モータースポーツ

2017SUPERGT第4戦:スポーツランドSUGO

2017シーズン LOTUS EVORA
2017年07月30日

7月21日設営日

設営

第4戦スポーツランドSUGO・・・5月中旬の第3戦オートポリスから2ヶ月という長いインターバル。
この間にここSUGOと鈴鹿と2回の公式テストがあり参加したものの、6月中旬のSUGOでクラッシュ!中破させてしまい、修復が間に合わず、2週間後の鈴鹿のテストをキャンセルせざるを得ず、シーズン中盤にさしかかり大きく遅れをとってしまった。
今シーズンここまでの3戦・・・完走はできているが、我々が目指すものはもっと上である。
GT300クラスのプロ化が進みレベルが格段に上がる中、プロドライバー加藤選手、アマチュアドライバー高橋選手というペアによる上位入賞はかなり難しくなった。
しかし高み目指さずしてレースに出る意味はない。
マシンはとりあえず修復完了・・・しかしシーズン後半に向け、テストで試してみたかった事はできず・・・「振り出しにもどる」感は否めないが、ドライバーのモチベーションはまだまだ充分。
全力でがんばります。


修復は完了したが・・・

テストで試したかった事ができず、マシンの進歩も一旦停止。

明日、明後日の天候は雨の予報が出てる。

7月22日プラクティス・予選

プラクティス 晴れ ドライ

プラクティス 晴れ ドライ
朝から30度を超える暑さの中、F4公式予選の遅延により5分遅れ9時5分から公式練習が始まる。
外観的にはほぼ修復を終えた2号車 LOTUSEVORA・・・実際の走行に問題がないかの確認はサーキットを走らせるまでは分からない。
加藤選手により、まず5周・・1′21″307とまずまずのタイム。
その後タイヤ交換と、足回りの微調整を行い再アタックは20″637と(この時点で10番手)充分な手応えを得、更にセットを微調整・・・19周約30分ほど周回を重ねる。
今シーズンは高橋選手の走行時間を増やす事に重点を置き残り約60分で高橋選手に交代。
ところがピットアウト2周後、S字コーナーで単独スピン!コースアウト。
幸い自力で戻って来る事はできたが、ウイング翼端板、リヤアンダーフロア等々、外装パーツの修復に20分程を費やし再びコースへ・・・。
その後15周・・300クラス占有走行も含め、トータル17周を周回するも、壊さない様、慎重さが出たのか?何かリズムが合わないのか?
ベストは24秒台と、6月のテスト時、自身の21秒台には遠く及ばない。
Q1予選 曇り ドライ ウェット宣言
午後2時10分からのQ1予選は加藤選手。
この少し前から雲行きが怪しくなり、涼しい風が吹き始め、時折雨粒が落ちてきてウェット宣言も出された。
だがタイヤ選択を迷う程の雨とはならないが、本降りになる前にタイムを出そうと、セッション開始と共に全車一斉にピットを離れる。
計測2周目で早くも20″232の2番手タイム。
だがQ1突破には19秒台はミニマム。
更にタイムアップ目指す・・・というよりベストグリップはこれから・・・。
特に予選向けの詰めたセッティングはやっていないが、ベースセッティングでも19秒台、Q1突破は行けるだろう・・・と思った矢先、ライブ映像モニターに何と3コーナーでコースアウトし、止まった2号車が映し出される。
リプレイ映像では完全に単独コースアウト、土煙を上げてグラベルに乗り上げている。
幸いにも、バリア等への接触は無さそうだ。
しばらくして「電源が落ちた!突然電源が落ちた!!」と加藤選手からの無線が入る。
一過性のトラブルなのか?赤旗中断となり自走で戻って来る2号車加藤選手。
予選においては、赤旗原因となったマシンはタイム抹消となる為最後尾グリッド確定である。
しばらくして加藤選手が戻りすぐにマシンチェック。
ほどなく原因が判明。
電源のメインスイッチが破損、一時的に全電源が無くなった為、電動パワーステも効かなくなってしまったのである。
ストレート上であれば、ゆっくり停車する事も可能だったろうが、今回は3コーナーへの進入、ステアリングを切り込んだ時のパワーステOFF!
よくぞスポンジバリアまで行かずに対処できたものである。
今回のスイッチは通常滅多と壊れる物ではないが、決勝中で無かったのは不幸中の幸い・・・と、ポジティブと捉え明日の決勝に臨みたい。

