モータースポーツ

2019 SUPER GT第2戦 :富士スピードウェイ

2019シーズン LOTUS EVORA
2019年05月07日

5月2日設営

設営
全くレースにならなかった開幕戦岡山から4週間・・・第2戦は富士スピードウェイ。
パワー勝負の高速サーキットだが、高速コーナーで強みを発揮するコーナリングマシン「LOTUS EVORA」
岡山でのマシンの不具合は、ほぼほぼ原因も分かり対策済み。
500kmの長丁場ではタイヤに優しく、燃費も有利。
好天が“約束された”予選日、決勝日。
モデファイされ、精悍さが増したカラーリング。
・・・いい材料は揃っている。
あとは結果・・・。


富士スピードウェイに隣接のメンテナンスガレージ「ムーンクラフトカーズ」で、今朝積込。

久々のBピット。(1コーナーよりの平屋ピット。)Aピットと幅は同じだが、奥行きは短く狭い。だが、他のサーキットより格段に使い易い。

岡山でのトラブルも解消・・・されたはず。

雲ひとつない富士スピードウェイ。明日も明後日もほぼ晴れ。

5月3日プラクティス・予選

プラクティス 晴れ / ドライ
好天の富士スピードウェイ・・・公式練習日。
今日は午後の予選に至るまで天候・・雨の心配はなさそうだ。
むしろ気温、路温の上昇が心配される。
セッション開始時で気温20度、路温は30度、その後も上昇が予想される。
2号車は走り出し加藤選手・・・数周の暖気後で1′37″725で4番手。
その後数種のタイヤテスト、若干の足回りのセット変更を試しトータル19周で37″103までタイムアップ・・・トップは36″552だが、届かないタイムではなく、まだ余力を残し高橋選手に交代。
3月のテスト時に安定した40秒台、そして39秒台に入れていた高橋選手だったが、走り出し計測6周で41秒台、その次の7周でも40秒台はおろか41秒台・・・路温の違い、それに合わせたタイヤの戸惑いか?タイムが伸びない。
加藤選手のデータロガーと比べウィークポイントを探り、クラス別専有セッションに臨み、ようやく40秒台に入るが、目標とする38秒台へは大きな隔たりができたが、マシンのバランスは良く、トップスピードも277km/hと、GT3勢と互角以上のパフォーマンスを見せる。
午後の予選に期待したい。
Q1予選  晴れ / ドライ
天候は全くもって安定。風もなく過ごし易い・・・どころか、ひなたで暑さを感じるほどである。
Q1セッション開始時は気温22度、路温は36度にまで上昇。
タイヤチョイスはぼピッタリ・・好タイムが期待できそうだ。
14時45分Q1セッション開始・・7~8割ほどコースインを終え、先頭が最終コーナーに差し掛かったあたりでピットを離れる加藤選手。
2周、3周目47秒台、41秒台とペースを上げた翌周、セクター1で1秒、セクター2で2.5秒短縮!完全アタックモード。
フィニッシュライン通過36″566!!Q1トップ!!
更に翌周のセクター1でコンマ1秒短縮するも、セクター2は伸びず・・しかしQ1突破確実と判断、タイヤ温存の為ペースを落とし、ピットへ・・・。
このポジションは破られることなく、加藤選手の存在感を知らしめセッション終了。
Q2予選 晴れ / ドライ
10分間のQ2に挑む高橋選手。
出走ドライバーはプロ、セミプロばかり。
16台の中で順位を上げる事は難しい・・・レースでのアベレージタイムアップに繋がるべく自己ベストを目指す。
セッションタイムが短いので、開始と同時にピットアウト・・・とはいかず、後方を気にしないよう、最後尾でコースイン。
加藤選手と同様、47秒、42秒と徐々にペースを上げ、4周目39″761とベスト更新。
更に翌周39″347へとアップ・・加藤選手と異なり、練習も兼ねたこのセッションで翌周もアタック。
しかし40″288に留まりチェッカー・・セッション終了。
ポジション16となったが、決勝に繋がるタイムアップを見せた高橋選手だった。

