モータースポーツ

2018 SUPER GT 第3戦:鈴鹿サーキット

2018シーズン LOTUS EVORA
2018年06月01日

5月18日設営

設営
例年8月に1000kmレースとして開催されていた鈴鹿戦。
今年は1000kmレースが別イベント・・10時間耐久レースとして開催される為、SUPER GTのシリーズ戦としては、この300kmレースとなった。
4月の公式テストでは非公式ながらコースレコードを破るトップタイムをマーク。
ここ鈴鹿との相性の良さを見せる・・・ところが、直前になって、2号車エヴォーラを始めとする86のマザーシャーシ勢に性能調整として+30kg!!合計50kgのウェイトが課せられてしまった。
これはリザルトによるハンディウェイトとは別物である。
本来アップデートが許されたマザーシャーシマシンが改良を重ねても、それらが功を奏すると、あっさり削りとられるのである。
テスト時の速さを発揮する事は困難な状況となったが、チームの地元でのレースである。
見応えのあるレースをしたい。

5月19日プラクティス・予選

プラクティス 晴れ / ドライ
予想された雨は未明に降り、朝一の公開車検時までには上がったもののコースコンディションはウェット・・・と思われたが、公開車検時間中に陽が差し込み、強い風と相まって、急激にドライコンディションに変わっていった。
4月の公式テストから1ヶ月、テスト時のベースセッティングに大きな変更をすることなく、セッションスタート。
加藤選手の計測4周目の1′58″554でとりあえずポジション6・・・。
その後も周回を重ねるが、北西のからの強風に翻弄されタイムアップできない。
裏ストレートで追い風となりマシンを押しトップスピードを上げるが、テストで合わせ込んだギアレシオではリミッターに当たってしまうほどに・・・。
またふたつのコーナーでマシンの向きが180度変わるスプーンカーブなどはハンドリングも変わってしまい、追い風を簡単にはタイムに結びけない。
10周ほど高橋選手に交代。
ところがテスト時に00秒台にまで入れた高選手だったが、10周の走行で6秒台と低迷・・・。
データロガーからウィークポイントを点検・・・01″466のベストにまでリズムを取り戻す事ができた。
プラクティスは強風の影響か?各所でスピン、コースアウトの為3回の赤旗中断となり、結局序盤のベストタイムで15番手・・・だが、トップも57″240と、テスト時のタイムから比較すると全体的に伸び悩んだ結果となった。
予選Q1 晴れ / ドライ
午前中の強風も、午後2時35分からのQ1予選の頃にはかなり弱まった・・・とは言え無風には程遠く、体感的にはかなりの寒さを感じる。
気温は20度程度ながら、路温は35度を超え、タイヤには程良いコンディションとなりQ1予選が始まった。
殆どのマシンが1周を通過し残り12分程でQ1担当に加藤選手がピットを離れる。
3周のウォームアップでアタック開始。
まずは58″818でポジション8・・・連続アタックの間にポジションは10位にまで下がる。
だが翌周57″563で7位にまで挽回!
上位14台のQ2進出をより確実にする為、3周目のアタックに入る・・・。
ところが数十秒後、加藤選手から「コースアウトした!」と無線が入る。
グラベルの多いここ鈴鹿でのコースアウトはスタックする可能性が高く、「コース戻れますか!!」と問うが返事がない・・・。
間もなくライブ映像に、登りダンロップコーナーでコースアウトし、スポンジバリアに当たった2号車が映し出される。
加藤選手に怪我は無いようだが、スポンジバリアが走行の妨げとなった為、赤旗となった。
と同時、ルールにより赤旗原因車両はタイム抹消となり、予選は最下位(厳密には順位なし)が確定した。


