2009年SUPER GT第2戦
ニュース
2009年04月27日
新生、鈴鹿サーキット GT引退の高橋選手の為にも必勝を祈すも、ピットスタートが響き7位!
4月17日(金) 設営
01年の途中参戦から足掛け9年目をむかえ、初めての事態が!
チームオーナーである高橋選手が本業に専念する為、出走を辞める事となった。今回だけではなく以降も・・・。
その高橋選手に代わって紫電をドライブするのは、ヨッスィーこと、吉本大樹選手。これまで8月のポッカ1000kmレースで第3ドライバーを務め、07年には優勝にも導いており、高橋、加藤選手両名以外、唯一「紫電」のドライブ経験を持っており今年はスーパー耐久で活躍中。
新しいサーキットは良い。レース界に長くいてもそんなに味わえる事ではないが、富士に続いての体験。 |
看板を見ても判るように、ピット前の傾斜(段々)はやはりどうしようもない。 |
長くなったピットの、2階通路。コントロールタワーや車検場が全て最終コーナー側にあるので、1コーナー側ピットになれば、その行き来だけでも十分ハンディになるほど長い。 |
1台分のピットは細長く、富士よりは狭い。まだ使い勝手が判らない。 |
緊急用ヘリポートは最終コーナー側に設けられた。 |
モテギの様なリーダータワーもできた。 |
高橋選手の降板により急遽起用されたヨッスィーこと吉本選手。 |
こういう形で二人の名前が載るのは初めて。 |
こちらの名前は作り忘れたので現場で対応。でも悪くないからこのままで良いかも・・・。 |
4月18日(土) 練習走行 晴れ
今年から2デイレースとなった為、90分の練習時間の多くは、加藤選手がセッティングに費やす。
岡山から大きく仕様の変わったマシンを、ここ鈴鹿に合わせるべく幾度かのピットインを繰り返し、残り25分、2′05″407と言う昨年加藤選手が出したポールタイム05″169に迫るタイムを出し、この練習走行でのクラストップタイムをマーク。
マシンの仕上がりに目処も立った時点でヨッスィーに交代すべくピットイン。
残り25分、10周は無理だが、8~9周はできるだろう。
ところが8ヶ月振りにヨッスィーがピットを離れようとした時、なんとスターターモーターがウンともスンとも言わない。
原因は直ぐに判ったが、修復も含め10分程を要してしまい、ヨッスィーの練習時間は更に短くなってしまった。
しかし計測1周目で10秒台、2周目には7秒台と予選決勝に向け充分なタイムをマーク。その後はスタビを変化させたり、色々ドライビングを変えたりしてマシンの特性に慣れる練習とした為、タイムはバラつくものの確実にマシンを自分のコントロール下にいれていった。
第1戦岡山では設けられたいた15分ずつのクラス占有走行も、今回は?(から?)時間短縮の為無くなった。
とりあえずトップタイムで終えた公式練習から1時間半後、午後予選。
その前に6セット用意したマーキングタイヤから、練習走行で使用しなかった(試さなかった)NEW1セットを返却しなくてはならないが、その返却タイヤを間違えた!と言うか、迷って(ソフトかハードか?)・・・返却直後に、急遽変更したかったが、時すでに遅し。マーキングは既に消されてしまった。
間違えたと言っても、塩と砂糖を間違えた程ではなく、塩の量を少し変えたかった程度の範疇ではあるが・・・。エンジニニアのシンタローに取っては一寸悔やまれた一件であった。
今シーズンから変わった、このタイヤ戦略。
色々な場面で影響は出るが、スーパーラップ:以下「SL」(ノックダウン方式もあるので、本来は最終予選という)で使用したタイヤはそのまま決勝のスタートタイヤとしなければならない。
と、なるとSLでの一発狙いでソフトタイヤを使った場合、決勝レースの1スティント目は長く走れない。またはペースを上げられない。
それらも当日午後の気温との相談であり、戦略の綾取りは結構複雑になる。
2デイ化により、一層過密スケジュールとなった。ホテルの朝食サービスも利用できない時間にサーキットに入らなくてはならない。 |
