・このレースで得た経験を活かし、次戦へのスキルUPを果たしたい。


ドライバーの決勝日最初の公式な仕事はピットウォークでのファンサービス。 
メカの決勝日最初の公式な仕事はスタート前チェック。ウインカーやストップランプの点検等結構地味。

決勝日の路面温度は前日より10度程低い。

ウォームアップ前の全選手紹介・・・3回目となり、少し照れも抜けてきた。

2017_Rd3_25 ウォームアップ開始を待つ加藤選手。

ウィングの上のスペース、どこかスポンサーさん買っていただけないでしょうか(笑)

グリッドでの加藤、高橋両ドライバー+吉本選手、+渡邊エンジニア。


中団からのスタート・・・すぐに数台に拔かれる。

加藤選手はルーティーンピットが始まるまでの序盤から中盤・・・この集団での接戦となった。
2スティント目のタイヤ暖気中。

そろそろ出番の高橋選手。

レース終盤・・コースアウト側にタイヤマーブルが散らばる。

何とか周回をこなした高橋選手。横Gで動いたワイパーはガムテープで固定されている。


レース後・・タイヤマーブルが付着したタイヤ。