2012:SUPER GT第7戦 オートポリスサーキット
2012シーズン 紫電
2012年10月21日
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SUPER GT第7戦 オートポリスサーキット
2012年、SUPER GT戦も残り2戦、結果いかんではそろそろチャンピオンも決する事になる。
EVA紫電は4、5、6戦と3戦連続ノーポイントとなり苦しい・・・というよりほぼチャンピオンシップは絶望的となってしまった。
トップからは35ポイント差で、残り2戦を連勝し40ポイント稼ぎ、トップが5ポイント以下であれば数字の上では可能性は残されてはいるのだが・・・それほど楽観主義ではない。
だが、ひとつでもランキング順位を上げるというのはレースをする為の最低限必要なモチベーションであり、応援してくれるファンには勿論、サポートしてくれる各スポンサーさんに対する恩返しである。
今回第7戦は06年紫電は勿論、チームとして、また高橋、加藤両ドライバーにとっても初優勝のサーキット。
しかも決してタナボタ的優勝ではなく、勝つべくして勝てた、紫電にとってはもっとも得意なサーキットであり、それ以降の年も優勝こそできないものの、常に上位争いを展開してきている。
加えて、多くのチームは不参加の8月のタイヤメーカーテストにも参加し、必勝体制で乗り込んだ。
ところが9月末、大型の台風17号が沖縄から九州に接近しており、今夜から明日にかけてこの付近に最接近と波乱の予報。
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■9月29日(土) 練習走行 / 雨
前日の設営日こそ素晴らしい秋晴れに恵まれたものの、本日のプラクティスは早朝から雨。
8月末のテストでは2日間雨予報だったので、テストスケジュールも変更となり、多くの時間は翌日ドライコンディションで走行したが、1日目のウェットコンディションでのデーターも得ておりこれらが活きる事となる。
雨は小雨が続く中、止み間もあるが、終始ウェットコンディション。
タイヤはウェットタイヤ(深ミゾレインタイヤ)がメインながら、インターミディ(浅ミゾレインタイヤ)に交換するか?しないか?というコンディション・・・
こうしたコンディションながら、今シーズン全面舗装改修がなされたサーキットを走った優位性はあったのか、走り出しの加藤選手は、プラクティスセッションでは常に上位タイムをマーク。
序盤、1′58″784は3番手。
全体にペースも上がり始め、一旦5番手に下がるものの、続く56″715は再び2番手タイム、そして56″119でトップタイム。
殆ど霧雨様なコンディションから、時折小雨になるものの、ライン上は水も履け、ドライには至らないがコンディションとして僅かづつ良くなり、各マシンタイムも上がってきたが、それに呼応するように加藤選手も一気に55″352まで再びタイムアップ、トップタイムを堅持する。
無論ここでのトップタイムは、大きな意味を持たないが、仕上がりに問題はなさそうだ。
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マシンのセットアップも殆ど変更すること無く、セットが決まってきたところで高橋選手に交代。
こうしたコンディションが決して得意ではない高橋選手も、57秒台と全体で15、16番手タイムをマーク。
今回からノックアウト方式となった予選のQ1突破の上位16台に加われそうな勢いだ。
まだタイムを上げられそうだが、56秒台にあと僅かの57″059まで詰めたところで最終的に予選で使用するタイヤ(ソフトか?ミディアムか?)を選択すべく再び加藤選手に交代。
残り時間も少なく、あと5分程で、10分の300占有走行時間になり。その300占有時間は、高橋選手に予選Q1シミュレーションを予定している。
冷たい路面に慎重に周回を重ねタイヤに熱を入れアタックに入る。
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1、2コーナーを抜け、第1セクターのタイムも悪くなく、完全なアタックモード。
ところが3コーナーに入りところ・・・ブレーキングでタイヤがロック!!
200km近い速度でコースアウト、そのままタイヤバリアに一直線!