大体30分以上早くなり7時15分からの公開車検。 |
マーキングタイヤは6セット用意できるが、使用できるのは5セットまででNEW1セットは返却。いまいち意図不明。 |
ハンディウェイトは、6戦までは獲得ポイント×2、第7・8戦は×1と判り易い。最終9戦はノーハンディとなる。 |
早朝の公開車検にも多くのファンが訪れた。ピット上のスタンドから・・・。 |
SUPER GT初開催の2&4レース。2輪は国内最高峰のJSB1000。 |
練習走行の3分の2は加藤選手によるセットアップ。このセッション、トップタイムをマーク。 |
その後ヨッスィーが乗り込んだが・・・。 |
スターターモーターにトラブル発生。 |
しかし僅かな走行時間で、予選、レースには充分な7秒台をマーク。レースでの期待は高まる。 |
GTAを通じファンから花束が送られる。こうした応援はうれしい。 |
急遽参戦の決まったヨッスィーにも2つ送られて思わずニッコリ。 |
予選 晴れ
予選は30分の混走中に、まずヨッスィーから・・・。
ところが、コースインしたところで赤旗中断。流石は?高橋選手の代役?まずは義務を果たしたいったところか。
冗談はともかく、計測1周目で2′08″378、2周目で07″469という5番手タイムをマーク、SLも行けるかと思わせるタイムで楽々基準タイムをクリアし、加藤選手に交代。
全体にタイムが上がる中、計測1周目に06″906の4番手タイムでSL進出を後押し。
300占有セッションに移行した直後、まだ走行中の500マシンのコースアウトにより再び赤旗中断。
残り時間は7分となるもタイムアタックには充分。更なるタイムUP狙う。
予選再開、計測2周目、加藤選手、渾身のアタックは05″094と、予選開始からずっとトップだった33号車に0.6秒の差を着けてトップに浮上!
もう1周行ける時間はあるが、“充分”とみてアタック終了、ピットへ戻る。
300占有の終了のチェッカーに相当する「500」ボードが提示される。
タイムアップするマシンもあるが、加藤選手のタイムには届かない。
ところが33号車が最終ラップで04″206!驚異的なラップタイム!
約0.9秒のタイム差でトップに返り咲く。
予選は2番手、SLは7番目の出走となった。
SL 晴れ
SLは午後2時半から・・・。
雨の心配は全く無いが、薄曇のせいか、気温、路温とも予選からそれほど上がらない。
共に20℃、30℃前後である。
SLが開始され先に出走した6台、予選順位は前から46・81・11・19・7号車だったが、予選タイムからアップしたマシン、ダウンしたマシン見られる中81・7・46・43・11・19号車と入れ替わった。
残る2台、加藤選手アタックの2号車と、異次元タイムの33号車のみ。先の6台の下克上に飲み込まれるか?安泰の地位を守れるか・・・?
加藤選手のアタック開始。
まずは得意のセクター1で-0.7秒とリード。ところが続くセクター2、ここもリードを広げられるはずが-0.46秒とペースが鈍る。
続く第3セクターはトップスピードが大きく影響し、紫電は最も不得意!
ここで+0.52秒と、いくらなんでもリカバリー不可能な遅れとなり、2′05″757と、予選タイムを上回れず7台中3番手に沈んでしまった。
そして最後の33号車、テクニカルな第1、第2セクターでもリード、おまけに裏ストレートも300クラス最速のパワーを生かし何と03″836と2番手81号車に対し、1.5秒という完全にクラス違い?の速さを見せつけポール。
2号車は4番手となった。
まともに走られたら絶対33号車には勝てない。
精々2、3位狙いのレースとなるが、それには充分なポジションを得ることはできた。
右上の黄色(鈴と鹿+SMSC)のスタンプを押された“マーキングタイヤ” |
予選開始。500との混走30分。 |
300クラス占有直前の赤旗の為、待機中の加藤選手。10分間が実質7分ほどに・・。 |