朝の公開車検時は快晴・・・。

プラクティスのメニューについて話す高橋、加藤、両選手と渡邊エンジニア

スピンコースアウトでウイング翼端板、リヤフロア角等を破損。

昼前のピットウォーク時でも快晴。

午後予選開始前にはウェット宣言が出る・・・といっても小雨。

ウェットタイヤは準備されるものの、出番なし。全くのドライコンディション。

加藤選手が珍しくコースアウト。幸いガードレールーまでは行っていない。

前回りは勿論、全体が土埃・・・。雨の状態もよく分かる・・・この程度。

トラブルについて渡邊エンジニアにはなす加藤選手。

原因は電気系で電動パワーステが止まる。Q1タイムは抹消。

7月23日決勝レース

決勝レース くもり/雨 ドライ/ウェット

前日予選で発生し関係者の間でも全く予想外のメインスイッチのトラブルは解消・・・というよりメインスイッチを無くして対処。
コースコンディションはサポートレースのF4においても雨・・・ドシャ降りとはならないまでもドライとはならなさそうなので、足回り、ウィング等々ウェットセッティングに固定。
20分間のウォームアップ開始直前に思わぬトラブルが・・・。
燃料給油口からタンクへのホースの接続から僅かにガソリンが漏れている。
前戦オートポリスの給油口は左側・・・これを右側に移動させた際のラバーホースの馴染みが変わった事による漏れであろう・・。
素早い対処でウォームアップ走行開始にマシンを送り出すことはできた。
この12時55分からのウォームアップ走行でもウェットコンディションは変わらないものの、決勝スタートは1時間半先の14時30分。
グリッド整列が始まる頃には雲行きが怪しく(この場合は雨雲がなくなって行く事)なり、雨は上がり、ヒョットしてドライ・・?
ドライタイヤもグリッド上に準備されスタート時刻を待つ。
スタート20分前に我々含め、殆どのチームがドライに換装・・・ところが15分前に雨がパラパラ・・・この雨は“迷わず”レインへとする程の量ではなく“迷わす”雨量。
今回予選タイム抹消により“ほぼ”最後尾・・27番グリッドからのスタートは高橋選手。
高橋選手の「濡れた路面のドライタイヤより、乾き始めた路面でレインタイヤの方がリスクが少ない。」という理由もあり、作業禁止となる5分前には我々含め多くがレインタイヤへと戻され、中団グループの一部がドライタイヤで賭けに出る。
色とりどりの各チームの作戦を秘め、レースはスタート。
オープニングラップでドライタイヤ勢をパスし24位で戻ってる。
スタート直後は特に大きな波乱無いが、500クラスのドライタイヤ組が大きく遅れ、翌周には300のトップに飲み込まれ、また300のドライタイヤ勢も500のトップに追いつかれ、早くも2周目にはコース全周に渡りマシンが走行する状況となる。
直前の雨は小雨ながら止むことは無く、“序盤”、ドライタイヤの劣勢は明らか、それらがピットに入るのではないかと思われた4周目最終コーナーで35号車(マザーシャーシ86)がクラッシュ!
このレース“最初”のセーフティーカー(以下SC)が入る。
SCが出ると、順位に関係なく数周走行の後、スタートライン(正確にはSC用のラインは決められている)に両クラスそれぞれ一列で停車。
両クラスのトップの前にいるマシンは、コースを一周して列の後ろに並び、再びSC先導走行・・コースがクリアとなればレース再開となる。
要するにSCが介入する直前のリードはここでリセットされるが、ラップされてるか?されていないか?は大きな差となる。
今回のSCにより、2号車高橋選手は、SC直前トップ25号車から53秒離されていたが、11周目のレース再開で20秒差、23位となった。
コースはいまだウェットコンディション・・・2号車で今走行中のタイヤは決してベストチョイスではない。
テスト不足の余波はいまだに続き、特にレインタイヤのデータは豊富とは言えず、高橋選手はグリップ不足のタイヤで苦戦を強いられる。
15周を終え22位・・・小雨は続くが、空の明るさ、またWebの雨雲レーダーでは、この雨ももうすぐ止むものと予想された。
このままドライタイヤが使える周回まで引っ張るか?
だがタイムの落ち込みが大きい高橋選手に代わり、23周目加藤選手に交代。
タイヤはもうしばらくはウェットコンディションと見て再度レインタイヤに交換・・・・トップから既に2周遅れの23位で送り出す。
24~25周辺りから他のマシンもピットインが始まる。
我々同様、レインタイヤを装着するマシンもあれば、ドライタイヤでレース復帰するマシンもある。
ほぼ雨はあがったとはいえ、現段階ではドライの選択は無いが、中盤から終盤に掛けては間違いなくドライコンディションへ変わると思われる。
