モータースポーツ

2017 SUPER GT第2戦:富士スピードウェイ

2017シーズン LOTUS EVORA
2017年05月19日

5月2日 設営日

設営

全くレースにならなかった開幕戦岡山から4週間・・・第2戦は富士スピードウェイ。
パワー勝負の高速サーキットだが、高速コーナーで強みを発揮するコーナリングマシン「LOTUS EVORA」  岡山でのマシンの不具合は、ほぼほぼ原因も分かり対策済み。
500kmの長丁場ではタイヤに優しく、燃費も有利。
好天が約束された予選日、決勝日。
モデファイされ、精悍さが増したカラーリング。
・・・いい材料は揃っている。
あとは結果・・・。

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5月3日 プラクティス・予選

プラクティス 晴れ ドライ

“約束”通りの快晴で向かえたプラクティス。
加藤選手によるマシンチェック後、ペースを上げる。
燃圧低下によるエンジンのバラつきは無い・・・完調。
車高、ダンパーを調整しつつ・・・タイムは1′38″475でクラス中位、というより下位。
トップは既に37秒台。
だがバランスは悪くないので、とりあえず高橋選手に交代。
8周ほど計測しベストは40″464・・・。
まだ詰めることができそうだが、再び加藤選手により足回りのセッティング変更をし、38″651。
この頃ストレートでクラッシュ車両があり赤旗中断となった為ピットイン。
タイヤのグリップが落ちてきた為、これを機に・・また、続く300クラス占有走行に向け、EWタイヤに交換・・・と思ったが、左後輪が外れない。
ホイールナットが外れず、それらの修正で占有走行時間と、サファリ走行時間を失い、予選に向けた最終セッティングを行うことができなくなってしまった。

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・・170504GT_Rd2_2015

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Q1予選 晴れ ドライ

Q1アタックは加藤選手。
いつもならプラクティスでタイム的に自信があれば、セッション開始からしばらくしてコースインするのだが、さすがに今回はセッション開始と同時にコースイン。
3周の暖機後のアタックタイム37″363はシングルポジションだが、後のマシンもタイムアップし直ぐにダウン・・Q1突破順位(上位14位まで)からはじき出される。
翌周37″039にタイムアップと同時に11位にまで復帰するも、徐々にドロップ。
その状況を無線で知らされている加藤選手は、更にアタックを続けるも、37″101は既に14位の崖っぷち。
1周のクールダウンの後、再びアタック・・・残り時間から最終アタックとなるが、既にタイヤは最高グリップを過ぎてしまっているのか、各セクターでタイムは縮まらず37″494・・・19位・・惨敗である。
Q1突破のトップが35″864で唯一の35秒台、Q1ボーダーの14位マシンが36″870、ひとつ前の18位36″996までの17台が36秒台と激戦のQ1となった。
ドライバーからは「バランスは良い」という事だが、エンジニア曰く、「遅いタイムでバランスが良いってのは厄介で、何をしたら良いのか?分からない。」
確かに、「アンダーステアだ!」「オーバーっだ!!」という事ならそれを解消すべく手はある。
どうも全体的にグリップが不足しているようで、現状これといった対策が無いが、これがレースラップとなれば、申し分ない・・・が、それは難しいだろう。
ギアレシオを少し変更し、各コーナーに対する合わせこみを試みる。
だが、明日のスタート前のウォームアップだけで、どれだけ手応えを得ることができるか?・・170504GT_Rd2_2020

5月4日 決勝レース

決勝レース 晴れ ドライ

今回も・・・ではなく今シーズンは決勝日の朝のフリー走行がない。
勿論全チーム同じ条件なので、これを見据え、過去のデータ量、それらによるセットアップ能力、作戦等々チームの総合力が問われるタイムスケジュールとなった。
ドライバー・・特にアマチュアドライバーにとっては、当日の“慣らし”・・・は、重要な走行である。
満タンにした際のマシンのバランス、当日のコースコンディションに対する順応の速さが、アマチュアとプロの差のひとつと言っても良いかも・・・。
しかし、このSUPER GT・・そうしたアマチュア、プロのクラス分けは無い・・・それに挑むアマチュア高橋選手である。
この30分有ったフリー走行を補う為、決勝レース前のウォームアップ走行が8分から20分に延長され、13分・・計測5周ほどを高橋選手が走行、42秒台・・更にタイムアップは可能だが、加藤選手も満タンのバランス確認は必要だ。
その加藤選手で39″727で20番手・・予選と殆ど変わらず、レースの序列にそのまま反映されてしまうか・・。
このレースはシリーズ2番目の長さ500km、110周・・・300クラス102周辺りがチェッカーと思われる。
レギュレーションでドライバー交代を伴うピットインが2回義務付けられている。
これは燃費の悪いGT3マシンと燃費の良いJAF GT、マザーシャシーマシンとの差を埋める措置で、燃費が良いと1ピット作戦も可能。
このレギュレーションができる2009年以前は紫電で1ピットを敢行した事がある。
2回ピットとしても、満タンスタートで、1回フル満タンをすればもう1回は僅か数秒の給油で済み、その僅かな給油時間はドライバー交代をしないで済ませば、トータルのピットストップはかなり短くする等、作戦の幅は広がる。
しかしドライバー交代を義務付ければ最低15~16秒程度は必ず停車・・・給油ができる。
となれば燃費の悪いマシンとの差は減る・・・というわけである。
通常のレギュレーションとしては、給油中は、ドライバー交代とその補助作業以外、他の作業は禁止(マシンに触れてもダメ)。
タイヤ交換は2名まで・・・などなどのルールがある。
タイヤ交換もドライバー交代も、練習により短縮は可能だが限度はあり、ほぼ行きついてしまった感はある。
ただし給油時間は燃費によって縮める事は可能。
タイヤ交換も片側交換・・または無交換にすれば短縮が可能。
こうしたルールに対し、コース、マシン特性等を踏まえ作戦が組み立てられていくのである。
スタートは加藤選手、そして高橋選手、最後は加藤選手へと繋ぐ。