SLの前はJSB1000の予選。 |
2番手出走の7号車のSLを見る加藤選手。 |
SLに向かう加藤選手。かなり燃えてたのだが・・・。 |
セクター1では0.7秒リード。良い感じ! |
更にリードを広げるはずのセクター2では0.4秒と減少!見守るヨッスィー。 |
絶対稼げないセクター3ではマイナスのリードがプラス0.5秒に・・! |
ヨッスィーの参戦はピットウォークのファン層を少し変えたかも・・・。 |
決勝レースの必勝を期してみんなでV1ポーズ。 |
4月19日(日) 決勝 晴れ
決勝日。昨日に続き雨の心配は無い。あるとすれば雨男ヨッスィーが来ている事だ。
だが今日は昨日より雲が無く、気温、路温の上昇がレースにどう影響を及ぼすか?である。
朝のフリー走行、続くサファリもマシンの仕上がりも問題無し。
昨日トラブルの出たスターターモーターも、配線が原因ではあるが万一に備え、スペアに交換してある。
今回のレースはSUPER GT初の2&4レース。2輪との併催レースである。
トップスピードがGTマシンを遥かにしのぐ、迫力のあるマシンによる、白熱したスーパーバイクレースの後、SUPER GTレースが始まる。
フリー走行でのピットワーク練習は、いつも隣のピットとバッティング。毎度斜め止めとなった。 |
ヨッスィーのヘルメットにもクーラーダクトを装着。 |
時間と予算の関係から、ヨッスィーはパーソナルスポンサーの入った自前の真っ赤なスーツ |
新生、鈴鹿の?落としレース。ピットウォークも相変わらずの人気。 |
その時、加藤選手とヨッスィーはバスガイドをしていた。 |
カーズ東海応援席のから、抽選で選ばれた方々と集合写真。 |
今回はヨッスィーがスタートドライバーを務め、加藤選手が後半を引き継ぐ。06年オートポリスで初優勝する、前のレースまで取られていたローテーションである。
午後1時5分からのウォームアップランを僅か1周だけで終えピットに戻るヨッスィー。
コース上からマシンが消え、グリッドガールが、プラカードを持って各マシンのグリッドに立ち並ぶ。
ピット出口が再び開放され、各マシンが1周しグリッドへ向かう。
ところが、ヨッスィーから「スターター回んないですけど・・・ウンともスンとも・・」
すぐにリヤカウルが外される。昨日と同様なら、推定される原因は判っている。
とりあえずスターターさえ回り、エンジンが掛かれば、スタートセレモニーの間に完全な修理が可能なのだが・・・。
だが、その場所に達し、応急処置をするには時間が足りない!
ピット出口の開放時間は3分間である。
しばらくしてピット出口の信号は赤に変わり、時間切れ、紫電デビュー以来、3度目のピットスタートとなってしまった。
なってしまった物はしょうがない。
充分時間を掛けて、再発防止策をとる事に・・・。
せっかくの4番グリッドはフイになってしまったが、レース中のピットインで同じ事が起きればリカバリーはほぼ不可能。
それを思えば、ここでトラブルが発生したことはラッキーだったかも・・・と慰めるしかない。
そうしたアクシデント(ハプニング)もクリア、グリッド上のマシンはフォーメーションラップが開始された。
ピット内のマシンにはヨッスィーも乗込み準備万端。
300グループがヘアピンを立ち上がった辺りでエンジン始動。
ゆっくりとピットを離れる。
スタンドからは拍手が起こる。
応援に駆けつけたファンからすれば、紫電がピット内に張り付いたままなので、さぞ心配した事であろうが、ピットスタートの待機場所となるピットロードエンドは、日当たりが良すぎるので、オーバーヒートとドライバーの疲労を考え、ギリギリまでピットで待機していたかったのである。
ヨッスィー「追い上げますんで、皆さん頑張りましょう!」と無線。
と言っても走り出したら、頑張れるのはヨッスィーひとりだけ。
追い上げを楽しんできてちょうだいと言ったところである。
500がスタートラインを通過。レーススタート!