ダウンフォースとドラッグの妥協点を探すべくウィングの角度は重要。特にここ富士では・・。

ドライバー交代2回義務付けは、タイヤ交換も2回となる可能性が高い。要練習。

今日の予選は好天・・・明日決勝日は多少雨予報・・・。

今年から義務付けとなったメカのヘルメット&ゴーグル。

Q1予選ピットアウト。

時間を残してQ1セッションを終え、ラップモニターを見上げる加藤選手。

5月4日決勝レース

決勝レース 晴れのち雨 / ウェットのちドライ
決勝日の今朝も、ところどころに白い雲があるていどの青空・・好天。
午後12時55分からのウォームアップ走行においては、高橋選手41秒台、加藤選手39秒台・・満タンから8割程度のマシンのバランスも良く、予選の好調さを保っている。
ところがスターティングセレモニーの始まる20~30分ほど前にはコースの一部で雨がパラついていると、ピット周辺では信じられない情報が入ってきた。
そう言われて空を見上げると、確かに最終コーナー方向の山に灰色の雲がかかり、怪しい雲行き。
13時半、マシンがグリッド整列の為ピット離れた後、我々も含め、殆どのチームがレインタイヤをグリッドに運び込んでいるが、14時30分のスタート時はドライタイヤで行けるだろうと思っている。
ところが14時を少し過ぎると、確かにポツポツと落ちてきたが、まだ心配するほどの事はない。
14時15分、ほんの僅か雨は多くなった。まだ路面を濡らすほどではないが、念の為ドライタイヤを外して待機。
14時17分、雨は多くなり、路面にも黒いシミ斑点ができ始めるが、現時点ならドライで行けるが、この推移からするとウェットスタートとなるか・・・だがどこのマシンもタイヤを装着はしていない・・っていうか「ウェット宣言」が出ない。
※「ウェット宣言」が出れば、決められたスタートタイヤ以外、レインタイヤに交換、スタートできる。  だが14時21分、雨量は多くなり「ウェット宣言」を待つまでもなくウェットコンディションは明らか。
スタート5分前には作業を終える必要があり、我々も2号車含め、全チームレインタイヤを締めるインパクトの音がグリッド上に響き渡る。
これで、ドライコンディションを想定した500kmの綿密な作戦は崩れたしまった。
本格的な雨となった為、通常のパレードラップ、続いてのフォーメーションラップはキャンセルされ、開幕戦岡山と同様セーフティカー(以下:SC)スタートとなった。
2周のSC先導で、レインタイヤを暖め3周目からレースとなったが、未だ2号車のレインタイヤは試行錯誤段階・・・気温18度、路温25度の低温グリップが上がらず苦戦する加藤選手。
6周を終えトップ2台だけ47~48秒台でリード、49~50秒台で9秒内に12台ほどがセカンドグループ形成。
既にそこからも5秒ほど離された第3集団にいる加藤選手はポジション17・・・50~51秒台で果敢に攻め、1台のピットインも含め9周目には15位となる。
その後、雨脚は強くなり、12周目SCが入りペースが落ちる・・・タイヤが冷える・・・雷も鳴り始め、選手や観客の安全を考慮し15周目赤旗となりレースが中断される。
一旦加藤選手もピットに引き上げて来る・・・「タイヤが全く合わない。(コースアウトせず)コースに留まるが精一杯」とボヤキ。
4月中旬の鈴鹿テストのウェットコンディションで良いパフォーマンスを示したタイヤを使ったのだが、タイヤが違っているんじゃないかと思われるほど熱が入らず機能(グリップ)しない。
雨も上がり赤旗中断、約30分、その後2周のSC先導で19周目にレース再開。
だが完全に冷え切ったタイヤではどうしようもなく、2台に抜かれ17位・・・22周目1台抜き返し16位と一進一退。
雨も上がった為に、徐々にライン上は水がはけてきたものの、まだドライタイヤの出番ではなく、ルーティンピット・・・今回は2回のドライバー交代を伴うピットインが義務・・・が始まる頃にはドライタイヤで出る事になりそうだ。