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グリッドはBピットからは遥か彼方の19番。
気温19℃、路温は29℃・・中盤にはもう少し上がるだろうが、勿論この季節としては想定内。
定刻の14:10・・恒例となった警察車両先導によるパレードラップ、そしてフォーメーションラップの後レーススタート。
開幕戦、岡山の様な波乱はなくきれいなスタート。
しかし1コーナーまでに60号車(RC F)に早くもパスされ、オープニングラップは20位。
2周目に入るストレートで31号車(プリウス)に、翌周同じくストレート中間で117号車(ベントレー)、そしてストレートエンドで30号車(プリウス)と毎周1台づつ拔かれ4周を終え23位へとドロップ。
コーナーで稼いでも、全てパワー勝負のストレートでパスされてしまう。  タイムは40~41秒台・・・満タンとは言えもっとペースは上げられる。
加藤選手「立ち上がり加速悪すぎる!!」と苦情が舞い込む。
1対1ならコーナリング勝負も可能だが、この集団の中では如何ともし難い。

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そんな集団の中、淡々と周回が重ねられて行くばかり・・・だったが、22~23周辺りで1回目のピットインが始まる。
見かけ上の順位が上がり、集団の台数も、燃料も減り、ペースも40秒台・・そして33周過ぎからは39秒に入る。
当初のピットイン予定の42周目には見かけ上トップとなる・・・この周回を経たタイヤでいまだ39~40秒台。
既にタイヤ交換を終え、充分温まったマシンよりもハイペースな為、周回を伸ばし45周目、ようやくピットイン。
勿論タイヤ交換、満タン給油で高橋選手を送り出し、アウトラップは18位と5ポジションも引き上げる事に成功。
だがアウトラップを終えた時点で、既にトップ4号車(メルセデス)が0.3秒後ろまで迫る。
まだタイヤの温まらない42秒台の高橋選手に対し、トップは39秒台・・・翌周には周回遅れとなる。
その後も42~43秒台をキープできるなら・・・と思われたが、55周を過ぎた辺りから45~46秒台と急激にタイムが落ち始める。
高橋選手「オーバーステアが酷い!!」と無線が入る。
NEWタイヤに満タン・・・ほぼ同じコンディションで走ったウォームアップから比べると何かバランスが狂ったようだ。
そんな時、ピットサインエリアにいる、渡邊エンジニアが・・・
渡邊「何かウィング壊れてないか?」メカもサインエリアに出てストレートを通過するマシンをチェック。
ウィングがブレてるようにも見える・・・が、それほどのモノではなさそうだ。
危険な程であればとっくにオレンジボールが出るはずだし・・・。
数周観察していたら左側の翼端板が無いことが分かった。
これらが原因で、デリケートなバランスが狂ったのか?
この修復の為にピットインはロスが多すぎる・・・何とかこの状態で予定周回32周を走って貰わなくてはならない。
そんな悪戦苦闘を乗り越え70周を過ぎた辺り44秒台そして43秒台にペースが上がるが順位は既にトップから2周遅れの20位。
77周を終え2回目のピットイン。
ウィングの破損に備え、スペアウィングが用意される。
ピットに滑り込む高橋選手、2号車。
残り推定23周・・・タイヤは左側のみ交換、燃料も残り走り切るに必要な量だけとしてストップタイムを短縮。
しかしウィング、左翼端板の修理がある。
脱落したと思われたが、幸いビス一本で引っかかっていた。
ウィング自体も取付けビスが脱落しており多少のブレは発生していたと思われる。
それらの修復によりピットストップは伸び、ピットアウト時には3周遅れ、23位に落ちてしまった。

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順位的には残りは消化ラップ的になってきたが、41~40秒台飛ばす加藤選手。
90周(右タイヤは既に45周以上走行)過ぎても40秒前半から39秒台と、トップグループと変わらぬラップタイムであるが、そんな快走も「焼け石に水」・・・順位を1つ上げるが精一杯。
99周22位でチェッカーを受ける。
今回も何ともフラストレーションの溜まるレース。
岡山に続く漠然とした遅さ・・・。
若干のトラブルは有ったものの、ここまで順位を落とすとは・・・。
ここ富士はストレートスピードが劣るからといは言え、コーナリングマシンのEVORAが戦えないコースではない。
シャーシ、エンジン、タイヤ・・・それらが総合的にバランスがおかしいのか・・・?
次戦前回(一昨年)ポールポジションを得た、得意なテクニカルコースの九州オートポリス。
今回得た豊富なデータを解析し、好レースを見せいたいと思います。

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