Super GT 2006 Series 第3戦
SUPER GT FUJI GT500km RACE 3/4ページ

5月4日(木) 決勝
晴れ 路面:ドライ

今年から鈴鹿1000kmがシリーズに組み込まれた為 今回の500kmはシリーズ戦2番目の走行距離となった。実際のレースは500にラップされる為470km前後が予測される。通常の1回の燃料補給ではエコランで、完走ギリギリ。1回給油の作戦をとるチームもあろうが、我々は全力走行で2回給油作戦とする。

決勝日の満タンフリー走行は軽く流し6番手。ここまでは金曜日の悪天候以外トラブルもアクシデントも無くマシンも順調に仕上がっている。

photo早朝7時半。雲は多く富士は見えない。

photoが、雨の心配は無い。フリー走行では6番手。

photo僅かな時間でも車載ビデオでイメトレする高橋選手。

photoデモカードライブを終えた加藤選手。「マルッとノーマルで(パワー不足で)物足りなかった。」とか・・。

photoやっぱりポール。メディア取材が目白押し。

各メディアは来るわ、加藤選手のデモカードライブは有るわの、賑やかなピットウォークも終わり、決勝レースが始まる。

レース前のウォーミングアップが始まり、高橋選手がコースイン。1周してピットイン。“決勝レース用タイヤに換え”ガソリンを“なみなみ”一杯入れてグリッドへ・・・。順調である。

グリッドでは、ピットウォーク並みの大賑わい。やっぱポールは良いね・・・。

初のポールスタートを切る事(初ポールの時は渡辺選手がスタート)となって、プレッシャーイッパイの高橋選手に、激励の別れを告げクルーがグリッドから去りフォーメーションが始まる。

photoウォームアップ走行に出る高橋選手。「赤枠」マーキング無しタイヤ。

photo1周し、タイヤ交換。マーキング「赤枠」があるスタートタイヤ。

photoポールグリッド。「ADVAN」ののぼり付き。

photoグリッドでの両選手。スタートは高橋選手。

photoグリッドウォークも終わり、クルーのみに。前は500のみ。

photoスタンドは一杯。スタートを待つばかり。

オープニングラップ、そんなプレッシャーを跳ね除け、うまいスタートで、1コーナーをトップで抜ける。その時、後方では色々混乱があったが高橋選手の責任では無い。

後からは11号車、田中哲也選手と110号車、菅選手が突っついてくるが、知らない仲でもないからか?強引さが無く、1周目をトップで帰って来る事ができた。ところが2周目に入ったストレートエンド、110号車ボクスターがトップスピードを活かして一気に高橋選手のインを刺す!が減速が追いつかずコースアウト。目の前を横横切られる様な形で、行く手を阻まれた高橋選手もコースアウト・・・!が、なんとかコースに踏みとどまり、アウト一杯のラインで1コーナーを回る。このアクシデントで4位にドロップ!

photoオープニングの高橋選手。1コーナーは死守。

photoしかし背後に11号車赤いフェラーリが・・・。

photoさらにその後ろ、110号車水色のボクスター。菅君が・・・。

photo2周目1コーナーでのアクシデント!

そんな高橋選手が奮戦の真っ最中、ピットはえらい事になっていた。オフィシャルからタイヤの規定違反により、ドライビングスルーペナルティを告げられたのだ。

スタート前のウォーミングアップ走行で、マーキングの無いタイヤで走行したと言う事である。それは確かだが・・・

ここでタイヤついて・・SUPER GTでは予選日の朝、3セットのタイヤ(仮にNo1・2・3とすると)にマーキングを行い、その中から抽選で1セット(仮にNo1とする)を決勝スタートタイヤとして、決勝日朝のフリー走行終了まで保管される。という事は、ここまでの2回の予選+SLそして決勝日の朝のフリー走行までは残りの2セット(No2・3)のみしか使えない。

この決勝用タイヤの装着タイミングが昨年までは決勝レース直前のウォームアップ走行からであったが、今年からグリッド上で作業禁止となる5分前までに装着すればよい事になった。

決勝レース直前のウォームアップ走行は“決勝用タイヤでなくても良い”という事を“マークキング無しタイヤでも良い”と勘違いしてしまったのである。この今年からのルール変更は決勝レースのウォームアップ走行はNo1でなくてもNo2・3でも良いという事なのであり、あくまでマーキングタイヤの範囲で自由と言う事である。

ついでに・・・昨年までは決勝用タイヤを抽選する場合、例として、右前はNo1から、右後はNo2から、左前もNo2から、左後はNo3からと、各セットからバラバラに選び出していた。

しかし今年はこうした“バラバラ抽選”ではなく、組み付けられたNo1・2・3のセットのいずれかが保管される。という事は一か八か、1セットハード、2セットはソフトってのも面白いかも?ハードが“当選”すれば予選はソフトとなり一発を“狙う”事ができる。しかし当然決勝用にソフトタイヤが“当選”となれば、気温によっては早目に交換を余儀なくされ、レース運びの幅が狭まる。決勝レースが絶対に雨と予測されれば、全部ソフトにする等、こうした駆引きもアリ。(雨でレイン宣言が出されればタイヤは自由になる)