殆ど正面から激突!!幸い加藤選手に怪我はないが、マシンは全部が小破、自走不能となり回収の為赤旗となる。
加藤選手が、単独でこれほどのクラッシュは・・・に限らずコースアウトは、紫電のドライブでは初めてと言っていいほど珍しいアクシデントである。
キャリアカーで戻ったマシンは前部、特に下部の破損が著しく、ピットに戻たマシンをメカニックが診断。
その結果、交換部品が足らないことが判明。
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スペアパーツはレース予算との兼ね合いで準備される。
エンジンや、ミッションのパーツであれば普通に購入できるパーツもあるが、紫電の場合、こうした外装パーツ類はこの1台の為に用意されているパーツが多い。
効率よくパーツは準備しなくては、お金がいくらあっても足りなくなってしまう。
このマシンがあと何レース走る、何シーズン走るかによっても準備するパーツは変わってくる。
今シーズン限りの紫電に、多くのパーツを準備する事はできない。
そんな中、これまでの経験から必要なパーツを準備して臨んだシーズンだったが、7月8月にかけてのテストとレースの過密スケジュールの中、予想以上に破損したパーツの補修準備が追いつかなくなってきていた事は否めない。
外観だけならそれなりに修復可能だが、下部は見えないところながら空力的にも非常に重要で、大きな力が掛かる部分。
安易な修理は重大な事故に結びつきかねない。
残念ながら、ここで完全に沈黙・・・・。
「CrasTokaiDream28」として、GTレース12年目となり、決勝レース出走の危機は幾度か有ったが、(04年のセパン、07年のオートポリス、11年のセパン、今年のSUGO等々)何とか回避する事ができた。
また2010年の開幕鈴鹿戦で、決勝スタートから僅か半周リタイヤは有ったが、スタートできなかったのはこれが初めてである。
と同時に、数字の上でも今年のチャンピオンは完全になくなった。
ここオートポリスを含め、鈴鹿、SUGOと、紫電の得意とするサーキット、全てがノーポイント。
これでチャンピオン争いに残れるほどSUPER GTは甘いシリーズではない。
これまでのシーズンでは見られなかった加藤選手のミス。
鈴鹿では3年間破損の無かったエキーゾーストパイプが、今シーズン新造したにも関わらず破損。
レースは運も味方にしないと勝てない・・・とは昔から言われているが実感できるシーズンである。
次戦モテギは、公式戦としてはEVA紫電のラストラン。
厳しいコースだが、名車紫電にふさわしいベストをつくした有終の美を飾らせてやりたい。
■高橋選手のコメント
せっかくキャンギャルも来てくれたのに(レースクイーンが到着したのはプラクティス終了後)・・申し訳ないけど・・ま~シューマッハでもこのあいだぶつかったしね・・・(加藤選手も)40過ぎると時々そういう事あるよね(横から加藤選手:笑いながら・・「気をつけよ。」)でも、ぶつかることはこっちの方が上だから・・プロだから、今度ぶつかり方教えてあげるよ。(笑)
■加藤選手のコメント
予選が走れずレースが終わってしまって・・・非常に申し訳なく思っております。やる時はでかいですから・・・(2008年の)ル・マン以来ですね。
でもチョット部品が無いってのもあって・・・ついて無かったって部分もありましたね。・・・今回は色んな反省をもとに・・・最終戦がんばりたいと思います。
■渡邊エンジニアのコメント
ここは(オートポリス)以前(8月末)タイヤメーカーテストで来ていて、晴れとウェットと両方走れた事もあって、今日も走りだしウェットで・・・走りだし好調で・・・ま~加藤選手が乗ってる同じ時間帯(同じコンディション)の中ではトップタイムとかも出てましたし・・・クルマ調子良かったんですけど・・・最終的にセッションの最後の方で・・・タイヤ(比較)テスト中の加藤さんがぶつかっちゃって・・クルマの修復も困難だということでリタイヤする事になってしまったんですが・・・・・・・・ん~・・・これだけしか走ってないんで・・コメントのしようもないですが・・・ただ調子がいい所(サーキット)ほど、残念な終わり方(SUGO・鈴鹿)をしている所が今年は多いんでね・・応援してくれてる方には本当に申し訳ないと思ってます。
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■オマケ 9月30日(日) 決勝レース日 / 雨
決勝レースに出られないからといって、サッサと撤収して帰るというわけにはいかない。
プロモーション的にも1台分歯抜けの様に撤収したピットがあってはみっともないし、ピットウォークでエントリーリストに載ってるチームがいないのもなんだし・・・。(元々来ることができなかったらのならやむ負えないが・・・)
少なくともお客様から見える部分は、それなりに残しておかなくてはならない。SUPER GTというイベントして格好が悪い。
と言っても、EVA紫電は大きく破損したフロント部分をおみせするわけにはいかないので、後ろ向きとなる。
両ドライバーも、ピットウォークでファンの方へのサイン、写真と最後の仕事に忙しい。
これが終われば、少なくとも両ドライバーはもうやるべきことはない。
台風17号の影響により、当初予定していた帰りの航空便が欠航になる可能性が出てきたので、この際なのでピットウォークが終了後、早々にサーキットを後にした。
残りのスタッフは最終的な撤収作業が残るが、多くの機材は既に片付いたので、レース終了と同時に撤収を開始。
通常3~4時間は掛かる撤収作業も1時間ほどで終了。
他チームより“はるか”に早くサーキットを後にする事となった。
こんなレースは二度と御免・・・・としたい・・・。
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