ここでの遅れは、終盤で挽回できると読んだ・・・。
レインタイヤ勢は、ドライタイヤ有利となる前にもう一回分のピット作業時間(ドライタイヤに交換する・・)リードを作れるか?
コースコンディションの変化・・これはピットクルーが見るピット前と、ドライバーが見る実際のコース状況は異なる。
無線交信が頻繁に交わされ、状況判断が行われる。
今日のSUGOではウェット路面にレインタイヤだと1分30~40秒、ドライタイヤだと45~55秒のラップタイム。
レース終盤・・ウェットパッチが残る乾き始めた路面にレインタイヤだと30秒を切る辺りが限界かも・・・に対しドライタイヤなら一気に26~28秒程度までタイムは上がり、ラインは狭くとも完全ドライになれば20~22秒台となる。
ウェットコンディションはピンきりなので、あくまで参考程度のタイムだが、同じコースコンディションながら、タイヤがドライでもレインでも差がなくなる時期はあるが、殆ど僅か・・・そこからどちらに行くか?分水嶺とも言うべき時が来たようだが、30周を過ぎ、31秒台のトップグループに対し33秒台の加藤選手。
34周目には32秒台・・・トップグループと遜色ないタイムをマークするもレインタイヤではそろそろ限界・・・。
少し前にドライに換えた3号車(GT-R)は27秒台と、まだドライタイヤの本領は発揮されていないが、残り周回も40周以上・・・・完全にドライ有利。
ところが翌35周目、最終コーナーで500マシンがクラッシュ!!
“2度目”のSCが出る。
ピットに入れない。
各チームもピットイン時期と重なった為、SC解除と同時にピットインを予定・・・準備される。
我々もタイヤ交換の準備をするが、SUGOの狭いピットロードでの混乱を避ける為・・・SC解除の翌周にピットイン延ばす。
そうした他車のピットインもあり順位は20位。
いくつかのチームも同様に“翌周”に延ばす・・・ところが、何とその“翌周”、2台のコースアウト車両が発生!“3度目”のSCが入る。
これはトップ争いで大きく明暗を分ける事となったようだ。
上位争いと無縁となってしまった2号車、加藤選手は3度目のSC解除と同時にピットイン。
ドライタイヤ勢は26~27秒台と完全とはいかないが、空模様を見てもこの後ドライ圧倒は自明の理。
タイヤのみ交換し、やや濡れのピット前から激しくホイールスピンをさせて行く加藤選手。
作業を終えて、タイヤ、インパクト、ホース類を片付け、ピットが落ち着き始めた時、加藤選手から届いた無線「3コーナーでスピンして当たった。ゴメン。」
3コーナーからヘアピンに向かうイン側のウォールにぶつかり停車した様で、特に危険でない場所という事もあってかSCは出ない。
TVモニターにも映し出されない。
時折映るライブ映像でも小さく映るだけでマシンの状況は分からないが、加藤選手の無線では走行不能との事でマシンを降りた。
SUPERGT参戦マシンはGセンサーが装着されており、一定量以上のGが加わった場合ランプが点灯し、レスキュー隊がそれを確認し、ドライバーは決められた医療処置を受ける事になっており、このクラッシュはかなりのGが有り、加藤選手は救急車に乗せられ診察を受ける事となったが無事。
アウトラップでのスピンとは加藤選手にはあるまじきミス。
原因はピットロードを出ると、すぐ先の左3コーナーでコースアウトしたマシンを視認・・そのままグラベルを走りコースに復帰してくる状況を見て、それを避けるためラインを左に寄せアクセルを踏んだが、レコードラインから外れたそこはまだウェット。
そのままスピン!コントロールを失いイン側のウォールに激突してしまった。
運悪くスポンジやタイヤバリアも無く、コンクリートウォールだった為、マシンのダメージも大きなものになってしまった。
前日の予選でのコースアウトもあり、加藤選手にとってこの3コーナー・・・鬼門かも。
次戦富士まで2週間・・・といっても実質修理期間は1週間程度。 間に合うか・・?
 全ドライバー紹介時はしっかり雨。

ウォームアップ直前に燃料漏れ発見。

ウォームアップ時のピットワークシミュレーション。斜め止めは押し戻しのタイムロスがあるので避けたい。

ほぼ最後尾・・・。この辺りは後ろに下っている。

一旦レインタイヤでグリッドに着いたが、乾き始めたのでドライタイヤに換装。早目に装着するのはブレーキの熱で暖機をする為。

スタート直前、読めない空模様・・・。

スタート15分前、再び雨が降り出し、再びレインタイヤに・・・。

レーススタート。

1回目のピットで、タイヤはレインからレインへ・・・。

マッチしないレインタイヤでラップを重ねる。

3コーナー先、イン側に止まった2号車がライブ映像で映り込むが状況までは分からないが、リタイヤである。