続いて300がスタート!20台が通過した後、2号車ヨッスィーが猛追。
タイヤが冷えたままの1周目は21位、最後尾マシンにピタリと追従。
しかし翌周まず1台パスし20位へ、本格的に追い上げ開始である。
3周目には、12~13秒台で走る下位集団の中、9秒台で走るヨッスィーは18位へ。
しかし、ヨッスィー「S字しか抜けへんわ~。」
シンタロー「ガンバロウ」と激とも、人ごとともとれる声援を送る。
確かに紫電が勝負できるのは、S字からデグナーまで。
130Rも速いが、ストレートで付けられた差を詰めるに過ぎない。
その後は4周目は17位、5周目16位、6周15位、7周13位、10周11位、13周10位とポイント圏内に・・・怒涛の追い上げである。
タイムもトップグループの9秒台に対し8秒台。
ジワリジワリと接近はするものの、これまでの様にオーバーテイクは容易ではない。
10位で、前を行く26号車をパスしたのは18周目、9位へ。
次のターゲットは4秒前の19号車、開幕戦優勝マシンだ。
1秒以上ペースの速いヨッスィーは直ぐに追いつき22周目にパス、8位。
この辺りから、ピットインが始まり上位陣にも変動が出始める。
52周レースだが、恐らく300は48~49周、そのレース半分の23周辺りでピットインを予定していたが、
シンタロー「前が空いたのでもう少し伸ばすけどどう?」
ヨッスィー「いいですよ~。」
タイムも8秒台キープで全く悪くない。
25周、シンタロー「前はカローラアクシオ(74号車)」10秒以上前でまだ見えぬターゲットに、ヨッスィー「抜きます!」と力強い返事。
見かけの順位は既に3位。
トップの7号車と合わせ3台がまだピットにはいっていない。
27周目7秒差にまで詰めた74号車、カローラが先にピットイン2位へ・・・。
翌周には7号車もピットに入り、気がつけばいつもと同じ目一杯引っ張り暫定トップで29周目ヨッスィーもピットへ。
スタートはヨッスィー。マシンに乗り込みグリッドに向かおうとするが・・・。 |
スターターモーターが回らず!人海で何とかなるものでもなく、ピットスタートとなる。 |
スターティングセレモニー中、ヨッスィーはマシンから降り、エンジニアや加藤選手と最終打ち合わせ。 |
ピット正面はカーズ東海応援席。チョッと変わったスタートをお見せする事に・・・。 |
エンジンが掛かりピットを離れる。スタンドから起こる拍手がマシンを後押しする。 |
300クラスもスタート!この距離でも紫電はまだスタートできない。 |
序盤、トップグループと変わらぬラップタイムで、毎周の様に順位を上げる。 |
26号車を追い詰めるものの、ポイント圏内に入るとさすがに簡単には前に行けなくなる。 |
そんなヨッスィーの走りを見守る加藤選手。 |
久々の後攻めとなった加藤選手に交代。
作業は順調に進み、スターターも問題無しだが、掛かった瞬間エンジンがややボコつき2~3秒はロスしたと思われる。
30周を終え、リセットされた順位は6位。
背後にはストレートが速い81号車が迫る。
32周目その81号車にパスされ7位に落ちる。
タイヤも出来上がってきた加藤選手、ペースUP。
トップグループの8秒台に対し、7~8秒台。
現在トップはポールスタート33号車。一時は2位に10秒以上のリードを築き、全車ピットアウト後は、常に5秒前後のマージンをキープする余裕のレース展開。
加藤選手も前を行く、81、43号車と共にペースを上げ、上位グループに近づいて行く。
33周時に37秒だった2位7号車との差は、07″293のべストラップの40周には26秒に・・。
しかし、このペースで追いつくには残り周回も少なく、また上位グループの走りには余裕はあるはず・・・。
ところが、そんなレース予測など無意味となる事態が発生!
45周目シケインで500クラスの多重クラッシュが発生。
セーフティーカー(以下:SC)が入ったのである。これで前車と間隔が一気に詰まる。
ホームストレート上で500、300クラス別で整列。
クラッシュ車両の撤去、コース清掃の後、1周のローリング、そしてリスタートとなるが、残り周回は実質2周。
この周回のレースはあまりに無謀。
結局SC先導のまま周回を重ね7位でフィニッシュ。
ヨッスィー最後尾から実質8位まで順位を上げる。 |
早めのピットイン予定だったが、結局クラス最後のピットイン。 |
ベストタイムを更新しつつ先を急ぐが、順位を上げるにはトップグループとの差がつき過ぎた。 |
バックのスタンドの様相が一変した鈴鹿サーキット。 |
最終側の、この景色はまだ変化無し。 |
残り4周、シケインでの多重クラッシュによりSCが入る。 |
クラス別に隊列作り、リスタートを待つ。 |
間に1台周回遅れが入り7位。5位、6位との間隔が詰まるが・・・。 |
結局残り周回も少なくSC先導のままチェッカー。Uターンしピット前を逆走し車両に向かう。なんか消化不良レース。 |