ライン上も僅かずつ乾き始めた30周過ぎ、タイムも47~48秒台にペースも上がるが、細いラインを外れればまだウェットコンディション、順位を上げる事はできない。
34~35周を過ぎ、ルーティンピットタイミングでドライタイヤに換装・・と同時に1回目のドライバー交代を始めるチームがある。
ストレートではレインタイヤ勢が、タイヤを冷やす為ラインを変えるとまだ多少の水煙も上がり、コーナーのレコードラインはまだ狭い。
39周を終え、高橋選手待つピットに戻る加藤選手。
タイヤをドライに替え、ほぼ満タン給油でピット離れた高橋選手だが、アウトラップの1コーナーを慎重にターン、ところが緩やかに曲がる右2コーナーで、全くグリップを失った状態でスピン。
ここはコースアウト車両のフォローの為、黄旗が提示されており、黄旗区間内のスピンはペナルティ。
※後にドライビングスルー+10秒ストップの裁定がくだされた。
2コーナーのスピンで正反対になった事に加え、後続車両が続き、復帰に手間取り、更にBコーナー出口でもスピン・・ポジションは24と大きく後退。
その後はドライのレコードラインも広がり、タイムも45秒、43秒台と上がり42秒台コンスタントとなった。
しかしこのミスにより、トップから2周遅れとなり、当面の目標、トップと同一周回での完走は難しい事となった。
5~60周を過ぎ、コースも完全ドライコンディションとなり、レースも大きな波乱もなく推移、70周目高橋選手がピットに戻り加藤選手に交代。
タイヤ交換と残り周回数・・・約31周分の給油(ほぼ満タン)を終えピットアウトした時点で25位・・・トップからは既に4周遅れ。
トップ5は38~39秒台・・それらに届かずとも39~40秒で攻める加藤選手。
ところが83周目に入る1コーナー、ストレート終盤で左から追い越した500マシンと交錯。
アウトから切り込んだ500マシンを促す形でイン側にマシンを寄せた加藤選手だったが500マシンの右側面に接触。
加藤選手は大きく減速したもののそのままレースを続行できたが、500マシンは1コーナー出口でスピン、ストップしてしまった。
この一連の出来事はレーシングアクシデントと思われたが、加藤選手の危険行為と判断されペナルティ。
91周目にドライブスルーペナルティを消化・・・。
直前まで39~40秒コンスタントだったが、4周先で、激化するトップ、中団グループに更にラップされ5周遅れとなる。
その後は41~42秒台にペースを落とし、残りを周回99周でチェッカーを受ける。
ドライ、レインともソフトタイヤを用意したが、それでも充分なグリップを得られなかった、想定外の低温・・・まだまだテスト不足。
またドライ、セミウェット入り乱れたコースコンディションに翻弄された高橋選手。
マシンは、パワーの乏しいマザーシャーシ勢は不得意と言われたここ富士においても、アップデートを重ね、まだGT3には敵わないながら、充分なトップスピードとラップタイムをたたき出しているが、中団に埋もれた混戦で、楽に前に出られるほどのアドバンテージは無い。
まだまだ課題多きシーズン序盤である。

決勝日、正午頃・・・雨が降るとは思っていない。

決勝レース前、ウォームアップ開始。まだ雨の気配は無い。

グリッド到着直後はまだ青空も出てるが、雲も厚く多い

西方の山が見えなくなってきた。

ポツッときたので撥水準備。

スタート15分前・・・現時点でのコースコンディションならドライだが、ホイールを外し待機。

スタート3分前。ピットに戻る高橋選手。この頃には迷わずレインタイヤのコンディション。

SCスタートとなるが、このあと雨は更に強くなる。

SC退去でレースは始まるが、序盤から苦戦する。後の赤いマシン720号車(マクラーレン)には直ぐにパスされる。

ピット前はこんな感じだが、40周目ドライタイヤで高橋選手を送り出す。

90周過ぎ、コースは完全ドライ。

残り5周の終盤。500との接触により左フロントが破損。