2016 SUPER GT第6戦:鈴鹿サーキット
GTレースレポート
2016年11月29日
8月26日 設営日
設営
SUPER GTシリーズ最長の鈴鹿1000km・・・以前は耐久レースぽかったが、燃料とドライバーの体力との兼ね合いから義務付け(5回)られた何度かのピットインはあるが、マシンにとっては何ら問題ない距離の長いスプリントレースとなった。
しかし単なるスプリントの繰り返しでは無い、通常のレースでは見られないドラマ・・・何かがある。
これが45回もの永き渡って人気を集め「伝統」のつくレースとなっているのだろう。
地元東海地方の我々CarsTokaiDream28はSUPER GTのシリーズ戦に加わる2006年以前から参戦しており、得意・・・というか、全スタッフでやりきった感を最も強く感じる大好きなレースである。
とは言ってもレース、勝負である。
今回も第3ドライバーを起用、それも今F3シリーズで最も元気のある牧野 任祐選手若干19歳である。
2人の熟年ドライバーからすると親子・・・いやもう一世代の年齢差。
3人のドライバー、メカスタッフ、マシンの活躍をお応援してください。
8月27日 プラクティス・予選
プラクティス 曇りのち晴れ ドライ
未明の雨は朝には殆ど痕跡も見られない程度だったが、プラクティス開始直前に小雨・・・ウェット宣言が出された。
しかしウェットタイヤの準備はあるが出番は無い。全車ドライタイヤでのコースイン、セッション開始となった。
加藤選手からのセット確認、牧野選手の実走シミュレーション(燃料多め、多周回タイヤでのバランス確認等々)、高橋選手習熟走行、Q1、Q2でのNEWタイヤでのタイムアタックシミュレーション等々、500との混走85分間と10分間の300専有セッション、合計95分・・・3人のドライバーが走行するには決して充分な時間ではない。
加藤選手がまず計測3周目に1′58″878でトップタイムをマーク、その後赤旗中断を挟み、NEWタイヤで58″603にまで短縮・・・トップは変らない。
続いて牧野選手が2ヶ月振りにEVORAをドライブ。
燃料多め、ユーズドタイヤでのタイムは00秒台・・更に走り込む予定だったが、赤旗中断。
先の赤旗と合わせ残り時間も少なくなった為、予定を変え高橋選手に交代、計測7周回するが、6月のタイヤメーカーテスト時の2秒台、7月の合同テストの3秒台に及ばぬ04″901と今のひとつタイムが伸びない。
300専有走行に入り再び牧野選手に交代、NEWタイヤのアタックシミュレーション。
ハコ車・・GTカーの経験の少ない牧野選手にとって、タイヤの一番“良いところ”を掴んでおくことは最重要である。
結果58″844と、このセッション加藤選手に続く2番手タイムをマーク!!
合同テストと同様、このルーキードライバーは再び注目を集める事となった。
Q1予選 晴れ ドライ
雨の心配はない完全ドライとなった午後Q1予選。
ルーキ牧野選手を送り込む。
午後2時30分セッション開始・・・多くの期待とメディアをピットに集める中、4分程待機してからコースイン。
計測2周目早くも58″484のトップタイムをマーク。
Q1予選突破が目標であればこれで十分であるが、このルーキー牧野選手本人もチームもファンもQ1突破のみを目標とはしていないようで、更に連続アタック。
セクター1クラスベスト、セクター2もクラスベスト、セクター3は自己ベスト!!
そして最終セクター4で自己ベストとならずとも叩きだしたタイムは57″811!!堂々のコースレコード!!
加藤選手の狙うポール獲得へ“力水”をつけた。
Q2予選 晴れ
昨年のオートポリス依頼のQ2進出となった加藤選手。
12分間のQ2予選・・・Q1時から若干セットを変えて挑む。
Q1の牧野選手同様、計測2周目58″127をマーク2番手タイム。
トップは同じマザーシャシーの18号車(86)が57″876。
更に連続アタックに入る加藤選手。
だが、セット変更は裏目に出てオーバーステアに苦しめられ、58″200と短縮できない。
更に31号車(プリウス)に割って入られ3番手に後退。
残された最終アタックもセクタ-3までに挽回できずアタック中止・・・そのままピットへ・・・。
悔やまれるQ2予選を終える。
1000kmの長丁場においてスターティングポジションは大きな意味を持たない・・・と言うのは過去の話で、ほぼスプリントと同様のレース形態となった現在、意義あることに間違いない。
何と言ってもドライバー、クルーのモチベーションの差は大きい。
なにはともあれ今シーズン最高位グリッドのスタート・・・充分活かしてリザルトに結び付けたい。
それにしても、ポール期待の高かった時の注目度(メディア)と、逃した時の注目度には天地の差!!
レースはやっぱり速くてナンボ!!
決勝レースで再び注目集める活躍をしたい。
8月28日 決勝レース
決勝レース 曇り
雨でむかえた決勝レース。
完全ドライコンディションのウォームアップの後、スターティングセレモニーの間に徐々にドライコンディションへと移行。
我々2号車始め何台かのマシンがスタート直前にドライタイヤに換装しレースはスタート。
スタート直後こそ5位にまで順位を落とした加藤選手だったが、各マシン1回目のピットインが始まり、集団がバラけると02秒台・・・更には01″401のファステスト(最終的は2番手)をマークするハイペースで飛ばしトップとの差を詰める。
見かけ上の順位が1位となった31周目には牧野選手に交代、9位でレースに復帰。
ルーキー牧野選手も02~03秒台のハイペースで追い上げる。
スティント中盤パッっとにわか雨があり、レインタイヤへの交換か・・?となればドライバーも交代し義務ピット回数を消化・・・と思われたが、路面コンディションは直ぐに回復。
怪しい雲行きながら暫く雨はないと踏んで牧野選手は予定通り続投。
64周目バックマーカーを含む集団に詰まった事もありピットイン。
レース終盤の雨を心配し3スティント目で見かけ上1位で高橋選手に交代。
ピットアウト後は9位となるも、04~05秒台ペースと、昨日のプラクティスのタイムからすると燃料満タンのマシンで健闘、見かけ上5~6位とほぼ順位をキープ。多少のイレギュラーも消化しつつ順調にレースは推移。
ところが、83周目に入った2コーナー、衝撃的なシーンがTVモニターに映し出される。
グリーン上クラッシュパッドにぶつかり左側面から後部を大破した2号車である。
ほぼ一回転スピンし止まったマシンから高橋選手は降りており、幸い大事には至っていないようだが、マシンの損傷はひどい。
SCが入りレース中断と同時に、我々の“夏”もリタイヤである。