Super GT 2005 Series 第8戦
SUPER GT SUZUKA 300km RACE 1/4ページ

開催日
2005年11月5・6日
サーキット
三重県 鈴鹿サーキット
マシン名
プリヴェチューリッヒ・アップルRD320R
ドライバー
高橋 一穂・渡辺 明

GTフル参戦4シーズン目もいよいよ最終戦となった。今年はこれまでのシーズンに比べ、マシンチェンジという最も変革のあったシーズンであった。

これまでのNSXも毎年何かしらの大改良は行われ、戦闘力はUPしていたと思われる。しかし昨年はGT初挑戦のKUMHOタイヤと組み、タイヤ開発の難しさを痛感。マシンとマッチングしたタイヤになかなか到達せず、ノーポイントのシーズンとなった。

今シーズンのマシンVEMACは、02年にデビュー、惜しくもチャンピオンは逃したが、驚異の速さは300クラスを震撼させたマシンであり、タイヤもYOKOHAMA。このコンポーネンツはかなり期待でき、シーズン序盤、まだマシンに不慣れな中、今シーズンから始まったクラス上位10台(1〜4戦までは12台)で争われるスーパーラップ(以下SL)には初戦から進出。しかし思いの他決勝結果は芳しくなく、第3戦までノーポイント、4戦SUGOでやっと9位2ポイント獲得に留まる。

だがGTシリーズ戦では無いが、8月の鈴鹿ポッカ1000kmを機にマシンセッティングを大幅変更。ポッカ1000kmクラス初優勝に導き、それ以降のGT戦でもタイムは向上。直後の第5戦モテギでは予選4位、決勝6位と今季最高位となった。

Gこの転換期となった、鈴鹿サーキットでの今回のGT戦は実は結構楽しみにしていたのである。

3月のVEMAC初対面の合同テスト。8月のポッカ1000km。そしてこの最終戦まで、マシンは改良を重ねられ、それらの集大成となるレースである。

photoいよいよ最終戦。昨年に比べれば、結構充実したシーズンだったと思う。

photoいわゆる小春日和。この時期としては暖かいレースウィークの始まり。

11月4日(金)フリー走行 晴れ
路面:ドライ

オートポリスでは雨にうんざりのレースウィークだったが、決勝は快晴にめぐまれた。ここ鈴鹿では逆に今日、明日は晴れるだろうが、決勝日の天候はチョッと怪しいかも・・・。

前戦オートポリスから3週目。メカニックの不眠不休?の作業で、この間にいくつかの改良を加えた。

大きな点ではリヤウイングを後方に下げた点で、これは以前からやって見たかった事で、レギュレーションの範囲でボディに改造を加え、後方に下げた。

軽量化といってもいつも最低重量ギリギリなので、この軽量化分はウェイトを積まなくてはならないが、フロントウインドウの様な高い位置にあるパーツが軽くなるのはコーナーリング時に大きな効果がある。

  

photoエンジンルーム内の冷却ダクトを新設。

photoこのフェンダー下端のフィンは重要。この張り出し分でウイングを後方に下げられる。

photoこんな感じで後に下げるのが効果的だが、ノーマルボディ後端から出てはいけない。

午前の走行ではまず渡辺選手が走り出す。気温18℃路温21℃。タイムを出すには申し分無いコンディションだ。

計測3周目に2′07″924をマーク。これは3月のテスト時のタイム2′08″942を上回っている。しかし当面の目標は2′05″752。これは今年8月の鈴鹿ポッカ1000kmで加藤寛規選手が予選でマークした、この2号車VEMACのベストタイムである。

マシンのバランスは良く、これで3番手タイムである。

続いて高橋選手に交代。5周ほど計測してピットイン。今回のもうひとつのお試し、大型カナードに交換。ここまでの高橋選手のベストは、インラップ直前の10″523。しかし手応えは充分。再びコースへ・・・。

直ぐに9秒台、8秒台をマーク。まだまだいけそうな中、前走車が・・・。クリアラップを作る為ペースを落とし13秒台。こうしたペースダウンもこれまでの高橋選手には見られなかった。 タイムを狙っているのか・・・。

そして翌周7″840!渡辺選手のタイムをオーバーテイク。しかも20周したタイヤである。この時に「P」サインを出したのだが、ノレてる高橋選手「もう1周!」そして更にタイムUP7″776!