ドライビングスルーペナルティはフラッグタワーからもサインが出されている。とにかく高橋選手に伝えなくては!
「高橋さ〜ん、スルーペナルティーです〜。ピットへ入ってくださ〜い。」
に対し、
「あんなんボクスター(110号車)が突っ込んで来たんだて〜!俺は悪ないて〜!(名古屋弁)」
って、どうやら1コーナーのアクシンデントに対する裁定だと思っている。勿論タイヤの規定違反などドライバーが知る由も無いが、タイヤの事を無線で説明するのも厄介なので、
「それとは違います〜。とにかく入ってください。モタモタしてると失格になっちゃいます〜。」
とエンジニアのシンちゃんが叫ぶ。

6周目、渋々(って、顔は見えないけど)ピットに入ってくる高橋選手。ピット前では念の為、止まらずそのまま行く様、手で合図をする。

ピットロードエンドで猛然とスパートする高橋選手。ポールポジションから一気に最下位(25位)である。“追い上げ”甲斐があるレースになった。

11周目18位、13周目17位、27周目16位と着実に順位を上げ、タイムも46〜47秒台で安定している。

ここらから1回目のピットインが始まり(見かけの)順位は更に上がる。

32周目15位、34周目13位そして36周が終了して高橋選手もピットに帰ってきた。

加藤選手に交代。燃料補給とタイヤ交換を終え無事に送り出す。

リセットされた順位は17位。上位はまだピットに入っていないが、多くはツーストップだろうが、ワンストップ作戦をとっている少数派チームもある。

photoペナルティで最下位へ落ちた高橋選手。追い上げるのみ。

photoモニターで見守るクルー。

photo今回の500km、我々は2回のピットインを予定。

photo加藤選手は怒涛の追い上げ。

順調に走れば300クラスは102周前後(500は110周)がゴールとなるが、満タンでも残り60周以上を走りきる事はできない。タイヤライフ(ラップタイム)と相談しつつ2回目のピットインを決めなくてはならない。

45周目15位、62周目14位、そろそろ2回目のピットへ向かうマシンもある中、64周目10位。

加藤選手「(前の)55(号車)ストレート早くて抜けねーよ。」と、紫電と同じく、今年デビュー、第2戦の岡山では唯1台予選落ちしたフォードGTも順調に仕上がっているようだ。

それも何とかかわし、68周目9位、70周目8位、71周目6位・・。
そして73周目、上位の常連19号車がホイール脱落によりピットインを余儀なくされ、4位へ!
上位マシンの2度目のピットインが続く中、我々もそろそろ給油が必要だが・・・2位に上がった75周目、
シンちゃんより
「タイヤはどうでしょうか〜?45秒で走り続けられるかどうかが目安です〜。」
それに応える加藤選手
「ここまで来たら行くしかないな〜。」
ここまでも45〜46秒台を刻み続け、残り26〜7周まだ行けそう?との事。
だったら作戦は決まった!
77周目前を行く110号車がピットイン、2回目の給油とタイヤ交換で出て行くが10位に下がる。
暫定トップに上がり85周目ピットイン。
一応用意したタイヤは交換せず、給油のみのピット作業でにより6位で復帰させることに成功!
その後は、なんと44秒台!で猛追。87周目には5位へ。
4位を行く、13号車について
加藤選手「Z(13号車)何秒前(にいるのか)!何秒前!」
シンちゃん「11秒前です。」
加藤選手「それは遠いな〜。」
シンちゃん「行けるところまで頑張ってください。」
何てやり取りの中、91周目には44″479のベストタイムをマーク。とても50周以上走ったタイヤとは思えないパフォーマンスである。そんな怒涛の走りの気迫が通じたのか?13号車、92周目、何かトラブルが出てピットイン。棚からボタモチが落ちてきて4位へ。

表彰台まで残るは1台。前を行くのは例のハンコックタイヤを履いたポルシェ14号車である。500も抜きあぐむトップスピードを活かしての大躍進である。タイム差は20秒近くあるが、今だ44秒台で走る加藤選手に対し14号車は47秒台。韓国製タイヤに疲れが出ているのか・・。残りは多分10周。届かないタイム差では無い。

ところが、ヒタヒタと迫る2号車に気がついた14号車、45〜46秒にペースアップと、まだ余力はあったようだ。毎周の追い上げも1秒少々と鈍るが、まだ何が起こるかわからない。追撃の手を緩めることなく、44秒台と“ムチ”を入れる加藤選手。しかしその甲斐も虚しく、14号車に遅れること3秒。102周で4位のチェッカーを受ける。

photo終盤は上位陣の脱落もあり、大混戦!

photo残り10周で4位へと大躍進。

photoその後、差は縮まるが・・・結局4位フィニッシュ。

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