朝7時ころのコースはウェット。

公開車検の頃には陽が差しはじめ・・。

プラクティス開始時には完全ドライ。

タイムが伸びない高橋選手がロガー研究。

Q1予選・・加藤選手には珍しいコースアウト。

雨上りのため、見た目は汚れたが、ダメージは大きくない。

決勝に備え、ピットワークシミュレーション・・・斜め止めヴァージョン。

5月20日決勝レース

決勝レース 晴れ / ドライ
快晴の決勝日・・・グリッドは最後尾。
シーズン一度は最後尾グリッドになっている(昨年はSUGO)・・そうした場合の多くは高橋選手をスタートに起用。
後を気にせず、タイヤの暖気と合わせ、徐々にペースアップができるし、コースも荒れていない・・・アマチュアドライバーには走りやすい状況と言える。
レース周回はおそらく48周・・・の3分の1・・・16周を高橋選手が担当する事になる。
ウォームアップ直前になり、なんとサーキットの計時システムのトラブルが発生し、スケジュール全体が40分のディレイとなる。
ドライバーのコンセントレーションは・・・実際のスタートまではまだ一時間以上あるので、充分リセットできるだろう。
レーススタート!!500クラス共に順調なレース序盤。
トップグループは00~01秒台、中位グループは02~03秒台、高橋選手の下位グループは04~05秒台。
5~6周目に入ると500クラスが追いついて来た為、タイムがバラツキ、遅れが出るが7周を終えトップから60秒差、ほぼ半周分。
この下位グループでは、タイムに大きな差は無く戦える相手、引き離されることはないが抜くには至らない。
ストレートで先行するGT3マシンに対しコーナーで詰め寄る高橋選手・・前に出られればタイムアップできるだろうが・・・まだまだ課題はあるようだ。
ミス無く12周を終え、トップ96号車から78秒離され(後方50秒辺り・・)、ピットインまで残り4周。
充分トップと同一周回で引き継ぐことができるだろう。
13周目入った直前、GT500マシンがデグナー先でスピンコースアウト。
大きなアクシデントではなさそうでドライバーも無事だが、やや邪魔な位置かも・・・。
この撤去の為SC(セーフティカー)が入り、全車追い越し禁止となる。
正直これはラッキー!!絶妙のタイミングである。
アクシデントの状況から、撤去作業を終え、SC解除となるのはおそらく3~4周後の16~17周辺りと思われ、ちょうど予定していたピットインタイミングとなる。(SC走行中はピットインはできない。)
15周ストレート上で整列停車・・2周後にSC解除と同時にピットイン。
当然同様の作戦を取るチームもあり、10台以上のマシンがピットロードに流れ込んできた。
GT3マシンの多くは、タイヤ交換を行ったが、2号車も含め、JAF-GT、MC勢はタイヤ交換せず素早くコースに送り出す。
SC時27位から18周目のアウトラップで25位となる。
前を行く半数は、いずれピットインする事になるので、ここから先どれだけ順位が上がるか・・・期待が高まる。
20周目を3秒台、21周目からは2秒台にペースを上げる加藤選手・・・ところが、前を行く前戦富士でブッチギリ優勝の55号車(BMW)のペースが悪い。
21周を終え、24位の87号車(ランボールギーニ)の更にその前・・2秒リードされ23位にいた55号車だが、翌周87号車に抜かれ、2号車加藤選手もこの周でコンマ3秒差にまで一気に詰め寄り、順位も2台のピットインがあり、それぞれ22、23位へと上がるものの、蓋をされる形で周回を重ねる事となる。
裏ストレートはスリップに入り、追従するが精一杯。
シケインから下りのホームストレートでは差を広げられS字、逆バンクで詰めるものの、上りダンロップ、デグナー、ヘアピンでも抜けない。
スプーンへ向かう上りのマッチャンでも差をつけられスプーンで詰める。
そんな攻防に、何台かの500のオーバーテイクも加わりタイムは03~04秒台と決して早くはなく、55号車の巧みなブロックに阻まれている。
そんなバトルは27周まで続き、500の波が途切れた28周目、S字から逆バンクは完全にテールtoノーズで喰らいつき、ダンロップ入り口でアウト(右)に寄った55号車のインに入り込む。
ダンロップをサイドバイサイドで登りきりようやく抜き去る。
そこから再び02秒台へと一気にペースアップ。
その間も、またその後もピットインマシンもあり33周目には16位に上がっていた。
ほぼ全車ルーティンピットは終了。ここからは攻めて順位を上げるしかない。
9秒前は9号車(ポルシェ)・・・03秒前半でラップ。
500のオーバーテイクに若干タイムを落とす9号車に対し、500を巧みに利用しタイムを上げる加藤選手。
42周を終え、コンマ3秒まで迫り、ホームストレートを下る。
前を行く52号車(マークX)に追従する9号車が2コーナーでインを空ける・・・そこを逃さず入り込む2号車加藤選手・・・ポジション15。
続くは同じマザーシャーシの52号車・・コンマ6秒差。
共に02秒~03秒台だが加藤選手の方がコンマ2~3秒早い。
互角のパワーでストレートでは差を詰められないが、47周目後半、シケインのブレーキングでオーバーテイクに成功!!
その間にトラブルでピットインしたマシンがあり13位に上がる・・残り周回は2周。
12位の87号車とは10秒・・・・まともに届く距離ではないが、手綱を緩めることなく追った48周目は01′906のベストタイム。
トップ96号車とは55秒差の同一周回だが、間に500のトップが入りチェッカーとなった為、1周遅れの48周で2号車加藤選手もレース終了。
結果は13位と久々の中位グループ。
ポイント圏内の10位、10号車とは20秒差。
実はこの10号車は同じ周回にピットイン、作業メニューの違いからアウトラップでは1秒先行されたが、その翌周にはアウトラップ周回の55号車を抜き去りペースアップ。
反対に55号車に阻まれペースを上げられなかった2号車・・・大きく明暗を分けた感はあるが、勿論55号車の巧みなブロックも、接触もなくフェアであり、これも・・・いや、これがレースである。
ただ、タラレバレースが許して貰えれば、充分ポイント圏内に絡むレースができたのではと思うと残念なレースであった。

年に一度は最後尾グリッド。

スタートは高橋選手

時期も良いのか?結構大入り。

全く見えない。

SC解除・・と同時にピットイン。斜め止め。タイヤ交換なし。

加藤選手怒涛の追い上げ。

チェッカー後ピットロード逆走でパークフェルメへ。
惜しいレースだったが、レースを楽しんだのでは・・・加藤選手。