まずは納得?の高橋選手から、再び渡辺選手へ。っと、1周計測したら赤旗。再開後赤旗中断中に調整したウイングを確認。概ね良好。1周で再ピットNEWタイヤへ。

アウトラップから2周目、計測ラップ1周目で6″718。いつものNEWタイヤでの渡辺選手のアタックにしては、早いペースUPである。続いても6″631。そして5″074!とクラストップタイムをマーク。そしてチェッカー。

photoここ鈴鹿は、カナードでの微調整は重要。

photo両ドライバーは無線で情報を交換する。

photo午前クラストップタイムをマーク。

photo高橋選手も好調。走るたびに自己ベスト更新。

当面の目標はクリア、昼ご飯が旨い。

午前のタイムで、明日の予選に充分な手応えを感じ、午後のフリー走行は決勝を見据えた走行とした。

ところが開始早々、シケインで5号車がクラッシュ!赤旗中断。同じVEMACのクラッシュはやはり気になる。幸いドライバーに怪我は無い。が、リヤカウルがバラバラになっている。このセッションの走行は無理であろう。

クラッシュを目の当たりにし、あやうく破片と衝突しそうになった高橋選手は、その"足"でピットイン。

10分後に再開され、そのまま高橋選手がコースイン。直ぐに8秒台をマークし更にペースUPし1コーナーからS字、そして西コースへと消える。その約1分後。最終コーナーで今度は10号車がクラッシュ!スポンジバリアがコース上に散乱している。これは危ない!!「最終コーナー気を付けてー!!」シンちゃんが無線で叫ぶ。・・・っが、最終コーナーに高橋選手が現れた。

スポンジバリアを避けようとしてスピン!コースアウト!!間一髪どこにも接触する事無く、STOP!勿論赤旗となり、そこからピットへは入れないので、1周してピットイン。

「ビックリした。あ〜っと思ったら目の前にスポンジバリアが有るもんナ〜。」と高橋選手。無線で注意をした時は、スプーン立ち上り付近で、長細いここ鈴鹿では最も遠い位置で、無線もチョッと不明瞭だった様だ。

photo同じVEMAC5号車のクラッシュはリヤカウルが吹っ飛んでしまった。

photoそのクラッシュは高橋選手の目の前で起こった。吹っ飛んだカウルが左側ギリギリに落ちてきてビックリだったとか。

photo続いてのハプニングはその高橋選手に起こった。

photo最終コーナーでマシンがクラッシュ。スポンジバリアがコース散らばる。

photo気づかず最終コーナーを降りてきた高橋選手。うまく避ける事はでき、事なきをえる。

photo午前から更に0.4秒更新の高橋選手。乗れている・・・。

15分程で再開。気を取り直し、高橋選手がコースイン。途中午前使用のユーズドに替え、冷えたタイヤでアウトラップの練習。そして7″313と、自己ベスト、(この時点で堂々5番手タイム)の更新と、波乱の18周を終え、渡辺選手に交代。そのままの仕様でコースへ。3周ほどしたところで混走から300占有へと移行。

6秒台、5秒台、そして5″512の午後ベスト、クラス2番手をマークしたところで、「エンジンが息つきするね〜。」っとピットイン。時間も丁度500占有へ。

午前午後通じて、300クラストップタイムである。久々にスーパーGTのHPに、渡辺選手のコメントと共に、写真入で掲載された。2002年のMINE予選ポール以来である。

エンジン息つきの原因はカムシャフトのパルスセンサーの故障とハッキリした。これで明日の予選向けて一点の曇りも無い。狙うはポールポジション。

photoアウトラップの練習もさる事ながら、ピット作業も重要。常に気合が入る。

photo本日の、クラストップタイムをマークした渡辺選手。

photo車載ビデオでも学習。更なるタイムアップに余念が無い。

photoセンサー交換の為、エンジン脱着。

photo今日のフリー走行日で良かった。トラブルも、いつもいい時に発生する。

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