Super GT 2005 Series 第5戦
MOTEGI GT 300km RACE 1/4ページ
- 開催日
- 2005年9月3・4日
- サーキット
- 栃木県 ツインリングもてぎ
- マシン名
- プリヴェチューリッヒ・アップルRD320R
- ドライバー
- 高橋 一穂・渡辺 明
9月1日(木)スポーツ走行:走行せず
2001年、このモテギでGTデビューしてから丸4年。5回目のモテギである。毎年レポートに書く事だが、本当に色々な事が起こる。
デビュー戦は何とか基準タイムをクリアできたが、最後尾スタート。GTの厳しさを痛感。
翌02年はドライバー交代直後、火災、直ぐにピットインしようとしたが、ピットロードで煙に視界を遮られポストに激突!リタイヤ。
03年はまたドライバー交代直後、エンジンが掛からず大きくタイムロス。原因はスタート直後に追突され、リヤアンダーフロアーが脱落し、エアの流れが変わりオーバーヒートによるパーコレーション(燃料系統が熱を持ち、内部で気化し、流れが悪くなる)と思われる。
そして昨年はドライに向かっていたセミウェット路面が、クムホタイヤとベストマッチ。前半渡辺選手の快走でトップに浮上。ところがまたまたドライバー交代(スリックにも交換)直後の最終コーナーで、にコースアウト。上位入賞の夢も消えた。
01年:デビュー戦は最後尾スタート。後ろはマーシャルカーのみ!
04年:最終コーナーコースアウト。全てピットイン直後の出来事。
本当にこのモテギだけは祟られているかの様に何かが起こる。私なりに理由を考えてみた(根拠は無い。非科学的)。GTでは、各地の開催サーキットで合同テストが行われ、初サーキットも多かった我々のチームは可能な限り参加してきた。遠方である九州、オートポリスも、北海道、十勝でも木曜のスポーツ走行を走っている。ところがここモテギだけはレースウィークの金曜のフリー走行以後しか走った事が無いコースで、合同テストも、木曜の(今回の場合でも今日!)スポーツ走行も走った事が無い。
モテギを甘く見ている訳でも無いのだろうが、バカにされたサーキットの神様の祟りではないかと思う。その神様は最終コーナーからピット付近、しかもドライバー交代をした辺りで出てお見えになるようだ。今回も同じく、いきなり明日のフリー走行からである。果たしてどんな祟りがある事やら・・・。
9月2日(金)フリー走行 晴れ
路面:ドライ
ポッカ1000kmを走ってから10日あまりのマシン。各部のチェックを兼ね、渡辺選手がまず1周。ピットで各部のチェックを行い、本格的な走行にはいる。気温は28℃程。まだまだ暑くなりそうだ。
5周計測で1′57″624まで詰めピットイン。「リヤのトラクションが無いな〜。」等のコメントが出る。その後計測3周し高橋選手に交代。アウトラップを走り2分少々で最終コーナーから現れたかと思ったらいきなりスピンコースアウト!!昨年のピットアウト後と全く一緒である。「我ながら嫌になった」と反省ザル無線が入る。危険なのでとりあえずマシンから降り、コースサイドでオフィシャルを待つ事に・・・約4〜5分でクローラ(キャタピラ式4輪駆動車)に引っぱり出される間、この場所でたたずむ高橋選手の脳裏に去来する物はなんだったのか・・・?って言うか、手の一つも合わせて、今レースの安全と必勝、「1周チャンと走らせて」とでも祈願でしといてください。
その後は一度ピットに戻り、各部点検。異常の無い事を確認し、やっと本格的な走行に・・・。コースサイドから"舘"師匠から「S字、もっとアウトから!」とか「進入をもっと速く!!ラインは変えずに!」等ガンガン指導無線が入る。その甲斐あってか?2分2〜4秒あたりから2分フラット付近まで縮まる。
そしてチェッカーを受けた最終周で59秒台に到達する事ができた。決勝レース中にベストタイムをマークする(普通は予選など条件が良い時の方が出し易い)事もあるほどスロースターターの高橋選手。アウトラップでも速く、確実にタイムを縮めるのが課題である。
タイヤ足回りを点検。またコースアウトをするとラジエター周りに草を拾ってくる場合も多い。
午後は34℃にまで気温は上がり路面温度も50℃に届きそうだ。
ここで渡辺選手によりNEWタイヤでのフィーリングを確かめる。順調にタイムを削り、5周ほどで57″058まで詰めてピットイン。フロントスタビライザーや車高を調整。再びコースへ。更にタイムを縮め、56″951をマーク。午前のトップの1秒送れだが、悪くない・・・。続いて高橋選手に交代。ここモテギとの相性の悪い高橋選手もタイムも順調に縮め、57″544まで詰める。勿論自己ベストである。
10周程走ったところでエンジニアの信ちゃんから「"例"の板、付けましょ」とメカに指示が飛ぶ。ピットインしたマシンのフロントバンパー下部にダウンフォースを増す為のロアスカートが装着される。そのまま高橋選手がピットアウト。4周全て、57〜58秒台で走りピットイン。悪くなさそうだ。ここまでに27周を走り、まもなく300クラス占有時間。
ここで再びNEWタイヤに履き替え、3周ほどタイヤを暖め、占有と同時にアタック開始。出た!55″382!!この時点で午前午後総合でトップだ。渡辺選手も「サス合ってる。(アクセル)踏めるよ〜。」とお気に入りである。もう1周55秒台を出しピットイン高橋選手に交替。残り3分で、57″469自己ベスト更新。ここで走行終了。この間際に、7号車が55″044。46号車が55″236をマークし、1位2位に飛び込んで来る。明日の予選は54秒台となるだろう。
ここモテギは私、雑用係のいるサインマンエリアから、最終右コーナーの立ち上りが、良く見える。手前左コーナーと併せ少し昇りの、通称ビクトリーコーナーと呼ばれているが、高橋選手はそこが本当に"遅く"、本人も自覚している。攻めあぐねている。午後のセッションでは"舘"師匠からレクチャー無線が飛ぶ。ここを速く立ち上がってくるマシンは、独特の挙動を見せる。(私にはそう見える)それが高橋選手にも見られる様になった。その結果、自己ベストの更新に加え、タイムが実に安定してきた。走り込みも重要だが、無線指示で、その通りに変え、結果に結び付けられるのは大したもんであるが、次回(来年)まで覚えているのやら・・・。